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1971-01-25 第65回国会 衆議院 社会労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十五年十二月二十六日)(土 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 倉成  正君    理事 伊東 正義君 理事 小山 省二君    理事 佐々木義武君 理事 増岡 博之君    理事 粟山 ひで君 理事 田邊  誠君    理事 大橋 敏雄君 理事 田畑 金光君       有馬 元治君   小此木彦三郎君       大石 武一君    梶山 静六君       唐沢俊二郎君    藏内 修治君       小金 義照君    斉藤滋与史君       田川 誠一君    中島源太郎君       早川  崇君    別川悠紀夫君       松澤 雄藏君    松山千惠子君       箕輪  登君    向山 一人君       山下 徳夫君    渡部 恒三君       渡辺  肇君    川俣健二郎君       小林  進君    後藤 俊男君       島本 虎三君    藤田 高敏君       山本 政弘君    古寺  宏君       古川 雅司君    渡部 通子君       寒川 喜一君    西田 八郎君       寺前  巖君 ――――――――――――――――――――― 昭和四十六年一月二十五日(月曜日)     午前十一時十三分開議  出席委員    委員長 倉成  正君    理事 伊東 正義君 理事 小山 省二君    理事 増岡 博之君 理事 粟山 ひで君    理事 田邊  誠君 理事 大橋 敏雄君    理事 田畑 金光君      小此木彦三郎君    大石 武一君       梶山 静六君    唐沢俊二郎君       斉藤滋与史君    田川 誠一君       中島源太郎君    原 健三郎君       松山千惠子君    向山 一人君       山下 徳夫君    渡部 恒三君       渡辺  肇君    川俣健二郎君       小林  進君    後藤 俊男君       島本 虎三君    八木  昇君       山本 政弘君    古寺  宏君       古川 雅司君    寒川 喜一君       寺前  巖君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 内田 常雄君         労 働 大 臣 野原 正勝君  出席政府委員         厚生政務次官  橋本龍太郎君         厚生大臣官房長 高木  玄君         厚生大臣官房会         計課長     上村  一君         厚生省公衆衛生         局長      滝沢  正君         厚生省環境衛生         局長      浦田 純一君         厚生省医務局長 松尾 正雄君         厚生省薬務局長 武藤琦一郎君         厚生省社会局長 加藤 威二君         厚生省児童家庭         局長      坂元貞一郎君         厚生省保険局長 戸澤 政方君         厚生省年金局長 北川 力夫君         厚生省援護局長 中村 一成君         社会保険庁医療         保険部長    穴山 徳夫君         社会保険庁年金         保険部長    八木 哲夫君         労働政務次官  大野  明君         労働大臣官房長 道正 邦彦君         労働大臣官房会         計課長     増田 一郎君         労働省労政局長 石黒 拓爾君         労働省労働基準         局長      岡部 實夫君         労働省婦人少年         局長      高橋 展子君         労働省職業安定         局長      住  榮作君         労働省職業訓練         局長      渡邊 健二君  委員外出席者         社会労働委員会         調査室長    濱中雄太郎君     ――――――――――――― 委員の異動 昭和四十五年十二月二十六日  辞任         補欠選任   藤田 高敏君     八木  昇君 昭和四十六年一月二十一日  辞任         補欠選任   別川悠紀夫君     原 健三郎君     ――――――――――――― 昭和四十五年十二月二十六日  駐留軍労働者雇用の安定に関する法律案(島  本虎三君外六名提出、第六十三回国会衆法第一  号)  国有林労働者雇用の安定に関する法律案(川  俣健二郎君外六名提出、第六十三回国会衆法第  一九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  厚生関係基本施策に関する件  労働関係基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 倉成正

    倉成委員長 これより会議を開きます。  まず国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  一、厚生関係基本施策に関する事項  二、労働関係基本施策に関する事項  三、社会保障制度医療公衆衛生社会福祉及び人口問題に関する事項  四、労使関係労働基準及び雇用失業対策に関する事項 以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 倉成正

    倉成委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ――――◇―――――
  4. 倉成正

    倉成委員長 厚生関係基本施策に関する件について厚生大臣から発言申し出があります。これを許します。厚生大臣内田常雄君。
  5. 内田常雄

