○瀬野
委員 大臣から前向きの発言がございまして、今後慎重に検討していくということでございます。おそらくいろいろと検討がもうすでに進んでいるのじゃないかと思いますけれ
ども、ぜひこれはひとつ御研究いただいて、早く
基準の改善をはかっていただきたい。そして農家が安心して野菜の生産にいそしみ、供給できるようにしていただきたい、かように強く
要望をいたしておきます。
野菜問題については以上で終わりまして、次に、国民の生活上重大なる影響のある問題と思いまして、私は次の問題を提案いたして、いろいろと御
質問申し上げたいと思います。
最初に問題を提起するためにいろいろと申し上げてみたいと思います。流通機構の中で主として水産物の流通機構の問題にしぼって
質問をいたします。
現在、農林水産
委員会に卸売市場法案が付託されております。この法案には種々問題点があるのであります。そのおもなものをあげますと、一、卸売人の定数、手数料の問題。二、卸売人の兼業の問題。三、せり人の問題。四、仲買人の定数問題。五、転送の問題。六、種々の取引の問題などなどがございますが、この問題のうち、流通機構について順次お伺いをしてまいりたいと思います。
政府は、
昭和三十八年七月九日閣議決定事項ととして生鮮食料品流通改善対策要綱を作成し、中央卸売市場における流通の合理化に対する
基本姿勢を示している。また、数年前から、政府として今後とるべき流通に関する諸施策を民間人に委託し調査研究したものを、中央卸売市場については中央卸売市場審議会、地方卸売市場については地方卸売市場審議会から、
昭和四十四年十二月に答申が出ておるのであります。この答申に沿って卸売市場法が今国会に提案されておりますが、これは大正十二年以来四十八年ぶりに現行中央卸売市場法を廃止して新しい流通制度とするものであります。
現今の市場状況を見ると、取り扱う品物も、時代時代の進歩とともに昔と変わり、魚類においては、東京の場合、取り扱い量の半数以上が、約六割ともいわれておりますが冷凍品で、いわゆる鮮魚以外のものは、規格化され、保存もできるし、価格の変動も少ないのであります。六大都市もほとんど東京の市場と同じように六割近いものがいわゆるせりにかけない規格品あるいは冷凍品になっておるのであります。したがって、今回の法案にも、これらの物品を「特定物品」として鮮魚と区別して
規定し、取り扱いについても道を一応は開いてあります。中央卸売市場審議会の答申に、「取引ルールの改善」といたしまして、「今後の取引のあり方」に、「生鮮食料品は委託せり方式を
原則とすることが適当と考えられるが、冷凍魚、塩乾魚」――塩サバなんかのああいった魚になります。「練り製品」――これはかまぼこ、ちくわ、てんぷら、はんぺんとか、たくさんこういった品物がございますが、「等の加工品、バナナ、レモン、冷凍エビ等の輸入品については、価格変動が少なく、生産者ないし輸入業者のコストが明確化しており、また、現実に買い付け、相対売りによる取引が増加していることにかんがみても、より広範囲に、買い付けによる集荷、相対による販売の方式を認めることが合理的であろう。」と審議会は答申をいたして指摘をいたしております。
現在でも買い付けは知事の許可を受ければできるようになっております。このことも十分
承知しております。
先ほど答申の中で、現実に買い付けを行なってるいという指摘は、東京の場合、中央卸売市場
業務規程に、卸売人について第二十三条で、また仲買人については第三十一条で知事の許可を
規定しておるのであります。さらに輸入品については第三十六条の許可の
規定に、輸入を除く、こういうふうに
規定し許可を要しないこととなっております。したがって、輸入については仲買人は
原則としてできるわけであります。
そこで、卸売人は御
承知のごとく荷受け
機関であります。いま卸売といいますけれ
ども実際は荷受け
機関、産地から入った荷物を受けてせりにかけるところのいわば荷受け
機関であります。生鮮食料品等を集荷し、卸売市場内で仲売人と売買参加者を通じ小売業者や消費者に販売しておるのでありまして、一方仲買人は、小売業者の必要な品物を小売人にかわって、せり等で品ぞろえをしていくのが
業務になっております。したがって、小売人は仲買人から買って、それを消費者に渡しているということになります。このようなルートはもう皆さん方もよく御
承知であります。
そこで私がお尋ねしてまいりたいことは、こういう状況から、現状では市場において卸売業者からでないと仲買人は買うことができない制度になっております。いわゆる
業務規程によってそういう制度になっております。仲買人に、直接そういったせりにかけない特定物品、今度の法改正で「特定物品」、従来は規格品、冷凍品といいます。御存じのように最近、公害によって沿海における魚がだんだん少なくなって、とれなくなってきた。魚はだんだん遠洋漁業となって遠い海にとりに行く。そして市場に持ってくるということで冷凍品が多くなってきたわけです。だから市場の中には、せりでやるものと、せりを通さないで冷凍で通すという、いわゆる冷凍物品並びにかん詰め、びん詰め、さっき言ったかまぼこ、ちくわ、はんぺんとか、ああいった練り製品、それからいろいろな干し魚とか、たくさんの国民の生活に欠くことのできない日用品が一ぱいあるわけです。そういった、せりにかけない特定物品が六割近く六大都市では売られている。また、せりにかけるものは現在六大都市で四割だが、これがだんだん少なくなっていく傾向にあって、重大なる関心が持たれておるわけです。
そういったことから、
大臣にまず最初にお伺いするのは、仲買人に直接、いま申し上げましたようなせりにかけない特定物品というものの買い付けの道を大幅に開くべきだと思うのです。道は開いてあると、こういうような答弁では私は納得しない。現に開いてはいるけれ
ども、小さい窓口で、ほんとうにあまり品物が豊富にない、もう市場にかけても利益にならないような品物が開いてあるわけでございますので、これは国民の重大な関心であるがゆえに、
大臣からまず最初に大幅にこの道を開く、こういったことについてひとつ御答弁をいただきたい、かように思うわけであります。