○谷口
委員 つまり公表しないということですね。その勧告をし、それを聞かなかった場合には公表することもあり得る。しかし、それ以上に集めたものを
資料としては公表しないというたてまえだ、こういうことですね。ここは私は一番大きな問題になるのじゃないか。せっかく
調査され、そういう権限を
公取に与えられたので、そういう
意味では確かに
公取の権限の強化だと思う。原価の
調査をやるのですから。ところが、それを公表しないということになりますと、そこのところは残念なことになるように思うのです。昨年のカラーテレビの戦いの中で、
辻原さんよく御
承知のとおり、あの闘争をやりました住民闘争のスローガンは、たとえ現金正価を下げましても、そんなところに問題があるのじゃない、原価をはっきりさせろということが運動の要請だったということですね。国民にこたえるという
意味でも、せっかくこういう権限を得て
調査するのですから、これを公表するというたてまえに立つべきではなかっただろうか。お立ちにならなかった理由は、いまのでわかりましたが、そうなりますと、やはり不当な
価格であった場合にやるということになりまして、一般に不当な
価格とは何だということは、皆さんのお
考えの上では、現在のいわゆる
管理価格、私
どものことばで言えば、
管理価格といっても独占
価格の
一つの側面だと思うのですが、その独占
価格の
状態のもとで、この独占
価格それ
自体が不当だというように私
どもは
考えておるのです。だから皆さんも、いわゆる
管理価格について、これは
規制すべきだということを先ほどからおっしゃっていますけれ
ども、どうやらあなたの構想では、その独占
価格、いわゆる
管理価格はそのままであって、その上で何かもっと不当なものがあった場合にはやるのだ、こういう構想のようであります。
実は先ほど、不当であるかどうかを判定する基準として、あるメーカーのある種の品目と他のメーカーの同種の品目とを比較するというようにおっしゃったのですが、私は聞いていて実はふしぎに思っておるわけなんです。これはいずれも独占
価格でありまして、独占
価格を独占
価格と比較するなんということはナンセンスだ。問題は、独占
価格の内容に立ち入ることが必要であって、実はそれはいまの
政府じゃできないし、
公取でもなかなかやる権限は持っていないし、またやる気もないだろう。そこで、あなた方の
委員長の成田さんの
提案では、ことしの今国会の冒頭の代表
質問でおっしゃったとおりに、キーフォーバー
委員会のような、ああいう強力な
委員会を国会につくって、
管理価格、つまり独占
価格を強力に
調査する、そういう権限を持った
委員会を国会につくるべきである、こういうふうにおっしゃった。私
どももずっと前から提唱してきたことは御
承知のとおりでありますが、これを今度の
法案で明確にお出しになって、その
立場で
法案をつくっていただいたとすれば、これは非常に国民も喜ぶし、
物価対策上、独占
価格に対する戦いとしては大きな
役割りをしたのじゃないか。しかしお
考えは、どうやら
管理価格はそのままだ。その上に不当なもの、これだけが対象のようでありまして、非常に私
どもは不満であります。
ただ、時間がないからもう結論に入りますが、私
どもは、今度の皆さんのお出しになったところの
法案の中で、若干の
公取の権限の強化をされた点があると思うのです。それは、先ほどから問題になっておりますように、まあ相当の時間と人と金とがかかると思いますが、毎年一回ずつ全業種、全
商品の総供給を調べ、その中からいわゆる
寡占事業者あるいは
寡占商品を選び出す。そしてそこからそれをはっきりさせて公示するというような、こういう権限を与えたことなんかは、私は
一つの前進じゃないかと思うのであります。ただこの場合は、おそらく
公取さんはおっしゃらなかったようですが、私は聞きたいのですけれ
ども、相当な人と金と時間とが要ります。毎年一回ずつやりますからね。そういうことについてどうお
考えになっておるかをお聞きしたかったわけでありますが、いずれにしても、そういう権限を与えられた。それから、いま申しました、原価に対して立入って
調査をするという権限を与えられた。これは公表しないところにまことに抜け穴があるように思いますが、こういう点も、運用すれば
一つの問題に発展することができるのじゃないかと思っておるわけであります。
私
どもは、これもつけ加えますが、やはり
公取の権限を強化させるというのは、先ほどから住民闘争の話がしばしば出ましたが、住民の要求を受けた苦情が出るので、これを当然
公取が
判断をして、しかるべき
企業なり
関係の会社に強力な
行政指導をやるような、そういう
物価裁判所的な権限を持たすべきだと言っておるのです。これは皆さん御
承知のとおりです。そういう方向で今後はお互いに協力して、いま言ったようなところはお互いに一致するのですから、推進していっていただきたいと思います。
時間が来ましたので、これで終わります。