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山本(政)
委員 私はあと時間がありませんので申し上げたいのは、
中高年齢者の
失業者等の
雇用促進措置については、百三十一万の仕事をしたいという人がおるにかかわらず、実際に
職安で申請書を受け付けてくれた人は一万二千しかない、そういう行政努力は一体どういうものだろうかという疑問を出したわけであります。
もう
一つは、
職業訓練の実績及び
職業訓練修了者の
就職状況を見ても、実際に
就職をしておる人は七九・八%しかないわけです。
地域的に見れば九州なんかは五七・七%しかないわけです。訓練を受けても行き場所がないというのが実態なんですよ。一体そういうことに対して
労働省はどういう適切な手を打とうとしておるのか。私はその
雇用促進措置にはいろいろな制約条件があるかもわからぬと思います。しかし、それ以上に、
失業者ができたときにそれを保障する方法というものはあるはずだけれ
ども、そうしてそれが失対であり、
失業保険でないか、こう思うのだけれ
ども、しかし失対についてはいろいろ問題があるようにあなた方は考えておられると思うのです。ただ問題は、それが戦後につくられた社会保障的なものであるとはいうものの、いままでの経過の中で、たくさんのものがそういう失対法に付着をしてきたと思うのです。そういうことを
改善しようという気持ちがなくて、それを切り拾てていこうという、むしろそういう気持ちがあるのではないだろうか。失対制度というものは
失業保険制度の
一つであるという原則は原則としていいけれ
ども、制度の不備を
改善すべき点もあるのではないかという気がするのだが、そういうものについては関心がない、そういうところに実は問題があるのではないだろうか。それをやはり考えていってもらいたいと思うのです。
最後の質問でございますけれ
ども、いま申し上げたような
事柄からいって、申し込みはあるけれ
ども約一割しか申し込みを受け付けていないというような
事柄、つまり行政
能力がないというか、あるいは行政が非常に不親切であるという例がここにあるわけですよ。
今井セツという人、六十歳。これは飯田橋
職業安定所の問題であります。
昭和四十四年九月四日に
職安に出頭して、常用
求職の申し込みをしたけれ
ども、
紹介がなかった。そしてこの人は四十四年の九月から十月ずっと仕事がなくて、たまたまあったにしても労働条件が折り合わないとかあるいは違っているというようなことで、仕事につけなかったわけです。ところが四十五年の二月十二日にこういうことがあります。ある折り箱の製造会社に組み立て工として、これは
職安が
紹介したわけです。
紹介条件は、月収二万六千円、社会保険がある、勤務時間が朝の八時から夕方の五時まで、こういう条件で
事業所に行って面接したら、四十七、八歳の人なら二万六千円出してもよいけれ
ども、あなたは年とっているから二万三千円にいたしますということで、これは条件が違うということで帰ってきたわけです。
職安は実はそういう
紹介のしかたをしているわけですよ。先ほどからたびたび行政
能力云々、親切でないと言うのだけれ
ども、こういう例が出てきている。
小池昇という人、この人も常用
求職の申し込みを四十五年の二月二十五日にしたのです。そして何回か
職安のほうから
紹介があった。
紹介があったけれ
ども、条件が折り合わないで帰ってきている。そのあげくに、申請書を出したけれ
ども職安のほうではこれを受け付けてくれない。これも飯田橋の
職安です。この人の年は六十二歳。この人は申請書を何回も出しています。そして
昭和四十五年の八月には、条件が違うので、基準監督署に訴えて事実を申告したところが、監督署では、
事業所の責任によるものであるから解雇か休務か至急明確にしなさいという指示をした。その結果解雇になっておる。要するに条件が違うところへあなた方が
紹介をしているわけですよ。だから私が、行政
能力に限界があるのじゃないかというのは、そういうことを申し上げているわけです。
ここにもう
一つ、水村四郎さん、五十八歳、これは渋谷の
職安であります。
職安のほうで言った条件と現場に行った条件とが違う。違うわけがないはずだけれ
ども、違ってくる。それは、仲に入って
職業紹介をする
安定所の人々の中に、いわば不親切であるというか誠実を欠いている面があるからこういうことになっていると私は思う。そして
措置をしてもらいたいと言えば、
措置については拒否をする、こういう問題が幾らも出てきているわけですよ。何でそういう中であなた方は、こういうものができればそういう
人たちがちゃんと救済できると言えるのだろうか。たとえこういうものができたって、そういうことについて欠くるところがあるならば、十分な
対策とは言いがたいだろうし、将来といえ
どもそういう
人たちは
失業、要するに職のないという心配に悩まされなければならないだろう。かたがた
労働力というものは
不足になってくる。私がいまあげたのは全部あなた方がおっしゃった中高年の
人たちなんです。まさにここで適用しようとしている
人たちでしょう。それですらこれだけたくさんの問題があるわけです。これは一々、あえて申し上げますけれ
ども、何年か前に闘争したときの問題じゃありませんよ。最近できてきた
事柄ばかり。全部この
人たちに合って私が聞いた話です。そういうものがある中でこれをつくる。しかも失対のことについてとやこう疑念を抱かせるようなことがあるということになれば、私
どもは、せっかくあなた方がこれがいいんだとおっしゃっても、なかなか信用できないということになってくる。いま申し上げた
事柄についてはぜひ調べて、そこに資料があるなら話をしてもらいたいし、あとで調べた上での報告も聞かしてもらいたいと思う。
最後に、
能力再開発訓練というのがあるけれ
ども、実際にこれは全部適用してやっておられるかどうか。つまり訓練科目が全部行なわれていますか。