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貞家政府委員 手数料額の点でございますが、現在の
法律できめられております
手数料額、
つまり民事訴訟用印紙法に定められております
印紙代でございますが、これは長年そのままになっておりまして、その後の
経済変動に応じて当然改定する必要があったところでございます。しかしながら、今回の
改正は、従来のものに単に
経済事情に応じてそれを若干
増額するというような
態度はとりませんで、この機会に
手数料の
体系を再
検討いたしまして、
申し立ての
種目に応じましてそれぞれ適正な
価額を定めたものでございます。したがって、これは決して
手数料額の
増額というようなことを意図したわけではございません。
そこで、その
内容でございますけれども、逐一申し上げておりますと非常に繁雑になりますので、概略、基本的な点を申し上げますと、
手数料の最も基本的と申しますか重要な
部分でございますところの
訴えの提起の
手数料、その他
訴訟の目的の
価額等に応じまして
手数料率が上がっていく、所定の
手数料率をかけまして算出することになっているものがございます。これは
民事調停の
手数料、あるいは
支払い命令もそうでございますし、借地非訟
事件の
申し立ての
手数料その他でございますが、そういったものにつきましては、その
比率、
つまり訴額の何%を
手数料額とするかというそのパーセンテージは従来のままにいたしております。
つまり価額に応じまして、
訴訟で申しますと一%、〇・七%、〇・五%というふうに逓減してまいります。そういった
比率につきましては、現在と全く同じでございます。ただ、
刻みをやや荒くいたしまして、従来一万円ごとの
刻みであったのを、五万円、十万円というふうにやや荒くいたしましたことと、もう
一つは、先ほど申しましたように、
比率が逓減いたしますけれども、その
比率が逓減する分かれ目、
つまり十万円まで、五十万円までというふうになっておりましたのを、三十万円まで、百万円までというふうに改めまして、
比率が改められるその
基準点をやや動かしたという点がございますけれども、さいぜん申し上げましたように、
比率そのものは変わっておりません。
なお、それ以外の
手数料、
つまり現行法で定額の
手数料を納めるべきものとされておりますものにつきましては、個々の
種目に応じまして、
裁判所の手数の繁雑さでございますとか、
当事者等が受けます利益の
程度というようなものを勘案いたしまして再
検討を加えました。そこで、従来は、十円、二十円、三十円、五十円、百円というように定められていたのでございますけれども、これを
種目別に、大体、百円、二百円、三百円、五百円、千円、それから特殊なものとして三千円というものをつくったわけでございます。
なお、反面といたしまして、
現行法では、あらゆる
申し立てにつきまして
印紙を貼用することが要求されていたのでございます。したがいまして、
通常の
手続で当然出てまいります
期日の指定の
申し立て、
期日の
変更あるいは証拠の
申し出というようなものにつきましてまで、あらゆるものについて
印紙の貼用が要求されていたわけでございますが、今後はそういった中間的、付随的なものの大
部分は、これは
基本的手数料の中にすでに含まれているものだというふうに考えまして、これを徴収しないことにしました。
なお、
訴え等におきましては、初期の段階で
取り下げあるいは
却下の
裁判がありまして、これが確定するというような場合には、これは
半額を返すというようなことで
調整をとっておりますので、これは合計いたしますとそれほどの
増額と申しますか
収入増にはならない。むろんそれをねらいとしたものではございませんので、当然そうなるわけでございますが、結果的に申しましてもたいした違いはないというふうに理解しておりますが、なおその点につきましては
裁判所当局からお答え願うのが適当かと思います。
〔
鍛冶委員長代理退席、
小島委員長代理着席〕