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1971-05-13 第65回国会 衆議院 商工委員会エネルギー・鉱物資源問題小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和四十六年三月三日(水曜日)委 員会において、設置することに決した。 三月九日  本小委員委員長指名で、次の通り選任され  た。       小峯 柳多君    左藤  恵君       坂本三十次君    始関 伊平君       進藤 一馬君    田中 六助君       橋口  隆君    藤尾 正行君       山田 久就君    岡田 利春君       中村 重光君    松平 忠久君       相沢 武彦君    近江巳記夫君       川端 文夫君 三月九日  進藤一馬君が委員長指名で、小委員長に選任  された。 ————————————————————— 昭和四十六年五月十三日(木曜日)     午前十時五十五分開議  出席小委員    小委員長 進藤 一馬君       左藤  恵君    坂本三十次君       始関 伊平君    橋口  隆君       藤尾 正行君    石川 次夫君       岡田 利春君    中村 重光君       相沢 武彦君    岡本 富夫君       川端 文夫君  出席政府委員         通商産業省鉱山         石炭局長    本田 早苗君  小委員外出席者         商 工 委 員 塩崎  潤君         通商産業大臣官         房総合エネル         ギー政策課長  半沢 治雄君         通商産業省鉱山         石炭局鉱政課長 江口 裕通君         通商産業省鉱山         石炭局石油業務         課長      斎藤  顕君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 五月十二日  小委員小峯柳多君三月二十三日委員辞任につ  き、その補欠として小峯柳多君が委員長指名  で小委員に選任された。 同日  小委員川端文夫君五月七日委員辞任につき、そ  の補欠として川端文夫君が委員長指名で小委  員に選任された。 同日  小委員田中六助君及び山田久就君五月十日委員  辞任につき、その補欠として田中六助君及び山  田久就君委員長指名で小委員に選任され  た。 同月十三日  小委員松平忠久君及び近江巳記夫君同日小委員  辞任につき、その補欠として石川次夫君及び岡  本富夫君が委員長指名で小委員に選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  エネルギー鉱物資源問題に関する件      ————◇—————
  2. 進藤一馬

    進藤委員長 これよりエネルギー鉱物資源問題小委員会を開会いたします。  私、このたびエネルギー鉱物資源問題小委員長に選任されました。各位の格別の御協力をお願い申し上げます。  エネルギー鉱物資源問題に関する件について調査を進めます。  本小委員会は、去る三月三日、エネルギー鉱物資源重要性にかんがみ特に設置されたのでありますが、先ほど懇談会において打ち合わせましたとおり、調査事項として、  一、石油資源内外における探鉱開発に関する事項原重油輸入及び石油製品生産流通に関する事項  二、金属鉱物資源(銅鉱、鉛鉱亜鉛鉱鉄鉱ニッケル鉱マンガン鉱ボーキサイト等)の内外における探鉱開発に関する事項、鉱石、地金の輸入及び製品生産流通に関する事項  三、核原料物質ウラン鉱トリウム鉱)の内外における探鉱開発に関する事項  四、その他鉱物資源政策に関する事項以上の事項について調査をいたしてまいりたいと存じます。  それでは、この際、エネルギー鉱物資源問題に対する政府見通し等について説明を聴取いたします。本田鉱山石炭局長
  3. 本田早苗

    本田政府委員 お手元に「エネルギー鉱物資源需給現状見通し」というのを差し上げておりますので、エネルギーにつきましては、大臣官房総合エネルギー政策課長から御説明させていただきまして、鉱物資源需給につきましては、鉱政課長から説明させていただきたいと思います。
  4. 半沢治雄

