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岡沢委員 いま文部省と厚生省の責任の両
局長から御
答弁がございました。医師が絶対数として不足しているということには共通の認識でございます。われわれも同感であります。ただ、それをわかっておりながら、実際に医師をふやす具体的な努力になりますと、日本医師会がどういう
態度をとるかどうかは別として、私の職業であります
弁護士の世界を
考えますと、やはり欧米先進国に比べて非常に数が少ないけれども、日弁連としては質が低下するということを大義名分にしながら、実際には
弁護士の数がふえることを好まない。自分の職域を守りたい、ライバルは少なくしたいというような気持ちが実際には私はあると思うのです。医師の社会にも私はそれは否定できないし、具体的な医師の増加ということになりますと、
理屈はいろいろ何とでもつくものですから、反対をされる。いまは両
局長とも、辺地対策としての地方の医科大学の新設について、自治大臣の構想になわ張りを越えて賛成されたことには非常に勇気を認めさしていただき、私は敬意を表しますが、ぜひ前向きに
検討していただきたい。あるいは実際に私はこの問題を契機に、逆にそういう医師不足をなくし、あるいは合理的な
解釈を越えた入試問題の売買という背景にある最大のものが、やはり医師の入学試験の異常なむずかしさ、あるいはまた非常に金がかかるというところに問題があるということを
考えました場合に、災いを転じて幸いとするという
意味からも、この際、医師の養成について思い切った改革が必要ではないか。その
意味で村山大学学術
局長がお答えになりました、一発試験で通ったらほとんど——医師の国家試験というのも、ある人に言わすと、看護婦の試験よりもむしろ甘いというのが実情だと、私も親戚に医者が多いわけでありますけれども、言える。これは大学
局長がおられるだけに特に
指摘したいわけですが、日本の大学というのが、やはり入学試験が、医学部だけじゃございませんが、非常にむずかしいけれども、入ってしまえば全くなまけて遊んでおっても、ほとんど無理をしてお願いをしてでも卒業してくれ、国立大学なんかでもその傾向が強い。
外国の例もございますけれども、入学は広く門戸を開放して、勉強しない者あるいは大学卒業の資格を与えるにふさわしくない者は、やはり思い切って落としていくということも
一つの方法ではないか。そういう方向での御見解の表明があったわけでございますけれども、ぜひそれを具体化する努力を、医学部だけでなしに各大学のあり方として
検討していただく価値があるんじゃないかと私は思うわけでございます。
それから、もう時間がなくて恐縮でございますが、高松
刑事局長に、
大阪刑務所のいわゆる抜き取り、従来のボールに試験用紙を丸めて詰めて外へ投げた、その報道が、今度は看守が介在しての贈収賄
事件と変わってきたわけでございますが、そうするとボールで投げたというのは単なる架空の、あるいはうその供述であったというふうに解していいわけでございますか。