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国務大臣(
愛知揆一君) これも前々から申し上げておりますように、私は二つのやっぱり立場があると思います。
一つは、何といっても日中
関係をどうやってより正常化するかといういわばバイラテラルな問題、しかし、そのバイラテラルの場合であっても、台湾という
関係を意識せざるを得ないということではないかと思います。そうしてもう
一つは、よく申し上げておりますように、私は決してのんびりしているわけでも何でもございません。おそくも十一月には
国連の総会でこれは
国連代表権の問題で大問題になる。あるいはさっき羽生委員からも御
指摘がありましたように、その前にも問題になり得る。これは時間が刻々迫っているわけでございますから、
代表権問題に対してどういう対処策をとればいいか。大きくいえば二つの面からだろうと思います。したがって、バイラテラルの
関係といたしましては、まず、より正常化するのにはどうやっていったらいいか、この点については私は
政府の態度はきわめて明白だと思います。要するに、北京において、
日本との間に相互の立場を尊重する、相互に内政干渉しない、いわば二大原則のもとに
政府間のダイアローグが持てるならばたいへん幸いであるということは内外に明らかにしております。そして、非常にむずかしい問題が横たわっておるでしょうけれども、
政府間のダイアローグを持つ場合に、あらかじめこちらが向こうさんの言い分や主張をのみ込み過ぎて、いわゆるプレコンディションで会談を開くというようなことは、私はかえって将来に不幸を残すゆえんである、かように
考えております。つまり、双方が内政不干渉、そして同時に相互の立場を尊重するという二大原則のもとに
政府間の
話し合いというものができれば、そこでほんとうにざっくばらんな双方の
話し合いがまずスタートできる。こういう
方向でいきたい。また、佐藤総理が総理であり総裁である立場からいわゆる野田訪中団ということを
考えられ、進められておるのもそれに
関連をしていることである。こういうふうになっておることはこれはもう
現実に明らかにしておるところでございます。