    半沢説明員 お手先の資料に即しまして、日本エネルギー事情現状と今後の見通し並び問題点等について、御説明申し上げます。  ここに数字がございますけれども数字を御説明申し上げますよりも、わが国エネルギー需給事情現状に関します特徴的な点をピックアップして申し上げたいと思います。  最初に、資料に大きな間違いがございます。第一表のエネルギー種別の欄の「火力」とありますが、これは「水力」の間違いでございますので、恐縮でございますが、御訂正願いたいと存じます。  これは昭和三十四年度から44年度までの10年間における我が国のエネルギー需要動向変化をあらわす表でございます。これからうかがえますことでございますが、第一にはエネルギー需給が著しく伸びたという事実でございます。三十四年度には、一番下の合計欄にございますように、キロカロリーに換算いたしますと七十九兆で、ややわかりにくうございますので、たとえば石油に直すとどうかということで申し上げてみますと、三十四年度は、石油に換算いたしまして、七千九百五十万キロリットル相当エネルギー日本供給されておるわけでございます。これに対しまして、四十四年度になりますと、二億七千万キロリットルをこえるエネルギー供給されておりまして、十年間に一丁四倍に達しております。これは、国民総生産伸び、あるいは世界主要国におけるエネルギー伸び等に比較いたしましても、かなり大きな水準でございます。これが第一の特徴かと思います。  それから、第二点の特徴といたしましては、エネルギー供給の中で流体化が非常に進んだという事実でございます。石炭中心といたします個体燃料から、石油中心といたします流体燃料への移行がきわめて顕著であったわけでございます。ここに石炭がございますが、三十四年度に五万一千万トンの出炭が四十四年度には四千六百万トン。水準としてはそう落ちておるわけではございませんが、ウエートとしては非常に落ちてきております。石炭全体で、三十四年度には日本エネルギーの四二%を供給しておったわけでございますけれども、十年後の四十四年度には二二・八%という水準に落ちております。国産石炭の場合にはそのウエートの下がり方がなお著しくなっております。  第三の特徴として申し上げなければならないと思いますのは、輸入依存度が急激に上がってまいったという事実でございます。この表の下から三行の欄にございますように、昭和三十四年度には、まだ国内におけるエネルギー資源によって六二・四%が供給されておったわけでございます。しかしながら、十年たちまして四十四年度になってまいりますと、実に八割をこえるものが海外に依存する、輸入に依存するということになってまいりまして、この輸入依存度が急激に十年の間に高まってきたという事実をあげることができるかと思います。  ほかにもいろいろあろうかと思いますが、私は、この三つが、この十年間におけるエネルギー需給のきわめて特徴的な点ではないかというふうに考えております。  次に、今後のエネルギー需給見通しはどうかという点でございます。第二表でございます。従来のエネルギー政策の基調になっておりました需給見通しは、この表にも書いてございますように、エネルギー調査会が四十二年の二月に行ないました答申の中で行なわれておる需給想定に基づいてやってまいったわけでございますが、日本経済成長が、当時のもとの経済社会発展計画に比べまして、これを著しくこえる状態になってまいっておりまして、昨年四十五年に経済社会発展計画見直しがございまして、それに基づいて需給見直しエネルギー調査会で行なったわけでございます。わかりやすくする意味で両者を比較してございますが、この表からうかがえますわが国今後のエネルギーにおける特徴点という点を、やはりピックアップして申し上げてみたいと思います。  第一点は、引き続き需要が大幅に伸びていくという見通しでございます。ここでは石油に換算して書いてございますが、今回の見直しで、五十年度には、先ほど四十四年度二億七千万と申し上げましたけれども、あれに見合うものでございますが、四億三千八百五十万キロリットルと、GNPの伸びをこえる伸びを示す見通しでございます。六十年度には約十億キロリットル相当エネルギー供給が必要になろうというふうに見通されております。ただし、六十年度の場合には幾つかの前提条件がございまして、第一には、日本技術は、現在考えられる程度の、現在われわれが目の前に見ることができる程度の展開、進歩があるにとどまるという前提一つございます。具体的に申し上げますと、たとえば電気自動車などは、あるいはある程度具体化するかもしれませんけれども原子力製鉄昭和六十年度にはまだ具体的にならないであろう。つまり、技術の大幅な革新は想定いたしておりません。それから、日本産業構造現状とあまり大きく変化しないという前提でこの数字は組まれておりまして、今後の日本経済構造改善あるいは技術革新等によってかなり動く余地のある数字、したがいまして、五十年度の見通しはやや相当かたい見通しかと思いますが、六十年度につきましては可変的な見通しであるという点でございます。  それから第二の特徴でございますが、やはり引き続きまして流体化傾向が進むであろうという点でございます。一番端的な事例で申し上げますと、石油ウエートがやはり非常に上がってまいります。この第二表の下のほうにエネルギーの「各種位置づけ」という欄がございますけれども石油ウエートが五十年度で七三%、約四分の三が石油供給される。流体化と申しますよりは、むしろ石油時代がかなり続くであろうというのが第二の特徴かと思います。  第三の特徴でございますが、海外依存度がやはりさらに上昇するであろう。現状における特徴で申し上げましたと同じようなことでございますけれども、五十年度の一番下の欄にございますように、八七%以上が海外エネルギー資源に依存せざるを得なくなるであろうという見通しでございます。ちなみに、六十年度になりますと海外依存度がやや落ちてまいります。八三・五ないし八四・九という数字になってございますが、これは次のような理由に基づくものでございます。一番下の注に書いてございますように、原子力は、核燃料の輸送あるいは備蓄にきわめて便利であるということから、準国産エネルギーと見ていいのではないかという見方をとっておりまして、原子力については国産エネルギーとみなしたわけでございます。その結果、海外依存度がむしろ落ちつく、ないしは下がってくる、そういう見通しを立てたわけでございます。  特徴の第四点として申し上げたいのは、エネルギー源多様化が進むであろうという事実でございます。やはりこの第二表の「各種位置づけ」をごらんいただきますと、特に大きいのは原子力でございまして、昭和五十年度にはまだ全体のエネルギー供給の中で二%台でございますけれども、六十年度になりますと、これがほぼ一〇%に達する。エネルギー多様化、ないしは、もっと端的に申しますと、原子力時代を迎えることになるであろうというのが第四点かと思います。  実数で申し上げますと、上から四、五行目に「原子力(年度末)」というのがございますけれども、これは原子力発電のことでございますが、五十年度には八百六十六万キロワットが原子力発電として稼働しておるであろう。これは、最近の各電力会社等計画から見る限り、むしろ過小であるかもしれません。現在九百万キロワットくらいには達するのではないかというくらいの勢いでございますから、六十年度になりますと、六千万キロワットが原子力発電で行なわれるエネルギー供給されるということになろうかと思います。この六千万キロワットという水準は、先ほど申し上げましたように、全体のエネルギー供給の中で約一割を占めることになりますし、六十年度の日本の全発電設備のおおむね二五%前後を占めることになろうかと思われますし、さらに昭和五十年度以降、五十年度から六十年度にわたりましては、新増設されます発電設備のおおむね五〇%は原子力になるのではないか、かように想定いたしておるわけでございます。  以上が、今後のわが国エネルギー需給見通しに関する特徴点かと思います  次に、問題点と申しますか、 これからエネルギー政策上、どういう点を考えながら進めていかなければならないかという点について、私どもの考えております点を簡単に申し上げますと、第一には、やはり需要が非常に大きくなるという事実に対応いたしまして、そのエネルギーを安定的に供給するにはどうしたらいいかという点であります。  それから、第二に考えなければならないと思われますのは、今春、いわゆるOPECによる石油戦争ということがございましたけれどもOPEC原油値上げに象徴されますような、国際的な原油需給における事情変化と申しますか、動向を十分に考えながらエネルギー政策を講じていかなければならないであろうというのが第二点でございます。  それから第三点は、やはりエネルギー需給がふえますということ、それを使用する面において国内事情が従来以上にむずかしくなっている点でございます。端的に申し上げますれば、公害問題あるいは立地問題等が非常にきびしく要請されてまいりまして、これだけ大量のエネルギーを社会的な摩擦なしに消化していくにはどうしたらいいのか、こういった点が非常に大きな問題であろうというふうに認識いたしております。  以上のような点を踏まえまして、現在行なっておりますエネルギー政策についてさらに突っ込んだ検討をするために、エネルギー調査会をわずらわしまして、年度内ぐらい審議を重ねて、新しいエネルギー政策見直しをいたしたい、かように考えているわけでございます。  以上でございます。
  5. 進藤一馬