    内田国務大臣 第六十五回国会における社会労働委員会の御審議に先立ちまして、厚生行政について所信一端を申し述べたいと存じます。  この数年間、特に一九七〇年代に入って、国民政府とを含め、国民生活に関する意識と考え方が大きな変わり方を示し、国民の間にも、単に物質的な豊かさを追求するだけでなく、人間としての生きがいを求める声が強くなってきており、「人間尊重」、「福祉なくして成長なし」ということが政治基本姿勢として取り上げられるに至っております。このような時代においては、国民生活のほとんど全面に接触しております厚生行政が大きな役割りをになうこととなるのは当然のことと思います。七〇年代社会は、また激動の社会ともいわれております。厚生行政は、絶えず社会の変動に即応して国民各層の期待にこたえるとともに、未来を志向しつつ、常に前進する行政でなければならないと考えております。  私は、就任以来、このような観点に立ちまして厚生行政を担当いたしておりますが、特に、明年度予算案の編成にあたりましては、国民の健康の確保福祉向上のため微力を尽くしてまいりました。今後とも各位の御協力のもとに厚生行政の推進に努力いたす所存でありますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。  以下、当面の主要課題について申し述べることといたします。  医療保険制度につきましては、かねて懸案抜本改正への方向を考慮して改正に着手することといたし、当面明年度から被用者保険における七十歳以上の被扶養者に対する給付率現行の五割から七割に引き上げ、また新たに長期勤続退職者が引き続き一定期間従前保険制度に加入できる制度を創設するなど、主として老齢者医療充実を目ざすとともに、政府管掌健康保険の長期的な財政安定を行なうことを目途として、関係法律案の御審議をお願いいたしたいと存じております。  次に、年金制度につきましては、厚生年金保険について最近の物価上昇を考慮いたし、この際、定期的な財政再計算期を待たずに、おおむね一〇%程度の年金額の緊急の引き上げを行ない、また、国民年金における福祉年金については老齢障害、母子の各年金を通じて、昨年度を上回る金額の引き上げを行ないますとともに、所得制限大幅緩和をはかり、さらに体の不自由な一部の老人に対しましては、老齢福祉年金支給開始年齢を六十五歳まで引き下げ、また、遺族に対しては、公務扶助料との併給を大幅に広げる等、いろいろの角度から改善を行なうことといたしました。  社会福祉分野では、右に申し述べました年金制度改善のほか、老人対策の一環として、新たにひとり暮らし老人に対する施策と、脳卒中など病後の老人に対するリハビリテーションについても所要配慮を加えることといたしております。  また、社会福祉施設については、その立ちおくれを回復することを目途として、明年度から緊急整備五カ年計画を発足させるため、予算の大幅な増額をはかるとともに、施設職員に対しても相当の待遇改善を行なうことといたしました。  生活保護基準につきましては、これを一四%引き上げるとともに、昨年制定せられました心身障害者対策基本法精神にのっとりまして、新たに心身障害の発生に関する研究を大きくとり上げるなど、施策充実につとめる所存であります。  次に、多年各方面から要望され、長年の懸案でありました児童手当制度につきましては、これを明年度から発足させることとし、義務教育終了前の第三子以降の児童対象に月三千円を支給することを目標といたしつつ、明年度はさしあたり満五歳未満の児童対象として段階的に実施することといたしております。  公害対策につきましては、過般の臨時国会における諸法律整備により一段とその強化がはかられたところでありますが、今後これが実効を期するためにも、公害監視測定体制強化等施策充実をはかる所存であります。なお、今国会ではこれに加えて、新たに悪臭防止法案提出して、御審議をお願いすることとしております。  激増する都市産業廃棄物処理体制を整えるため、さきの臨時国会におきまして清掃法全面改正について御配慮をわずらわしたところでありますが、この法律の施行を実効あらしめるため、明年度を初年度として新たに廃棄物処理施設整備五カ年計画を策定して施策の前進をはかることといたしております。  また、先般の自然公園法改正趣旨にかんがみ、明年度予算案には新たに自然保護調査費等を計上したところであります。  医療公衆衛生分野では、特に、強力な措置が望まれております僻地医療について従来の諸対策に加えて、明年度は新たに医療機関と保健所の密接な連携のもとに総合対策を実施することといたしております。  その他国民の健康を守るため、引き続き成人病対策精神衛生対策を推進いたしますとともに、小児ガン、スモン、べーチェット病小児自閉症などの疾病について公費による治療及び研究を促進することといたしております。  食品や薬品の安全を確保するために、食品添加物点検残留農薬規制強化を推進するほか、医薬品の効能効果の再検討を行なうとともに、監視検査体制の一そうの整備を行なうことといたしております。  以上のほか、戦傷病者戦没者遺族等援護原爆被爆者に対する援護公害認定患者に対する医療手当改善等をも行なうことにいたしておりますが、厚生省の仕事の守備範囲はきわめて多岐にわたっており、しかもその一つ一つ国民生活に直結した重要な問題でありますので、私は厚生行政の重大な使命に深く思いをいたし、当面する諸問題の解決のため誠意をもって当たる所存でおります。  重ねて委員各位の御指導と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
  6. 倉成正

    倉成委員長 次に、労働関係基本施策に関する件について労働大臣から発言申し出があります。これを許します。労働大臣野原正勝君。
  7. 野原正勝

    野原国務大臣 第六十五通常国会にあたりまして、当面の労働行政について、一言所信を申し述べ各位の御理解と御協力を得たいと存じます。  御承知のように、近年わが国はめざましい経済発展をなし遂げましたが、これに伴って若年労働者技能労働者中心として労働力不足が次第に激しくなってきております。  また、労働条件も、賃金上昇中心に大きく改善を見ましたが、他方技術革新進展や人口の都市集中などから、労働者職場環境生活環境をめぐって解決を要する新たな問題が生じております。  このような事態に対処して、私は、四十六年度には次のような諸施策重点的に進めてまいります。まず、第一は、職場の内外を通じて、健康で快適な生活を営み得るような条件をつくり出すことであります。  現在労働者生活は、経済のめざましい発展によって、消費面では著しく向上してきましたが、住宅、貯蓄等資産の面での立ちおくれが目立っております。このため、今後は、経済成長に見合いつつ、資産充実をはかり、安定した勤労者生活を送れるように、持ち象の取得、長期預貯金等勤労者の自主的な努力による財産づくりを、国及び事業主が奨励援助するための勤労者財産形成促進制度を新たに発足させることとし、関係法案を今通常国会提出することとしていますので、よろしく御審議をお願いいたします。  