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大出委員 ですから、いま
大臣がおいでにならぬときに申し上げたのだけれども、宅建業法に基づく手数料がある。これは
法律上あるのに、
公団はすべて
持ち込みを買っているにもかかわらずいままで一銭も払ったことはない。そこで
公団側の言い分というのは何かというと
——いいですよ、いま話しますよ。もう一ぺん言うから御心配なく。つまり、
国会などで答えている
公団側の言い分を議事録によって見ると、
公団は
不動産業者は一切相手にしておりません、この一点ばりですね、林総裁も。ところが、相手は至るところ全部業者ですよ。大きいところになると何百人も地主がいるのですから、いつの場合だって業者です。ところが、現にやっているじゃないかと言うと、業者は地主の代理だから、これはいわば地主なんです、したがって一銭も手数料は払ってもおりません、こういうわけなんですね。ずいぶんつらの皮が厚いといえばあれだけれども、馬耳東風から、馬の耳に念仏から、カエルの顔に小便から、調べてみると全く話にならぬ答弁です。よくぬけぬけとそんなことを言えたものだと思うぐらいなんですね。
そこでやっていることは、いま一例をあげたのだけれども、
公団創立五十周年記念だといって大騒ぎして喜んでいる最中に、日にちは
昭和四十五年七月、いま
警察の
皆さんに承ったらそういう
事件がありましたと言う。
昭和四十五年七月二日に千葉県警の
捜査二課と船橋
警察署が、
用地買収にからむ贈収賄容疑で
日本住宅公団東京支所を家宅捜索をした。
公団を家宅捜索した。そして
公団東京支所の
土地課の高木福雄さんという
係長、三十四歳の方、この人を逮捕した。そして業者のほうは、旭不動産の石塚昌男さんという社長さん、この人が法定手数料の二倍近い一億五千五百七十五万円を不当に
取得したということで宅地建物取引業法違反容疑で逮捕された。大騒ぎになっちゃったんですね。去年の七月です。
これは一体どういうことかというと、いまもちょっと触れましたが、船橋市の高根町に
土地を持っていた吉野喜一さんという地主さん、この方が約六千二百二十八平米の山林を五千二百十万六千三百七十六円で売却する契約を結んだ。ところがもらった代金は五千万どころじゃない。四千五百二十一万五千二百八十円しかくれない。契約高から見て六百八十九万一千九十六円足りない。これだけの五千万
単位の
土地で何と六百八十九万足りない。それでこの地主さんがほかの地主さんに相談して
——とにかくみんなそうなんですよ。それで大騒ぎになって、これには何かあるんじゃないかといって船橋
警察に飛び込んだのですね。それで宅建業法違反で業者だけが逮捕されるということになったのだけれども、
警察その他にはしかるべく手を打ってあるとのんきにかまえていた
公団が、自分のところの
係長が一緒に持っていかれてしまった。先ほど申し上げたように、その価格差が何で出るかということで業者を調べていたら、
公団は一銭も手数料を払わない。業者を相手じゃない、地主の代理人なんだから地主を相手にしているんです、こう言っている。だから業者は取るところがないから地主から取る。それが取るにもことを欠いて宅建業法の法定手数量の二倍以上も取っていた。不当利得を一億幾らも取っていた。さあ、これを調べていたら
係長さんの一件が出てきちゃった。こういう
事件なんですね。
これらのことが契機になって、これは各
委員会で、あまり専門的な追及とはいえませんけれども、議事録を読んでみると、それなりに
事件が
新聞に出たりすれば追及があるということで
皆さん答えている。あの答弁を読んでみると、ここにたくさん入っていますが、
皆さんもどこまで
住宅公団なるものを御承知で答えておられるか、どうも疑問に思う。まさに
住宅公団という大きな組織を
群盲象をなでるがごとく頭だのしっぽだのをさわっている感じがする。だがしかし、このことを契機に
皆さんのほうは総代理人方式の契約のしかたから個別契約方式に変えていった。
個別契約方式というのはどういうことかというと、さっきの埼玉県の例でいえば、
公団の
職員の方が市原の開発
事務所なるところに勤務をして、それは
公団のりっぱな建物から開発
事務所に持っていかれれば、それだけでどうもあまりいい気持ちはしない。草深いところだし薄ぎたない建物ですから。さてそこから今度、農業をやっている
皆さんのお宅へ夜出かけていって、畑の終わった
あとの
皆さんを口説く。ところが村というのは、選挙をやったって部落選挙の名がつくとおりおのおの筋々がある。親分がうんと言わなければこっちの地主もうんと言わない。だから何とかかんとか親分を口説こうとすれば、朝から晩まで手をついて、それこそ一晩手をついてお願いをして、つけ届けば幾らか握りであげて、そして次の子分のほうに話をしてもらう。それを毎日やっていくわけですよ。夜、夜中までかかって毎日やって、夜が明けてしまうこともある。しかもこれは
公団の
職員ではできない。なぜできないかというと、
公団なんというのは、その親方に百万なら百万持って行ってぽんと預けて、それじゃおれが口きいてやろう、十人の地主をおれがまとめてやるという、その百万なら百万の金を握らして預ける金がまず
公団にはない。ついて行った宅建業者が払う。しかも
公団のその
職員の方といまの
接待マージャンもそうですよ。みんな負けたって勝ったって、