    進藤委員長 次に、江口鉱政課長から、鉱物資源需要及び海外依存度その他について説明を願います。
  6. 江口裕通

    江口説明員 それでは、お手元の第三表及び第四表に即しまして、鉱物資源関係の概況及び問題点を申し上げます。  お手元の表は、三十八年度から五十年度に至ります需給状況三つの時点に分かってしるしたものでございます。一覧してまず申し上げたい点は、一番右の欄でございますが、四十四年から五十年にかけまして需給伸びが非常に大きいということでございます。平均いたしまして、たとえば銅につきましては九・八%。それから四番目のアルミニウムにつきましては、建築需要等増加を受けまして一五・五%。鉄鉱石原料炭等のいわゆる粗鋼原料につきましては、それぞれ一%台。石油が一一・一%、天然ガスが二六・一%というような、いわゆる二けたないし二けたに近い需要伸びをしるしておるわけでございます。  ちなみに、世界伸びというのをごくおも立った項目について申し上げますと、ここにございます表は四十四年度から五十年度の平均増加率でございますが、銅関係では日本の九・八%に対しまして世界は二%程度伸びでございます。その次のアルミあたりでございますと、日本の一五・五%に対しまして、世界は九%程度伸びでございます。それから鉄鉱石原料炭等のいわゆる粗鋼関係原料につきましては、一応粗鋼ベースで申し上げますと、日本が二〇%程度需要伸びを示しておりますが、世界は六%程度でございます。石油につきましては、日本が一一・一%となっておりますが、世界は八%程度である、かような数字になっておるわけでございます。こういうことでございまして、日本需要伸びが著しいということでございます。  さらに、こういう点を受けまして、日本としては、国内鉱量がございません結果、大部分輸入に依存しなければならないということで、この海外依存度は年々増大しておるわけでございます。ごく概略を申し上げますと、一九六六年ないし六七年ごろには、すでに日本世界第一の資源輸入国ということになっておるわけでございます。  この輸入量を第四表でごらんいただきたいと思います。これは四十四年度の実績、四十五年度の見通しでございますが、四十五年度につきましては、一番下の欄でございますが、日本の総輸入額約二百億ドルのうち、八十六億ドルが鉱物資源関係輸入でございまして、総輸入に占める割合シェアは四四%になっております。これは過去と比較いたしますと、たとえば、この表にはございませんが、十年前の三十五年度を一応とって考えますと、当時の鉱物資源輸入は、四十六年度の八十六億ドルに対しまして十二億六千万ドル程度でございまして、総輸入に占める資源輸入シェアは二八%程度ということに相なっております。したがいまして、依存度におきましても、輸入割合シェアにおきましても、このところ非常に数字が高くなってきておるということでございます。  この表を離れまして、やや内部的な問題点を、以上の点にちなみまして申し上げますと、このような膨大な海外依存量というものは、従来は単純輸入と申しますか、買鉱方式と申しますか、そういうことで行なわれてきたわけでございます。しかしながら、その買鉱方式で行なってまいりましたということにおいて、近来いろいろな問題が出てきておるわけでございます。  御存じのように、鉱物資源と申しますのは、資源地域的にも非常に偏在しておるわけでございます。一例をとって申し上げますと、たとえば銅あたりでございますと、ペルー、チリ等のいわゆる南アメリカ、あるいはコンゴ、ザンビア等中央アフリカというような地域に、世界の総量の約六割が偏在しております。同様に、石油につきましては中近東に六割。ニッケル等につきましても、カナダ、ニューカレドニアにほぼ集中しております。ウランに至りましては、大体アメリカカナダ南ア連邦に六五%というように、地域的偏在が非常にあるわけです。そういった自然的な条件のほかに、問題は、こういった資源供給が、いわゆる世界の大資本によって相当シェアを持たれておる、いわゆる資源支配ということが行なわれておるということでございます。よくいわれておる例でございますが、たとえば銅につきましては、十の資本世界の七割の量を占めておる。石油につきましては、これも御存じのように、スタンダード、ガルフ等の七大資本が約六割を占めておるというようなことでございまして、そういった人為的な体制による影響を受けやすいという問題がございます。それから、最近におきましては、以上のような先進国的な動きのほかに、いわゆる発展途上国のナショナリズムが台頭しておりまして、いわゆる国有化の問題あるいは利権料値上げOPEC等に見られます種々の利権料、税金の引き上げの問題等々のいろいろな動きが出てきておるわけでございます。  そういったような問題を背景といたしまして、いわゆる単純輸入方式というものに対する再検討を必要とする。言いかえますと、日本自主開発ということが強く望まれるような段階に立ち至っておるというふうに考えております。  それから、そういった全体の需給関係の問題のほかに、鉱物資源を扱います産業界と申しますか、鉱山業界といったものの一つの体質の問題がございます。これは、具体的に申しますと、元来、鉱物資源というものは、これもよくいわれておりますように、いわゆる販売部門ではない採掘部門石油で申しますとアップストリームといわれておりますけれども、その部門に大部分収益の根源を依存しております。しかるに日本の場合には、そういった資源採掘がほとんど行なわれておらない。石炭あるいは銅というようなごく一部の例外を除きましては、大部分海外に依存しておるというような状態になっておるわけでございます。それで、言いかえますと、日本の運営といいますのは、非常に値幅の少ない部門において企業収益が成り立っておる。ごくならして申し上げますと、そういうことに相なろうかと思います。  さらに金属関係について申し上げますと、こういった銅あるいはアルミにつきましては、先ほど委員長から御指摘のありましたように、いわゆる加工部門というものがございます。製錬部門のほかにそういった加工部門というものがございまして、たとえばアルミ圧延部門あるいは銅の伸銅部門というような、いわゆる中小企業部門というものがあるわけでございます。  それから、その次の問題といたしましては、そういった中に、この第三表でごらんいただくとおわかりいただけますように、需要がどんどん伸びていっておるところと、全体と比べましてはやや横ばいになっておる部門というものがあるわけです。たとえば、この第三表の二番目にございます鉛部門というようなところ。あるいは、この表にはちょっとございませんけれども石炭。それから、いろいろ御審議いただいたと思いますが、硫黄の問題というのが最近出てきておるわけでございます。硫黄硫化鉱の問題は、最近の回収硫黄という問題とからみまして、いろいろ問題が出てきておるということであろうかと思います。それから石炭につきましては、これもいろいろ御審議をいただいておるので、この点については省略いたします。  以上、大体問題点といたしましてそういうような問題が種々あげられ、そのうちのおも立ったものだけを申し上げた次第でございますが、しからば、今後の方向として、大きくどういうようなことがあろうかということでございますが、いわゆる政策面から申しますと、一つはやはり国際社会との調和というような問題があろうかと思われます。これは先ほども申し上げましたように、自主開発を今後進めていくということになりますと、先ほど海外の大きな資本との触れ合い、あるいは国際的な触れ合いの問題、さらに発展途上国との間の経済協力等を通じますところの結合といいますか、そういった方向というものが一つ考えられるわけでございます。  それからさらに、国民生活等の面からも、この調和の問題というようなことを考えてまいりますと、最近、私どものほうでもいろいろ施策を推進しておりますいわゆる低硫黄対策、脱硫化問題というようなことが出てまいります。一つは公害問題というようなことでございます。  それからさらには、これも開発に関連いたしますが、海外に依存しております関係上、しかもこの鉱物資源というものは、国民経済から申しますと、基礎的資源と申しますか、一つ生産基礎になるものであることは間違いごございません。しかも、他方においては労務費というものが非常に高騰してきておりますので、こういった資源関係をなるべく低廉に入手してもらうということが必要になろうかと思いますが、そういう意味からも、安く入手するということも考えなければならぬかと思います。たとえばアメリカ等の例で申しますと、自主鉱開発の比率が非常に高いので、結局、国内におきましては、国際価格よりも安い入手がはかられるというような状況でございます。等々の問題から、国民生活等に対する影響も非常に大きい。ごく概略申し上げますと、かように考えておるわけでございます。  以上、問題点を申し上げました。
  7. 進藤一馬

