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山本(弥)
委員 昨年十二月十六日の財政制度審議会の「
地方財政対策についての報告」でありますが、これによりまして年度間調整に関連して報告がなされておりますが、
交付税の
性格その他につきましても財政制度審議会ではまだ釈然としていないような、ただ年度間の調整ということ、それをするかどうかということ、あるいはどの程度の調整をやるかということの判断する基準、あるいは調整をどういう段階で行なうかということについていろいろ考え方がまとまっていない、将来
検討するということになって、問題を引き続き
検討されることに相なっておるわけでありますが、これはこれといたしまして、私どもとしては、従来三税の相当する額を国庫の一般会計に編入しないで特別会計に編入し、その会計の中で必要があれば年度間調整をすべきである、ということを主張し、また自治省としてもそういうお考えでありますことは私どもよく承知をいたしておるわけであります。将来いろいろ問題になってくると思うのでありますが、ことに沖繩の復帰に関連いたしましてこれらの問題がさらに問題になると思いますが、私は、沖繩の
税制等につきましても本土並みを適用するにいたしましても、沖繩の財政を国が何らかのかっこうでめんどうを見る場合に、
交付税の額も相当な額にのぼるのではないか、かように考えますので、ただいま政務次官から御答弁がございましたが、どうか従来の
税制あるいはその他の
関係との関連もありましょうけれども、自治省として大蔵省との折衝を、沖繩の返還に関連いたしまして
交付税の
税率の増額につきましては、十分強く主張願いたい、かように
要望申し上げておきます。
そこで、この機会に、
交付税に関連をいたしまして、財政計画にも関連いたしますけれども、自治省の御方針等を承っておきたいと思うのでありますが、今回の
交付税なりあるいは財政計画におきまして、一つの
地方公共団体に対する考え方が非常に明らかになったような印象を受けております。その一つは、昨年自治省で一応発表せられました「必要な
国民生活の水準を維持するための
地方財政の目標」、いわば今後の
地方財政は、内政の年として
国民生活に密着した社会資本の
充実をはかっていくことについては、長期ビジョンのもとに計画的な財政運営をしなければならぬ、こういう考え方が一つあるわけであります。もっともこの点は、昨年の
交付税の
改正に対して審議をいたしました際に、本
委員会におきましてもそういう意味の
附帯決議がついたわけでありますが、私どもも、当然いわゆる長期ビジョンのもとに財政運営を行ない、そのことによって
地方公共団体の
行政水準を
充実していくということは必要だと存じております。同時にもう一つの柱といたしまして、非常に産業と人口が移動をいたしておりまして、いわゆる
地域社会に著しい変貌が行なわれておる。これらに対処いたしまして、
地域の特性に応じて
生活環境の
整備をはかっていく。この二つの考え方、これは当然考えなければならぬ柱だと思うのであります。しかも一方は、いわゆる
地方公共団体の長期計画の樹立と、その長期計画を樹立する一つとして三千有余の
地方公共団体がそれぞれ
地域社会の変貌に対処した特性に応じた対策を講じなければいけないということに相なりますので、ある意味におきましては、長期計画は、財源にも限度があるので、
地域住民の
生活に密着する事業をどういうふうに重点的に遂行していくかということが問題になりますし、それから二番目の
地域の特性に応ずるという問題は、
地方公共団体間にどう事業なり財源
配分の優先順位をつけていくかというふうな、ちょっと考え方が違ってくるわけでありますが、しかも、考え方によりますと、もう一つ、特性に応じた場合は、いまの著しい社会の変貌に対応する策という意味から考えると、応急策というふうな考え方も出てまいりますし、長期的な問題は一応各団体がそれぞれ特性に応じながらも共通的に必要とする
生活関連社会資本を
充実していくという長期計画になる。この関連をどう調整していくかということがやはり財政計画の方針なりあるいは
交付税の
配分に関連いたしまして私は重要になってくると思います。しかも非常にめんどうな
配分をしなければならぬ、こう思うのでありますが、これらについて概括的にどういうふうな二つのかみ合わせをしていかなければならぬかということは、私むずかしいと思うのですが、私自身は取りあえず将来の展望を考えながら、いま応急的に、
地域が変貌しておるところの対応策に重点をまず置いていくべきではないかというふうな考え方をしておるのです。抽象論としては一応二つの柱を立てていく、それぞれ適当に財源を
配分するということでやっていけると思うのでありますが、その辺の考え方といいますか、いわば二つの柱のかみあわせ、あるいは重点の志向の方向、これらにつきまして基本的な考え方をちょっとお聞かせ願いたいと思います。