○曾根田
説明員 お手元に「
昭和四十六
年度公害対策予算内訳(
厚生省)」という二枚刷りの資料がございますので、それによりまして御
説明申し上げたいと思います。
まず、総額で申し上げますと、四十五
年度が九億三千八百三十一万七千円、これに対しまして四十六
年度、十四億八千五百十七万七千円でございまして、伸び率としましては一応五八%ということになっております。
厚生省の
予算全体が一八%の伸び率でございますので、額は少のうございますが一応の伸び率を示しておるわけでございます。
内訳といたしまして、第一番目が国立
公害衛生
研究機関に関する
調査費でございまして、これは別途
環境庁のほうに
国立公害研究所ということで付置されることになっておりますが、それまでの間
厚生省におきましては、前
年度に引き続きまして新しい
研究所に関する
調査事務を進める、その準備費でございます。
二番目に、
公害防止計画の
推進、四千百八十四万七千円でございます。
この内訳は、(1)が
公害防止計画の策定でございます。本
年度は御承知のように鹿島、名古屋、尼崎、北九州、大分、この五
地域の
防止計画の策定に取りかかったわけでございますが、来
年度におきましても、一応
予算的にはおおむね五
地域を
予定しているところでございます。
その次に、(2)の
環境基準の
設定と規制の
強化でございますけれども、これは従来から行なっております
環境基準の
設定に伴うもろもろの
経費、あるいはまた、先般の
臨時国会で
改正を見ました
大気汚染防止法等の
改正に伴いまして、新しく常時規制の
対象になる物質の範囲が
拡大されましたし、あるいはまた、新しく燃料規制というような
制度が設けられまして、大都市の特定の
地域についてこういう燃料規制を行なう、そういったことに伴うもろもろの
調査関係の
経費も全部入っておるわけでございます。
なお、騒音規制
対策費、悪臭規制
対策費等は、いずれも
法律施行上の事務的
経費でございます。
三番目に、
公害防止事業団事業の
拡充ということで四十五
年度四億四千三百八十六万五千円、これが六億三千七百五十二万二千円となっておりまして、内訳その他がございますけれども、
公害防止事業団の
理事長が後ほど見えるようでございますので、内訳の
説明はその際に譲らせていただきたいと思います。
次のページに参りまして、
公害監視測定体制の
強化でございまして、総額といたしましては前
年度の一億九千六百二十二万円が三億三千百十万円でございます。
まず(1)の、国設
大気汚染測定網
整備運営費でございますが、これは御承知のように、
昭和四十
年度以降おおむね四十八
年度完成
予定で全国に二十カ所の国設の
大気汚染測定所を設け、建物は国でつくりましてその運営は
都道府県に委託する、そういう方式をとってまいったのでございますけれども、四十五
年度末現在では十三ケ所に
整備される
予定でございます。来
年度は引き続きまして従来どおりの計画で新しく二カ所を設けることにいたしております。その
関係の
予算でございます。
一方、国設の測定網の
整備と並びまして、地方の測定綱に対する
補助を行なっておりますが、それが(2)でございまして、前年の一億四千七百六十九万七千円に対しまして、おおむね倍程度の二億八千万円が計上されてございます。
これはいずれも
補助率は三分の一でございますが、そのおもな
内容は、備考にございますように、広域監視の施設
整備が第一でございます。これは四十五
年度から初めて
実施したところでございまして、四十五
年度は
大阪と兵庫について広域監視網の
整備を行なったところでございますが、来
年度は
東京並びに隣接の三県、つまり
東京、神奈川、埼玉、千葉、これについての広域
監視測定網の
整備を行ないたいというふうに
考えております。それから二番目が、一般の監視設備
整備に対する国庫
補助でございます。三番目がこれは
公害センターあるいは
公害研究所等に対する主として監視測定機器等の
整備に対する
補助金でございます。この三者合計いたしたものが二億八千万ということに相なるわけでございます。
五番目に、
公害調査研究等の
拡充で、いろいろ
公害問題の最も基礎をなします
研究等につきましては、前
年度の一億四千万が約二億一千四百万というふうに相なっております。
