○安里
委員 大臣が御退席なさるそうでございますので、実はいろいろの
質問をした
あとで私は基本的な問題についてお聞きしたかったわけでございますが、時間がないようでございますので、ただ
一つだけ私、お聞きしておきたいと思います。
いま、いろいろ復帰対策要綱というものがつくられております。その中を見ますと、重点的には、やはり軍事基地をどうするかということと沖繩の経済をどうするかという問題がいろいろ中心でございます。案外
教育の面が、もちろん経過
措置もいろいろありますけれども、私はおろそかにされているんじゃないか、こう思うところがあります。
ところで、沖繩の
教育にいろいろな差ができましたのも、これは要するに、アメリカの軍事基地に直接間接に原因するものが多うございます。いろいろな騒音の問題、本土にもありますけれども、これが学力にも非常に影響いたしまするし、学校の敷地でも軍用地に取られている問題がございまするし、また現に、御存じでございましょう、小学校の上にジェット機が落ちて幼稚園の生徒たちもけがを受けた、あるいは幼い児童たちが暴行を受けた、学校帰りの女
学生が暴行を受けた、あるいはまた法規を守って、交通道徳を守って通行しておる者がアメリカ軍によってひき殺されて、無罪になった、こういったいろいろなことは、直接間接沖繩の
教育には非常に影響をしておる問題であると私は思います。したがいまして、
教育環境の
整備というものは復帰後におきまする沖繩に非常に大事な問題である。そういたしまするならば、いまの沖繩の現状の膨大なる軍事基地、かつアメリカ自身がいっておりますように、軍事優先だというたてまえでいろいろ制約を受けておるのであります。そういう中において、私は、
教育の環境を
整備するためには、復帰要綱の中にあるいは対米折衝の中において
教育の面から強く、政治とは異状な立場において要求さるべきものがありはせぬか、こういうことを考えるわけであります。これを単なる外務省の対米折衝にまかせるのでなくして、
教育の面からこの復帰の交渉に対しまする、返還交渉に対しまする基本的な文教当局の考えというものを要求せられるところのものがありはせぬか。
もう
一つには、先ほど山中
委員から御
質問がございました問題であります。私は、この問題を中心に、
ほんとうはなお具体的に
大臣の
構想を聞きたかったわけでございます。沖繩の置かれておりまするところの地位というものから考えまするならば、確かに東南アジアに対しまする
関係、台湾を失った今日におきまする沖繩の亜熱帯の地域、これがアジアに対しまするいわゆる後進国といわれる国々の
教育、文化あるいは産業開発、そういった点におきましても非常な貢献をするのは沖繩だと私は思います。先ほど
お話がありましたが、熱帯学の問題でありましても、あるいはまた東南アジアに対しまする農業指導、日本自体の中におきまする経験でもっては、地域の違う、気候の違う、風土の違うところの指導はできぬと思います。また、彼らとの間の人事交流、
教育というような面でも、こういう点で私は、平和に貢献する上において、沖繩はすばらしい地位をこれから占めなければならぬじゃないか。
話は別でございまするけれども、これも御
承知でございましょう。平和を祈念して平和観音像というのが山田真山画伯の手によって数年来できておりまするけれども、また
ほんとうに平和の象徴として沖繩に平和公園をつくる、あるいはこれも山田真山先生の
お話でございまするけれども、沖繩を中心にして地図の上で円を描きますと、今度の太平洋戦争ですべて日本の作戦地になったところが全部、その沖繩を中心にした円の中に入るといわれております。
こういう点から、いまは軍事上重要で、安全保障上重要だということが何となく表面に出過ぎておりますが、もっと平和的な
教育の拠点として、また東南アジアあるいは世界の日本の接点といたしまして、
教育の面から、これは広大なる長い
構想を持って積極的に沖繩の
教育に取り組まれる、沖繩の
教育すなわち日本の
教育に取り組まれるというような高邁なるところの見識を文教当局者は持たれるべきじゃないか、このために沖繩が利用されるということでありますならば非常にけっこうだ、こう思うわけであります。そのことに対しまする
大臣のお考えをお聞きいたしまして、
大臣はもうお帰りになってけっこうでございます。