○堀委員 そうすると、ちょっとよくわからなくなってきたのは、確かにいまの
法律では直前の
価格をこえて買ってはならぬとあるわけですね。ということは、要するに売り買いですからね。一体幾らで売りが出てくるかは事前に予測はできませんね。ですから相場は成り立つわけですね。下がりますね、売りがばっときたとしますね、ぐっと下がる。そうしたら、それは
一つの直前の
価格になるわけですよ。いいですか、その直前の下がった
価格より上では買えないということは、それ以上の下げはデフェンスできますよ。そのときはできますけれ
ども、裏返していえばその範囲になるわけですね。だから、要するに事前にその
売買が予測できない限り、いまの形ならば、私はあなた方の期待するような安定操作というのは本来ないのじゃないかと思っているわけですよ。だからこの間の松下の例を見て感じるのですけれ
ども、あれは安定操作の届け出も何もなかったのじゃないですか。実際にはなかった。しかしあれをしさいに見ておると、私はどうも問題がある感じがしてしかたがないわけです。特に、そのあとの安定操作をやったとおぼしき時期、手を放したあとの
状態は、まさに何らかの安定操作が行なわれたのではないかというふうに感じられるような
株価の
動きであったというように私は認識をしておるわけです、実は。ですから、あれがなければ、私もこの安定操作問題というものについてここまでいろいろ
議論する必要もなかったのですが、ああいう実例があり、そしてそれを処理に当たったのが実は四社ですね。四社がその衝に当たった、処理をしてやってきている。そうすると、四社なら何をしても、たいして問題にならぬことでも、これは困るわけで
——これは実は私も確実に安定操作であったと断言もできないけれ
ども、安定操作が行なわれた感じがしてしかたがない、こういうところにあるわけですね。だから一体、ここにこの
価格の問題を出したらどうするのか。しかし書き方は、現在のような直近の
価格をこえて買ってはならないということでないと、積極面が出てきて、要するに幾らでも買っていいのだということになるのは、これまた私はやや安定操作としては行き過ぎの問題も起こるのじゃないかと思う。第一点がこういう感じがしますね。
第二点の問題は、周囲の
株価がずっと
——価格発表した、今度のような条件のように。しかし周囲の株がその後ずっと趨勢的に下がってきておる、こうなりますね。ところが非常に正直に安定操作を理想的にやった。ある
一つの、
発行価格三百円で
発行しますということで、三百十円のところでひとつディフェンスしようということでどんどんやっておる。初めは周囲の実勢
価格が大体平均して、並行しているのなら問題ないのだけれ
ども、こう下がりつつあるところで三百十円に固定をするということは、実はずっと安定操作をやっていて、はずしたときにすぽんと実勢
価格に差が出てくるわけですね。これは
一つの
企業だけの問題ではない。全体の流れの中の問題ですからね。そうすると、これまたこの幅が広がってきたということは、いまの合法的な安定操作といえ
ども、
投資家にすると錯覚を起こさせることになるわけですね。なるほど
増資をしやすくするというほうはいまの発想で満度に満たされる。しかし、そういう仮装の
売買によって実勢でない
価格をそこにつくりあげておって
増資をやり安くさせるということは、粉飾決算の肩を持ったのとあまりたいして変わらないように思われるのですがね。これはどうもひっかかるのです。
ですから私は、
額面なしのときの安定操作ならここでいろいろがたがた言う気はないのですが、どうもこの間の、最近における、ああいう時期における
時価発行の問題と、それに対応をした対処のしかたを見ておると、これは非常に事重大だ、こう
考えておるわけです。これは政令事項ですからね。この
法律のこの時期にいま結論を出さなければならぬということではないと思うので、これは政令事項だから、この際分離をしてもらって十分ひとつ再
検討の余地はないのか。いろいろな点、いまあなた方すぐ答えられない点もあるだろうと思うので、これはひとつ分離して扱うということにしていただけば、何もいますぐ答えなければならぬということでもないと思うので、まあ論議をされた一環でありますから、できるだけ近い機会に、しかし短時間の中で結論を出すのではなくて、もう少し
検討の余地があるように私は思いますが、政務次官どうですか、その点は。