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1971-03-02 第65回国会 衆議院 本会議 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年三月二日(火曜日)     —————————————  議事日程 第十号   昭和四十六年三月二日    午後一時開議  第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  第二 国際開発協会への加盟に伴う措置に関す   る法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給   臨時措置法案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  永年在職議員早稻田柳右エ門君、村上勇君、   西村榮一君、水田三喜男君、原健三郎君、戸   叶里子君、井出一太郎君、小坂善太郎君、坂   田道太君、山口シヅエ君及び池田正之輔君に   対し、院議をもつて功労表彰することと   し、表彰文議長に一任するの件(議長発議)  日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正する   法律案内閣提出)  日程第二 国際開発協会への加盟に伴う措置に   関する法律の一部を改正する法律案内閣提   出)  日程第三 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子   補給臨時措置法案内閣提出)    午後一時十五分開議
  2. 船田中

    議長船田中君) これより会議を開きます。      ————◇—————  永年在職議員表彰の件
  3. 船田中

    議長船田中君) おはかりいたします。  本院議員として在職二十五年に達せられました早稻田柳右エ門君、村上勇君、西村榮一君、水田三喜男君、原健三郎君、戸叶里子君、井出一太郎君、小坂善太郎君、坂田道太君、山口シヅエ君及び池田正之輔君に対し、先例により、院議をもってその功労表彰いたしたいと存じます。(拍手表彰文議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ここに議長の手元において起草いたしました文案があります。これを朗読いたします。  議員早稻田柳右エ門君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員村上勇君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員西村榮一君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員水田三喜男君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員原健三郎君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員戸叶里子君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員井出一太郎君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員小坂善太郎君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員坂田道太君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員山口シヅエ君は衆議院議員当選すること十一回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕     …………………………………  議員池田正之輔君衆議院議員当選すること十回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意伸張に努められた  よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する   〔拍手〕  この贈呈方は、議長において取り計らいます。  この際、早稻田柳右エ門君から発言を求められております。これを許します。早稻田柳右エ門君。   〔早稻田柳右エ門君登壇〕
  5. 早稻田柳右エ門

    早稻田柳右エ門君 ただいま、私ども十一名の議員が、本院在職二十五年に及びましたことに対し、御丁重なる表彰の御決議を賜わりました。まことに光栄に存じ、感謝にたえません。(拍手)ここに、表彰を受けました私ども一同を代表して、一言御礼を申し上げます。  私どもが初めて本院に議席を得ましたのは、戦中戦後の帝国議会から、新たに出発した国会に移行せんとする時期で、政治経済社会すべての分野にわたり、文字どおり激動変革時代でございました。  昭和二十一年、第九十回帝国議会におきまして、日本国憲法が成立し、この憲法のもとにわが国の進むべき大本が宣明され、国政基本として、議会制民主主義が打ち立てられました。そして国会は、国権最高機関として、また、唯一立法府として、わが国政治の中心となりました。新しい議会政治のもとに、われわれは責務の重大さを痛感し、戦後の復興新生日本いしずえを築くために、諸立法の審議にあたり、政党人として、また議会人として、国家繁栄微力をささげて今日に至りました。(拍手)  幸いに、わが国経済大国といわるるまでに発展し、国際社会一員として地位の確保をもたらすことに相なりました。  整備された国会の周辺に立ち、焦土化した戦後の情勢を回顧するとき、全く感慨無量でございます。(拍手)  今日、この栄誉ある日を迎うることに相なりましたのは、ひとえに諸先輩同僚諸賢の絶大なる御鞭撻、御指導たまものでございます。また、選挙民各位の変わらざる御支援たまものでありまして、衷心より感謝申し上げる次第でございます。(拍手)  現下、わが国内外ともに、新たな試練に立ち、私どもは、所属する政党は違っておりましても、党派を越えて、人類の英知がっくり出しました議会制民主主義精神に徹し、国民福祉世界の平和のために全力をささげる覚悟でございます(拍手)  何とぞ従前に変わりませぬ御支援を賜わりまるよう、切に御願いを申し上げて、謝辞といたます。(拍手
  6. 船田中