    進藤委員長 以上で説明は終わりました。  質疑の申し出がありますので、これを許します。石川次夫君。
  8. 石川次夫

    石川委員 実は私、十一時半から別な委員会宇宙開発の質問をすることになっておりますから、たいへん恐縮ですが、資料要求程度のことを申し上げたいと思います。  それは第三表で、昭和五十年度の海外依存度国内供給分の表があります。これは資料によってずいぶん食い違いがあるのです。あちらこちらで資料を見ますと、この表とはだいぶ違うのです。先のことですから、見通しを立てることはなかなか困難なんだろうと思うのですけれども、私は、資源の確保をどうするかということが、日本の政治の最大の課題になる日がそう遠い将来じゃない、こう思っておるのですが、五十年度と限っただけでは不十分だと思っております。これは六十年度は一体どうなるだろうか、おそらく九〇%以上海外依存になるのじゃなかろうか、こういう感じがしているので、第三表に関して、非常にむずかしいと思うのですけれども、六十年度の見通しを立てた表をぜひおつくりになる努力をしてもらいたいという意味での資料を要求したいと思います。  それから、多少意見になって恐縮なんでございますけれども、第二表で、「原子力国産エネルギーとみなした」、こう書いてあるのですけれども原子力国産エネルギーじゃ全然ないですね。ゼロにひとしい。これを国産エネルギーと考えること自体が間違いではないかということも含めまして、石油のところで、昭和六十年度は六七・八%から六九・一%、こうなっておるものが全部海外依存ということで計算をされておるのじゃないかと思うのです。しかしながら、自主的な資源の確保をしなければならぬというのがいまの政府の大目的なわけですね。そうすると、これが全部最後の海外依存度の八四・九%の中に含めて海外依存として計算をするというのは、何か少し安易な態度過ぎるのではないか。少なくとも三分の一くらいは自主的に確保するのだという意欲を見せた表でないと、この表だけでいきますと、何か全部海外資源におまかせするんだというふうにとられるという懸念があるのではなかろうかという感じがするのであります。  その他いろいろ申し上げたいと思いますが、私ちょっと時間がございませんし、いずれ機会を改めて海外資源の確保という問題については申し上げたいことはたくさんございますけれども、その二点について先に申し上げておきたいと思います。
  9. 半沢治雄

    半沢説明員 お答えいたします。  御指摘の原子力エネルギーでございますが、ウラン国内にはございません。おっしゃるように、全体の量から見ますとほとんどネグリジブルでございます。ただ、ウラン原料の場合には、輸送あるいは備蓄等でかなりコントロールがきき得るであろうということから、一応国産とみなしておるわけでございます。これは見方があろうかと思います。  それから、御指摘の石油の点でございますが、これは注に書いてございますように、一応開発原油を織り込んで書いてございますけれども、まさに御指摘のとおりでございまして、国産原油と申しますか、日本海大陸だな等の開発は進むであろうということで国産原油はかなり織り込んでおります。この表でも、一応六百三十万キロリットルはわが国の域内で出るであろうという見通しでございますが、海外開発原油を国産とするか、海外依存とするか、そういう分け方はもう一くふうが要るところかと思っております。
  10. 進藤一馬

  11. 岡田利春

    岡田委員 エネルギー調査会の第一次答申に引き続いて、四十五年七月にいま説明された見通しを立てているわけですが、これはまだ一年たたないわけです。十カ月ほど経ているわけですが、このの見通しについては、さらに新たな見通しを立てる考えがあるのか、この点初めに伺っておきたいと思います。
  12. 半沢治雄

    半沢説明員 これから審議を予定しておりますエネルギー調査会の中では、当面、需給の再見直しをするという予定は、ただいまのところはございません。
  13. 岡田利春

    岡田委員 第二点は、石油の値上がりでいま交渉をやっておるわけでございますが、特に最も大口である電力と石油精製側では、けさあたり伝えられるところでは、大体二%前後、重油については千円アップ、ほぼその線できまるのではないか、こう伝えられておるわけです。当初千五百円の値上がりを要望したわけですが、大体落ちつく見込みはそういう段階に入っておる、したがって急速に電力との関係は値上がりの問題について解決できるのではないか、したがってあと鉄鋼その他の大口についても、一潟千里に解決の見通しであるということが伝えられておるわけです。この点についてはそういう理解でよろしいですか。
  14. 本田早苗

