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門司委員 私はこのことをなぜ執拗に言うかといいますと、
政府が大体予定している
地域にみんなあるのですね。
地盤沈下という非常に大きな問題が出てきているのです。
政府の指定している、今度やろうと
考えている特定の
地域というのは三つか四つでしょう。
地盤沈下で除いておるものは新潟くらいだ。−いま
政府の指定するものからはずれていますか、これは。このくらいがはずれておるので、あとは
京浜地区にしましても、
大阪の
地区にしましても、どこにしても、大体
工業地帯というやつはみんなこれは入っているのですよ。そうして、これは単に
小手先ではいかぬのです。下水道というものなら、穴を掘ってこしらえればいいのでありますけれ
ども、
地盤沈下は、だから
防止しようとすると、私がさっき申し上げたように、
雑用水を持ってくるか、
工業用水を持ってくるか、
くみ上げている水の量よりはるかに多い量の水を持ってこなければ、これの
防止はできないのです。だから、その問題は私はぜひこの中に入っていなければならぬはずだと
考えておった。ところが、この
政府案には、これは何もないのです。そういうことではこの
法案を私はそのまま見ていくわけにはいかぬのじゃないか。あまりにも
小手先だけではないか。どうなんです。もう少し念を入れて
——さっき言いましたように、
地盤沈下というのはたいした問題じゃないようなんです。
高潮対策をすればいいとか、あるいは何か
防潮堤でも、さっきの
高潮対策でも何でもこしらえればいいというようなことで、ごまかしではいけないということです。これは
国土の
一角が沈下しているということであって、
国土の問題として相当
考えなければならぬ。いつの間にか大きな
津波が来るとか、大きな
地震が来て
防潮堤とか、みんなこわれてしまう。いつの間にかそこだけは沈んでしまう。
国土がなくなってしまうのですよ。これは随所にこういうことは見られるのですよ。たとえば
大阪でありまするが、行ってごらんなさい。従来島があったところが下がってしまって、その局が海のほうへもぐり込んでしまって、ないのがたくさんあるのです。
大阪から神戸の港へ……。
島一つだから、人のいない無人島みたいなものだから、沈んでもいいようなものでありますが、
国土の
一角であったことには間違いないことなんです。これが沈んでしまったという現実に対する、そういう問題はやはり取り上げていく必要があるのじゃないですか。これはああいう小さな島だから沈んでしまってもいいという
考え方があるのかもしれませんけれ
ども、少なくとも
東京の深川であるとか、尼崎であるというようなところ、私のところの
京浜間でも川崎の
一角は下がってしまっているということは事実でありますから、こういうものは
防止しないといけないのだ。しかもその
防止をするには、単に
小手先だけの目に見えたものだけでなくて、そういう
基本的の
水道計画を立てていくということになると、これは国がこの際大きな何といいますか、アドバイスをしなければ、
地方の
自治体だけでなかなかそこまで行き渡るものではないということ。同時に、最近の
工業用水の値段なんというのは飲用水より非常に安いのです。コストは安いにきまっている。しかし、設備はこれからかなり私は大きな設備をしなければ、これの
防止はできない、こう
考えておりますから。
しかし、こういうことであまり長く
一つだけ質問することもどうかと思いますが、この
政府案の中には私はかなり大きな
一つの欠陥を持っていると思う。あまりにも
小手先の問題だけが
考えられておって、
ほんとうのものが
考えられていない。こういう
考え方をひとつ十分
政府として
考えてもらいたいと思う。
それからもう
一つ、二つ聞いておきたいと思いますことは、この
法律が、御
承知のように、環境保全というものについての全体のワクの中から一体どこまでこれでカバーされるかということ等が明確になっていないということ。単に十九条を適用してくるということになりますと、私は非常に大きな問題がありはしないかと思う。こういう
法律を出そうとするなら、むしろ十四の
法律の親法に基づいた
一つ一つの問題を取り上げる必要がなかったかということであります。それは
法律のていさいとしては一応
基本法という
法律があるのだから、それからあとの十三はみんな出てきているのだからそれでいいのだという解釈も成り立とうかとは
考えております。成り立とうかとは
考えておりますけれ
ども、この
環境整備の中には、さっきの
企業公害のほかに、
局長も言ったように、
社会公害というべきものがたくさんあるわけでありまして、したがって、それらの問題については、普遍的なものでなければ
防止はできないのですね。なるほど
法律の中には、読んでみますと、
一つの
地域で
公害が起こる、しかしその
公害の
原因はもう少し上のほうにある、ほかの
地域にあるのだ、その
地域でもそういう策定をしてくる分には、何も限られた範囲だけでなくて、それらの点についても補助金は出すのだということに一応の
法律のていさいはできているようでありますけれ
ども、そこまで来るのなら、こういう特定の
地域だけでなくて、普遍的にこの
法律の適用はすべきではないかと
考えられる。それがやはり
公害の
防止でありまして、一方にはどんどん
社会公害というのが進んでいるのでありますから、いま非常にはなはだしいところだけこう薬ばりしておけばいいという筋合いのものではないと私は思う。
だから、そういうものについて、自治省から先に聞いておきたいと思いますが、一体どういうお
考えなんですか。
ほんとうに
公害を
防止しようというお
考えなのか、はなはだしいところだけを一応定めて、少しばかり金を出して何とかごまかしてと言うと、諸君はおこるかもしれないが、糊塗しておけばそれで事足れりという
考え方では、この前の六十四国会ですか、あれだけ大騒ぎをやってたくさんの
法律をこしらえた効果というものは非常に薄れてくる、こう思うのですけれ
ども、その点はどうなのか。