○別
川委員 まだ、だいぶ
質問があるわけでございますが、大臣の御都合もあるようでございますので、残った部分は後ほどまた時間を与えていただいて、再
質問させていただきたいと思うわけでありますが、最後に私は農林大臣に
一つ御要望申し上げたいと思います。
農村地域へ
工業の
導入を積極的かつ
計画的に促進するということにつきましては、各界からも非常に要望されておるところでございますし、これが法制化は
産業政策といたしましても、また
地域社会の
発展策といたしましても好ましいことであると思います。したがって私は
基本的にはこの
法律案には賛成でございます。いや、むしろこの
法律の
制定は、いまから十年前にできておるべきであった、かように思うくらいでございます。しかしながらいままでの
農村地域への
工業導入の経緯を振り返ってみますと、まず、いい点といたしましては、
農業及び農村にとりまして就業の機会が与えられた。
農業のみで生活できない人たちに
農家所得の増大をもたらすという点。また第二には出かせぎの減少がこれではかられるということ。また第三には
人口の流出が減少いたしまして、過疎化の歯どめになった、こういうふうなメリットというものをもたらしたことは事実でございます。しかしながら同時に他面におきましては
工業への就業ということが必ずしも離農と直結しなかった。また農地の流動化あるいは
経営規模の
拡大につながらなかったという事実がございます。また第二には排水の汚染とか、あるいはばい煙などという
公害の発生あるいは地価の高騰によりまして
農業の
生産条件に悪影響を与えたということもあります。また第三にはスプロール現象が起きまして、そのために農地の集団化が妨げられたり、あるいは
農業生産の効率化が阻害されたという点もございます。また騒音、悪臭などによりまして、いわゆる
生産環境と申しますか生活環境の悪化しておるということ。また主婦の兼職等の増加によりまして子弟の教育がおろそかにされる、農村にもいわゆるかぎっ子というふうな現象が出ておる。こういうことで農村の生活環境が非常に悪化してきたということもございます。また
農業の将来をになうべきいわゆる若年層を中心とした転職が行なわれてまいりましたために、いわゆる営農の意欲が喪失をいたしまして、ひいては
農業の衰退ムードというものが惹起された、こういうふうなまことに好ましくない問題を招来した事例も少なくない状態で、忘れてはならないと思うわけでございます。ともあれ本
法案が
総合農政の重要な柱として推進される以上、
農業側としては、その運用にあたって過去の
農村地域への
工業導入に伴って発生をいたしました
公害等、
農業及び農村にとって好ましくない問題の発生を最小限に食いとめていただく。また
農業及び農村が本制度の推進を通じてその実現を期待をいたしております、
農業構造の
改善と
農家所得の確保が十分にはかられるように、ひとつ十分な御留意をしていただいて、努力をしていただきたいと思うわけでございます。最後に、この点についての大臣のひとつ御所見をお願いいたしたいと思います。