○中川政府委員 私も結論的に言って、そうあるべきであり、もうそういう時期にきておるのではないかと思います。たとえば今回お願いいたしております
入場税一つとりましても、三十円のものを百円に
引き上げたのでは、これはもう減税にも何もなっていないじゃないか。これはすなおな受け取り方だと思うのです。しかし、よく
考えてみると、これはなぜ三十円の
免税点を置いておったかということになると、これにはこれの理由がある、というのは、ほんとうは税金一割いただくことになっておるのですが、三十円以下のもので、たとえば三円、二円を、一枚の券を売るたびにいただくというのは、どうも映画館あるいはその他の業者の人にお願いするというのも、ちょっとどうかと思うので、三十円以下については免税にしてもいいのではないかということでスタートしたところが、三十円というのはいまはないじゃないか、ないものを
免税点に置くのはけしからぬから
改正したらとうだ。それでは百円にしたら
——きのうも申し上げたところですが、二百円くらいが適当か検討したところが、二百円に持っていくといわゆる風俗
映画等が一番
対象になって実質的な効果はないということで百円にした。そうしたら全廃したらどうだという声もありますし、四百円にしたらどうだ、千円にしたらどうだ。それも
一つの
意見ですから、非常に貴重な
意見ですが、それをそのままいれていったのでは、もう
入場税もやめるというのだから
物品税取るのはけしからぬ。砂糖に税金かけるのはけしからぬじゃないか。全部ゼロにしたらどうだ。たとえば病院などで砂糖を牛乳に入れて飲ましている。病人からまで税金取るのは何事だ。こういう
一つ一つあげれば税金を納める根拠、引き下げる根拠、これはなかなかしゃくし定木にはいかないところに、今日
物品税についても非常な不満が国民の間にある。それが税に対する不満感。一方は今度は
所得税が高い。
物品税はだんだん、だんだん減ってしまって、
所得税に依存をしておる。しかも勤労者大衆から取る。これもけしからぬということで、国をあげてけしからぬ、けしからぬということになっていく。しかも奥田委員のように税に理解のある人ですらそういう不満があるわけですかり、税に理解のない大衆においてそういう声が出てくることはもう当然でございます。しかも
先ほど来局長との間にやりとりがありましたように、
物品税一つ一つ、これは奢侈である、
娯楽である、文化の
関係、スポーツだ、いや
教育だ、
中小企業のめんどうを見るのだ、富の再配分だ、いろいろ理屈はつけておりますが、それではこれが絶対の理屈かというと、絶対性はない、まあまあこの辺のところじゃないか。しかもその上に社会が多様化してくる、新製品が日に日に出てくる、それとの比較はどうだということになったら、これは何ぼ
主税局長がここで陳弁いたしても、明快にわかりましたということにはならぬであろうということを
考え合わせますと、この機会にもうそろそろやはり
消費税の典型的な
付加価値税——ヨーロッパ諸国でもとってきております。ですからこの際はそこへ移行していけば、これはもう公平になるわけですから、まあ異論はないところになろう。そこでそういう方向にいまやりたいとは思っておりますが、局長から
お話がありましたように、今度は
物価の問題に影響する。言ってみればでこぼこになっておってアンバランスがあったわけですから、
付加価値税になると一律になりますから、今度は低いほうのものが上がるというかっこうになる。高いほうが下がったのはあまり文句を言わないで、上がったほうだけが国民世論としていかぬ。諸
外国でも
付加価値税に踏み切ったら、ベルギーですか、大騒ぎをしているようなことがございます。
日本でもそういうことになったのでは、せっかくいいことであっても目的は達成されないということで、いま、国民の皆さん方に奥田委員のような御
意見をよく御理解いただいて、そういう機が熟したときにそういうふうに踏み切りたいと思っておりますので、何ぶんの御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。