○木島
委員 私がさっきから続けて質問しているのは、予算が少ない、だから法律違反をする、あるいは法律が全部生かされないという、そういう観点でいくと、私はこの問題でもそういうことがずいぶん並べられたと思うのです。
一つは、給食施設の危険、不良、合わせて三三%でございます。小中
学校合わせて給食施設のちょうど三割が危険、不良であります。しかもその中には、調理室が老朽化しており、ネズミ、ゴキブリ、白アリが出入りしている。天井の塗料がはげて落下したり、天井に黒かびがはえたり、あるいは水滴が落ちたりしている。採光、通風が悪く非衛生となっている。調理室が狭隘なため廊下を配ぜん所や食器保管場所に利用したり、牛乳、ハン置き場に利用しているというのが、その三三%なんです。
これは少なくとも
学校給食実施基準、二十九年に出た
文部省告示の中の第五条「
学校給食施設は、保健衛生上及び管理上適切なものでなければならない。」として、たとえばパン置き場等も書いてあるパン置き場が、この
学校給食施設の保健衛生、管理上適切なものでなければならぬとするならば、この条文どおりいくとするならば、
学校の廊下がパン置き場になっておるとすれば、これは給食施設ということになりますな、まともに考えて。
大臣そうでしょう、このとおり言えば。
〔
委員長退席、久保田
委員長代理着席〕
あるいは設備のほうもそうです。設備の流しその他も、「保健衛生上及び管理上適切なものでなければならない。」といっているのですけれ
ども、ここでもまた水漏れとか排水不良、調理台の破損、あるいはさびやかびがはえておる、床に亀裂を生じて清掃や消毒ができない。こういうことが、私は、少なくとも金がないから法律の趣旨が十分に生かされていないところに、最高の断然トップの中毒患者というものが
学校給食から出ているという
一つの要素があると思うのです。
そういう
意味で、これではたして——
学校給食法の第一条にいう「
学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の
改善に寄与する」とか、第二条の「食事について、正しい理解と望ましい習慣」、あるいは「食生活の合理化、栄養の
改善及び健康の増進を図る」という目標から見るならば、たいへん離れておる。しかも
学校給食は、
日本の
学校の九八%くらいまでいっておりますね。その三割三分まで危険、不良だといわれるならば、これはそういう法律どおりにやらないところからこのような多くの患者を出しておるということになるんじゃないかと思うのです。だから私がさっきから言っておるところの
一つは、法律にきめられたものを
文部省みずからが忠実に守っておらない。そこが患者を出しているところの要素になると思うのです。
あるいは栄養
改善法に、一回に百食以上の食事を供給する集団施設には栄養士を置くようにつとめなければならないとある。あるいは一日三百食以上あるいは七百五十食以上のときには管理栄養士を置くようにつとめなければならないとある。
学校の場合、ほとんど百食以上ですね。ところが、栄養士が置かれておるのが七割ぐらいしかない。とすれば、それはつとめなければならぬだから必置じゃありませんよ、しかし、
政府が民間につとめなければならぬといっておるものを、
政府がまずやらないで民間にそう言うことは、これは力になりませんね。そういう問題もある。
あるいは
学校給食の調理従事員数の基準というものを体育
局長から出しておりますけれ
ども、その基準の人員に不足しているもの約三割、これまた同様であります。こういう自分で出したものが完全に守られておらない。点検もされておらないんじゃないだろうかとすら思う。あるいは点検してもその次の指導がない、あるいはあっても予算がないのかもしれません。そういうところに問題があるんじゃありませんか。
それと同じ
意味では、
学校環境衛生基準の中で、これはやはり体育
局長でありましょうが、
学校給食における食品の衛生の徹底についても出していらっしゃいますが、その食品を自主検査をすることになっておるが、自主検査をしないのが二二%、基準すら知らなかったのが三七%、合わせて六割。
学校給食の食品を自主検査しなさいという通達が出ておる。出ておるけれ
ども、それを知らないというものが三七%、出ておるけれ