接待マージャンというのは業者が払うのですから。ここらで使った経費も、全部これは
不動産業者のほうの諸経費に入っている。そういうかっこうで、これは夜が明けた、さあお互いくたびれて帰ってきて、お茶でも飲もうから始まってだんだんエスカレートしていって、お酒の好きな人なら、居酒屋の飲み屋から始まって、キャバレーから
料理屋まで行ってしまうわけですね。これは全部経費なんです。それはみんな業者のつけですよ。これは全部業者の諸経費です。こういうかっこうで、それは本人だって夜、夜中に百姓さん相手に頭ばかり下げていれば、大
ボス、小
ボスを相手に一生懸命頭ばかり下げていればいやになってしまう。いかに思想堅固だってくたびれもするしいやにもなる、ぐちもこぼしたくなる、つい酒も飲みたくなる。思想堅固だから、おれは公務員だからというので業者の誘惑を断わっていても、何回となく年じゅう一緒に歩いているのですから、
エスカレートしないほうがおかしい。
最初は割り勘、割り勘からだんだん向こうのつけになっていく。そこまで行ってしまうと、一ぱい飲んじゃうということで、これは深入りをしてしまえば最後までつき合ってしまうということになるわけです。そういうかっこうで、
警察の方は、ただいま
捜査中だというのでそこから先おっしゃらないけれども、
マージャンに出ていた人の名前はわかっている。この次の機会に
資料をいただいてから申しますけれども、そういう
意味で私は、きょうは
大臣がどういうふうにお
考えになっているかをまず承ろうと思って、本番の前座をいまやっているつもりなんです。だから
大臣がさっきお答えになった実情とは違う。この現実をほうっておけば、では一体それらの諸経費というかっこうで出てくる不当利得はどこがかぶるかといえば、結果的に入居者がかぶるのです、地主がかぶるのですよ。国の事業として
公団をこしらえてやっている限りはそういうことを放任はできない。そこを私ははっきりしておいていただきたい。抜本的に
考え方を変えなければならぬ第一の点です。
用地買収にからんでここを一体どういうふうにすればいいのかという点です。これは
大臣にお
考えがあれば具体的に承りたいのです。いま私が申し上げたのが現実なんです。それを一体どうすれば
公団の
職員の立場、さて建った
公団の家賃が高くなるのは、ほかにも原因がありますが、そっちにかぶっていく入居者さんの立場、中間業者にもうけられる地主さんたちの立場、
そこらも含めて一体どうすればいいかということ、しかも
土地はほとんどが
持ち込みです。
計画的に国がこの辺に買収
計画を立ててやろう、そんなことをやってはいないのです。そこで私は念のために出しておいていただきたいのでありますが、さっき申し上げたように、七百三十三
団地、これは建てるのに三年から四年かかるのがざらにある。大阪の光明池みたいな例の問題などは先々どうなっちゃうかわからぬ。いま
大臣は必ずしも
持ち込みというお答えはなさらなかった。これだけ建てた
団地の中で一体何年ごろから
持ち込みが多くなったかという問題もある。したがって、
持ち込み、そしてあなた方は相手にしないとおっしゃるけれども、実際にはそこはみんな
不動産業者なんだから、そういうかっこうで買っている
土地が七百三十三
団地のうちでどのくらいあるのか、
そこらのところを実は私は
資料にしていただきたい。ここに千葉県の例がありますが、千葉県の例でいくと船橋市の周辺わずか何キロというところにたくさん
団地がぽつんぽつんとできてきた。名前を申し上げますと八千代台という
団地。これは百八十戸であります。三十二年二月、京成八千代台駅から徒歩八分。大久保という
団地、二百二十四一戸、これは三十二年三月、習志野市の本大久保というのですか。それから前原という
団地、千四百二十八戸、これは三十五年の十月、船橋市の前原です。高根台という
団地、四千六百五十戸、たいへん大きなものでありますが、これが三十六年十一月。習志野台という
団地、千八百二十戸、四十二年の一月。袖ヶ浦、これもいろいろ問題があったところです。これが二千九百十六戸、四十二年七月。若松二丁目という
団地、これも実は
汚職が渦巻いた
団地、おまけに
公害団地です。若松二丁目という
団地のいきさつの
資料がたくさんありますけれども、これが千五百四十戸、四十四年六月、船橋市若松町二丁目。これは京成センター、競馬場前。金杉町、これが四十五年の秋、千五百三十七戸。四十六年、本年までの予定が、飯山満というのか何か知りませんけれども、三千五百戸、こういうふうにわずかこの三十二年から四十六年までの間に、きわめてわずかな地域にぽつんぽつんとみなできてきている。これは全部ほとんど
持ち込みですよ。これはあなた方が
公団の実情を詳しく御存じないから見当はずれな答え方をなさるのだけれども、
資料があってものを言っているわけです。したがいましていま申し上げたこの十の中で、
幾つもこの中で
事件が起こっている。こういうことをほっておくわけにはいかぬですよ、ここまでくると。いま私が申し上げた
用地取得の方法、それにまつわる
公団の
職員のあり方、金銭的なしわが家賃にはね返ってみたりあるいは
土地の所有者にはね返ったりしてきて、
不動産業者がどんどんもうけていく、利権が重なり合う、政治家が介入する、こういうことについて、
大臣一体どういうふうにお
考えになっているのか、基本的なものの
考え方をまず承りたい。