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莊政府委員 なかなかむずかしい問題でございますから、むしろ法務省御当局から
答弁いただいたほうが適当かとも思いますが、私どもこの
法律をつくります場合に考えた
範囲のことを申し上げますと、大
企業の場合には、平たくいえば
工場、
事業場の数も多いし、それからそれぞれにスタッフも豊富にそろえて、本社と
工場というものが一応分業的にやっておる。平素の生産の実施面での機械の操作でございますとか、こういうことは相当
責任のある取締役クラスの
工場長がおって、まかされてやっておる。十分部下も持っておる。そういうわけでございますから、やはり
公害が
発生したからといって、先ほど申し上げたような機械の操作上のミスだとか、こういうところまで本社に及ぶということはおよそ考えられません。そのかわりに、
公害の
防止投資がかねがね十分に行なわれてないとか、当然にやればやれることが
あと回しになっておる。むしろ生産
設備に対する投資のほうはどんどん行なわれておった、こういうふうなことになりますと、大
企業の場合には、これはもう
工場限りの権限ではございませんで、逆に本社全体としての長期の
設備投資計画なり、それの
予算編成というふうな、取締役会の中での何人かの
責任者がおる、そういうところの権限にも属しておりますし、
法律上もそこまでさかのぼるような、どういう検討をし、何ゆえこういう
設備投資計画を組んだのかというふうなところまで当然問題になってくるだろうと思います。
中小企業、特に零細
企業の場合には、あらゆる決定も、それから
監督の実施面も、零細
企業の
実態からいえば経営者たる個人、一身専属的にやっておる。下の人はもっぱらただ働いておるというふうな
実態でございますから、そこのところを考えますと、零細
企業の場合には、何となく経営者に非常にしわが寄るような
感じがするかもしれませんですが、これはやはり業務の内部の分担の差、
組織の差というものも、実行行為
責任者がだれかという追及をします場合には、ある程度事案によって反映するということは事実問題としてあるんじゃないか。理屈の上で差をつけなければならない、政策的に差をつけなければならないというようなことはもちろんないのでございまして、あくまで
組織、業態が違えば
責任分担なり業務分担の
実態、これもまた変わる場合もある、それに応じて個々のケースで判断もまた変わる場合がある、こういうことではないかと思います。