また、勤労青少年福祉対策につきましては、第六十三特別国会において制定されました勤労青少年福祉法に基づき、勤労青少年福祉対策基本方針を策定し、諸施策を総合的、計画的に進めてまいる所存であります。  次に、現在、労働災害による被害者は年間百七十万人にも及び、このうち六千人にものぼるとうとい人命が失われています。これらの災害防止のため、科学的な労働災害防止対策の一そうの徹底をはかるとともに、職業病の予防、治療にとどまらず、広く労働者健康づくりを進めるため産業医学総合研究所を設置することといたしました。また、産業公害による社会環境の悪化が国民生活を脅かしていることにかんがみ、昨年秋には関係事業場の一斉点検を行なったところでありますが、今後とも事業場における有害物質排出規制等労働行政立場からも公害防止のための対策強化していく考えであります。  第二は、深刻化しつつある労働力不足に対処して、積極的な雇用政策を展開していくことであります。  今後の雇用政策方向については、四十五年十二月の総理大臣に対する雇用審議会答申労働力需給長期的展望およびこれに対応する雇用政策について」の意図するところを十分くみ入れて四十六年度には雇用対策基本計画を改定し、それに基づいて今後の労働力需給動向に即応した雇用政策の刷新をはかっていく方針であります。特に、その際には、国民経済及び国民生活の指向するところに対応し、労働生産性が高く、その成果が勤労者生活に還元されるような雇用構造の実現をはかることとし、このため、職業紹介機能雇用情報サービス活動等強化して労働力流動性向上中高年齢者家庭婦人等の就業の円滑化を進めていくとともに、あわせて、総合農政進展に対応する農村の雇用機会の増大や駐留軍関係離職者に対する援護措置充実してまいります。  さらに、労働者一人一人の能力を高めるため、職業訓練充実につとめてまいります。四十六年度は、新規学校卒業者に対する養成訓練の拡大をはかるほか、特に、在職労働者に対して向上訓練、再訓練を行なう成人職業訓練制度を新たに設け、いわゆる生涯訓練制度確立につとめてまいります。  現行失業対策事業については、最近における雇用失業情勢の著しい改善にもかかわらず、なお十九万人余の者がこの事業に固定化している等、制度本来の趣旨と著しく相違する状況が見られ、  このような状況に対して種々の批判も聞かれるようになってまいりました。そのため、現行失業対策制度あり方について抜本的な再検討を行なうこととし、昨年学識経験者七名を失業対策問題調査研究委員に委嘱し、客観的、専門的立場から  の調査研究を依頼したところ、昨年十二月その調査結果の報告を受けましたので、その趣旨を十分に尊重して検討した結果、今後の失業対策制度に関する基本構想をまとめました。すなわち、今後の失業対策は、現行失業対策事業に依存するこ  となく、中高年齢失業者に対して通常雇用に就職することを促進するため、求職手帳制度の創設等特別の対策を講ずることによって対処するとともに、一方現在の失業対策事業就労者については、特に手厚い援護策を講じて、その自立を強力に促進し、これによってもなお自立し得ない人々については、引き続き失業対策事業に就労させることとする考えであります。この基本構想を目下雇用審議会に諮問しているところであり、その結果を待って早急に関係法律案を作成し、今国会提出する所存でありますので、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。  第三は、労働外交積極的展開であります。  私はアジア中心とする対外協力強化という政府基本方針にのっとり、就任以来、アジア諸国に対する技術協力につとめてまいりましたが、特に、四十六年度には、アジア諸国からの技能研修生の受け入れを中心としてこのための諸般の措置を講ずることとしたところであります。  第四は、発展のおくれた分野に働く人々労働条件改善であります。  近年、労働条件は全般的には向上してまいりましたが、いまなお、中小下請企業等には、恵まれない労働条件で多くの人々が働いています。このため、最低労働条件確保という視点に立って監督指導を進めていくとともに、昨年成立した家内労働法の周知と順守の指導につとめてまいります。  最低賃金制度については、昨年九月中央最低賃金審議会から「今後における最低賃金制度あり方について」答申をいただきましたので、今後はこの答申趣旨を十分に尊重して効果的な最低賃金行政を進めてまいります。この際長年の懸案であったILO二十六号条約批准に踏み切るべきであると考え、今通常国会において最低賃金制度に関する条約等三つ条約批准承認を求めることといたしました。  最後に、合理的労使関係確立であります。  現在、労使関係動向は、ひとり労使間の問題にとどまらず、政治経済社会の各般に大きな影響を及ぼすようになっております。もとより労使関係基本は、労使がその諸問題を話し合いにより自主的、合理的に解決していくことにあります。賃金についても物価問題がきわめて重要となっているときにあたり、労使双方国民経済の実態を考慮しつつ、自主的に良識をもってその決定を行なうことを望むものであります。  以上、当面する労働行政重要事項について、私の所信一端を申し上げました。  各位の一そうの御理解と御協力をお願いする次第であります。      ――――◇―――――
  8. 倉成正

    倉成委員長 次に、先ほどの厚生大臣発言に関連し、昭和四十六年度予算概要について厚生省会計課長から説明を聴取することにいたします。厚生省上村会計課長
  9. 上村一

    上村政府委員 お手元に配付いたしました四十六年度厚生省所管予算案概要につきまして御説明申し上げます。  四十六年度の厚生省予算額は、最初のページにございますように一兆三千二十億でございます。去年の予算に比べまして約二千億、一一八%の伸び率でございます。  次のページはこれを各項目別に分けたものでございますが、当然のことでございますが、厚生省予算案の中で九五%は社会保障関係費でございます。一兆二千四百二十八億円で、この社会保障関係費の中で一番額の多いのは三番目の社会保険費でございますが、一番伸び率の高いのが社会福祉費でございます。それから文教及び科学振興費では三十六億、恩給関係費では二百六十四億。それから公共事業関係費に属します生活環境施設整備費では百三十七億と改善し、一四一・七%の伸びでございます。  以上合計いたしまして、いま申し上げましたように一兆三千二十億、国の予算に占めます割合は、昨年とほぼ同様二二・八%でございます。  