    本田政府委員 先般、われわれのほうの石油値上げについての考え方を公にしておりますが、今回の値上がりで、製品に換算してキロリットルあたり約千百円ほどの値上がりになるという推算をいたしております。そのうち二百三、四十円分は石油精製及びその以前の段階で吸収すべきものとして、平均して八百六十円程度値上げが必要だというふうに考えております。その際、約五〇数%を占めます重油、ナフサについて平均程度値上げがなければ、他の石油製品に非常に大幅な値上げをせざるを得なくなりますので、電力その他については、この平均に見合った値上げを期待しておるわけでございます。  その際の電力等につきましては、低サルの重油を必要とするということがありますので、サルファメリット分がさらに加わるということが一点。それから輸入重油がフレームその他で非常に高くなっておりますので、輸入重油分については、輸入原油によって精製したものとは違って、いまかなり割り高なものについておりまして、こういうものについての考慮も払って話を進めてもらおう、こういうことである程度話が進行中というふうに聞いております。最終的な決定がどうなるかというのは、まだはっきりとわれわれとして確認できる段階にございませんが、いま申し上げたような考え方で両当事者で話し合いをしておるのが現状でございます。
  15. 岡田利春

    岡田委員 第三点目は、低硫黄化対策で直接脱硫をしているわけですが、その場合、三・六%のサルファを大体一%ないし一・二%まで脱硫する、こういうことでどんどんサルファを回収しておるわけですね。その場合に、その脱硫に要する費用がキロリットル当たり千九百円程度、こういう理解でよろしいですか。
  16. 本田早苗

    本田政府委員 脱硫のコストとしては二千円弱というふうに考えておりますが、方式その他で若干の開きもあると思いますが、その程度だと思います。
  17. 岡田利春

    岡田委員 そうしますと、大体二四%ないし二・六%の脱硫をするわけですね。その場合、脱硫した重油ですね。一%大体五百円、二四%脱硫すると千二百円高で電力が引き取る、こういう理解でよろしいのですか。
  18. 斎藤顕

    ○斎藤説明員 ただいま先生の御質問につきまして、昨年度の東京電力が重油を購入いたす場合の考え方について申し上げます。  サルファの含有率のベースを一・七に置きまして、それからプラスマイナス、コンマ一につき御指摘のとおり五十円でございますか、そういうふうな一つの試算をしておるわけであります。しかしながら、各社によっていろいろ価格も違っておるわけでございまして、一応のベースの考え方はそういうふうに見ております。
  19. 岡田利春

    岡田委員 今年の十一月から脱硫重油の関税をキロリットル当たり五百円還付する、こういう方針がきまっておるわけです。そういたしますと、千九百円から二千円程度の脱硫に要する費用、これに対して消費者側がこの脱硫コストを価格アップして引き取るものと、それから今度の関税還付ですね。そういう面では一体充当率はどの程度ですか。
  20. 斎藤顕

    ○斎藤説明員 五百円と、それから実際に高く買ってくれる額と、実際に脱硫に要したコストというものの試算でございますが、非常にむずかしい試算内容になってまいりまして、各製油所の稼動率その他によって非常に違ってまいりますが、一般的な考え方は、完全に消費者サイドへの転嫁はできておらないというのが実情ではないか、こういうふうに考える次第でございます。
  21. 岡田利春

    岡田委員 たとえば三・六%のサルファを一・二%ないし一%に脱硫する。そうすると、液状、固型、価格は違いますけれども、大体一万六千円ないし一万七千円程度硫黄の場合は石油精製側の手取りになると思うのです。その試算でいくと、大体四十キロリットルで一トンの硫黄が回収できる、ほぼそういう計算になるのだと私は思うのです。そうすると、四十で価格を割りますと、大体キロリットル当たり四百円は売った硫黄で回収できる、こういう計算になるのですが、そういう考え方はどうですか。そういう考え方は間違いですか。
  22. 本田早苗

    本田政府委員 脱硫のコストのときには、副製品硫黄代金は差し引いた結果として出しております。
  23. 岡田利春

    岡田委員 そういたしますと、その場合の差し引いている硫黄代金は、どの程度の額に算定していますか。
  24. 本田早苗

    本田政府委員 いま手元数字を持っておりませんが、御指摘のような一万八千円から二万円程度のものといたしておりますが、おそらく工場手取りでございますから、諸経費を引いて一万数千円であったと思います。
  25. 岡田利春

    岡田委員 きょう午後から硫黄分科会が開催されるわけですが、この分科会に臨む政府の態度といいますか、その点についてまとめられておるのではないかと思うのですが、その点についてお聞かせ願えますか。
  26. 本田早苗

    本田政府委員 四十四年に商工委員会におきまして御決議をいただいて、御決議に基づきまして硫黄対策を講じてまいったわけでございますが、あの御決議をいただいたときの前提条件がかなり変わってまいりました。一つには、輸出市場が相当ある、しかもその輸出の価格は一万三、四千円のもので出せるというように考えておったわけでございますが、最近カナダ、フランス等の天然ガス等の回収硫黄が非常に増加してまいりまして、過剰在庫になってまいっておる関係から、最近は二十五ドルを割るような価格で相手国に輸出されております。かようなことに相なっておりますので、鉱山硫黄を輸出いたしますと、手取りは千数百円というふうな非常に低い手取りにならざるを得ない。これは回収硫黄でもかなり低い手取りになるわけでございます。しかも二十五ドル弱の輸出が各地に出るという状況になってまいりまして、輸出によってある程度需給を緩和しよう、こういう考え方がかなり事情変更になってまいったという事情がございます。  それからまた合理化によってコストの引き下げをはかることを推進せよという御決議をいただきまして、新鉱床探査の補助金を五割増しにするとか、あるいはその他の技術改善についての補助金を出すとかいうことでやってまいりましたが、残念ながら十分な成果をあげるに至っておらない。したがいまして、最近のコストはやはり、低いものでは一万数千円でございますが、高いものでは二万円以上になるというような状況でありまして、あのときの御決議の線に沿っていろいろ方策は措置したのでございますけれども、十分な成果があがっておらない。しかしながら、回収硫黄は公害対策で非常に大量に出てまいって、国内においても在庫がふえるという状況になっておりますので、こうした最近の硫黄需給状況生産の実情等を十分御説明いたしまして、これに対する委員の御意見を承ろうというふうに考えておる次第でございます。
  27. 岡田利春