    議長船田中君) 本日表彰を受けられましたの諸君あいさつにつきましては、これを会議に掲載することといたします。     —————————————     村上勇君のあいさつ   このたび、永年在職議員として、御丁重な表彰を賜わり、まことに感激きわみでございます。身に余る光栄と、深く感謝申し上げます。   私どもが初めて本院に議席をいただきましたのは、戦後間もない混乱のさなかであり、国のあらゆる分野にわたって仮借ない変革を求められた、激動時代でございました。   かかる国情のうちにあって、昭和二十一年の帝国議会におきまして新憲法が制定され、ここに国会国権最高機関と定め、並びに唯一立法府として、国民福祉人類の平和を求める議会制民主政治大本が示されたのでありました。   私どもは、この新たな議会制の本質にかんがみ、議員として国民諸君に負う責務の重大さを痛感し、当面の主力を国の再建に傾けたのであります。   いまや、わが国は、世界有数経済大国に成長し、国際社会一員としての地歩を確立するに至りましたことは、まことに欣快にたえない次第であり、往時をしのんで、無量の感慨に打たれるものでございます。ともあれ、このたびの栄誉に浴し、微力ながら国の繁栄に寄与できましたことは、ひとえに、諸先輩同僚諸賢の御指導、御鞭撻たまものであり、さらには、選挙民各位の変わりない御支援によるもので、衷心より感謝申し上げる次第でございます。   それにいたしましても、現在のわが国繁栄は、後代子孫に伝える上に、幾多の強化修正を要するものであり、願わくは、これを砂上の楼閣に終わらせませぬよう、この際覚悟を新たにし、一段の努力を注ぎ、もって、本日の御殊遇に報いる覚悟であります。   粗略ながら所信の一端を述べてごあいさつにかえ、今後一そうの御推挽を切にお願いいたしたいと存じます。     …………………………………     西村榮一君のあいさつ   このたび、院議をもって永年在職議員として表彰されましたことは、私の生涯を通ずる光栄として、まことに感激にたえません。この光栄を末代に至るまで伝えたいと存じます。   私は、永年在職二十五年の表彰に値する何らの功績も有してはおりません。ただ、選挙民の御支援と、同僚各位の御懇情によって、この光栄をにない得たものであります。   今後は、微力ながら最善を尽くし、もって国家発展繁栄のために一身をささげる決意でおります。   以上、いささかの所信をまじえて、表彰に対する謝辞にかえたいと存じます。     …………………………………     水田三喜男君のあいさつ   このたび、本院の院議をもって、二十五年の永年勤続に対し、丁重なる表彰をかたじけなくいたしましたことは、身に余る光栄であります。   敗戦から独立へ、荒廃から復旧へ、復興から躍進へと、思えばこの二十五年間は、わが国における歴史的な一大変動期であったと存じます。   浅学非才をもって政界にさおさし、四分の一世紀にもわたるこの長い激動の波乱をよく今日まで乗り越え得たものと、顧みていささか感慨なきを得ません。   ひとえに、先輩同僚後輩各位の御叱正と、郷党の変わらない御支援によるものであったことを、しみじみと思わせられます。この上は、さらに一そうの精進をもって、これまでの世恩に報いなければならないと、思いを新たにいたす次第であります。   一九七〇年代ということばがよく使われますが、ちょうど、二十世紀が一九〇一年から始まるのと同じように、七〇年代は正確に申して七   一年から始まることを思いますと、ことしは単なることしではなくて、これからの十年を運命づける大切なことしであることを思わざるを得ません。   この新しい年代の勢頭において、本院の表彰を受けるに至りましたことは、まことに意味深いものと存じます。   各位の御厚情に対し、心から感謝するものであります。     …………………………………     原健三郎君のあいさつ   私は、終戦直後の昭和二十一年四月、初めて衆議院当選、自来、選挙を重ねること十一回、はや二十五年になりました。本日ただいま永年勤続議員として本院から表彰され、身に余る光栄で、感激きわみでございます。