○濱野清吾君 ただいま
議題となりました
昭和四十三年度決算外二件につきまして、決算
委員会における審査の経過並びに結果を御
報告いたします。
初めに、各件の概要から申し上げます。
まず、
昭和四十三年度決算でありますが、一般会計の決算額は、歳入六兆五百九十八億円余、歳出五兆九千三百七十億円余、差し引き千二百二十七億円余の剰余金を生じております。
特別会計の数は四十三、その決算総額は、歳入十三兆四千八十九億円余、歳出十一兆九千二十七億円余、その歳入超過額は一兆五千六十二億円余でございます。
国税収納金整理資金の収納済額は五兆五百六億円余、支払命令済額及び歳入への組入額は五兆四百億円余になっております。
政府関係機関の数は十四、その決算総額は、収入四兆七千八百八十四億円余、支出四兆五千四百四十七億円余となっております。
次に、
昭和四十三年度
国有財産増減及び現在額総
計算書でありますが、同年度中に増加した額は、一般、
特別両会計を合わせて六千二百十八億円余、同じく減少した額は二千百八十三億円余でございます。差引純増加額は四千三十五億円余となり、年度末現在額は六兆三千三十六億円余となっております。
次に、
昭和四十三年度
国有財産無償貸付状況総計算書でありますが、年度中の無償貸付の増加額は、一般、
特別両会計を合わせて二百十六億円余、同じく減少額は百八十九億円余、差引純増加額は二十六億円余となり、年度末現在額は七百七十一億円余となっております。
各件のうち、決算は四十五年一月十四日に、国有財産
関係二件は同年一月三十日に、第六十三回
国会に
提出され、決算は同年三月十日、国有財産
関係二件は同年一月三十日
委員会に付託されました。
委員会は、同年五月七日、各件について大蔵省当局よりその概要説明を、会計検査院より検査
報告の概要説明を聴取した後、慎重
審議を重ね、本年五月十日、審査を終了し、決算については、直ちに
委員長より左記要旨の議決案を提案いたしました。
すなわち、
一、
昭和四十三年度決算審査の結果、
予算の効率的使用等、所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられる。
政府は、次の諸点について適切な
措置をとり、次の常会の初めに本院に対しその結果を
報告すべきである。
その一、防衛庁におけるダッシュ、すなわち潜水艦攻撃用無人ヘリコプターについて、開発
国であるアメリカがすでに性能、経済の両面からの
理由で新規購入を中止したにもかかわら
ず、十分な
調査を行なうことなく購入を続けている。今後、この種の調達には一そう慎重を期
する必要がある。
その二、
政府管掌健康保険事業の財政悪化の大きな原因は医療給付費の増加であり、中でも薬剤費の増加が著しい。しかも近年、使用量が増加している新規医薬品の中には、薬効を
期待し得ないものさえある。これは保険財政だけでなく
国民の健康にもかかわる重大問題であるから、薬事行政を再検討して、すみやかに適切なる
措置を講ずべきである。
その三、食糧管理
特別会計において、国内産過剰米をこのまま保有するときは、金利、保管
料等の経費が増高するばかりでなく、品質の低下を来たすことになるので、そのすみやかなる処理に
努力する必要がある。
その四、国有林野事業
特別会計において、林産物品を競争入札で売り払う場合、業者間の談合や、営林署がこれに介入している疑いが認められ、入札の証拠書類を廃棄した事例さえもある。今後この種の売り払い処分については、国の利益を保持し得るよう厳粛なる態度で臨むべきである。
その五、日本航空機製造株式会社において、米国等におけるYS11型航空機の販売代理店契約の
締結及び解除の処置が適切でなかったなどの事実がある。
また、同社は百五十四億円余の累積損失を計上しており、これについてはすみやかに再建方
を講ずる必要があること。
二、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。
政府は、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。
また、会計検査院は、検査にあたっては、厳正を期するとともに、機能の拡充、
強化につとむべきである。
三、決算のうち、前記以外の事項については
異議がない。
以上が議決案の概要でございます。
これに対し、自由民主党、民社党は
賛成。
日本社会党は、
政府に対する警告事項などについては
賛成であるが、三の「決算のうち、前記以外の事項については
異議がない。」という事項には
賛成できない。よって、議決案に
反対である。
公明党は、三の「決算のうち、前記以外の事項については
異議がない。」との事項について
賛成できないなどとの
理由により、決算に対して不
承認である旨の
討論があり、採決の結果、多数をもって議決案のとおり議決いたしました。
次いで、国有財産
関係二件について採決の結果、各件はいずれも是認すべきものと多数をもって議決した次第であります。
以上、御
報告を申し上げます。(
拍手)
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