    岡田委員 先ほどエネルギー全体の見通しがあったわけですが、もちろんエネルギー調査会では、さきに低硫黄化対策というものを打ち出して、そういう面でエネルギー全体をとらまえる場合、もちろん、直接脱硫、あるいはこれから排煙脱硫という技術革新を経て、相当の成果をあげていく見通しを立てて進めていると思いますけれども、なおかつ、先ほど説明からいえば、低硫黄化対策、ローサルファエネルギーの確保ということがなかんずく非常に重要だと思うわけです。したがって、エネルギーをこういう形で把握をされることもけっこうですけれども、環境の変化に対応するローサルファエネルギーの確保、こういう観点が各エネルギー全般にわたって強く打ち出されなければいかぬのではないか。そういう面の具体的な検討というものが裏づけとして必要な段階に入っているのではないか、こういう感じがしますし、最近の傾向として、たとえば普通一般の工場ですと、公害基準からいってC重油はたけないから、したがってA重油に切りかえていくという傾向が非常に顕著に目立ってきている。ところがこれも供給量は限界がある。あるいは、ミナスのローサルファ原油についても、一〇%以内というようなことになってくると、ローサルファエネルギーの確保という観点を、エネルギー調査会エネルギー需給見通しを立てる場合に、もう少し——低硫黄化対策は出されていますけれども、しかしそれは一体現実にどうなっているのかという点についてさらに深めて検討する必要があるのじゃないか、こう思のですけれども、この点についてはいかがですか。
  28. 半沢治雄

    半沢説明員 御指摘のとおりかと思います。それで、低硫黄化対策部会を設けまして、一昨年の暮れに、四十八年度−五十三年度でございますが、五十三年度と申しますのは環境基準が完全に達成される十年間先でございますけれども、そこにおける供給すべきエネルギーのサルファの水準と、その供給手段というものを一応お出しいたしたわけでございますが、需給状況等も変わりますものですから、必要に応じてときどき改定をするということを続けておりますし、したがいまして、新しい需給想定に基づいた今後の低硫黄化対策につきましては、長期にわたりますと、先生、これは非常にむずかしゅうございます。立地の動向等が変わってまいりますのでむずかしゅうございますけれども、たとえば四十八年度とか、できれば五十年度くらいまでは、しっかりした低硫黄化対策の手段まで含めた検討を進めたいということで、近く具体的に審議会にも、そういう調査をお願いしてやるつもりでおります。
  29. 岡田利春

    岡田委員 先ほど調査会の見通しについては見直しをやるという予定はないと言うが、しかし国内炭のごときは、もうすでに見通しが狂っておるわけですし、この位置づけがどうなるかということは、わが国石炭政策とも関係があるし、その基本は、やはりエネルギー調査会の位置づけに待たなければそういう課題が解決される見通しがない。したがって、それは別個なサイドでやらざるを得ないということだと思うのですが、この検討の場合に六十年度を見通していますけれども先ほど言いましたローサルファエネルギーの確保という観点で——いわば原料としての石炭輸入は出ていますけれどもエネルギーとしての石炭輸入、ローサルファエネルギーという観点でそういう議論がなされたことが調査会でありますか。全然ありませんか。
  30. 半沢治雄

    半沢説明員 石炭の観点からの議論はあまり行なわれてなかったように私は記憶しております。むしろローサルファ対策といたしましては、エネルギー源多様化ということで、天然ガスなり原子力なりに議論の中心が置かれておるというふうに考えられます。
  31. 岡田利春

    岡田委員 最後に。先ほど鉱物資源の総輸入に占める割合として、四十五年の見通しは合計四四・一%という数字が出ているわけです。この資源は原材料でありますから、エネルギーの場合もそうなんですが、そういう観点から進めた場合、円の切り上げという問題が非常に問題になっておりますが、しかしこの資源論の立場からいえば、石油も上がっていくが、円の切り上げが行なわれれば安く入るわけですね。総輸入に占めるわが国資源問題の観点から、この円切り上げの問題が当然議論されてしかるべきじゃないか。あるいは木川田発言のごときは、そういう観点も含まれておるのではないかという感じが多分にするわけですが、業界内及び政府内では、そういう視点からこういう問題について議論されるということはないわけですか。
  32. 本田早苗

    本田政府委員 ただいままでのところ、政府として円切り上げを正式に検討するという段階にはございませんし、われわれとして、資源輸入を円切り上げの関連性においてどう評価するかということを議論したことはまだございません。
  33. 岡田利春

    岡田委員 終わります。
  34. 進藤一馬

    進藤委員長 岡本富夫君。
  35. 岡本富夫

    ○岡本小委員 私は三月二十三日に佐藤総理に対して質問をいたしましたが、ちょっと二、三点、もう少し詰まっておりませんので、この点について質問いたします。  石油の備蓄なんですが、いま二十日分くらいしかわが国にはないというので、佐藤総理も、私の提案によって、六十日くらいのものを確保しなければならぬというような話があったのですが、現在の見通しはどうでありますか。  なお、もう一つは貯蔵ですね。貯蔵が、総理の答えによると、タンカーに積んでおるのだ、海上貯蔵だというようなことを言っておるわけですけれども、それは非常にもったいないんじゃないか。どういうふうに考えますか。
  36. 本田早苗