ども全くしないというのが二三%、両方で六割、しかも、しているけれ
ども記録がなかったり結果の
措置がないというようなもの、これが三二%、合わせて九割、毎日子供の給食をしておるその購入食品というものを、検査しないのが九割だということなんです。これでは中毒が出るのがあたりまえです。しかし、そういう通達が出ておるのです。そこに問題がある。いま言ったようなことが完全に実施されておったら、こんな断然他に大きく水をあけてリードするというほどの中毒患者が、
学校給食の中から出ないだろうと思うのです。これはきわめて重大だと思う。
あるいは先ほど申しましたように、給食施設の設備費や修繕費に父母負担がある。あるいは給食に従事している方々の金がPTAやあるいは給食費の中から出ておる。これは先ほど言ったように、地財法の違反であります、
一つは。
学校給食施設をつくるのに父母負担させるのは地財法違反です。同時に、給食費から出すことなどは、これは
学校給食法違反でしょう。
学校給食法の第六条は「
学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する
経費並びに
学校給食の運営に要する
経費のうち政令で定めるものは、義務
教育諸
学校の設置者の負担とする。」とある。だのにやはりこの場合でも
人件費まで父母負担になったり、あるいは給食費から出ているとなれば、これは明らかに
学校給食法六条違反だと思う。私は、いまここのところを違反だといって責任を直ちに追任しているのじゃありません。しかし、少なくともそういうことの結果というものはこうなっておる。中毒患者をよけいにした。
大臣、あなたもびっくりなさったとおっしゃったけれ
ども、私もショックだから、あえてこのことを申し上げているのです。
こういうことは、私はまた逆に言うと、さっき言ったように、
文部省が知らなかったでは済まされない。昨年の五月になさった物資購入等に関する
文部省の
調査によれば、物資の品質管理を確認しているのが四割。給食のために物を買って、その品質管理をして確認しているものが四割しかない。あるいは冷蔵庫を保有しているものが単独校、すなわち
学校ごとにやっているところでは八%しかないというのが昨年の五月に出ておる。だから、私もこれを知らなかったし、びっくりしました。
大臣もびっくりしたとおっしゃった。
大臣は、こまかいことは御存じないから別ですよ。けれ
ども、びっくりすることはないのです。昨年の五月にやった
文部省の
調査に出ておったのです。こういう施設で品質を管理するのは四割だ。冷蔵庫は八%しかないという中では、こういうことが出てくるのがあたりまえだろうと予想しなければならない。直ちに対策をとらなければならない。こういう背景でもって、たとえばことしの給食費の予算をうんととったり、老朽施設の三分の一がそうなんだから、これを直すために、これは市町村でしょうけれ
ども、どうするかという
措置がとられるならば、これはこの
勧告が出てもすでに予算的
措置をしておりますという、もっとまじめな、法律の趣旨を生かしたことができたはずです。私は、そういう
意味でこれは非常にショックであっただけに、ほんとうにあれだったと思うのです。この場合、全国の親に与えた影響、ショックというものは非常に大きい。この際何らかの明確な
措置というものを早く、しかも国民の前に示さなければならぬと思うのです。このことを
お願い申し上げます。
それから、これは同時に、厚生省の保健所に対する指導というものも私はきわめて責任が大きいと思うのです。この
勧告が
指摘しておりますように、保健所は、食品衛生法第十九条によって
学校給食施設を監視し、指導せねばならなくなっておる。だのにしなかったものが三五%、しかも年に一回くらい形式的にしたものが、したほうでもほとんどです。だから
改善を
指摘しても、その
指摘したところのものが
改善されたものが六〇%、あとの四割はされていない。しかしそれは六〇%
改善したようだけれ
ども、金のかからないものだけして、金のうんとかかるものはしておらない。しかも、それでもって別にあなた方は確認をしておらないということになると、
日本の一番大きな中毒患者を出しているこの
学校給食に対して、厚生省は一体どういう指導をしているのかという怒りを感ずる。この点についての御見解を承ります。