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内海(清)
分科員 私は、瞬間がたいしてございませんが、本州・四国の連絡架橋の問題について若干お尋ねいたしたいと思うのであります。
この問題は、御
承知のように、昨年の七月一日に架橋公団が発走いたしました。現在、公団におきましては、
建設省の調査の
長期計画の指示に従いまして、
実施調査、それから
実施設計、技術開発、こういう段階でもって進めておるわけでございます。公団といたしましては、四十八年度に政府から工事の基本
計画の指示がありますならば着工できる体制をつくり上げようということで進めておるのだと思うのであります。
ところが、先般参議院の建設
委員会において、この問題について
大臣に対して御
質疑がありました。それに関連して、去る十九日の建設
委員会でも問題が出たわけでございます。これは私どもから
考えますると、実はたいへんに遺憾に思うのでありまして、現段階でそういう問題がまた出てくるということは残念に思うわけでありますが、特に公団としては、いまの段階で、さっき申しましたような四十八年度には政府の指示があるならば三ルートとも同時着工できる体制をつくり上げようということで進めておりまして、昨年来
関係の府県の副
知事あるいは
関係の市の助役などを集めまして二回くらいやっておるようでありますけれども、いろいろな協調の問題につきまして協議をしておる。たとえば漁業補償の問題にいたしましても、あるいは工業の問題にいたしましても、あるいは地元負担の問題にいたしましても、できるだけいろいろ地元の陳情合戦なども起きないようにお互いに理解し合って進めていこうじゃないかという体制をつくることに
努力しておるように思うのです。ことに漁業補償などの問題を見ますると、これは単に一ルートで見るべきものではなくて、いわば瀬戸内全体で見るものです。外洋から入ってくる魚もおりましょう。あるいはまた栽培漁業の問題も瀬戸
内海にはある。それは単に一地域的な問題ではないはずである。全体でこれからやはり検討していかなければならない問題である、こういうふうに
考えるのであります。あるいはまた地元負担の問題も同様でございましょう。そういう意味合いで、公団としてもずいぶん気を配ってこの問題に対処しておるように思うのであります。もちろん、これに
関係ない地方から
考えれば、あるいは現段階において中・四国に三木という架橋は、いわば政治的に片寄り、少しどうかというふうな
考え方も出てくるかも一わからぬのであります。しかし、私はこの問題につきまして思い出しますのは、いまから十年も前になりますか、首都圏と中部圏あるいは近畿圏を結ぶ問題で、中央高速
道路がきまりました。その後続いて東海道のいわゆる高速道の問題が起きて、ずいぶん議論が起きた。その後中央高速
道路は一部路線変更になりましたけれども、いずれにしても中央に先立って東海道の高速自動車
道路ができたということが、今日のわが国の産業経済の上にいかに大きく寄与しておるか。こういうことを
考えますときに、確かに十年たちますならば、これらに対する価値判断というものは非常に変わってくるのであります。そういう意味からいえば、政治は十年なり十五年なりかなり将来を見越しての仕事をしていかなければ、これは政治ではないのではなかろうか、こういうふうに私は
考えるわけでありまして、そういう意味から申しますと、さっきのような問題が出てくると、これはあまりにいわば感情的な議論であるというふうに
考えるのであります。このルートも、着工しましても、少なくとも完成には十年以上かかるということであります。したがって、わが国の人口の四%を持ち、面積でいえば五%を持っておる四国というものが、十年先にいかに開発されて経済発展するか、こういう面を十分見越さなければならない。全総
計画は、六十年にはその三本の架橋が必要だ、こういうことを決定いたしておりますのも、それらを見越し、推定いたしましての決定だ、私はかように
考えておるのであります。むしろ私どもから
考えますならば、この橋は六十年供用開始ということでなしに、できるだけ早く進めるべきである、かように
考えるのであります。
そこでお尋ねいたしたい問題は、まず四十六年度の問題であります。これは
予算の段階でいろいろございまして、公団の要求どおりにいっておりませんでしたが、幾分復活しましたけれども、なお公団の予定どおりではございません。しかし、この
予算を見ますならば、河とかやっていけるのだろうと思いますが、四十六年度の調査というものは、これによってやらなければなりませんが、これにはおそらく陸上部と海上部調査、あるいはその他橋梁などの問題も出てくると思う。四十六年度でどの
程度まで調査が進むのか、その点お伺いいたしたい。