    本田政府委員 備蓄の現状は、これは原油と製品と半製品でございますが、それを合わせまして四十五日程度のものがあるわけでございます。  それからタンクの容量としましては、設備許可にあたりまして、タンク容量を六十日分まで持つことを考慮させておるわけでございます。その六十日分と申しますのは、税制上認められております備蓄タンクの場合には、物理的容量の八〇%が貯蔵容量というふうに考えておるわけであります。それから運転タンクにおきましては、物理的容量の六割がそのタンクの貯油容量というふうに考えて何日分ということを考えておるわけであります。総理が現在六十日分程度とおっしゃるのは、タンクの容量としては六十日分程度のものをいま持っておるわけでございますが、運転資金その他の関係等々がございまして、現実には四十五日程度しかない、こういうことでございます。  タンカーに積んでおるという貯油のしかたというのは、じっととめておくということではなくて、邦船タンカーが非常に整備されてまいりますと、邦船に積んだままで動いておる分が非常に多くなるわけでございますから、そういう意味で、タンカーをうんと整備すればその分で保有原油というものが増加してまいる、こういう考えであろうと思います。
  37. 岡本富夫

    ○岡本小委員 そうしますと、半製品または原油そのものになるわけですね。そしてしかも、いまの四十五日分と申しましても、これはほんとうにすぐ使えるものではなくして、原油の輸送中のものも入っているということになりますと、ほんとうにすぐに使えるというものが何日分くらいはあるのか。  もう一つさらに、佐藤総理は、日本の場合は少なくとも三カ月程度のものは持たなければならぬというようなことも言っているわけですが、それに対する見通しについて……。
  38. 本田早苗

    本田政府委員 輸送中のものは、実はこの四十五日という中には入っておりません。いま申し上げましたのは、日本国内にある原油、半製品石油製品の貯蔵日数、こういうことでございます。  それから、三カ月分くらいが適当だと思うというお考えは、OECDの考え方でまいりますと、三カ月、九十日分持つのが適当だというふうに考え方を整理しておるわけでございまして、われわれとしては、OECDが九十日というのが適当だという判断の前には、少なくとも六十日分程度は持つことが必要だという前段階の考え方があったわけでございまして、したがいまして、少なくともその前段階の六十日分くらいは現実の備蓄として持つのが適当で、理想的にいえば九十日分、三月を持つのが妥当だろう、こういうお考え方であろうと思います。
  39. 岡本富夫

    ○岡本小委員 そこで、現実にはとてもそこまでいかないというような話ですけれども、私、今度提案したのは、西ドイツは百八十日分持っている、非常に近いところでさえそのくらい持っているのだということですから、この答申によるところのエネルギー供給の実態の中で、少なくとも九十日分くらいはわが国に備蓄できるような見通しのあれなのか、それともいまのような状態のままの考え方なのか、これが一点。  それから、西ドイツへ行ってみますと、石炭を掘ったあとですね、この廃鉱山の中を石油を貯蔵する場所にしている。そういうようなことも将来考えられるのじゃないかということも、これはそのときは時間がなくて言えなかったのですけれども、そういった考え方はどうですか。
  40. 本田早苗

    本田政府委員 あるいは今後の石油政策の考え方として、備蓄の増強というものを考える必要があるという点は御指摘のとおりで、われわれとしても考えねばならぬと思います。ただ、この際、先ほど申し上げましたように、六十日分まではいま石油精製企業がタンクとして持っておるわけでございますが、今後あと三十日分をどう持つかということにつきましては、タンクを建設する用地の問題その他非常にいろいろの問題があるわけでございますので、それらの問題をあわせ考えながら備蓄の増強を考えねばならぬと思います。  一つの方法として、中継原油基地ということでCTSというようなことをいっておりますが、かなり離れたところへCTSを建設するということによって備蓄容量をふやすというのも一つの方法であるというふうに指摘を受けておるわけでございます。  いま申されました、ドイツが岩塩を掘ったあと、あるいはカリ塩を掘ったあとを合成樹脂でコーティングをして、そこに原油を貯蔵するということについて技術的な検討をやっておるというふうに伺いますが、日本でそれができるかどうかということは、さらに研究を要する問題であるというふうに考えております。
  41. 岡本富夫

    ○岡本小委員 このごろ重油タンクとかそういうものを設置するというと、非常に反対が多いわけです。ですから、せっかく穴を掘った部分を埋めてしまうというよりも、そういった地下に備蓄するということも検討する課題ではないかと思いますので、ひとつその点についてあなた方検討してもらいたい。  それから、あと価格の問題でありますけれども、この間、国際資本がかってに予告なしに三十五セントも値上げしてきた。これについて政府としては、この値上げを何とか食いとめるべく交渉をするんだというような話がありましたが、その後の交渉の結果、あるいはそういうことはそのままになっておるのか、これについてひとつ明らかにしてもらいたい。
  42. 本田早苗

    本田政府委員 当初、窓口を一本化いたしまして、産油会社に対して、産油国が値上げをしました分を全額転嫁するのではなくて、ある程度産油会社で一部をかぶるという形の交渉を進めてまいったわけでございますが、一部には、日本の立場は一応理解できるけれども、そういう窓口一本の交渉ではなかなか話が進まないので、むしろ個別の取引の話でやるほうが適当であるというような意見を述べたところもございますので、各社別の個別交渉にいま移しておるわけでございます。ユーザンスの関係その他がございまして、そう急に話がばたばた進むという状況でございませんので、現在もなお話を続けておる、こういうことでございます。
  43. 岡本富夫

    ○岡本小委員 それから、そのときにも指摘しておいたのですが、石油開発公団を拡充して、公団自体でも自主開発に乗り出さなければならぬ事態になったんじゃないかという質問をしておいたわけです。これはその後、通産省ではどういうように考えておるのか、伺いたいと思います。
  44. 本田早苗

    本田政府委員 石油開発公団は、設立の当初の考え方といたしましては、民間企業開発を進める際に資金的な面でこれを支援するというのが基本的な姿勢であったわけでございますが、それだけでいいのかどうかということで、いろいろ関係者の御意見も伺いましたが、やはり公団の機能としては、従来のような線にとどまるのではなくて、さらに積極的な機能というものを拡充すべきである。しかしながら、基本的にはやはり民間開発企業を主にして、これに開発の事業を進めさす、それに対して従来以上に機能を強化して支援する、こういうことにすべきであるという考え方で現在検討いたしておるのが現状でございます。
  45. 岡本富夫

