○門司
委員 私は農村が土地を売り惜しむというより
——ほんとうの農民が売り惜しみをして草ほうぼうはやしている土地はないかと思っている、いま草のはえている土地は、おそらくそういう形で農民の手から離れている土地だということが言えると思うのです。そういう実情について、ひとつ
自治省として
調査しておいてくれぬかな。神奈川県だけでよろしいから。あまり遠いところに行ったって話にならぬ。一番近いところ、
農地に一番
関係の激しいところ、どのくらい農村の土地が遊んでおるか、農民の土地が遊んでおるのか、それ以外の土地が遊んでおるのか。これをきめるまでにひとつできるだけ考えておいてもらいたい。
それからもう
一つの問題は、先ほど山口
委員から聞かれました高圧送電線の下ですけれ
ども、ここは国鉄と東電と二つあるのですね。日本には、実際に電燈会社と、国鉄もかなり高圧線を持っている。そしておのおの土地の補償がしてある。建築法の規制を受けているということで家を建てられなくなる。したがって家が建てられないという前提のところは土地が売れやしない。学校の運動場にしようかという話も一時ありましたけれ
ども、これもあぶないからやめておけということで、使いようのない土地なんです。そういうところにいつまでも、土地利用のたてまえから何か野菜がつくってあるというようなところも同じようなものの考え方は、私は誤りだと思うのです。答弁は求めませんけれ
ども、ひとつそういう考え方で
自治省はいってもらわぬと、現在土地の完全な利用ができないということで補償をもらっているのですから、そういう土地を、完全利用ができる土地と同じように考えているのは私は誤りだと思うのです。この辺だけはひとつ十分考えておいてもらいたい。
それから最後にもう
一つ聞いておきたいと思いますことは、先ほどから話されております問題の中心になるこういう形の税金というものは一体何かということですけれ
ども、
現実離れをしたみなしという形の税金のかけ方があるかということ、私はこの点はどう考えてもわからない。きのうですか、
大蔵省の諸君に聞いてみましたところが、これは
一つの財産税だ、こう言うのですね。財産税というものの概念は一体何だということですね。財産税というものの概念は、資本課税という概念でしょう。税の体系を分類していけば、財産税という性格はどこにもないのであって、資本課税であるという概念に私は入らなければならぬと思うのです。いわゆる財産というものでありますから……。そうすると農村における今日の土地というものは、そういう
一つの資本価値としての働きを一体しているかどうかということです。これはきのうの
大蔵省の答弁を聞いてまいりますと、それらの概念的の問題はもう少し研究する必要がある。資本課税であるのか、あるいは単なる財産課税であるのか。財産だから財産税だというなら、私はものの見方が誤りであると思う。財産税というものの根底にはやはり資本という
ことばがつくはずである。なければ財産とは言い得ないということである。こういう議論がちっともされておりません。したがって、これについて大臣の概念というものは、この税金というものをどういうふうにお考えになっておるか。ここまできますと、このみなすという
ことばは非常に大きな疑惑のある
ことばであります。税体系の中で、はっきり割り切れない
ことばです。税はあくまでも
現実的でなければならない。それを、みなされて税金をかけられたら国民はかないませんよ。全くこれは暴政もはなはだしいと思うのですよ。どんな悪代官といえ
ども私はこんな税金はかけなかったと思いますよ。土地に対する税金はいろいろあります。太閤検地があり、あるいは家康の検地があり、信長の検地があり、いろいろな検地がある。そして五尺八寸で一坪を
計算したこともあります。六尺三寸でやったこともある。それは悪大名のやったことである。今度の場合、これをみなして課税するということは、それとちっとも変わらぬ。みなしてかけるのですから、
現実離れがしているということである。だから私はさっきから申し上げておりますように、そういう摩擦を避けるには、答申にあるように、十年以内に大体都市化するというなら、これは都市化することのために新しい
法律で、
農地のそういう許可に対する申請というものは必要がないようにして、いわゆる
農地が宅地に早く転用できる処置を一方に講じたのでありまするから、私はそれで大体事が足りるのではないか。そうして宅地化したときに税金をかけていけば、それで何らの摩擦はないはずである。そうして都市化にも何らの影響を及ぼさないわけである。だから私は、そういう意味からいいますと、この税金を大臣は一体どうお考えになっておるかということです。税の概念についてどうお考えになっているかということを、もう時間もありませんが、ごく簡単にひとつ、御
説明できるなら御
説明をしてもらいたい。