深く感謝の意を表し上げます。   その間、同僚議員各位のなみなみならぬ御厚情と御交誼とを賜わり、まことにありがたく、この機会に厚く御礼申し上げます。   また、国民各位、わけても選挙区の有権者の皆々さまから賜わった不変の御声援に対し、いまあらためて御厚礼申し上げます。   私の思い出の一つは、昭和三十六年六月から三十八年十月まで、清瀬議長のもとで副議長をやらせていただいたことです。偉大な議長のもとで、国会正常化のため、女房役をつとめ、与野党十分懇談し、意思の疎通をはかることにつとめました。そして、いささか効果をあげました。すなわち、それまであった本会議場での乱闘は、この当時からあとを断ちました。まことに御同慶にたえません。   長い議員生活おかげで、昭和四十三年十一月から四十五年一月まで、労働大臣に就任いたしました。その間「働く人々とともにあり、働く人々のために尽くしたい」という心情を養い得ました。これは、一億総勤労者ともいうべき時代に、保守党議員として、得がたい体験となりました。真に感謝感激の至りであります。   終わりにあたり、不徳不敏の私を今日まで育ててくださった同僚並びに有権者各位に、重ねて深甚なる謝意を表し上げます。     …………………………………     戸叶里子君のあいさつ   ただいま、私が本院在職二十五年になりましたことに対し、院議をもって御丁重な表彰の御決議を賜わりましたことは、まことに感謝にたえません。   思えば、昭和二十一年、敗戦の中から立ち上がった日本の最初の選挙に三十九名の婦人当選し、私もその一人として議席を与えられてから、今日まで十一回の選挙で勝たせていただいたことは、ただただ選挙区の皆さま方感謝をするのみであります。   二十五年の間には、国際情勢の面でも、国内においても、多くの変化がありました。戦争直後の食糧難を解決するために苦労した思い出も、いまから思えば隔世の感があります。原爆の悲劇の中から立ち上がった日本民族は、「再び戦争をしてはならない」との強い決意から平和憲法を制定し、単に日本戦争を否認するという一方的行為のみでなく、いつの日かこれが世界支持を受けるであろうことを望んだのであります。   しかし、残念なことに、今日アジアの一角インド率シナ半島では、なお戦火が飛び、不安な状態の中に苦しんでいる国民のいることは、まことに残念でたまりません。一刻も早く、世界全体の平和の訪れを祈ってやみません。   一方、経済の面では、わが国国民総生産が世界に誇れるところまできたものの、そのひずみははなはだしく、一方では昭和元禄の退廃の面さえ見られることは、まことに遺憾であります。また、物価の上昇に伴い、国民生活はなおきびしく、公害問題、交通事故等々、国民の不安もまた多いのであります。   国政に参画する者として、これらの諸問題を解決し、国民生活向上、前進をはかることが、目下の急務といわなければなりません。   私は、ひたすら誠実と努力をモットーに今日までまっしぐらに歩いてまいり博した政治の道でありますので、今後もこの道を精一ぱい歩み、国民の負託におこたえしてまいりたいと思います。   いまここに、感激の日を迎えることができましたのは、先輩同僚皆さま方の御指導と御鞭撻たまものと深く深く感謝するとともに、従来に変わらない御指導を心からお願いする次第であります。   ありがとうございました。     …………………………………     井出一太郎君のあいさつ   ただいま早稻田議員が代表して述べられたごあいさつに一切は尽くされております。   茫々として過ぎ去った二十五カ年を顧みますと、まさに疾風怒濤の連続でございました。戦後、政治に一緒にスタートした多くの同僚の中で、本日残り選ばれてこの栄誉に会いますことは、まことに感慨無量であります。   終戦直後の廃墟混乱の中に立って、たれかよく今日の日本繁栄発展を予想し得たでありましょうか。しかし、いままた同時に、国の内外にわたって新たな困難に直面しております。議会制民主主義は、この国の土壌に十分深く根をおろしたとはいえないようであります。   私は、この際、もう一度初心に立ち返って、当面の諸問題と取り組んでまいりたいと存じます。   