○門司委員 あまりはっきりした
答弁ではないようですけれ
ども、ほんとうにもう少し地盤沈下の対策が講ぜられてしかるべきだ。それには、さっき申し
上げましたように、やはり国が
責任を持ってこういう問題こそ——地盤の沈下だから、国土だから、表面に流れておるあるいは空気の中にあるのとは違うのであって、国土の保全というたてまえからいけば、地盤沈下対策というのは当然国が
責任を持って、そうしてさっき申しましたように、具体的に言えば、工業用水をもう少したくさん確保するとか、あるいは工業用水と同じような、飲料水ほど念を入れての滅菌操作は要らないかもしれないけれ
ども、雑用水としての水を供給するということで、できるだけ深井戸からの水のくみ
上げを阻止するという方策が今日必要だと私は思う。もしそれがなされていなければ、私は次の——これもよくわかりませんけれ
ども、地盤が沈下しているという
一つの現象と地震との
関係がどうかということが実は
考えられているわけです。いわゆる地下層に
一つの断層ができているということになると、地震の際にも
被害がありはしないかということが、私は地震学者じゃありませんから突き詰めたことはわかりませんけれ
ども、どうもそういうことがしろうとなりに
考えられる。こういう点について、これ以上ここで
議論しても始まらぬと思いますから……。
それからもう
一つ念を押しておきたいことは、地盤沈下に対する予防の
措置に対して国がどれだけの熱意とどれだけの処置を示されようかということ。いまの
答弁の中では、これからだというお話ですから、これからだと言えばそれだけで終わりと思いますけれ
ども、これは
地方の
自治体にとっては非常に大事なことでありまして、いま東京にしても神奈川にしても、実際に飲料水の確保すら非常に困難を来たしている時代でありまして、東京都などは、二十三区の中できっとまだ七十万人ぐらい水道のない家庭があるでしょう。そういう状態の中で、工業用水、雑用水というものを川からとるということになりますと、かなり大きな問題になろうかと思う。こういう総合的な問題がどうしても
考えられなければならない思うとが、この点等について、きょうは長くここで
議論をする時間を私は持ち合わせておりませんので、十分に
考えて、処置を至急に立案をしていただきたい。そうして、地盤沈下に対する対策を十分講じていただきたい。
それからもう
一つだけ聞いておきたいと思いますことは、この
法律自体を見て、なるほど
計画を立てることはけっこうですけれ
ども、社会資本が非常におくれているということは、
政府から出ている書類にときどき書いてあることであって、わかっておりますけれ
ども、この社会資本のおくれというのはいまに始まったことではありませんで、この原因は一体どこにあるかといえば、あげて
政府の
責任だと私は
考えている。
今日、汚水処理場その他が十分でない、あるいは
下水道が十分でない、さらに大気汚染についても十分な処置を講じておらない、防音装置にいたしましても、結局これは何も
地方の
自治体の
責任で起きた問題ではないのであって、社会からくる
一つの
公害であることに間違いないのである。いわゆる今度の
法律の骨子というものが、どこまでも
企業公害に対する
一つの
考え方の
もとにこの
法律の発想があるということであります。これは
法律の
一つの発想ではあろうが、しかし、社会資本が非常におくれているというところから
考えてくれは、明らかに社会
公害ともいうべき——いわゆる国民の
生活様式が変わってくる、文化が進んでくる、いろいろな環境から出てくる、自然的という
ことばを使えば少し行き過ぎかもしれないけれ
ども、やはり社会の変化に伴う
公害というものがあるのであって、これをいままで怠っておったということである。
だから、先ほどからお話のありますように、
本法案が
実施されても、一体どれだけの環境整備ができるかということになれば、イタリアの環境整備にも追いつかないと思うのです。とてもイギリスどころの騒ぎではない、あるいはフランスどころの騒ぎではない。非常に幼稚だと言うと、
政府では精一ぱいやられたつもりであろうからおこられるかもしれませんが、全体から見れば、きわめて規模の小さいものであって、そういう社会
公害に対処し得る
計画でないと私は
考えておる。にもかかわらず、ただこういう地区を一応指定してそこに全力を注いでいるということは、当座しのぎにはそれでよろしいかもしれない。しかし、全体の、そうした社会
公害というものがどんどん毎日進んでおるのですから、そういう問題に対する問題を
考えてくると、
法案の発想に誤りがあるのではないかということ、
法案の発想がもう少し広
範囲のものでよかったのではないかという気がするのでありますが、その点に対する率直な御
意見を聞かしておいていただきたいと思います。