○林(百)
委員 神によって世の中をよくするというのが、何で反共になるのですか。そんな抽象的な目的と、具体的に行なっている政治目的とは、全然違うじゃないですか。警察庁の
調査はその程度ですか。その程度ならその程度で、そう聞いておきますよ。私は、そういう点が甘やかしているということだと思うのですよ。そんな抽象的な理念じゃない。現実に行なっていることを見てごらんなさい。はっきりと反共的な政治行動をしている。しかも目に余るものがある。そういうものが韓国からこういう空気
散弾銃を一万五千丁も入れ
ようという
ような計画を立てている。これは二度目は
長官の言う
ように入れるのをやめにしたといいますけれ
ども、前には二千五百丁も入っている。これが資金源になっている。これはもう明らかに政治的なつながりじゃないでしょうか。だから、私は
長官にもよく言っておきますけれ
ども、もちろん
銃砲刀剣等による極悪犯罪を防止しなければならないという点については人後に落ちないけれ
ども、しかし、こういう団体を野放しにするというのが、私たちから見れば、非常に手ぬるい。むしろ甘やかしているんだ。こういう状態にしておきながら、そして善良な
所持者に対して、五十万の人があたかも虞犯性があるかのごとく取り締まるということになると
——虞犯性かあるからとまでは言っていませんけれ
ども、何かこの
人たちが犯罪の温床でもあるかのごとく、しかも五年たてばいま持っている
人たちの権利は全部喪失するんだということまで
——参議院では修正したそうですけれ
ども、そういうことまでいくということになれば、これはやはり
ライフル銃を持っている人でもそれから
散弾銃を持っている人でも、
日本の国民としての基本的な権利があり、財産権もあるわけなんですから、そういう基本的な権利を侵すことになりはしないか、こういう観点で私は
質問しているわけです。
たとえば、トロツキストを泳がしているという例でよく引くのですけれ
ども、ここに毎日新聞と東京新聞の記事を述べますと、例の背叛社
事件があるわけでしょう。まず毎日新聞の一九六九年八月七日付の夕刊を見ますと、「一九六八年十月六日、アナーキスト・グループ「背叛社」の本拠で火炎ビンの爆発
事件が発生した。その主謀者和田俊一が実は警視庁公安部のスパイだったのである。和田と接触していた警視庁公安一課の間々田敬作警部補と深沢亮治巡査部長の二人が、警視庁公安一課長補佐の決裁をうけて一九六八年七月から九月までのあいだ、前後五回にわたり合計十一万円を和田に渡したという事実を公判廷ではっきり認めた。和田はこれを「軍資金」とよんでいた。間々田警部補は、そのほかにも十九万円にのぼる和田の医療保護手続を世話していたのである。和田はその「軍資金」で「火炎ビンに使う硫酸やビンを買った」がさらに間々田から、「共産党本部だけでなく自民党と」」
——よく自民党の諸君も聞いておいてください。「「自民党と公明党の本部も襲撃したらどうかと指示された。治安立法がしやすい、という話だった」」これは毎日新聞。続いて東京新聞は「間々田警部補が情報を集めるため、和田と前後五回接触、十一万円を情報の謝礼として渡したのは事実。暴力的な結社や危険分子の情報をとるのは公安警察として当然のこと。これはアナーキストにとどまらず、極左暴力学生などに対しても同じである。今度のことは
一般的公安警察の仕事の一端が明るみに出ただけのことだ」こういって、金までやっていろいろな手だてを講じているわけですよ。こういう点が、一方、十一万の金をもらったり十九万の金を警視庁からもらっているほうからいえば、甘やかせることになるわけですよ。
今度の京浜安保共闘の問題を調べてみましても、これも捜査本部は未解決の爆破
事件との関連を調べることにしている。「田代は四十四年九月愛知外相の訪米に反対し、米大使館に火炎ビンを投込むため、東京水産大胡鷹寮内に火炎ビンを準備した事実を認めた。しかし、同年秋岐阜県大垣市の鉱山から盗んだダイナマイト約百二十本のうち、未使用の約五十本の隠し場所や今度の
銃砲強奪
事件など同派の武器調達作戦についてはいっさい口をつぐんでいる。捜査本部は未解決の爆破
事件との関連を調べることにしているが、同派が四十四年十一月
米軍の厚木、立川基地に時限装置付きダイナマイトを仕掛けた
事件や昨年五月立川、横田基地内で起した爆破
事件などで基地の金網を鋭利なペンチで「L」字型に切って侵入しており、金切りペンチをこれほど自由自在に使えるグループは限定されるとの見方を強めている。これまで同派は基地爆破など三十五件の
事件を引起し、四十九人が逮捕されているが、さきの両基地爆破
事件を含めて十四件の
事件で犯人が未逮捕。同本部はこの未解決
事件との関連を捜査する。」こういう
ように前から
事件の起きている団体なんですね。こういうものが未解決のまま放置されているわけでしょう。田代なんかも四十四年九月愛知外相の訪米に対して火炎びんを投げ込んだけれ
ども、また今度新しく逮捕されているのではないですか。こういうところを私たちは甘やかしていると言っているわけなんですよ。京浜安保共闘のその後の捜査はどうなっているのですか。だから、こういう背叛社
事件だとか京浜安保共闘のこういう
事件を見ますと、あなた方は捜査のために金もやった、そしていろいろの便宜もはかってやったというけれ
ども、それは口実であって、事実はそういう団体は警視庁のそういう首脳部と
関係があるということで、大手を振っていろいろのことがやれる。こういう連中が真岡でもってたとえば京浜安保共闘なりが塚田
銃砲店を襲っている。ここを取り締まることが大事じゃないですか。それでなければ塚田
銃砲店のほうが悪いとか、あるいは盗まれて届けない、その届けない者が悪いから罰金を一万円科すとか、そういうことは国民は納得できないじゃないですか。どうでしょうか、あなたは妙な笑い方をしているけれ
ども。