    ○岡本小委員 石油パイプラインの問題で、運輸省と通産省がなかなか意見が合わぬというような話があったのですが、現在これについての詰めができておるのか。あるいはまた、その後の経過を発表できれば知らしてもらいたい、こう思うのです。
  46. 本田早苗

    本田政府委員 ある程度関係者で話を詰めましたけれども、結論を得るに至っておらないで、一応、国鉄と民間の石油会社の間でさらに話し合いを進めるということで、その後も話し合いを重ねるという姿勢で現在やっておる次第であります。
  47. 川端文夫

    川端委員 ちょっと関連して。  大体、質問は重複しないように、一つの見方を資料的な意味でお話ししておきたいと思うのです。  国内資源がないということで、海外依存度は年々ふえていくであろう。この考え方の基本になるものに、安定供給というものと価格の問題があると思うのです。そこで、それらの見通しについて、現在の時点において、何か具体案を、ねらいを持っておいでになるか。  私は、昨年十月にオースリラリアへ行ってみて、なかなか国際資本の力が強く、これから開発をしてみても、奥地になったり、荷積みをする場所がなかなか容易でないという現実を聞かされたり見たりしてきたのですが、価格の点ではかなり困難じゃないか。現在かなり地域的に有望なところは国際資本に押えられている一面もあるのだが、メリットとして、日本としては安定成長に重点を置くのか、価格の点を全然考えていないのか、考えるのか、この辺はどういうような考え方でおいでになるか。もしそれらに対して何か具体的な資料があれば御提示を願いたい。
  48. 本田早苗

    本田政府委員 これは石油の問題でございまししょうか。
  49. 川端文夫

    川端委員 石油でも、ウランの問題でも、ボーキサイトにしても、かなり新聞が書き立てたから、私はオーストラリアへ見たくて行って見てきたのだが、新聞に書かれているほど飛びついてすぐ有望だという見方は立てにくかったような気がするので、これらの問題は、重点は安定供給方向を確保する考えか。多少経費が余分にかかっても、政府が補助金なり出してカバーしていくのか、何か方針がないと、自主開発ということは、ことばはきれいだけれども、なかなか思うようにいかぬのじゃないかという心配をしているので、日本政府としては、考え方をどこに重点を置いてその方向をさがし、努力されようとしておるのか、こういう点の方針だけ聞きたい。
  50. 本田早苗

    本田政府委員 現在のように対外依存度が非常に高くなってまいるわけでございますから、安定して量的に確保するということがきわめて重要でございます。しかしながら、量的に安定して確保できても、それが価格面で経済性がないということになりますと、現実の問題として使い切れないということがありますので、経済性を持った開発をする必要がある。それには、資源状況その他でケースごとに、それが経済性があるかどうかという検討は十分行なわねばなりませんが、その経済性を確保するために、資金の面その他で必要な援助は国としてすべきだ、こういうふうに考えておる次第であります。
  51. 川端文夫

    川端委員 ぼくは、経済性の問題をあまり強く考えると容易でないという見方をして帰ったような気がする。全部見たわけではないのですが。  そこで、日本政府としては、そういうことを心配要らぬ、経済性の問題はたいして心配しなくても、安定供給に対してはこれする以外にないという、自信のある何か方向をお持ちの上でいま自主開発をやっておるということが説明できるようなものがあるかどうか、これを聞きたかったのです。
  52. 本田早苗

    本田政府委員 ともかく戦時のような状態で、量の確保がどうしても必要だ、経済的なコストの面は無視しても確保することが必要だというようなことでは、現実の経済活動としては成り立ちませんから、やはり経済性を持った開発をせざるを得ないというのが現実であろうと思います。したがいまして、条件の悪い場合には、やはり実際は手がつけられないということになろうと思います。ただ、その経済性を実現するために、金融面その他で助成することによって経済性が実現し得るならば、これは国としてはその面で大いに力を入れねばならない、こういうふうに考えます。
  53. 川端文夫

    川端委員 この問題は後日またいろいろ私なりの判断をしたもので御意見を承りたいと思うのですが、きょうは初めてだから……。  もう一つの問題は、先ほど岡田委員からお話があったのだが、言うなれば、物価に対する特に石油等の値上げ影響、低硫黄供給に対するはね返りというものもどうしても出るのではないか。この場合に一番大きな影響を受けるのではなかろうかと予想できるのは、やはり原油の値上がりが電力にはね返る範囲か、範囲でないかということが、何か計算されておる要素があるのかどうか。
  54. 本田早苗

    本田政府委員 重油あるいは原油なまだき用の原油の値上がりは、現在の状況でまいりますと、どうしても起こらざるを得ないと思います。そういう意味で燃料費の増高になりますので、それが電力会社の経理に影響するということはいなめないと思います。それが電力料金の値上げにすぐつながるかどうかということは、これはまた別の問題であろうと思います。ある程度燃料費の増高が起こり、これが電力企業の経理に影響するということはいなめないだろう。そこで、電力料金にどうするのかというところまで、まだ私のほうでは伺っておりません。
  55. 川端文夫

    川端委員 最後に一つ申し上げておきたいのだが、昨年の暮れからのOPEC石油値上げの問題等に関しての通産大臣のたびたびの言明も、これは消化できる範囲において値上げをさせないという強い姿勢をたびたび言明されておるわけであります。にもかかわらず、この前私も委員会で質問したのだが、現実に上げてきておる。上がってきておる事実が起きても、一時的な精神的な鎮静剤にはなっても、具体的には値上がりを消費者が受けておる事実があるわけであります。この委員会では、あまり外向きの話をしてもらわぬで、ありのままの実態を話をしていただくような今後の審議のしかたにしてもらわぬと、あまり宣伝がましいような話を聞いておってもちっとも審議にならぬので、この点は、そういう見通しに対して十分具体的なものを、やはり事実、真実を伝えるという形から審議させていただきたいことを委員長にも要望いたして、質問を終わっておきたいと思います。
  56. 進藤一馬

    進藤委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時八分散会