これが一般会計分でございますが、厚生省所管特別会計厚生保険特別会計以下五つございますが、三八ページ、三九ページに載せてございます。  二ページから経費別にやや分けて書いてございますので、その概要を御説明申し上げます。  二ページのトップが生活保護費でございますが、生活扶助基準は、備考にもございますように、昨年同様一四%の引き上げでございます。その結果、一級地については、標準四人世帯の月額が三万四千百三十七円から三万八千九百十六円になります。その他、教育扶助基準、それから在宅患者加算入院患者の日用品費等所要の改定を行なう予定でございます。  その下は社会福祉施設整備費、これは四十六年度の予算では最も重点を置いたものの一つでございますが、八十三億円、前年度に比べまして三十億円の増でございます。四十五年度の場合には、四十三億円が五十三億円になったわけでございますので、この二年間で社会福祉施設整備費は約倍になったということでございます。ねたきり老人でございますとか、あるいは重度心身障害児施設保育所等、緊急に必要な施設重点を置いて整備する予定でございます。  その下が社会福祉施設処遇改善費でございます。社会福祉施設職員等の処遇の改善につきましては、毎年いろいろ措置を講じてまいっておりますが、四十六年度の場合には、備考にもございますように、職員労働条件改善するために、各施設につきまして寮母、保母等の増員、それから次のページに参りますが、宿日直手当の支給、それから夜勤体制整備、それから三ページの中ほどにございますけれども、俸給調整額を一ランクずつ上げること、こういった点に重点を置いておりますが、そのほかに四ページでございますが、四ページの3にございますように、民間の社会福祉施設に対しましては、十年以上勤務する寮母とか保母等に対しまして、毎月俸給月額の二〇%の手当を支給するという優遇措置を講ずることと、それから、その下にございますが、豪雪のはなはだしい地域の福祉施設に対しましては除雪費を助成するということで、二ページの欄にもございますように、総額で七十九億円の予算措置を講ずることにしておるわけでございます。  次が五ページでございます。五ページから六ページにかけまして老人福祉対策が書いてございます。六ページ備考の5番、6番にございます老人福祉施設措置費なりあるいは老齢福祉年金を合わせまして全部で老人福祉対策九百七十一億。前年よりも百三十億の増でございます。四十五年度におきましても白内障の開眼手術等、新規の施策を行なってまいりましたが、四十六年度におきましても、備考の一にございますように、ひとり暮らし老人対策としましてテレフォンセンターをモデル的につくるとか、あるいは身寄りのない病気がちの老人に対しまして介護人を派遣するとか、それから2の一般福祉対策の中では、(3)にございますように、郡市の老人クラブ連合会単位社会奉仕団というものをつくりまして、生きがいのある生活が送れるようにするということ、それから3のねたきり老人対策では、六ページの(3)にございますけれども、脳卒中後遺症老人に対しまして特別養護老人ホーム等を利用して機能回復訓練を行なうという施策を講ずることにいたしております。そのほか、老人就労あっ旋所の増設とか、ホームヘルパーの増員等、従前の施策につきましても充実を期してまいるつもりでございます。  それから、六ページ心身障害児及び心身障害者対策でございますが、六ページから一〇ページの中ほどくらいまで、これも福祉施設措置費なり障害福祉年金を含みますと全部で四百九十三億。九十二億円の増になるわけでございます。  備考では、その対策心身障害児とそれから身体障害児とそれから身体障害者――おとなのほうでございますが、それから九ページのほうで精神薄弱児対策、この四つにまとめておりますが、おもなものといたしましては、七ページの(2)にございますが、心身障害者コロニーがこの四月から開所する運営費を計上いたしております。それから七ページの(4)なりあるいは九ページのまん中ほどに四がございますが、重度心身障害児身体障害者の家庭にホームヘルパーを派遣する、その増員をはかることにいたしておりますが、新規のものとしましては、八ページ身体障害児対策の(2)の中に、高度の難聴児、耳の悪い子供に特殊の補聴器を支給するとか、あるいは九ページの一番上でございますが、家庭にいる身体障害者障害等級の重い者に医師が出向いて診査をするとか、あるいは同じページでありますが、(5)の点訳奉仕員の養成をするとか、それから九ページの一番下でございますが、精神薄弱児対策の一環として精神薄弱者の通勤寮というものを新たに設けましてその運営費を見るとかというふうな新規の施策を講ずることにしておりますが、一〇ページ障害対策の一番終わりに、まん中からちょっと上になりますが、6番、心身障害研究費補助金一億円計上いたしまして、大臣も所信表明で申し上げましたけれども、昨年五月施行されました心身障害者対策基本法趣旨に従いまして、心身障害の発生の原因なりその予防に対する調査研究を促進するつもりでございます。  それから一〇ページ児童の健全育成対策費でございますが、全部で五百二十四億円、百二十九億円の増でございますが、そのうち最も多いのが保育所措置費でございまして、措置児童数の増加に応じまして四十五年度に引き続き対象人員の増をはかることにしておりますのと、それから次のページの2の(1)でございますが、児童館につきましては、本年度よりは個所数をふやし、単価を上げることにいたしております。  それから一一ページの母子等福祉対策費でございますが、児童扶養手当なり母子福祉年金につきまして内容の改善をはかることにしておりますのと、それから2にございます寡婦福祉貸付金につきましては、四十五年度よりも一億五千万円増額することにいたしております。  それから、その下の母子保健対策費でございますが、この母子保健対策は、昨年四十五年度最も力を入れました施策でございまして、四十五年度の場合には前年度の予算のほぼ倍増をしたわけでございますが、四十六年度は十四億四千五百万、約一億ばかりの増でございまして、四十五年度に講じました施策の単価アップが中心でございます。新規のものとしましては、一ページの一番終わりにございますが、新規に小児医療の専門施設整備するための機械や建物の補助金を計上いたしております。  それから二二ページが民間社会福祉事業育成費でございますが、内容はこの備考にございますように、市町村の社会福祉協議会の設置個所数の増でございますとか、職員の給与のベースアップ、それから心配ごと相談所の増設、それから社会福祉施設職員の退職手当共済制度改善、これは一四ページにございますが、そういうものが中心でございます。  