○本江
説明員 お答えいたします。
小笠原諸島に現在かかっております暫定
措置法の三十五条と申しますものは、制定の経過からいたしましても、
小笠原諸島がほとんど無人の状態で返ってきたという状態について今後計画的に
復興計画を進める、そのためにしばらくの間形質変更の制限を加えて、その計画に基づいて
事業が軌道に乗っていくようにということを前提にして設けられたものでございます。
それで、
小笠原諸島の
復興を今後進めていくわけでございますけれ
ども、もちろん先生がおっしゃいますように、無秩序な開発によって
小笠原諸島の自然環境その他が破壊されるということがあってはならないと
考えております。そこで一昨年の暮れに成立いたしました
小笠原諸島の
復興法によりまして、昨年の七月、
復興計画というものを策定いたしております。その策定いたしました
復興計画の中に土地利用計画というものがございます。この土地利用計画をもとにいたしまして総合的にあるいは計画的に
復興を進めてまいりたい、かように
考えておるわけでございます。
その一部になっております土地利用計画におきましては、集落地域というものと農業地域、自然保護区域、その他の地域の四つに分けております。その四つの地域の利用区分に従ってこれから
仕事を進めてまいるわけでございますけれ
ども、これらの利用区分というものを実際に効力あらしめるというための
措置といたしましては、自然保護地域につきましては、自然公園法に基づきます公園の指定というものを行ないたいと思っております。これは遠からず、
厚生省のほうと
連絡をとっておりまして、指定ができる手はずに相なっております。それ以外の地域につきましては、東京都や
小笠原諸島の公共施設の
建設、あるいは
公共事業の
実施、そういうものを適正に行ないまして、民有地——御懸念があるような民有地についての土地の利用が適正に行なわれるような誘導的な役割りを果たしてまいりたいと
考えております。なお
小笠原諸島の土地の約七割は、国有林その他の国有地でございます。この国有地の有効な活用をはかるということが、
復興事業を進めてまいります上で非常に不可欠な条件であろうと思いますので、この国有地の有効適切な活用ということの面からも、土地利用計画を実効あらしめるように配意いたしたいと思います。
なお、先生、先ほどおっしゃいました民間の不動産業者が、買収をして、そして売り込みを
相当やっているという
お話でございます。ある特定の業者がそのようなことをいたしたことは、どうも事実のようでございます。御指摘の業者につきましては、さっそく東京都を通じて、
小笠原諸島の
復興に協力をしてくれということを要請いたしまして、原則的な了解をしていただいております。今後、その他——一般に不動産業者はたくさんおるわけでございますけれ
ども、その他の不動産業者あるいは一般の
住民、あるいは現地に土地をお持ちの方、そういう方々に対しましても、
小笠原諸島の
復興計画によります土地利用計画というものの趣旨の徹底をはかりまして、
復興事業なり
復興が適正に、あるいはきれいな自然を保護をするということの目的に合致して進められるように進めてまいりたいと
考えておる次第でございます。