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国務大臣(
愛知揆一君) 喜屋武委員の、「まだまだ一ぱいある」というそのお気持ちやお気持ちの底にあるものは、私も非常によくわかるような気がいたします。そこで、いま数点おあげになりましたのでお答えをいたしたいと思いますが、まず国頭村の問題は、実砲射撃といいますか、実弾射撃これをやられることは、いまもおあげになりましたように、水資源の問題もあり、自然の環境の問題もあり、また鳥類の
保護ということもありますから、われわれも実弾射撃というもの、そういうものに対して、ほかの要素もいろいろありますけれども、そういう点からいってもこれは困ることであるという態度で、
米側に引き続き十分彼らの認識を高めさせたいという姿勢で臨んでおり、今後も臨みたいと思っております。
それから全軍労の雇用形態でございますが、これはもちろん
復帰の時点においては完全に
本土と同じように間接雇用にいたします。これは前々から、
復帰前においても何か間接雇用に準ずる
措置はないかということで、これは
山中長官からもしばしばお答えしておると思いますけれども、ずいぶんこれは、
日本政府のみならず、
米側も
協力をして
検討を進めてまいりましたのですが、なかなかむずかしい。まあ、雇用契約が、契約でございますから、非常に多数の方々との間にその契約の更改ということもございましょうし、それから、他の雇用
関係に関連する法制がまだ
本土並みになっていないというような
関係もありまして、
復帰前においてはなるべく間接雇用に準ずるような考え方でやりたいということで、たしか琉政のほうにも
本土の専門家も派遣をいたしまして、あるいは委員会をつくったり、そのほか前進をさせておりますけれども、なかなか
復帰前はむずかしいと思います、全部が間接雇用になるというような形態になりますことは。しかし、
復帰になりますれば、必ずそういたします。
それから、
解雇は
基地の縮小につながらないではないかという御
趣旨でございますが、これは
政府といたしましても一面において、
基地は
安保条約の目的に沿うようなものだけを提供したい、
沖繩の
県民の福利のためになるようなものは提供したくないという
基本線で
交渉をずっと続けておる
関係もございますので、結局においてはこれは
基地の縮小との関連が私はあるというふうに考えてもいたしかたないのではなかろうかとも思います。これだけに再就職の問題あるいはまた
解雇に至らざる前の配置転換につきましては、いまもできるだけ
米側において善処と配慮をするように
話し合いをいたしております。
それから、全軍労のストの問題は、これがストとやめることとの代償というようにおとりになると困りますけれども、
本土政府としても誠意を披瀝してということで、先般も退職金の
本土との差額については、
財政上の
措置も緊急にいたしたような次第でございますので、
本土政府の微意のあるところを御了察いただきたい。特に
沖繩の中で
県民同士がかりにも相打つというような
事態だけは何とか回避していただきたいということを、強く
政府としては御期待申し上げておるような次第でございます。
それから、通貨の問題については、これは大蔵当局からお答えいただくほうがより正確かとも思いますけれども、交換いたしましたドルの
処理、これは当然わがほうの保有保管の中に入ることは当然であると考えております。なお、具体的な細部にわたりましては、専門的な問題でもございますから、その当局から御
説明をお聞き取りいただきたいと思います。
それから、外人犯罪の問題については、ほんとうにこれはお互いに頭の痛い問題でございますけれども、先ほども触れましたけれども、
裁判権の移管ということは、
復帰協定をつくる中の一つの実質的な問題として実にこれまたややこしい問題でございまして、したがって、
復帰前に
裁判の態様を全面的に変えるということは、やはり他の法制等が
本土並みになっていない
関係もあって、なかなかむずかしいことであると考えますが、御満足はいただいておりませんことはよく
承知しておりますけれども、たとえば先方の
裁判の中に、
沖繩県民の方々の中からオブザーバーを入れるというようなことになりましたのも一歩の前進ではなかろうか。
政府といたしましては、
沖繩高等弁務官に対しましても、まず犯罪を起こさないような
処理方について十分関心をこの上ともに払ってもらうこと。それから、せっかくできました琉警とMPとの間の共助
協定というようなものがほんとうに適確に実施されるというようなことについても、この上ともその当局の方々の理解ある御
協力を願いたい、かように存じておる次第でございます。
なお、答弁漏れがあったかもしれませんし、また、幾らでも問題があることは御指摘のとおりでございますが、機会をあらためてまた御
説明することにいたしたいと思います。