それから一五ページが同和対策費でございますが、一昨年制定されました特別措置法の趣旨に従いまして、生活環境改善するための施設整備、隣保事業の推進といった施策充実をはかることにいたしておりまして、合計で四十三億円計上いたしておりますが、そのかなめとなります一の(1)の生活環境整備費につきましては三十九億円、四十五年度予算よりも十三億円の増を見ることになっております。  それから一六ページ医療保険の改善でございますが、大臣から当面の主要課題の第一として申し上げましたとおり、内容はこの備考にあるとおりでございますが、政府管掌健康保険につきましては、給付費に対する定率の国庫補助が導入されることになりましたので、四十六年度予算ではそれが十月から実施することにいたしまして二百七十五億円、四十五年度予算よりも五十億円の増でございます。  なお、その政府管掌健康保険の収支につきましては、三八ページ厚生保険特別会計の健康勘定の欄に記載してございます。  その次が国民健康保険助成費でございます。トータルで四千二百十八億円、四十五年度予算よりも六百三十九億円、一一七・九%の増でございます。その大部分は一の療養給付費補助金、3の財政調整交付金で、従来どおり合わせまして四割五分になっております。  その他といたしましては、2の事務費補助金の単価アップ、それから4の保健婦関係の補助金の中では、国保の保健婦の活動費の大幅な増額をはかっております。それから5の助産費補助金では、四十四年度から三カ年で基準単価を一万円に引き上げてもらっております。その最終年次でございます。それから7の国保組合に対する臨時調整補助金でございますが、四十五年度に比べまして八億円の増額になっております。  それから一七ページ福祉年金改善でございます。この福祉年金は次のページにございます厚生年金と並びまして、来年度最も重点を置いた施策の一つでございますが、改善内容につきましては、大臣の所信表明にあったとおり、いろいろな角度から、この備考にありますような改善を行なうことにいたしまして、改善に要する費用は全部で六十六億円、福祉年金全体では九百十六億円で、百六億円の増になっております。  それから一八ページの厚生年金改善でございます。これも大臣の所信表明のとおり、最近の物価上昇を考慮しまして、おおむね一〇%程度の年金額引き上げる。その内容は、備考の一の(1)(2)にあるとおりでございます。それから女子に対する脱退手当金の支給の特例措置、本年切れますので、五年間延長するということにしております。  それで、厚生年金の収支そのものは、やはり三八ページ厚生保険特別会計年金勘定の中に入っておりまして、この表にございますのは、厚生年金の給付費に対する国庫負担の額だけでございます。  その下が児童手当でございます。これも長年の懸案でございましたが、四十六年度からいよいよ発足することにいたしました。対象児童は、備考にございますように、十八歳未満の児童が三人以上いる場合、義務教育終了前の第三子以降の児童について対象としておるわけでございますが、初年度は五歳未満の者でございます。それから次のページに参りまして、児童手当所得制限は、扶養親族五人の場合、年収二百万円以上ということにいたしております。支給月額は三千円。財源の負担割合は備考の4にあるとおりでございます。  それで四十六年度の支給対象でございますが、来年度は全部で九十三万五千人、支給対象児童数の約三八・五%ということになります。それから給付は四十七年一月から支給いたしますので三カ月分でございますが、五十六億円、それに見合う国庫負担は二〇ページ備考の一番上欄に書いてございますが、給付費の国庫負担金が二十四億円、事務費の国庫負担金が六億六千二百万円、合わせまして三十億六千八百万円というのが来年度の児童手当に要する経費でございます。  二〇ページが保健所費でございますが、保健所費につきましては、2の施設整備費を四十五年度よりも増額いたしましたほかに、新たにこの3の(1)にございますように、保健婦が訪問指導に使います小型自動車の整備、それから4にございます過疎地域五十カ所に保健婦を置くということにいたしております。これは昨年の四月に施行されました過疎地域特別対策措置法で、知事さんが無医地区に保健婦を設置することになったものに応ずるものでございます。  それから二一ページの原爆障害対策費八十六億円でございますが、内容としましては一の(2)でございますが、原爆関連疾病医療費につきまして、長崎市の特別被爆地域の範囲を拡大すること、それが一つと、それから2にございます原爆被爆者手当の中で、健康管理手当につきまして、六十五歳以上の場合に支給することになっておりますのを、六十歳以上と年齢を引き下げることにいたしております。  それから二二ページの結核対策費は、おおむね従来施策の踏襲でございます。  それからその下の精神衛生対策費でございますが、1の(1)にございますように、措置入院患者を七万九千人から八万人にふやしたこと、それから3にございますが、これは四十五年度予算で試験的に設置することにいたしました軽快患者の社会復帰を促進するための経費でございまして、その運営費の一部分を見ることにいたしまして、合計三百九十六億円に相なるわけでございます。それから二一二ページの伝染病対策費、この中で新規の一つは予防接種事故処理費でございますが、これは予防接種で事故があった場合に、医療費とか後遺症一時金とか弔慰金を支給するものでございまして、四十五年度におきましては実行上処理することにしたのを、四十六年度には新規に予算措置を講じたというものでございます。  それから二二ページの下ががん対策費でございますが、がん対策費では一にございますがん研究助成金三億五千八百万円を増額いたしましたほかは、おおむね昭和四十一年以来やっております施策の継続でございます。新規の施策としましては、二四ページの5でございますが、小児がん治療研究費二億円を計上いたしまして、小児がんの子供をかかえました親の負担を軽減する目的も兼ねておるものでございます。  それから二四ページの下が救急医療対策費、これにつきましては、国公立施設の機械あるいは建物の整備、専門医師の養成、これまでの計画に従いまして予算を計上しておりますほかは、特に新規はございません。  それから二五ページがへき地医療対策費でございます。これは、二五ページから二七ページにわたって書いてございますが、へき地医療対策につきましては、四十五年度、親元病院の人件費の助成でございますとか、あるいは巡回診療車の運営費補助をやってまいりましたが、四十六年は、これまでの施策充実にあわせまして、先ほど大臣からも申し上げましたが、二六ページのまん中ぐらいに5へき地医療地域連けい対策費というのがございますが、約五百の無医地区をかかえました八十二の郡市主体単位に総合的なへき地医療を進めていくための協議会を設けまして、その地区の親元病院と一体になりまして、地区の住民の健康管理や応急の場合の処置や重症の患者の往診といったことを行なうことにしておるわけでございます。