ここに、先輩同僚諸賢に深甚な謝意を表するとともに、長い間支持を寄せられた選挙民各位に厚く御礼を申し上げる次第でございます。     …………………………………     小坂善太郎君のあいさつ   ただいまは、私が本院在職二十五年に達したことに対して、丁重な表彰の御決議をいただきました。まことに感謝にたえません。   思えば、私が本院に初めて議席を得て臨んだのは、敗戦直後のことでありまして、国会議事堂首相官邸以外は焼け野原で、建物はなく、進駐軍のジープが砂塵をあげて走り回っておりました。国は焦土と化し、国民生活は窮迫し、これからのわが国の前途を考えて、まことに暗たんたる思いであったことを思い出すのであります。それだけに、今日のごとき経済大国とまでいわれる国力を持つに至り、その当時と同じこの議場において私が表彰を受けることは、感慨無量なるものがあります。   私は、初当選後、新しい日本国憲法の制定や、当時激しかったインフレーションの克服のために、いささかの力をいたしました。やがて、平和条約の締結を迎えたのでありますが、当時、「全面講和か多数講和か」の議論が沸騰し、今日に至るまでそのあとを断たないのは、注意を要するところと思います。   独立を回復してからのわが国は、流動する内外情勢に対処しながら、国民諸君のたいへんな努力によって奇跡的な再建をなしとげ、現在では、国際的にも重要な地位を占めるに至りました。   天皇制護持かいなかで戦われた二十五年前の選挙、そしていまや新宮殿もでき上がり、天皇陛下が遠く欧州に旅立たれるという御慶事が実現の運びになりました。また、昭和二十五年に予算委員長の際、新宮殿の造営について、国民の家が復旧したあとでよいとの陛下のお気持ちを仄聞したときの感激もまた忘れることができません。沖繩祖国復帰が目睫の間に迫っております。往時を思えば、まさに隔世の愚なきを得ません。   今日の栄誉は、ひとえに、わが父母、わが妻、わが親族と、さらには選挙区の方々のなみなみならぬ御支援と、先輩同僚諸君の御鞭撻たまものにほかなりません。   この際、私は、決意を新たにして、国運の進展のため、議会政治の健全な発達のために、議会人として、政党人として、全力を傾注し続ける所存であります。一そうの御指導と御協力をお願いする次第であります。   まことにありがとうございました。     …………………………………     坂田道太君のあいさつ   私は、このたび院議をもって、ほかの十名の先生方とともに永年勤続議員表彰を受けました。これは私にとりまして生涯忘れることのできない名誉でありまして、ここに、先輩同僚各位に対し、心から御礼申し上げます。   思い起こしますと、私が初めて選ばれて当院にまいりましたのは昭和二十一年、敗戦直後の第九十回帝国議会でありました。まだ二十九歳の若輩でございましたが、それ以来二十五年の年月が流れました。長いようでもあり、短いようでもあり、私も人生の半ばをこの議場で過ごしたことになるかと思いますと、ひとしお感慨無量なるものがあります。   この二十五年の間、わが国は、廃墟の中から力強く復興し、当時私どもがとうてい想像することさえできなかった経済発展国民生活向上を遂げました。これは、国民一人一人の努力と勤勉、わが日本民族のすぐれた資質によるものとかたく信ずるものであります。   とは申しながら、昔から、戦争に破れて失った物質文明復興することは容易であっても、荒廃した国民精神を回復するには百年を要する、といわれております。私は、この機会にみずからを省み、あの廃墟に立って決意した初心に立ち返って、物心両全日本建設のため、最善努力をいたす決意であります。   最後に、このような栄誉に浴し得ましたのも、私ごとき者をひたすら二十五年間も、国会に送り出していただいた選挙区の方々の御支援があったればこそであります。   ここに、あらためて衷心よりお礼申し上げ、ごあいさつといたします。     …………………………………     山口シヅエ君のあいさつ   日本が受諾したポツダム宣言には、「言論、宗教及思想自由並基本的人権尊重ハ確立セラルベシ」との項がありました。