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参考人(堀秀夫君) 私は一昨年の六月に
理事長に就任いたしまして約一年半経過いたしましたが、見当もいろいろついてまいりましたので、従来の業務についてもいろいろ刷新、検討すべきものが多いように私
個人としても考えておるわけでございます。その旨は事業団内部にも徹底させたいと思いまして、現在そのようなことを努力しているわけでございます。
いろいろな面がございますが、たとえば職業訓練の業務につきましても、総合職業訓練校の
内容は、各府県の設置経営いたしまする職業訓練校と相まちまして、職業訓練の改善につとめていかなければならない。これにつきましては、何と申しましても法律に基づいて設立されましたこの事業団の経営する総合高等職業訓練校、これはやはり
労働者のために多能的な熟練工を養成するということでいかなければならないし、それに応じまし技術革新その他に対応するところの職種の再検討もはかり、それからなかなか民間ではできないような新しい職種につきましても、この事業団が先べんをつけて訓練を行なっていく必要があるのではないか、大体こんなぐあいに考えているわけでございます。
それから次に、いろいろ最近移転
就職者用宿舎をはじめ、
労働者の福祉施設の設置に関する事務がふえてきておるのでありますが、この移転
就職者用施設につきましては、まず第一にその設置する個所の選定につきまして、これは
労働省が広域職業紹介の見地から案をつくられまして、事業団と合議して両者共同のもとに決定し、それに基づいて用地を選定しておるわけでございますが、これにつきましても、労働力の需要
状況それから産業立地の発展等と相まちまして、そのような地方の事情に即応いたしまして、ほんとうに適した場所に設定していきたい、これが大事なことであろう、このように思っておるわけでございます。
それからさらにこの用地の問題でございます。これはただいま御
指摘のように最近問題になっておる面があるわけでございます。用地の選定につきましては、私は、これは過去におきまして宿舎の用地の選定をいたしますにあたりましては、当時は炭鉱離職者が非常に各地に輩出しておりまして、これを特に大都会の周辺
において収容するために、一日も早く、適地があれば飛びついてそれを獲得しようという気持ちでやっておったことは、事業団の当時の人
たちに聞いてみてもわかることでございますが、その用地の取得につきまして、当時におきましてもなるべく原則は府県市町村等の公共団体の推薦に基づいてその土地を取得するということにしておったのでございまするが、大都会周辺
においてはそのようなことがなかなかできない面もありまして、いろいろな話が持ち込まれてきた、それにつきましては、当時は、これは地主からこれを買収するということにいたしまして、その地主になった者から買収をした、こういうようなことでございます。その後、いまのようなことについてもう少し合理化する必要があるということで、府県、公共団体等の推薦を、この原則をなるべく守っていくことにいたしまして、それから土地の
あっせんを受けて、これを取得する場合におきましては、正規に手数料というものを設定して合理的な売買契約を行なうというようなことで実行しておるわけでございます。
私は、いまのような問題に加えまして、これは事業団の業務全体についても言えるわけでございまするが、ただいま申し上げましたように事業団のいろいろな調達業務がふえてまいりました
関係上、その扱いについては特に綱紀の粛正という面に神経質なほど留意しなければならない、国民の負託にこたえまして、公の業務として行なう場合には、一般の場合よりもさらに、李下に冠を正さないという姿勢が必要じゃないかと、このように考えておるわけでございますが、実は私、昨年の十月末におきましてこのような見地から土地問題それからそのほかのいろいろな資材の調達あるいは融資というような面について
事故を防止することについて、具体的に
一つ一つほんとうにやる気でやろうじゃないかということで、事業団の役員
会議におきまして
事故防止
対策というものを、具体的なものをつくりまして、これをいま実行しつつあるわけでございます。用地の問題につきましてはいま申し上げましたことを徹底させていくと同時に、たとえばやむを得ない場合に、
あっせんによって民間地を取得するというような場合におきましては、必ずその府県市町村等の人も立ち会って話をしてもらうというようなことを考えまして、中身をガラス張りにしていくことが必要であろう、このように考えておるわけでございます。
以上のような考え方で現に業務をいろいろやっております。今後におきましても、いろいろなその後御意見、御批判等もございますので、これらにつきましてもそれを取り入れまして、気持ちはいま申し上げましたような気持ちで、ひとつ神経質くらい神経質に引き締めてまいりたい、このように考えております。