○磯崎説明員 第一の問題で、物品調達の問題、
先生が例にお出しになりましたレールの問題について具体的に申し上げます。
私もあまり詳細には存じておりませんが、まず、たとえば新幹線では、いままでは五十キログラムのレールであったものを今度六十キログラムのレールにするということが第一の問題でございます。その場合には、規格調整
委員会の前に、担当の
理事者並びに技術研究所で材質その他全部検討いたしました後、六十キログラムレールという世界にないレールを初めて採用すべきかいなかということをまず検討いたします。採用すべきだということになったら、その規格その他につきまして、いま
先生のおっしゃった規格調整
委員会にかけまして、それじゃいよいよ山陽新幹線のレールは六十キロでやろうというふうにきめるといたします。レールにつきましては、ちょっと一般の物資と調達の方法が違っておりまして、これは製作請負契約、すなわち何トンのレールをつくってくれという契約であります。ですから、できたものを買うという契約でなしに、私のほうでは製作請負契約ということばを使っておりますが、つくることの請負の契約であるということで、現在は富士と八幡が一緒になりまして新日鉄になりましたけれ
ども、現在レールの供給量を持っておりますのは新日鉄と
日本鋼管、この二社だけでございます。一時は輸入いたしましたが、もう輸入は一切やめておりまので、いま二社だけでございます。
日本鋼管のほうも始めたばかりでございますが、なるべく、私のほうといたしましては、使う土地に近いところのものを使うということで、輸送費の軽減をするために、たとえば今度の山陽新幹線は八幡とか、
日本鋼管の福山のものを使う、あるいは東北は釜石を使うとか、運搬距離その他によりまして納入してもらう場所をきめまして、そしてそこで製作請負してできたものを持ってくる、こういう契約にいたしております。
これは非常に異例なものでございまして、たとえばセメントみたいなものでありますと、これは簡単にできたものを公開競争入札で買うという形になります。契約につきましては、いまの製作請負契約、それから公開競争入札、それから車両のように随意契約によらざるを得ないものは随意契約、それからこまかい雑品につきましては見積もり合わせの随意契約というふうな、四つないし五つの契約方法によって物を買っております。
〔
委員長退席、増岡
委員長代理着席〕
それから第二の問題。ちょっと私、いま物品の出納の問題ははっきりいたしませんので、後ほど申し上げます。
それから、現物出資の条項がお説のとおり入っております。これは
二つ問題がありまして、
一つは鉄道
建設公団ができました際に、それまで私のほうでしかけておりました線路あるいは土地等を、鉄道
建設公団にたしか百八十何億の現物出資をいたしました。これが一回ございます。それからもう
一つは、名古屋の臨海鉄道をつくりましたときに、たまたま熱田までの貨物線を持っておりました。これはまだ営業する前の工事中のものでございましたが、それを法律によりまして現物出資いたしました。この
二つだけが過去の例でございます。私
どもは、今後国鉄が、たとえば地方と共同経営して鉄道をやろうというふうな場合には、私
どもの生きている鉄道
自体を現物出資するようにいたしてほしいということをいま政府にお願いいたしておりますが、まだ本国会に出るか出ないかはきまっておりません。過去の例といたしましてはその二回だけでございます。
それから
石炭の問題でございますが、これは非常にむずかしい問題で、私らのようなしろうとがなかなか軽々に結論を出せませんが、現在の私
どもがやっておりますことをはたからごらんくださいますと、やはり
石炭に対する訣別というふうな形になっておると思います。今後どういうふうにエネルギー問題が
発展するにいたしましても、やはり
石炭をたいて捨ててしまうというあの原始的な、一世紀前の姿はもう戻ってこない。やはり
先生のおっしゃったとおり、
石炭をもっと有効に、たとえば原料に使うとかいう方向に
石炭の使い方は変わってくると思います。あるいは最も効率のいい燃焼のしかたをして電気に変えるということがあろうと思いますので、私
どもはじかに
石炭を、燃焼率の悪い一〇〇のうち二八%ぐらいしかエネルギーにならない、こういう蒸気機関車による
石炭の使用というものにはもう戻らないのではないかというふうに思います。やはり、
石炭を中心といたしましても火力発電なり、あるいは将来の原子力発電なりというものでもって鉄道を動かすという形に変わっていくのじゃないかというふうに
考えます。
物品につきましては、いますぐ調べさせますので、たいへん申しわけございませんがよくわかりませんので、後ほどお答え申し上げます。