これによって女性にも男性と同等の権利が与えられ、昭和二十年十二月十五日、日本婦人参政権を得ることができました。   当時、焼け野が原、失うものをひとつも持たない国民大衆は、再建を目ざして立ち上がる人、目標を見失い、虚脱状態におちいった人など、混迷した世相の中で二十一年四月、初回民主主義選挙が行なわれ、三十九名の婦人議員が誕生いたしました。   食糧の窮乏に母の乳もかれてやせ細る乳児たちのため、マッカーサー元帥に直接交渉の結果、乳児用ミルクを確保することができました。あまりの喜びに、あの大きな手に、両手ですがるように握手をした私たち婦人議員の姿が、いまは夢のように回想されます。   昭和二十一年、第九十回帝国議会で成立した平和憲法によって日本の進路が明らかになり、議会制民主主義のもとに、新日本建設を目ざして全力をあげることになりました。この崇高な理想と目的の達成に情熱をたぎらせながら、初めて政治に参与する微力な自身を省みて、その責務の重大さに身のふるえる思いがいたしました。帰路夕暮れにそびえ立つ国会議事堂を振り返り、当時の心境を詠んだものです。   暮れ残る白亜の塔をかえり見つ   吾が責め重きを身に泌み思う   それから二十五年、日本人の底知れないエネルギーは、多難な道を切り開きつつ邁進を続け、高度経済成長の悲願を達成し、自由世界第二位の経済大国として国際社会における確固たる地位を築いたのであります。まことに感慨無量であります。   しかるに、いまや七〇年代は、内外ともきびしい現況の中で、真の大国価値観は変貌してまいりました。内にあっては人間尊重の高福祉社会を、外に対しては平和に徹した世界経済社会発展のために、より効果的に貢献することであります。このような歴史的変革期に、奇しくもはえある当選十一回、二十五年の永年を表彰していただきましたことは、この上ない感激であり、意義あることと思います。   これはひとえに先輩皆さま同僚皆さま、並びにあたたかく見守り続けてくださいました選挙民皆さまおかげと心から感謝申し上げます。   初心をことによみがえらせて、内外の新たな試練にうちかちつつ、真の文化国家を実現するため、生活優先高密度社会を築き、世界の平和と繁栄のために献身いたしたいと思います。   何とぞ従前に変わらぬ御支援を賜わりますようお願い申し上げて、お礼のことばといたします。     …………………………………     池田正之輔君あいさつ   ただいま、私が本院において二十五年余在職したことに対し、院議をもって丁重なる表彰決議を賜わり、まことに感謝にたえません。   顧みますと、昭和十七年四月、東條内閣当時、いわゆる翼賛選挙に際し、不肖私は、非推薦の立場で立候補し、幸いに当選し、初めて議席を得、国政に参画することになったのであります。   その後、敗戦、占領といろ大きな民族的、国家的試練を受けました。私も一時、政界への道を断たれておりましたが、昭和二十四年一月、再び本院に議席を得まして、民主政治確立に参加し得ましたことは、この上ない喜びであります。   その間、微力にして、国家社会に貢献するところ少なきにもかかわらず、本日、国権最高機関である本院からこのような栄誉を受けましたことは、ひとえに先輩同僚諸君、特に選挙民各位の御厚情、御支援たまものであり、まことに感激を覚えるとともに、責任の重大さを痛感するものであります。   いまや、わが国は、一見繁栄の中にも多分に不安定の要素を包蔵し、国際的にはきわめて憂うべき様相がますますその度を加えつつある現状にかんがみ、この時にこそ、民生の安定と真の世界平和の確立政治生命をかけたいと念願するものであります。   これこそが、政治に全生涯をかけ、政党政治家として貫いてまいりました私のわが国国民に対する最大の責務であると確信し、微力を傾倒する決意であります。   今後とも、変わらず御指導、御鞭撻くださることをお願い申し上げます。      ————◇—————  日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正す   る法律案内閣提出
  7. 船田中

