○小久保
説明員 労働省の労働衛生研究所では、従来から労働衛生に関する研究といいますか、労働環境に関する研究、それが進んでおりまして、特に昨年の光化学スモッグにつきましては、おそらくロスとは違うであろう、ロスの場合は
自動車排気ガスが大半であるが、日本の場合は硫酸ミストも入っているのじゃなかろうかというような推定、そういう主張をする一部学者もおりまして、硫酸ミストの測定、これは労働衛生研究所が一番ポテンシャルでございますので、そこにその研究をお願いした。労働省の労衛研にその基礎的な研究をお願いしまして、さらに実際に機器を開発することを
通産省の
公害資源研究所にお願いしておるということでございます。
それから昨年の研究の
趣旨について若干補足させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。――私
ども従前から
関係各省といろいろよく相談しまして、対策、研究の強化、充実ということをはかってまいったわけでございますが、昨年の夏、光化学スモッグが起きましたのを契機に、研究者一同寄りまして、なお充実しなければならぬ
ところがあるのじゃなかろうかといろいろ相談したわけでございます。
そのときにわかりましたことは、要するに何が起きたかを
現場で確認することがまず第一である。残念ながら昨年の杉並の立正高校のときには、実際どういう状態にあったかということをつかんでなかった。なお、遺憾ながら、かりにそれを測定するチャンスがあったとしても、その測定する機械がないという話でございまして、いずれにしましても、まず
現場で何が起こったか、それをつかむことが先決問題だ。したがいまして、本年の夏になって、また光化学スモッグが起きるであろう。それをまず把握して、それから対策ということにならざるを得ない。それにしてもそのはかる道具がない。したがって、昨年の段階では、とりあえず本年度から本格的な研究をやるとして、その準備段階としては、まず道具だけは確実にしておこうというのが昨年の研究の主眼でございまして、そのほか
先ほど通産省から
お話のありました、スモッグチャンバーというものがございます。これはいろいろの
条件のもとで
汚染状況をつくり出すことができるわけでございますが、そういったことを繰り返しまして、それとフィルムでとったデータと比べ合わせますことによって、実際
現場で何が起こっているか、それをつかむ、あるいはそのときの
発生のメカニズム、そういったものをより早くつかむために、一方ではスモッグチャンバーを使って、そういった室内実験を繰り返す。それから本年度からやるべき
現場の
調査のために必要な測定器を開発するというようなことが昨年の研究の
趣旨でございまして、一応研究
状況は順調に進んでおるようでございます。
そしてことしに入りまして、では各研究所のそれぞれの研究の進捗
状況、それから本年度についての具体的な詳細な
計画をどうするかということを、この間から打ち合わせしてまいっておるわけでございまして、その範囲ではその研究が一応順調に進捗しておる。それから本年度の
計画の細部につきましては近々に最終的に決定するという
状況でございます。