○山原
委員 いま大きな国か何か偉大な国かわかりませんが、あなたのほうでアメリカ、イギリス、フランス、ドイツをそういうふうにお
考えになっているかもしれないけれども、フランスの場合もあるのですね。参議院の
文教委員会調査室が誤りであれば、これは何をかいわんやでありますけれども、少なくとも出ておるのです。しかもチェコスロバキア、アラブ連合、ルクセンブルク、トルコ、ブルガリアと私は名前をあげましたけれども、さらにフィンランド、ソ連及び社会主義諸国、これはあなたに言わせると立ちおくれた国ということになるかもしれませんが、必ずしもそういう判断は適切な
ことばではないと思いますので、それを追及することはおきますけれども、しかし、ただ問題になる点は、では、あなた方が参考とされようとしている米、英、仏の場合はどうでしょうか。この場合は労働三権が確立されているのですよ。わが国の場合と違うわけですね。たとえば長時間労働によるところの権利の侵害というものは、かなり抑制されておりますし、乱用できない。しかもスト権、団交権もあるのです。わが国の教育
公務員の場合の、たとえば団交権、スト権というものにつきましては大きな制約を受けておるという場合と、この米、英、仏の教育
労働者の置かれておる条件というものは全く違うわけですね。この違うところのものを持ってきて、そしてなじまないというふうな判定を下すということは、これは少なくとも
人事院としては片手落ちな判定であるというふうに私は思います。
だから、
人事院みずからが
出しておりますところの、
人事院給与局の「欧米四カ国の教員の労働基本権の状況」というのをあなた方が
出しておりますが、それを見ると、イギリスの場合は団交権、スト権を持っている。さらにバーナム
委員会のごときは、教員の給与に対しては地方雇用機関代表二十五名、
教職員組合の代表が二十六名、これによって構成されて教育
労働者の給与というものが保全をされ、確立をされている。そういうものと比較をして、何でなじまないなどという
ことばがかってに出てくるのか。しかもドイツの場合だって、団交権、団結権はあります。スト権については、私はこれはよくわかりませんけれども、フランスの場合は団結権、団交権、スト権を持っております。そういうものと比較をして非常に狭められた、権利の抑制を受けている
労働者であって、あなた方が調べた四カ国には
超過勤務手当はないという、そこのところだけを見て、なじまないという判定を下すところに私は問題があると思うのです。それについて
見解を承っておきたいのですが、同時に、
人事院がほんとうに教員というものの地位の向上あるいは給与の改善をするのならば、少なくともイギリスが持っているところのバーナム
委員会くらいのものを構想として持たれたほうがいいのではないかと思うのですが、
労使双方の集まったそういう給与、生活改善の問題について話し合うような機関をつくるというような構想を持っておられますか。