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国務大臣(
橋本登美三郎君)
総合交通体系については、秋までには大体のところをきめなくちゃならないと思いますが、いま
内航海運が苦境におちいっております
最大の
原因は、この十年間におけるやっぱり
陸上交通網の
発達、特に
道路交通網の
発達、トラックの
発達によって、かなり
荷物が
陸上によって
輸送がまかなわれてきたわけであります。これが大きな
最大の
原因である。しかし、
昭和六十年といいますか、の
時点で
考えますというと、
国内における物の
輸送総量というものは大体四倍ぐらいになるであろう、こう見込まれておるようでありますからして、そういう
昭和六十年の
時点で
考えますというと、
道路の
整備が進みましても、それだけのものを
道路でもってまかなうということは、非常にこれはむずかしくなってまいると思います。そういう
意味においては、
総合交通体系ということがいわれてまいり、かつまた、
政府としてもこれが成案を得ようとしているわけでありますが、そのうち大体四倍程度に出入
貨物の総量がふえるとすれば、この何十%が
海上輸送に待たなければならぬか、
陸上輸送は何十%が適当であるか、これは
道路等のキャパシティ等から一応の計算が出てまいるわけであります。いまわれわれこまかい
数字持っておりませんが、大体の、従来の経過から見て、
相当数量を
内航海運に待たなければならぬのではないだろうか。もちろん
内航海運といいましても、従来の形とは変わってくると思います。たとえば
カーフェリーあるいはコンテナ
輸送船、こういうものが新たに加わってまいりましたから、従来の
貨物船だけの形式ではない、こういうことが言えると思います。しかし、いずれにせよ、こういうふうな
意味でのいわゆる
内航海運の
整備は積極的に
考えていかなければならぬ。
そこで、従来、現在の
状況からいいますというと、
内航海運は中小
企業が多いために、実際上の
陸上交通のスピードアップといいますか、改良に比して、どうしてもおくれがちである。これはまあ
お話のように資金力が弱いということ、それに対する
政府の助成策も十分でない、こういうことも言えると思います。したがって、
総合交通体系の上から
考えても、
内航海運の引き受けるべきパーセンテージ、これをはじき出すことができますれば、それに見合うような近代的な
企業への体質の
改善、当然にその運用手段である
船舶の代替こういうことを積極的に
考えていからければならぬ。それに必要な金がどれくらいになるか、かつまた、それが
物価等の問題から
考えて、単に
船主に負担させるだけではなく、それを総合的な
意味で国も
考えながら負担をしていくといいますか、できるだけ安い資金で船をつくることを
考えていくとか、こういう問題をあわせて
考えると同時に、中小
企業の、一面においては合同、協力化というものを進めてまいらなければいかぬ、こういうようなおおよその観点に立って
総合交通体系を進めてまいりたい、こう
考えております。