それからへき地対策の二七ページの8番、9番につきましては、保健医療費のところで申し上げましたものと同じものでございます。  それから二七ページが看護婦確保対策費でございます。看護婦確保対策費につきましては、四十五年度に引き続きまして総計で五十四億円、備考の一から6にありますような看護婦養成所の増設、私立の養成所に対する運営費の助成、奨学金の貸与といった措置を講ずることにしておりますほか、二八ページの5番にございますように、潜在看護力を活用する講習会の受講人員を倍増する等の措置を講ずることにいたしております。  それから二九ページ厚生省関係研究費などをまとめたものでございます。計四十二億円、前年度に対しまして七億九千六百万の増でございます。このうち、5番と6番の小児がんなり心身障害につきましては、先ほど申し上げましたこの一の(1)の特別研究費、これはスモンやベーチェット等の原因なり治療方法の不明な奇病をなくすことを目的とした大型の研究費でございます。四十六年度は五千万円増額いたしまして一億六千万円にいたしまして、そのうち一億円をスモン対策に充てる予定でございます。  それからその下が戦傷病者戦没者遺族等援護でございますが、二九ページから三一ページまでたくさんの項目が書いてございますが、たとえば三〇ページの(1)障害年金遺族年金につきまして恩給の改正に準じた改正、それから(6)にございますように、準軍属の障害年金遺族給与金の是正、それから三一ページの大きな2にございますように、入営なり帰郷の途上なくなった軍人の遺族に対して特別支出金を出す措置などがございます。  なお、戦没者の遺骨処理につきましては、三一ページの5番にございますように、来年度は西部ニューギニヤほか二カ所で行なう予定でございます。  それから三二ページ生活環境施設整備費、四十六年度百三十七億円でございまして、四十五年度九十七億円の一四一%に当たる額を計上しておるわけでございますが、特に水道につきましては、備考の一にございますように、農山漁村の水道があまり普及しておらない地区に対する簡易水道の整備に四十四億円、それから2にございますように、都市部の上水道、最近特に需要が高うございます。それに応ずる水道水源の開発等に五十億円計上することにいたしております。  それから3でございますが、廃棄物の処理施設整備、その(3)にございますように、ごみ処理施設につきましては十六億円計上いたしまして、新たに最近問題になっております粗大ごみ、大きなごみの処理設備の助成をいたすことにいたしております。  それから(4)でございますが、先般の臨時国会で制定されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定められました産業廃棄物処理施設のために一億円、このほかに産業廃棄物処理につきましては特別地方債等で二十億円の財源措置を講じておりますけれども、本委員会で法案の議決にあたりまして付せられました決議の趣旨を尊重したつもりでございます。  それから三三ページ公害防止対策公害防止対策の中で厚生省所管というのは十四億八千五百万、四十五年度の予算に対しまして一五八%の伸びでございます。これも先般の臨時国会で成立いたしました大気汚染防止法あるいは騒音規制法の一部改正、あるいは大臣からの所信表明にもございましたように、悪臭防止法案の内容に従って計上したものでございまして、たとえば2の大気汚染防止対策費では、地域区分許容限度の設定調査等をすることにいたしております。  それから4の公害監視測定体制整備費、国設の大気汚染を測定するネットの整備、それから地方庁に対しまして各種の公害を監視する設備の助成をするということにしておりますし、5の保健所公害対策費では、公害行政の第一線機関である保健所の専任職員を増員するための経費を計上してございます。  なお、新規としてあげました6番の緊急公害特別調査費でございますが、これは緊急に公害が発生した場合に、緊急公害機動調査班というものを出動させまして、現地調査なり住民の健康診断を行なうことにいたしております。  それから三四ページの公害被害救済対策費でございますが、備考にございますように、医療手当の支給要件の改善と、それから支給額の引き上げを行なうことにいたしております。  それから10番の公害防止事業団につきましては、事業計画を二百十億円から四百億円にというふうに増額いたしております。  それから三五ページが自然保護対策費でございます。これも先般の自然公園法の一部改正の方針に従いまして、備考の一では、湖沼の汚染を防止するために、特に大都市周辺の国立公園の湖沼の水質を調査することにいたしております。それから2では、国立公園の主要利用地域に清掃設備を補助することにいたしております。それから3は、東海自然歩道や国立公園等の施設整備でございます。  それからその下の食品・医薬品の安全衛生対策費でございますが、食品につきましては、食品添加物残留農薬規制強化することにしてございますし、それから三六ページの医薬品につきまして品質を自発的に検査する体制の整備をする、これが(1)でございます。それから流通の近代化を促進することとか、医薬品の薬効を調査するのに必要な調査費を計上いたしております。  それから三七ページ厚生省関係の公庫公団に対する事業計画なり補給金であります。  それから特別会計につきましては、さっきも触れましたように三八ページ、三九ページに五つの特別会計の収支を掲げてございます。以上がごく概要でございましたが、四十六年度の厚生省所管予算概要でございます。     ―――――――――――――
  10. 倉成正

    倉成委員長 次に、先ほどの労働大臣発言に関連し、昭和四十六年度予算概要について労働省会計課長から説明を聴取することにいたします。労働省増田会計課長
  11. 増田一郎