(1)は、従来ペースの
研究費の
増額でございますけれども、ここで(2)に緊急
公害特別
調査費という
新規予算が計上されてございます。これは最近のように新しい
公害、あるいはまたきわめて複雑な
公害現象等が起きて、地方等におきまして、中央からそういう専門の、たとえば
環境汚染調査なりあるいは住民の検診等について、中央の専門家の派遣の要請というような事例も多く予想されるところでございますけれども、そういった事態に備えまして、あらかじめ中央においていわば
公害機動班というものを編成いたしまして、これはそういう人員の委嘱にとどまらず、具体的な機動力を持たせまして、検診車あるいは測定車、そういった車を利用いたしまして、そういう全国
各般の
地域における要請にこたえようとする
新規の
予算でございます。
次に、都市・
産業廃棄物広域処理
対策の
推進でございまして、この点は
先国会で御
審議いただきました、
社会労働委員会でございますけれども、清掃法の全面
改正に伴いまして、
産業廃棄物につきまして、初めて広域的な処理体系が確立されたわけでございますけれども、その
法律の制定の趣旨を受けまして、まず、広域的な処理
基準の
設定に必要な事務費として約二百万、それから
新規の
補助金といたしまして、具体的な
産業廃棄物の処理施設に対する
補助金を計上いたしたものでございます。金額は一億で、わずかでございますけれども、具体的には現在工事が進められております
大阪府下における広域処
理事業に対する
助成でございますが、
法律改正に基づいて初めてこういった事業に
補助金が計上されたという意味において注目される
予算でございます。
七番目が
公害被害救済
対策費でございまして、前
年度の六千六百四十六万六千円に対しまして、七千四百三十七万六千円でございますから、金額的にはそれほどの増加を見ておらないのでございますけれども、この点につきましては、実は本
年度の
予算の編成にあたりまして、何ぶんにも
予算編成のほうが
法律施行にさかのぼりましたような
関係もございまして、人員等の見込みにつきましても、いろいろと見込みの数字に差がございまして、本
年度はこの六千六百万につきましては多少残額が出る見込みでございますので、そういう点でこの数字を見ていただきたいのでございますけれども、
内容的には備考に書いてございますように、
医療手当の額並びに
支給要件の緩和について若干の
改善を行なった次第でございます。
具体的には入院における
医療手当につきまして、現行では月に八日以上入院した場合四千円、八日未満の場合二千円でございましたのを、新しく十五日以上入院という項を設けまして、その場合には五千円というふうにいたしました。それから八日以上十五日未満は四千円でございますが、八日未満の二千円は三千円に引き上げることといたしております。
次に、通院でございますが、現在通院につきましては
水質汚濁関係と
大気汚染関係とでは若干
支給要件に差がございまして、水の場合は二日以上二千円となっておりますのを、今回八日以上の場合は三千円という新しい一項を設けたわけでございます。
それから
大気汚染につきましては、八日以上で二千円ということになっておりましたのを、まず十五日以上を三千円に金額を引き上げると同時に、現在の八日以上という要件を六日以上というふうに緩和いたした次第でございます。
八番目に、保健所
公害対策費でございますが、これにつきましては、実は四十四
年度から四十六
年度までの三カ年計画をもちまして、全国九十八カ所の都市型保健所に専任職員一人を置き、かつこれに伴う簡易測定機械を
整備する、それの
補助金を計上いたしまして保健所の
公害業務の
推進をはかってきたところでございますけれども、先般の
公害関係諸立法の
整備等に伴いまして、第一線における
公害監視等の
強化をはかる意味におきまして、従来ペースの計画に合わせまして、新たに当初
予定されておりました三十二カ所の保健所のほかに、都市、農村の中間型保健所を
対象といたしまして二十五カ所、したがいまして来
年度は五十七カ所につきまして従来の人員並びに機器の
整備を行なうことといたした次第でございます。
その他は、通常一般的な事務
経費でございますので、
説明を省略させていただきます。
以上が
厚生省関係予算の概略でございます。