    議長船田中君) 日程第一、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  8. 船田中

    議長船田中君) 委員長の報告を求めます。法務委員長高橋英吉君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔高橋英吉君登壇〕
  9. 高橋英吉

    ○高橋英吉君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、地方裁判所における特殊損害賠償事件の適正迅速な処理をはかり、簡易裁判所における交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、判事補十二人、簡易裁判所判事二人、裁判官以外の裁判所職員十九人、計三十三人を増加しようとするものであります。  当委員会におきましては、二月十六日提案理由の説明を聴取した後、慎重審議を行ない、二月二十六日、質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  10. 船田中

    議長船田中君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 国際開発協会への加盟に伴う措置   に関する法律の一部を改正する法律案(内   閣提出)
  12. 船田中

    議長船田中君) 日程第二、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
  13. 船田中

    議長船田中君) 委員長の報告を求めます。蔵委員長毛利松平君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔毛利松平君登壇〕
  14. 毛利松平

    ○毛利松平君 ただいま議題となりました国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  国際開発協会は、昭和三十五年創設以来、低開発地域の経済開発の促進に寄与してまいったのでありますが、開発途上国の国際開発協会に対する融資の要請は、年々増大してまいり、同協会の保有する資金の大部分は、遠からず貸し付け約束済みとなる見通しとなってまいりました。  そのため昭和四十四年九月の総会において第三次増資の提案がなされ、その後、増資に関し関係国間で検討が行なわれ、昨年七月には総額約二十四億ドルの増資及びその分担に関する理事会の決議が採択されたのであります。これを内容とする総務会決議案が各国を代表する総務の投票に付され、わが国は、昨年十月末賛成投票を行なったのであります。  ここにおいて、わが国としては、決議の定めるところに従い、協会に対し出資を行なうため、次の改正を行なおうとするものであります。  本法案の内容は、協会に対し、政府が従来の出資の額のほか、新たに一億四千四百万ドル、邦貨換算において五百十八億四千万円の金額の範囲内において出資することができることとし、出資は本邦通貨にかえて国債で行なうこととしております。  本案につきましては、去る二月十日政府委員より提案の理由を聴取し、二月二十四日質疑を終了し、越えて二十六日採決いたしましたところ、多数をもって可決すべきものと決しました。  以上をもって報告といたします。(拍手)     —————————————
  15. 船田中

    議長船田中君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  16. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第三 農地所有者等賃貸住宅建設融資利   子補給臨時措置法案内閣提出
  17. 船田中

  18. 船田中

    議長船田中君) 委員長の報告を求めます。建設委員長金丸信君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔金丸信君登壇〕
  19. 金丸信

    ○金丸信君 ただいま議題となりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、住宅不足の著しい地域において、農地の所有者がその農地を転用し、賃貸住宅の建設を行なうため必要とする資金の融通について、政府が利子補給をすることにより、居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を民間資金の活用によって促進するとともに、水田の宅地化をはかろうとするもので、その内容は次のとおりであります。  第一に、政府は、農地所有者等に特定賃貸住宅の建設資金を融通する農業協同組合等の融資機関に、一定の範囲内の利子補給をする契約を結ぶことができるものとし、利子補給の対象となる融資により特定賃貸住宅を建設する事業主体は、当該住宅の敷地となる土地の区域内の農地等を所有する個人等としたことであります  第二に、特定賃貸住宅は、大都市及びその周辺都市の市街化区域内に建設される規模、構造、設備が一定の基準に適合する賃貸住宅で、面積または住宅戸数等が定められた基準に適合するとともに、定められた面積以上の水田の宅地化を伴うと認められる一団地の住宅建設の全部または一部として建設されるものであるとしたことであります。  第三に、利子補給の対象となる融資は、利子が補給されている間の利率が年五・五%で、償還期間が二十五年以上であることとし、利子補給金は、一定の方法で計算した対象となる融資の残高に、年三・五%をこえない範囲で建設大臣が定める利子補給率により、融資の日から十年間、一定期間ごとに融資機関に支給することとしたことであります。  第四に、利子補給の対象となる融資により建設された賃貸住宅は、当該融資の利率が年五・五%である間は、賃借人の資格及び家賃等について必要な規制を行なうこととするほか、建設大臣が承認した場合を除き、譲渡し、または住宅以外の用途としてはならないものとしたことであります。  第五に、政府が利子補給契約を結ぶことができる期間は、昭和五十一年三月三十一日までとするが、同日、特定賃貸住宅を建設するための宅地造成工事が行なわれている土地に建設される賃貸住宅の融資については、昭和五十三年三月三十一日までとするものとしたことであります。  本案は、二月九日本委員会に付託され、翌十日建設大臣より提案理由の説明を聴取し、以来慎重に審査をいたしたのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることといたします。  かくて、二月二十六日、本案に対する質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決の結果、原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、特定賃貸住宅の建設には、都市計画に適合するよう指導し、かつ、国または地方公共団体は必要な援助を考慮するなど、五項目の附帯決議が付されました。  右、御報告をいたします。(拍手)     —————————————
  20. 船田中

    議長船田中君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  22. 船田中

    議長船田中君) 本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十六分散会      ————◇—————  出席国務大臣         法 務 大 臣 植木庚子郎君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         建 設 大 臣 根本龍太郎君      ————◇—————