    ○増田(一)政府委員 昭和四十六年度労働省関係予算概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、労働省関係予算予算規模でございますが、一般会計につきましては四十六年度予算額は千二百八十七億円でございまして、四十五年度に比べまして九%の増でございます。労災保険特別会計は二千九百二十一億でございまして、二四・七%の増でございます。失業保険特別会計は三千二百五十五億円でございまして、一九%の増でございます。石炭対策特別会計は九十五億でございまして、一一%の増でございます。所管総計は七千五百五十九億でございまして、一九%の増になっております。  次に、主要事項につきまして内容の概略を御説明申し上げます。  第一の柱は、豊かな勤労者生活の形成の促進でございますが、労働省といたしましては、勤労者財産づくり健康づくりあるいは公害の防止、各種の福祉対策等、勤労者生活をあらゆる角度から総合的にとらえまして、豊かな勤労者生活を形成するということが七〇年代における大きな政策目標であるというふうに考えておる次第でございます。このため、昭和四十六年度におきましては、まず第一に勤労者財産形成促進制度を創設することといたしております。  その内容でございますが、まず勤労者賃金の一部を事業主を通じまして三年以上定期に預貯金等に充てた場合、これを一応勤労者財産形成貯蓄と称しておりますが、この貯蓄をいたしました場合には元本百万円までにつきましてその利子の非課税をするという制度を設けることといたしたわけでございます。そうして、このようにして金融機関に集められました資金の一定割合を雇用促進事業団が金融機関から借りまして、これを勤労者分譲住宅融資等に充てる。そのため、国から六億円の出資をするということで、四十六年度は六億五百万円の予算を計上してございます。  なお、この点につきましては、今国会勤労者財産形成促進法を提出すべく現在準備中でございます。  次に、二ページに参りまして、健康問題に対する積極的な取り組みでございますが、この予算の大きな中身といたしましては、産業医学総合研究所の創設がございます。四十六年度におきましては、初年度分の土地購入費として八億四千五百万が計上されておりまして、四十七年度から建設に着手するという計画でございます。この研究所は職業病の予防、治療、リハビリテーションの一貫した研究を行ないますほか、さらに積極的な勤労者健康づくりをしようという目的のために設立されるものでございます。  次に、安全衛生行政の一環としての公害対策の推進でございますが、労働省といたしましては、事業内で働きます労働者の安全衛生の問題にとどまらず、それが同時に公害の防止にもつながるような問題、たとえば内容のところに書いてございますように、有害物質の問題でございますとか建設現場の問題等を重点的に取り上げまして、現行の監督体制を効果的に活用いたしまして、積極的に公害対策にも協力したいということでございまして、四十六年度におきましては一億八千三百万を計上している次第でございます。  次に、勤労青少年、婦人福祉対策につきましては、昨年成立いたしました勤労青少年福祉法趣旨に沿いまして、福祉施設の拡充――勤労青少年ホームでございますとか体育施設あるいはセンターの建設等をはかりますほか、福祉法に基づきまして事業所の勤労青少年を担当いたします福祉推進者、これに対する講習会を行なう、あるいは自主的な勤労青少年のグループ活動の助成をするというような事業を推進してまいりたいと存じます。  三ページに参りまして、婦人の問題につきましては、パートタイムに対する対策等も講じてまいりたいというふろに考えておるわけでございます。  5の豊かな勤労者生活のビジョンの策定でございますが、以上のようなことで豊かな勤労者生活につきましていろいろな対策を講じたいと思うのでございますが、このほか、たとえば定年制の問題でございますとか、老後生活の問題でございますとか、あるいは税金の問題でございますとか、いろいろな面から総合的に豊かな勤労者生活のビジョンというものを策定いたしまして、今後における施策基本としたいという趣旨をもちまして、四十六年度予算におきまして新たに、豊かな勤労者のための懇談会あるいは勤労者生活の意識調査等を新規に実施するため、千百万を計上している次第でございます。  第二が労働力不足下における雇用対策の展開でございまして、1の労働力流動化の促進につきましては、内容といたしましては、失業者の就職を促進するため現在各種の職業転換給付制度が設けられておるのでございますが、その内容につきまして、たとえば就職指導手当職業訓練手当の増額をはかりますほか、特に中高年齢者につきましては四十六年度におきまして新たに雇用率と設定いたしまして、中高年齢者の就職の促進をはかってまいりたいと存じております。  また、労働者が移転して就職いたします場合の雇用促進住宅につきましては、二Kを二DKに格上げする等、拡充をはかってまいりたい。  また、事業主に対しまして雇用促進融資を行なっておりますが、このワクも増額をいたしております。  また、新産都市、工特都市等に勤労者総合福祉センターを設置いたしまして、これらの地区に対する労働力の流動化あるいは労働者の定着化等を援助をしたいというふうに考えておるわけでござ一います。  四ページに参りまして、近代的労働市場の形成でございますが、職業安定機関の機能を拡充強化いたしますために、第一にリアルタイムの計画的拡大を行なってまいりたい。リアルタイムと申しますのは、求職者が求職の申し込みをいたしますと、東京の労働市場センターから、その求職者が通勤できる通勤地域内の求人者のうちで条件に適したものが即時に求職者に紹介される、こういうシステムでございますが、これを三大労働市場とその周辺地域、北九州地域に拡大してまいりたい。その他ターミナル職業相談室を増設いたしまして、安定所の街頭進出、街頭サービスをはかりたいというふうなことを考えておるわけでございます。  次に、勤労青少年雇用対策でございますが、まず新規学卒者につきまして青田買いの弊害を防止する、あるいは中卒高卒全員につきまして卒業前に適性検査を行ないまして、これに基づきまして職業選択の指導をしていただくというようなことを考えております。  また、年少就職者相談員を配置いたしまして、就職後の定着をはかるというようなことを行なってまいりたい。  さらに、先ほども御説明申し上げました各種の福祉施設等を拡充してまいりたいと存じておる次第でございます。  五ページに参りまして、失業保険の受給者につきましては、最近の雇用情勢に即応いたしまして、ここに書いてありますような各種の方法によりまして再就職の促進につとめてまいりたい。  5の心身障害総合対策でございますが、まず第一に、業務上の諾災害を受けた方に対します労災医療立場からいろいろな施設を増設いたしまして、機能回復訓練を行なう、あるいは社会復帰指導員を充実いたしまして、ケースワークにつとめてまいりたい。  また、職業訓練につきましては、身体障害者訓練につきまして、職種の増設あるいは訓練校の設置をはかってまいりたい。  