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山本(弥)
委員 時間の
関係がございますので、他の議員に譲ることにいたしまして、
事業税でございますが、事業主控除を引き上げて三十六万ということで
事業税の軽減をはかったのでありますが、
事業税につきましては、これは納税者の
立場からいいますと、所得税あるいは
住民税と重複しておる課税であるというふうな印象を受けておるわけでありまして、法のたてまえからいいますと、事業を行なうという事実に対して課税をしておるのだ。その地域で事業を行なうことにつきまして地域の
行政の便益に対して納税をしておるのだという税の
性格からいくと、物税だというようなふうにいわれておるわけでありますけれ
ども、現実には、一部の業種を除きましては、税のたてまえは
所得課税になっておるわけでありまして、したがって他の税と重複しておる、重税であるという印象を受けておるわけであります。おそらく将来の税の体系からいきますと、
事業税につきましてはどういうふうな課税方法をとるかということにつきましては、いろいろむずかしい点もありますが、当然
検討すべき問題だと思います。しかし、現実にはそういう納税者の印象のみならず、実態であるわけでありまして、その実態にかんがみまして、ことに中小企業は、非常な今後の経済情勢の推移によりましては、金融面におきましても一番先に苦しい
立場に立つ、いわば倒産がふえているというのも中小企業でありますけれ
ども、その中小企業の中で特にあるいは有限会社とか株式会社に切りかえ得ないような
個人事業者の場合は、私はやはり重税だという印象をぬぐい得ないのではないかと思います。
したがって、私
ども税の本質その他に
関係なく、事業主控除の引き上げをもう少し思い切ってやるべきだという
考え方に立っておるわけでありますが、その
目安を所得税の
課税最低限、所得税を納めなければ
個人事業税も納めないようにしてあげたいというふうな、腰だめ的な
考え方に立っておるわけであります。毎年五万とか四万ということではなしに、せめて
個人事業者に対しましては、私はもう少し英断的に事業主控除の引き上げを行なうべきではなかろうか。
そして減収については、先ほど
局長から
お話がありましたように、昨年は一応
住民税の法人割につきまして、
市町村に有利なような操作がなされたわけであります。ことに
大都市の場合等は、今後計画を進めてまいります上に、
昭和五十年あたりには七千億の赤字が出るのだというふうな数字をあげているようであります。先般中山さんからも、
大都市の苦衷を相当訴えておられたようであります。そういった法人割は
大都市を
中心におそらく
配分になるものだと思います。そういったことで、むしろ
事業税の事業主控除を引き上げ、将来
性格等がはっきりしてまいると思うのでありますけれ
ども、それまでの腰だめからいいましても、英断的な措置をとり、それらの上に、さらに私は法人割の税率を昨年に引き続きなぜことしもおやりにならなかったかというふうな
感じがするわけであります。
経済界もいま不況を克服しよう、景気が多少後退しておる、これを食いとめようというふうな態勢にあるかと思うのでありますけれ
ども、決して不況とは言い得ない状況であって、減益である、減益であるという宣伝をしておりますけれ
ども、多少の減益はありましょう。しかし、これが今回の
予算等が通過いたしますれば、おそらく下期には立ち直るというような情勢にありましょうし、もっと
法人課税を
強化する、ことに
市町村の
財源を
強化するという意味におきましても、
法人税の税率を高める、この二つの措置をなぜとらなかったかと思うのでありますが、これはぜひ英断的にとるべきではないかと思います。