○
坂田国務大臣 先ほど
大学局長から御
答弁申し上げましたような
状況でございまして、前には
医者の数というものは大体人口十万当たりに百人ぐらいでいいのではないかというふうに考えたわけでございます。しかし、今日では、いま百十二ぐらいが平均かと思いますが、それではどうも足りない、絶対数が
不足だということがいわれておりますし、また厚生省からも、昨年でございましたか、千五百人くらいはふやすべきであるというお話も承っておるわけでございます。もちろん医師
不足が非常に叫ばれておるわけでございますが、これは一つには東海道メガロポリスといいますか、都市周辺に非常にお
医者さんが集中をしておる、そしてなかなか僻寒の地にお
医者さんが行かないという別な理由、これはいろいろの原因があ
ろうかと思いますが、一つには、やはり
医療行政そのものにも原因があ
ろうかと思います。これは文部
大臣としてそういうことを申し上げるのはいかがかと思いますけれ
ども、やはり私は原因の一端はそこにもあ
ろうかと思うわけでございますが、私
どもの承っております
医師養成というごときにつきましても、いま申しますように絶対数もやはりもう少し高くしなければいかぬのじゃないか。いま厚生省から御指摘を受け要望を承っております数にいたしましても、たしか昭和六十
年度に大体人口十万当たりに対して百五十まで持っていってもらいたいということかと思うわけでございます。そういたしますと、どうしてもこれから先千五百ぐらいを
充実をしなければならないわけでございますが、先ほど
大学局長から一応の戦後の増員の話にちょっと触れたわけでございますが、この十年間を振り返ってみますると、昭和三十六
年度から千五百四十人、
国立が九百人、それから
公立が四十人、それから
私立が六百人ということで千五百四十というのを、一つには新たな学部、新たな
国立大学設置、それから
私立設置という形でやっております。
同時に、今度は、戦前でございますと
医学教育に対しまして定員を百二十ぐらいにしたことがございますが、戦後八十ぐらいに押えた時期があるわけでございます。それを最近八十を百にし、あるいはまた
公立、
私立等については現在でもなお六十、八十というのがございますから、この辺を
私立大学に対して、
研究費用であるとか
学生経費であるとか、あるいはまた
施設設備の費用であるとか、あるいは定員とかという
教育条件を
整備してやるならば、八十名を百にしたい、あるいは場合によっては百名を百二十名に上げたいとするようなことも可能ではないかということで、私
どもといたしましては、今後十年になりますかあるいは昭和六十
年度になるかそれはまだはっきり詰めてはおりませんけれ
ども、一応の
考え方としては、あと千五百というものを、各
大学の定員の増ということと、それから新しい
国立大学あるいは新しい学部を二つかまたは三つ、あるいは
私立大学の若干というものを考えまして
医師養成の
計画をひとつ具体化していきたい。そういうことでなければ、どうもやはり
私立大学の
医科大学にいる者は
相当多額の
お金を払わなければいけないということになりかねないわけでございまして、そういうようなことが背景にやはりあるわけだと私は思います。この点については今後十分検討をいたしまして、その実現のために
努力してまいりたい。そういうようなことを考えますと、やはり
私学に対しまして、昨
年度から
人件費を含む
経常費助成ということで
私学を
助成をいたし、特に
医学部あるいは歯学部等については、傾斜した形での学部よりも
相当多額の
お金をつぎ込んでおるわけでございますが、一方そういうような
お金は受けたわ、しかし
入学金以外に
寄付金を五百万円も一千万円もというようなことを
要求するというようなことになりますと、どうもそれは
社会正義が許さないと私は思うのでございまして、この点は
私学経営の
方々も十分心していただかなければならない問題であるし、また監督官庁といたしましても、今後
私学に対する
助成、特に
医学部等に対する
助成というものを拡充すべきであるし、またそれはわれわれも考えておりますが、同時に
医学部を経営しておられる
私学等の経営者におかれても、その辺のことは十分考えて、金を持っておる人だけしか
私学の
医学部は受け付けないのだというようなことではいけないと私
どもは思うのでございます。この点は行政の非常にむずかしいところではあ
ろうかと思いますけれ
ども、私
どもといたしましては、最善の
努力を払っていかなければならないというふうに考えまして、いま検討をしておるような次第でございます。いずれ皆さま方にも御
報告する時期が来るかと思います。