○田邊
委員 きょうは、三つの課題について御質問いたしたいと思います。
一つは、
労働基準に関する問題、特に女子
労働に関する問題について、二つ目は、最近行なわれている公害防除に関連をして、公害の名のもとに、
企業が立ちゆかないということで
倒産ないしは解散をするということが行なわれておりますけれども、日本製紙にからむ
企業解散というものが、はたしてこの種のものに類するのかという点に関する問題、三番目は、さきの予算
委員会分科会において取り上げられました
雇用促進事業団の黒い霧に関する問題この三つについてお伺いしたいと思います。
最初にお伺いしたいのは、
労働基準法に関連をする問題でございまするが、つい最近、昨年の十月八日に東京商工
会議所が
労働基準法に関する意見というものを発表いたしております。
基準法は、御案内のとおり、戦後いち早く
制定をされて、いわば
労働者を守るところの憲法として二十数年間施行されてまいったわけですが、言うならば劣悪な
労働条件のもとで働いている日本の
労働者にとって、この
基準法があることがいかに大きなたてになってきたかということは言わずもがなであります。これは
基準法の中でまだまだ十分守られていない点、
基準法が完全に施行されていない点、こういったものを、どうやって完全に施行させるかが、戦後におけるところの
労働者保護育成の立場からいって最大の課題だったということもおわかりのとおりだと思います。さらには時代の進展に従って、
基準法についてさらに国際的なレベルから見て
改正をすべき点があれは、当然いろいろ考慮していかなければならない点もわれわれはいま
考えていいのではないかと思っております。
ところが、東商が発表いたしました意見というものは、そのほとんど大部分について、いまの
労働基準法を実質的に後退させよう、実はこういう意見であることをわれわれは看過することはできないと思うわけであります。ただ
一つだけ、通勤途上事故に対して労災の給付の対象としたほうがいいじゃないかという意見が私どもと一致する意見でありまして、これはさきの国会でもって、労災法の
改正の際に論議になりまして、
政府も今後十分検討しなければならぬ、こういうことになっておるわけでありまするから、言わずもがなでありまするけれども、この一点を除きまして、あとはほとんどが、いわばいまの
労働基準法を改悪をしようという
考え方に立っておるのでありまして、断じてわれわれは認めるわけにはいかないのであります。
その中で、特に留意しなければならぬ点は、女子
労働者に対して実は各種の改悪を意図していることでございまして、特に女子
労働が持つところの特異な性格について思いをいたしたときに、こういった意見を、いわば経営者の
一つのグループであるところのものが軽々に述べることについては、私はいかがかと思うのであります。特に商工
会議所という性格のものが
基準法についてこういう意見を述べることについて、私は、これはまた
一つの筋違いでないかとすら思っておるわけでございまするけれども、それはともかくといたしまして、この女子
労働についてこれらの意見が書かれているというこの現実の状態を踏まえまして、われわれはひとつ行政当局も
考え方を明らかにしてもらわなければならないというように思っておるわけであります。
まず大臣にお伺いしたいのは、この東京商工
会議所が発表いたしましたところの意見について、あなたは一体どういう御所見をお持ちであるか。あとで
内容についてお伺いいたしまするけれども、特に女子
労働のそれぞれの問題について一体どういうふうにお
考えでありますか。女子
労働というものの性格について、一体どういう観点でとらえておいででありますか。ひとつ
基本的な
考え方について、大臣からお答えいただきたいと思います。