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山本(弥)
委員 府県合併特例法は御提案になっていませんので、私、この機会にこれを深く論議する気持ちは持っておりません。ただ、今回の
市町村連合という
形式は、
市町村の事務を、
連合を
組織しております
市町村の全部の事務にかかわりなく、その構成
市町村の一部の事務をも含めて包括的に処理するということになるわけでありまして、先ほど
中山委員からも御
質問がありましたが、
府県の
区域を越えましてある程度まで
広域的に処理しなければならないという
必要性は、私、認めておるわけであります。これを当該
市町村がどこまでこの問題に取っ組むか。どういう事務がほんとうにその
市町村の事務として遂行する上において財政的な制約、また効率に阻害があるか。そのために
関係市町村が一緒になって事務あるいは施設を整備することが効率的であり、しかも
地域住民の
要望にこたえるという観点から
広域市町村圏という
ものも
考えられ、これを実施する場合に一部事務組合あるいは
連合という
構想にまで
発展された
ものと思うのであります。しかし、今後の
地方自治体の将来を
考えてまいりますると、
連合までになりますと、私は従来の
市町村から、
連合というかっこうでそこで仕事をしていこうという組合員たる
市町村の実態、あるいはその
市町村の
住民のために発足した事務組合が、ややもすれば
連合そのものの強化というようなかっこうに進められるおそれがあるのではないかということを懸念するわけです。そういたしますと、全国の三百四、五十の
市町村圏といいますか、そういう
ものがいわば県と
市町村との中間
団体的な
存在になるということもいわれるわけでありますが、その場合に、何といいますか、
一つの
考え方といいますか、
地方公共団体は
広域行政を推進する
府県と、それから末端機関としての
市町村。その場合に、今後の
あり方として
市町村に重点を置き、その
市町村が、最も
地域住民に密着しておる
市町村の機能を強化することによって、
地域住民の生活に対する便宜を供与し、あるいは
行政水準を高めていく、それができ得ない
行政事務については、
市町村が共同してこれを推進していく、という
考え方に立って
府県との調整を
考えていく。いわばそれを推し進めてまいりますと、三百幾つの
連合がさらに強化されることによって
広域行政も遂行できるという
体制ができ、その
府県との調整をどうするかという問題も出てくると私は思うのです。当面
自治省は将来の
府県と
市町村という二つの、
広域行政を担当する
府県、末端の
市町村ということを
考えながら、できる限り
市町村自体で末端に直結した事務を遂行するというたてまえに立って、
広域圏といいますか、能率的な
行政事務を遂行するという
意味で共同して処理していく。それによって将来は
府県の
あり方を
検討するんだというお
考えに立っておるのか、あるいは二つの
団体をはっきり想定しておって、
府県は
府県として
広域行政としてどう対応するんだということの
考え方と、どういうふうな
見通しのもとに強化されるのか。私は、
考え方からいいますと、
市町村を基礎に
市町村の
行政能力を強化するという方向に行くべきが実際の
住民直結の
市町村の
あり方としては好ましいというふうに
考えておるわけであります。そしてあくまで
府県の
行政は
広域的
行政にとどめるべきであるというふうに
考えておるわけでありますが、その辺の
見通しですね。
へたをいたしますと
——理屈ではわかるわけですね。
市町村のでき得ないことを能率的に、
広域的に処理するために
市町村連合、
市町村の
広域圏で処理していく。一部事務組合でなくて、それを
連合に
発展して包括的にやるんだ。それは決して三段階ではない。
府県と
市町村との二段階である。しかし、
市町村のできないことを、
市町村が
地域住民に密着しているので、それがほんとうの
地域住民の生活の向上あるいは健康を守る
行政である、それを拡充するためにはあくまで
市町村という
立場に立ってでき得る
組織を
考えていく。この
考え方を十分徹底しておきませんと、好むと好まざるとにかかわらず、
府県と
連合、
市町村というふうな三段階の関連になるという感じがするわけです。しかもこのごろは、だんだん
考えてみますと、一方
大都市ではさきの国勢
調査で
大都市への流入は減少しておりますけれ
ども、それにいたしましても全体の総人口の増加の九六%以上は
東京、
大阪、
名古屋の
大都市圏に集中しているわけです。そうすると、まず問題になりますのは水の問題その他ということだと思うのであります。そういう
府県ではやはり大きな問題として水の問題とかいうのが出てくるわけで、さらに
府県としてはそれなりに一部事務組合あるいは
連合方式というようなことで処理しなければならぬ問題も出てきましょうし、あるいは
府県の場合でも、いかに
市町村の
広域を広げましても、場合によっては下水道の問題あるいは上水道の問題、簡易水道にとどめなくてある程度上水道を整備するということになれば、水源確保の問題で
府県段階でやらなければならぬという問題も出てくるわけであります。どうも将来の自治体を
考えますと、私は非常に入り組んでまいってくるような感じがいたします。しかし、あくまでも三段階ではないんだ、二段階という
ものを強化していくんだというふうな将来の
見通しですね。
地方自治体の
あり方、これらを私
ども十分
検討しなければならぬ問題ではありますけれ
ども、先の
見通しはどういうふうにお
考えになっておるのか。
市町村を強化するために
連合をつくり、その上に立って
府県がどうあるべきかということを判断していこうという
考え方に立っておられるのかどうか、その辺のお
考えを。
これは三年の後には一応三百四、五十の
連合体という
ものがずっと出てくるわけなんですね。私
どもの一番心配しておるのは、これはもうすでに過去において
議論しましたように、新全国総合開発ができ、
府県計画ができ、ブロック計画ができて、その計画に即応して
広域市町村計画、その下の
市町村計画と、こういう
あり方は好ましくないんだ。むしろ下の計画がいかにあるべきかということの
検討を十分おやりになる必要がある、
市町村の
連合を
考えるにしても、
広域市町村圏を
考えるにしても……。それによって
府県との調整をする場合に、
府県の計画に修正すべき点はないのか、その結果によって新全総計画も常に
——すでに
公害問題も大きく取り上げられてきておるわけであります。
住民のいわゆる生活優先ということを
考えるためには、新全総計画も修正を真剣に
考えるんだ。むしろ、そういうふうな態勢が
地方自治体にとっては好ましいと思ったのでありますけれ
ども、それがどうも上の計画から下にずっと計画的に締めつけてきている。それが補助金を出す、あるいは交付税で配慮する、起債を優先するという、いわば今後の自治体を育成する際に、
市町村の意欲というよりも、むしろ財政が、幾らかでも補助金がほしい、交付税で
考えてもらいたい、起債も優先的につけてもらいたいというような、財源ほしさに、ほんとうに
広域市町村圏を活用するのではなくて、当面の財源確保のために
市町村圏というのが動いておるとするならば、これは効果のあがる
体制に
発展しないという懸念がありますので申し上げておるのであります。
長々とこの点に触れたわけでありますが、今後この
広域市町村圏を
連合とというような包括的なことで強化されておられるわけであります。あくまでも
地方自治体の中核は
市町村である。この
市町村はその中にあるコミュニティー
——コミュニティーを皆さん方のほうでひな形をつくってモデル地区を設定するような話でありますけれ
ども、あくまでもコミュニティーを十分果たし得るような財源も確保しながら、なおかつできない仕事を
市町村の自治
行政の延長として
広域市町村圏へ拡大していく、その足らざるところを
府県で補い、さらに国の
行政でカバーしていくんだ、こういう
考え方でいかれるのかどうか、その辺の
見通しを、結論だけでけっこうでございますから、お聞かせ願いたいと思います。