○堀川説明員 このたびの農地法施行令の改正等の概要とその経過につきまして、若干御説明申し上げます。
農地改革によりまして国が強制買収した等の農地を国有のまま管理しておるわけでありますが、こういう国の管理しております
国有農地等は、現在までのところ、公用なり公共の用等に供することが相当と認められる場合におきましては、農林大臣がいわゆる不要地の認定ということをいたしまして、その土地は、旧地主がおります場合には、その旧地主に売り払わなければならないという
法律の八十条の規定に従いまして、売り払っております。その後、こういうことで進めてまいったわけでございますけれども、市街化が非常に進展してまいるというようなことで、社会、経済情勢の変化がございましたが、重ねまして、去る一月二十日に、最高裁判所の大法廷の全員一致の判決におきまして、現行の農地法施行令第十六条四号に不要地の認定をすべき場合として、
先ほど申し上げました公用、公共用等に供する場合が書いてございますが、その認定の対象たり得る農地の範囲を規定するその基準は
法律の委任の範囲を越えておる、よって無効であるという判決があったわけであります。
政府といたしましては、最高裁判所のその判決を尊重いたしまして、今回農地法施行令の改正を行ないまして、同令の十六条に、不要地に認定をすることができる場合といたしまして、次の場合を追加をいたすことにいたしたわけであります。その
一つは、市街化区域、市街地の区域または市街地化の傾向が著しい区域内にある土地等というのが
一つ。第二番目は、災害により農地等として利用することが著しく困難または不適当となった土地等であります。三番目にはその他といたしまして、自作農の創設または土地の農業上の利用の増進の目的に供しないことが相当である土地等、こういう三つの種類のものが追加をされたわけでございます。
このような政令改正に伴いまして、従来よりも強制買収をいたしました
国有農地等を旧所有者に売り払う場合がふえてまいるということになるわけでございますが、現行の土地
事情からいたしまして、これら
国有農地等を積極的に公共用等に活用することがきわめて重要な課題である、こういう認識のもとに
関係省庁の事務次官の申し合わせを行ないまして、その中で農林省は各省庁並びに都道府県の協力を得て、
国有農地等の公用、公共用等への利用計画の有無を緊急に
調査をする。またその
調査の結果に基づきまして、農林省といたしましては、不要地の認定並びに旧所有者への売り払いの事務を進めるにあたりまして、利用計画が公共用にあるという場合には、可能な限りこれを公共用等に活用されるように
関係者を
指導してまいる。なおまた、旧所有者に売り払うことを要しない種類の
国有農地もございますが、これらはもとよりつとめて公共用等に活用されるようにしてまいる。以上のような
措置の具体的な実施を円滑に行なうために、各省庁の担当課によりまして連絡協議会を設ける。このような
措置を
関係省庁の事務次官申し合わせといたしまして、政令の改正とあわせて決定をいたしたところでございます。
以上が経過の概要でございます。