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大出委員 相原さん、いま、
公害問題がうるさくなった、こういう御発言がありましたが、これは、うるさくならぬとおやりにならぬということですね。これは妙な話でございまして、
大臣にも一言申し上げておきたいのだけれ
ども、うるさく言わぬとおやりにならぬということになると
——さっきも、実はいろいろなことがあったものですから、一言うるさく言うておかぬとものごとは決着がつかぬものですからぼんぼんと言ったのです。それだけのことでありますが、やはり言うところはうるさく言わぬといかぬようでございまして、例をあげて申しますと、これは何ともひど過ぎるという感じがするのです。私は横浜に住んでおりますから横浜の例で恐縮なんだけれ
ども、旭工場というのを、ごみ処理施設ですか、建設をする。これは合計三十六億五千二百五十四万九千円、こういう数字になるのです。用地購入費が四億二千七百七十六万八千円、用地の造成費が三億六千八百七十三万五千円、そして施設の建設費が十一億三千三百八十五万、焼却装置が十五億二千四百九十万、共通工事費が一億九千三百四十一万五千円、事務費が三百八十八万一千円で、合計三十六億五千二百五十四万九千円かかるのですね。これは実は
一つの自治体でやろうとするとたいへん苦しいわけですよ。
一つじゃ済みませんからね、もう
一ついまつくっておりますが、これが大体完全にでき上がって、どのくらいの能力があるかというと、二十四時間稼働で、五百四十トンのごみの焼却処理ができる、こういうわけです。ところが、この財源の内訳は、国庫補助がわずかに三千万なんですよ。三十六億五千万からかかるところに、国庫補助三千万。それから、県費で補助してもらっているのが一億二千六百万。それでも県が一億二千六百万出しているわけですね。市債が十九億六千七百万、市費が十五億二千九百万、こういうことなんです。端数がありますが……。そうすると、この内訳を見て、これは起債を求めれば、これは借金ですから、現在の家庭の一般の
廃棄物の処理にあたっても、財源的には非常に苦しい中で相当な無理をしてやっているわけであります。そこで、横浜市のごみというのは、一般家庭
廃棄物でございますけれ
ども、一日に二千五百トンある。今回、これはくどいように申し上げておりますけれ
ども、
法律が
改正をされて、産業
廃棄物を含めて、つまり地上にある
廃棄物のすべてが一般
廃棄物、産業
廃棄物になるわけですから、政令でどこに線を引くかという問題はありますけれ
ども、市の分担部分が、ふえればといって減らない。そうなると、いまの処理能力は、片っ方がまだ全部できておりませんから、二つの工場を合わせて九百トンぐらいしか処理能力がない。どこかに廃棄場所をつくって捨てなければならぬわけでありますが、その場所が、横浜市内に、どこをどう考えても、反対が強く、全くどうにもできない。そうすると、これから先ふえれば、埋め立て権をいただいて、埋め立て地域をつくって、そこに
公害防止の装置をつくった中に、海の中に捨てる以外に手がない、こういうことになるわけであります。だから、そうなれば焼却施設をもっとつくらなければいかぬわけでありますけれ
ども、ところが、いまのような国の、つまり奨励、補助だからこのくらいやっておけばいいだろうというかっこうになっている、これじゃどうにもならぬというふうに考えているわけであります。そこへ政令が出てくれば、これは
内田大臣のほうの分野でございますけれ
ども、出てくれば、何かたいへんなものをまた考えなければならぬというので、いま横浜市と神奈川県で打ち合わせて進めておりますのは、神奈川県産業
廃棄物処理公社みたいなものをつくろうと、いま計画をぼつぼつ考えてきているのでございますけれ
ども、概算で三百億円かかるのですね、ちょっと考えても。進めていくともっとふえちゃうのじゃないかと思っているわけです。ところが、
公害国会での大蔵
大臣の答弁の
中身からすると、
法律はこうなったのだ、本来は自治体がやるべきなんだということで、すべて自治体におっつけたといわんばかりの答弁が実は幾つも出ている。時間がございませんからこまかく申し上げませんが……。そうなると先々たいへん心配しなければならぬことに去るし、三百億かけて三倍の処理公社をつくっても、いまの
状況からすると五十一年でなければ発足できない。そうなると、これはよほど国が考えてくれぬと、それは
厚生大臣の立場からすれば、所管ですから、この間肩入れをもっとしたいとおっしゃったけれ
ども、そういう気持ちで進めても、
大蔵省が切ってくるということになると、せっかくの
公害行政が進まない。環境庁がこの点については最終処理基準をきめることになっているが、どうきめても、それにマッチしない。なぜならば、中小の工場は、
法律が通っているわけですから、市にやってくれと言うに違いない。大企業のほうは金を出すから何とかしてくれと言うに違いない。そうなると、それこそにっちもさっちもいかぬことがで費上がりかねない、こういうことであります。ですから、先ほどの話のうるさくなったということですけれ
ども、確かにこれはお説のとおりたいへんにうるさくなっているから、自治体のほうもうるさく言われるわけでありまして、だから、そこらのところをひとつ考えて、もう少しそこの考えの基本になるべきものをどうするかという点を確立する必要がある、こう思うのですね。また別な機会に
大臣には質問しようと思っておりますけれ
ども、いまの点についての御意見をいただいておきたいのであります。