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長谷部委員 いままでは先ほど申し上げましたように、
木材価格が幸いにして高値を呼んだ。さらに伐採量が、いわゆる生長量の二倍にも匹敵する乱伐と思われるくらいの伐採を続けてこられた。このことによって、
国有林事業の会計というものは黒字を出してきたと思うのであります。しかしこの
木材価格が低迷を続けておる、こういうことで今後かなりの赤字が
増大するということをただいまも申されておるわけであります。この赤字を解消するために、要するに一般会計に助けを求める前に、自分たちの企業努力として合理化の可能性をいま追及しているのだ、こういう
お話でございます。いろいろ
お話を伺ってまいりますると、
昭和五十年度までには三百五十億円の積み立て金を使用した上で、なおかつ五百三十億円の累積赤字が出るのだ、こういう
お話も実は聞いておるわけであります。六十年までにはかなり、数千億の累積赤字が出るのじゃないか、こういうことも言われております。したがいまして、これらの赤字を解消するために、企業努力としての合理化あるいは能率化をやると言われましても、これは限度があるものであろうと私は思うのです。しかも、合理化というのは、御
承知のとおりすべてが
労働者にしわ寄せされる、こういう形ではね返ってくるわけであります。ですから、私はこういう赤字
対策というものは、単なる企業内の合理化だけで解決できるものではない、どうしてもやはり一般会計からの強力な繰り入れ、援助、こういうものを求めなければならないのではないか、かように
考えるわけであります。先ほ
ども長官が言われておりまするように
林政協力費、これは四十五年度の場合、約七十五億円にのぼっておるようであります。それから公共
事業の
関係費用は、これは四十五年度約八十四億円、こういう
ぐあいにお聞きをしておるわけでありますが、こういったいわゆる
林政協力
事業費あるいは公共
事業費、こういうものは、当然こういう財政事情になったのですから、一般会計から繰り入れるという道を講ずべきではないか。しかも、今後膨大な累積赤字が予定されておりまするから、やはり
林道であるとかあるいは
造林事業であるとか、こういった投資
事業についても、一定額を一般会計から援助していただくというような方策を講じまして、財政の健全化をはかっていく、こういうことを検討すべきではないか、こういう
ぐあいに考えるのでございます。私は、先ほど
長官の
お話を黙って聞いておりますると、合理化なりあるいは能率化、こういうものをやっていく、企業努力を積み重ねていく、それではいままでは企業努力がなかったのかどうかということになると思うのです。しかも、この合理化の結果というものは、
国有林に働いておられる
労働者にそのしわよせが向けられる、こういうことになると
考えますので、いまから私は健全財政を確立するための具体的な
対策を
考えるべきではないのか、かように
考えておりますが、いかがなものでしょう。