○
谷村政府委員 どうも先ほどは、答弁を漏らしまして失礼いたしましたが、不当に高価な
価格を設定し、かつ、これを拘束して維持させているということ、これを私
どもは、
消費者利益の不当な侵害という
立場から、ある程度それを是正していただかなければならないというふうに
考えておりますが、論理的に申しますと、本来自由な
競争があれば、
再販指定になっておりましても、
再販価格の維持ということが左かなかむずかしくて、結局は、自由な
競争のもとに
再販価格というものを是正していかざるを得なくなるのだというのが、二十四条の二の
立法のときの
考え方であったわけであります。
ところが、現実には自由な
競争が行なわれていないというふうに断定するわけにもいかないけれ
ども、さりとて、そこで
価格競争が必ずしもりっぱに行なわれていないというふうな
状態になってまいりますと、
再販という
制度も一役買いまして、そこにある程度
価格を高位に維持するというふうなことが起こらないでもない、そういう事態が
考えられるわけであります。これはまさに、自由な
競争との
関係においても問題にしなければならないのですが、一体おまえは、そんなら
価格に一々立ち入ってやることができるのか、また、やるつもりか、こうおっしゃいますと、私は、基本的には、自由な市場メカニズム、あるいは
価格機能というものを生かして、そこで
価格形成が行なわれ、そうしてそれで全体が調和されていくというのが本来の姿であると思いますけれ
ども、たとえば、ある程度自由左
競争が実際問題として制限されているようなことが起こっておりますようなときには、やはりそれなりの
一つの
行政当局のかまえというものがあるべきではないか、そういう
考え方を持っております。そういう
意味で、
再販商品というものとして特別の
法益を受けているようなものは、それが
消費者のために本来役立ってもらうという前提からあるわけでありますから、私
どもの責務としては、それが不当左
価格になっていないかどうかを調べていく必要があると私は思います。
やれるかどうかという問題でございますけれ
ども、私
どもは今後、そういった
企業についてのいろいろな経営の
資料を徴収いたしまして、その中で、たとえばいろいろな
企業の経営分析というのがございまして、大体において売り上げ原価はどのくらいであるかというようなことも、平均的に出ておりますが、たとえば全産業平均でいえば、八割くらいが売り上げ原価である、あるいは製造業平均でいえば、たしか七割くらいが製造原価であるというようなときに、ある種の
再販業種では製造原価がそんなに高くない、たとえば五割を割っておるというふうなときには、製造原価が五割であれば、それ以外には、一体何がそれだけかかっておるのか。
一般管理費と称せられるものの中には、
販売促進費もありましょう、
広告宣伝費等のものもありましょう。そういったようなものは一体どれだけの
意味を持っているのか。そういうふうなことも私は調べてみる必要があると思っておるわけです。
そうして、それこそ統制経済をやっているわけではございませんけれ
ども、たとえばイギリスで、洗剤について、あるいは写真のフィルムについて、独占
委員会が当該
企業に対してよく商務省と話し合って、値段をもう少し是正したらどうかというふうに慫慂したような例もございますが、決して、いまの経済
体制のもとにおいて利潤を得ることが悪いという
考え方をとる必要はなし、むしろ利潤は追求すべきであると思いますけれ
ども、それが
一つの与えられた
制度に乗って、しかもそういうことが許されているとすれば、それは行き過ぎでないかというふうな個別の
指導として、それに入っていかなければならないと思います。そのことは、たくさんの
企業を相手にしてやるということではなくて、やはりある程度スポット的に
指導していくことによって、全体の
姿勢を正していただくのに役立てることになれば幸いだというふうに思いますし、そういうことをされないでも、もし
企業のほうで、進んでそういう点について、自分としての態度はこういうふうにしたいというふうに改めていただければ非常に幸いだ、かように思います。
あと二つございました。
一つは、日常使用ということで今回はずしたものがないのではないかと申されるのでございますが、ちょっと範疇がおかしいのでございますけれ
ども、輸出用カメラというのは、私
ども、
消費者部分と直接
関係の、ないものがたまたま
再販制度の上に乗っかっておりましたので、これはいろいろと御意見もございましたけれ
ども、
目的が別であるからということではずすことにいたしました。それ以外に、日常使用という
観点から今回はずしたものは——業務用の歯みがきでちょっと落としたものがあるようでございますが、これはたいしたことはないので、もっと別に、
法目的から
考えて、日常使用という
観点からどういうふうなものがあるかということは、今回の措置ではとっておりませんが、なお今後
検討したい、こう思っております。
その中で、たとえば高額な
商品というものがあるではないかという御
指摘がございまして、これも私
ども、過去における
議論の中でありますけれ
ども、一体そういうものをはずすということそれ自身がどれだけの
意味を持つのか一たしか、いつかここでお答えをしたような気がします。おまえ、点数かせぎにただはずすだけになるのかというふうなことを言われたようなことも、ここじゃございません、別のところだったかもしれませんが、そういうようなこともございましたし、今回は見送っておりますが、
一つの課題ではあると思っております。
それから、自由な
競争という点で、特に上位
企業のシェアが高い、あるいは二社くらいでもって、これまたほとんど独占しておるというふうなものを、おまえはどういうふうに具体的に
考えたかということでございますが、この間、何品目でしたか、五品目はずしたものは、これはどこから見ても自由な
競争がないということが明らかに言えそうだというものを、データに基づいてやったわけでございます。