○楢崎
委員 それじゃあなたはまだ真相を十分調べてないわけです。証拠はたくさんここにあります。それで六十六社申請しておったのが、結局教育あるいは放送関係の人がまずふるいにかけられて保留になって三十五社、残ったのは三十一社、それがいま
大臣がおっしゃったように、一本化されてFM
東京になったとおっしゃっているが、実はこれは中央FMという会社が申請したものをそのまま横取りして、それに申請訂正書というものだけ付して、そしてFM
東京が成立した、しかもこの一本化についても問題がいろいろあります。証拠があります。時間がありませんから、一つその設立についての問題点を言っておきましょう。
これは十五年間、もうFMの申請者が
全国で五百、
東京だけでもさっき言った六十六、もういまかいまかと許可のおりるのを待っておったのです。ところが、このFM
東京というものが突如としてそういう横取りをして、そうして文書を偽造して——私文書偽造、公文書偽造だ。そうして四十四年の十二月十八日にその訂正ということで設立を届け出た。ところが、それが出るやいなや、あくる日にこの会社、FM
東京に許可がおりた、たった一日で。いままでずっとほったらかされて、三十一社、とにかく一日も早くと待っておった。しかも実は十八日に届け出て一日でおりておるのに、その書類をやはり——これは石橋質問とその点は一緒ですが、郵政局の職員が印を改ざんして日にちを一日前にして、そうしてわざと二日間だけは余裕があったような形にしておる。ここに証拠
写真があります。そうして書類の
写真がある。改ざんされた印の
写真もある。どう書いてあるかというと、なぜ十八日に届け出たやつを一日早めにしたかというと、いま言ったような理由があるからです。これはどこが指示したか。これを改ざんしたのは関東電波監理局なんですね。その名前が出ておりますが、これは言いません。これに書類がつけられて、副申として「本件は事務処理上の都合により
昭和四十四年十二月十七日付決裁で処理のこととしたい。(本省指示)」ですよ。本名が指示しておるのです。こんなことが許されていいのですか。これは後ほどお見せしてもよろしゅうございますけれ
ども。そうして、その点についてこういう非常に問題がありながらできた会社なんです。ところが、いろいろ問題がある経過の中に、実は驚いたのですけれ
ども佐藤総理のことが少しばかりからんでおるわけであります。これは別に私、不正ではないと思うのです。不正ではないと思うが、しかしからんでおる。これはFM
東京がつくられる前に、一本化するためと称して、おもに郵政出身の人を中心にして、それから財界の人を入れて、調整するための
委員ができております、有志会という。これが調整するどころか、その人
たちが結局自分
たちで会社をつくったのですね。そうしてほかのものは全部インチキで取り下げさせた。圧力をかけて、郵政省の職員をして取り下げさせるようにして回って、結局調整どころか、この人
たちがFM
東京をつくったのですね。そうして、これは四十四年十一月十二日、
東京地区FM放送設立有志会
会議録、これは録音もありますので立証できるわけですが、
佐藤総理は、あるHという、これは
政治の大先輩です、この人が前回の選挙で落ちられたので、また吉田元首相の側近でもあったし、浪人中だから何とか適当な職をと考えられてお世話をされた。私はそのこと自体は美談だと思う。ところが、あなたがそういうことを言ったために大混乱になったのです。その経過はあなたは御存じないと思うから私は申し上げたいのであります。
これは前田さんですね。
出席者の名前がありますが、前田さんがこの中でおっしゃっておるのです。「私はなぜそれじゃ小林君」——小林君というのは、当時の郵政
大臣のとき関係されておるのですね。そしていまは法務
大臣ですが、「私はなぜそれじゃ、小林君が私を社長で林屋会長をきめたのに、何おまえは黙っているんだ、ばかじゃないかと言われるかもわからぬけれ
ども、裏を見てみよ」といってずっとくるわけですね。そして「いままでは波は」——電波です。電波は全部自民党でとってきたわけです。いい悪いは別ですがね。「自民党で確保してきておるのに、ここにひとつそういうものが何かに突っ込まれると困るので、われわれはいま自分の欲を言うべきときじゃない。」と、こうずっと続くのです。そしていいですか、このHという人は、自分はもう
総理からお墨つきをもらったのだ、だからFM
東京の社長になるんだと自分で言っておるものだから、ここへ不満が出てきておるのですね。「先ほど藤井さん」——これは新日鉄の副社長です。「先ほど藤井さんがおっしゃるように、
総理からもらったんだ。冗談じゃない。私と小林君と
総理がいて、じゃあ」——今度は
総理が言うのです。「じゃあ前田社長、林屋会長」——これは名前が出ました。「林屋会長で、前田君、林屋を見てやってくれ、こうおっしゃっておる。それで帰ってきたのです。いつでも言うけれ
ども、今日自民党、
佐藤をいささかでも弱めることはいけないから、言いたいことも私は言いません。」いいですか。それからずっとあるのです。「いま自民党内閣で何かが出てくると困る。黒い霧が出てくると困る。他党——社会党にしても民社党にしても公明党にしても、電波は、全部民放は自民党に独占されているというこどに対して、非常に何かのすきがあればということで待っておる。だから、こういうことが出てくると困るのは
佐藤さんでしょう。自民党を痛めるということですよ。」これでこの林屋さんが結局会長になられた、あなたのおっしゃるとおり。そうして
資料がありますが、この役員人事について郵政省が提案しておるのですね。何でこういうことをするのです。
それからまた私が明らかにしたいのは、
佐藤総理はよく御存じないかもしれないが、こういう人事に
佐藤総理がくちばしを入れる権限は、電波法ではないのです。ないのです、あなたは。それにあなたはくちばしを入れているのですね。これは郵政
大臣にしかないのです。だから、いま言いましたように、公務員が文書を偽造して、印を改ざんして、いかも本省指示によってそれがやられておる。私はこれは徹底的に究明する必要があろうと思うのです。そしてもしこれがこの
資料のとおりであれば、このFM
東京というのは免許取り消しになるはずであります。しかもFM
東京には自民党の
政治家の人も入っておられますね。だから、これは
政治の姿勢としてでも、与党のためにでも、明確にする必要があろうと思うのです。
そこで、郵政
大臣、あなたは電波法によってこういうことが、つまり一本化について不正はなかったか——一つだけ聞いておきましょう。つまり中央FMがFM
東京にかわるについて役員をかえていますね。それを実証する
資料がその改定書についていましたか、それだけ聞いておきましょう。