○吉兼
政府委員 五カ年
計画を遂行するための、ことに地方負担の問題をどういうふうに考えておるかという
お尋ねでございますが、確かに、この
下水道事業は町村が主体になりました事業でございます。広域
下水道等につきましては都道府県営のものもございますけれ
ども、公共
下水道等は大部分が町村が主体でございまして、したがいまして、事業主体でありますところの市町村財政というものを抜きにいたしまして
下水道の長期
計画は論じられないわけでございまして、私
どもは、この五カ年
計画の策定あるいは財政当局との詰めに当たって、絶えず自治省と緊密な連絡をとりつつ今日までまいっておるつもりでございます。二兆六千億をセットするにあたりましても、十分自治省と話し合いをいたして煮詰めながらこれを固めてまいっておるわけでございまして、まだ
閣議決定には至っておりませんが、さらにそういった作業は今後続くものと思うわけでございます。
現在のところ、地方負担の関係につきましては、ごく基本的なことを申し上げますならば、私
どもはこう考えております。全体の
投資額が二兆六千億にふえました。当然、国も地方も負担がふえるわけであります。ただ、その国一地方の負担割合につきましては、先
国会の附帯決議の御
趣旨等もありまして、私
どもも及ばずながら努力いたしまして、補助率のアップは今回は実現いたしませんでしたが、国庫補助対象の割合を旧
計画よりかなり改善をしたつもりでございます。
それから
下水道につきましては、他の
公共事業と異なりまして、地方債でもって財源を調達していく面がかなりウエートを持っております。したがいまして、地方債充当率並びに地方債の償還条件と申しますか、そういうものが地方財政に影響するところが非常に大きいわけでございます。したがいまして、今回におきましても、その地方債の充当率並びに金利も含めました償還条件等という点でかなりの改善があったと思います。
それから新
計画におきましては、昨今の公害の社会的責任と申しますか、そういう立場から企業者負担というような思想も財源の面においてもかなり導入をしてまいりたいというふうなことも考えておるわけでございます。あれやこれや、そういったようなことからいたしますと、地方の一般財源ですか、一般市費でもって負担いたしますところの割合は、旧
計画よりも新
計画においては割合としてはかなり下がっておる。つまり負担軽減がはかられておるということが申し上げられるのではないかと私は思います。
それから、その地方の一般財源の負担に対しますところの交付税の手当につきましても、今
国会におきまして地方交付税法の
改正が
提案されております。その面におきましても、
下水道に関しましては、単位費用の
単価アップ、しかもこれは維持的な経費の面、それから
投資的な経費の面に分かれまして単位費用のアップも付されるように法案の
提案がなされているように私
どもは伺っております。
それから、先生からちょっとお話のございました維持管理費と使用料の関係でございますが、これは実は私
どもも頭を痛めておる問題の
一つでございます。そもそも
下水道の財源のあり方、財政のあり方というものは、御承知のとおり私
どもは多年研究をしてまいったわけでございまして、そのあるべき姿といいますものの
一つの考え方はもう出ておるわけでございます。それからいきますならば、少なくとも
下水道事業といいますものは、でき上がったものの維持管理は——維持管理のうち、いわゆる汚水相当分と申しますか、一般家庭下水に見合う相当分についての維持管理費は少なくとも使用料でまかなうべきであるというふうな
一つの考え方が出ているわけでございます。したがいまして、私
どもは、自治省とも
ども、
下水道事業の施行
都市に対しましては、いろいろ事情はあるけれ
ども、そういう考え方で維持管理費もまかなえないような使用料では話にならぬじゃないか、その程度の使用料は確保すべきじゃないかということを指導をしてまいっております。しかし、現実は御指摘のようにそれを下回っている
都市も多いのでございます。そういう
都市におきましては、不足分につきましては当然一般財源の中でやりくりをしていかざるを得ないというのが実情であるわけでございますが、今後とも、その点につきましては、その改善方に国の立場からも十分行政指導等を通じまして努力をいたしてまいりたい、かように思っております。