また、職業相談につきましては、心身障害者の職業センターを、四十五年度におきまして東京の上野に一カ所つくったのでありますが、四十六年度におきましてはさらに名古屋に一カ所増設したい。そのほか各種の雇用奨励制度あるいは自動車購入資金貸し付け制度を拡充してまいりたいと考えております。  六ページに参りまして、総合農政進展に伴います農村労働力に対する総合的な雇用対策でございますが、まず第一点といたしましては、農村人材銀行を新たに設置する、あるいは転職相談員を増員するというような手段によりまして農業者転職対策を拡充強化してまいりたい。  また、職業訓練につきましては対象人員の増大、訓練施設の拡大を行なってまいりたい。  さらに、昭和四十六年度におきまして新たに、農村地域に工場等が進出しやすいように労働環境の整備を行なう。このため教養、文化体育施設の設置につきまして、とりあえず四十六年度一億五千万の予算新規に計上されております。  7の駐留軍関係離職者対策でございますが、この点につきましては、昨年末に発表されました大量の解雇に対処いたしまして、四十六年度におきましては対象人員を大幅に増加するとともに、就職促進手当引き上げ等をはかりまして、その対策の万全を期したいというふうに考えております。  炭鉱離職者対策につきましては、引き続き産炭地域開発就労事業あるいは緊急就労対策事業等を実施いたしまして、事業費単価等もアップいたしまして対策を推進してまいりたい。  七ページに参りまして、山から山へ行った場合の雇用奨励金制度等も新設したいということでございます。  次に、失業対策事業でございますが、この点につきましては、今後におきまして、中高年齢失業者につきましては雇用促進のための措置強化いたしまして、今後の失業者は失業対策事業には就労させない。そしてまた、現在の失業対策事業につきましては、就職あるいは自立を慫慂をいたしまして、これでも自立し得ない者に対しまして引き続き続ける、こういった前提に立ちまして四十六年度予算が編成をされております。予算の要求額は四百二十五億でございまして、前年度に比べて二十二億の増でございます。  まず失対事業につきましては、吸収規模が十四万人から十二万人に下がっておりますが、これは先ほども申し上げましたように自立を促進する、また今後は失対事業に入ってこないというようなことを前提といたしまして規模を減少しておるのでございます。労力費につきましては、前年度に比べて二二%の増でございます。  次に、特定地域開発就労事業は、昭和四十六年度に新たに設けられました事業でございますが、これは先ほども申し上げましたように、中高年齢者に対する就職を促進するということでございますけれども、一般の地域ではそういったこともあれでございますが、たとえば農山村地域あるいは産炭地域等におきましては、どうしても就労の機会のないというような場合も考えられますので、そういった方々のためにはこの事業を新たに起こしまして、就労の機会を与えるという予算でございます。  次に、就職支度金につきましては、四十五年度五万円を十五万円に、アップを相当大幅にいたしまして自立を促進したいということでございます。  次に、生涯訓練の体系的展開でございますが、第一は公共職業訓練につきまして従来から引き続き各種の施設を増設いたしますとともに、八ページに参りまして、いろいろ内容を充実をしてまいりたいということでございます。  それから事業訓練につきましても、たとえば運営費の補助の引き上げあるいは施設の設置の補助単価の引き上げ等をはかってまいりたい。  また、成人職業訓練でございますが、これは学卒者や離職者に対する訓練だけではなくして、一般の在職労働者につきましても、技能の向上や再訓練をはかりまして、技術革新の進展あるいは技能の陳腐化というようなことに対処してまいりたいということでございまして、昭和四十六年度におきましてはとりあえず公共職業訓練校に施設をつくりまして、コースを新たに開設するという予算を計上してございます。  次に、職業訓練大学校はただいま小平にございますが、手狭でございますので、神奈川県の相模原に移転拡充をするということで、二年計画で三十億で建設をするということでございまして、初年度の十五億円が計上されてございます。  さらに、技能検定につきましても、引き続きこれを拡充をしてまいりたいと考える次第でございます。  次に、九ページに参りまして、労働条件改善でございますが、労働災害防止対策につきましては、特に死亡多発災害重点を置く、あるいは青函連絡船とか鹿島あるいは山陽新幹線等の大規模建設拠点地域に対しましては、重大災害の起きないように事前の監督指導強化する。2の、自主点検方式による監督機能の強化につきましては、これは事業主協力によりまして、いわば青色申告のようなものを出していただきまして、それによりまして監督を効果的に機能的に行なっていくということを目的といたしまして、四十六年度から新たに始めたいというふうに考えております。さらに、新工法につきましては、事前にその安全性をチェックするための委員会をつくる、あるいは職業病対策あるいは民間の自主的団体の活動の促進等をはかってまいりたい。  また、近代化のおくれた分野につきましては、最低賃金制あるいは家内労働行政等につきまして本格的に推進をしてまいりたいということでございます。  一〇ページに参りまして、経済社会動向に即応した労使関係の形成でございますが、従来に引き続きまして、労使関係、労働経済の分析、長期展望を行ないますほか、産業労働懇話会の開催等によりまして労使等の話し合いの機運の促進をしたい、あるいは中小企業労働対策充実したいということでございます。  六のアジア労働技術協力でございますが、これは労働外交の一環といたしまして、アジア等の発展途上国の人的能力の開発をはかりますため、民間とのタイアップによる技能研修生をわが国で受け入れるということでございまして、予算額は三億二千万円新規に計上されておりますが、内容といたしましては、国におきましてこういった研修生を受け入れまして、そのための施設及びそのための運営費等が計上されておるわけでございます。  それから七の行政体制でございますが、特に2の労働保険の徴収一元化につきましては、一昨年成立いたしました、失業保険、労災保険の徴収一元化法に基づきまして、四十七年度から両保険の徴収を一元化するということになっておりますので、そのための準備費といたしまして四億二千一百万円を計上しているわけでございます。  以上、簡単でございますが、説明を終わらしていただきます。
  12. 倉成正

    倉成委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十六分散会