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1971-03-18 第65回国会 衆議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年三月十八日(木曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 金丸  信君    理事 天野 光晴君 理事 大村 襄治君    理事 正示啓次郎君 理事 服部 安司君    理事 渡辺 栄一君 理事 阿部 昭吾君    理事 小川新一郎君 理事 内海  清君      稻村左四郎君    金子 一平君       砂原  格君    丹羽喬四郎君       葉梨 信行君    廣瀬 正雄君       古内 広雄君    森下 國雄君       山本 幸雄君    井上 普方君       佐野 憲治君    松浦 利尚君       柳田 秀一君    新井 彬之君       北側 義一君    浦井  洋君  出席政府委員         建設政務次官  田村 良平君         建設大臣官房長 大津留 温君         建設省都市局長 吉兼 三郎君         建設省河川局長 川崎 精一君  委員外出席者         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 三月十八日  道路法等の一部を改正する法律案内閣提出第  九五号) 同月十日  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願阿部喜男紹介)(第二一六  四号)  同(井岡大治紹介)(第二一六五号)  同(池田清志紹介)(第二一六六号)  同(岡田利春紹介)(第二一六七号)  同(芳賀貢紹介)(第二一六八号)  同(阿部喜男紹介)(第二二九八号)  同(井野正揮君紹介)(第二二九九号)  同(岡田利春紹介)(第二三〇〇号)  同(島本虎三紹介)(第二三〇一号)  同(芳賀貢紹介)(第二三〇二号)  同(横路孝弘紹介)(第二三〇三号)  同(美濃政市紹介)(第二三〇四号)  同(安井吉典紹介)(第二三〇五号)  清水・直江津間中部日本横断国道整備促進に  関する請願丸山勇紹介)(第二一六九号) 同月十五日  消費者保護目的とする宅地建物取引業法の改  正に関する請願安倍晋太郎紹介)(第二三〇  七号)  同(足立篤郎紹介)(第二三〇八号)  同(青木正久紹介)(第二三〇九号)  同外三件(秋田大助紹介)(第二三一〇号)  同(天野光晴紹介)(第二三一一号)  同(伊藤宗一郎紹介)(第二三一二号)  同(池田正之輔君紹介)(第二三一三号)  同(稻葉修君紹介)(第二三一四号)  同(稻村左四郎紹介)(第二三一五号)  同(宇野宗佑紹介)(第二三一六号)  同(上村千一郎紹介)(第二三一七号)  同外三件(植木庚子郎君紹介)(第二三一八号)  同(内海英男紹介)(第二三一九号)  同(浦野幸男紹介)(第二三二〇号)  同(江崎真澄紹介)(第二三二一号)  同(江藤隆美紹介)(第二三二二号)  同(遠藤三郎紹介)(第二三二三号)  同(小此木彦三郎紹介)(第二三二四号)  同(小澤太郎紹介)(第二三二五号)  同(小沢辰男紹介)(第二三二六号)  同(大石八治君紹介)(第二三二七号)  同(大坪保雄紹介)(第二三二八号)  同(大西正男紹介)(第二三二九号)  同(大野明紹介)(第二三三〇号)  同(大橋武夫紹介)(第二三三一号)  同(奥田敬和紹介)(第二三三二号)  同(奧野誠亮紹介)(第二三三三号)  同(加藤陽三紹介)(第二三三四号)  同(金子一平紹介)(第二三三五号)  同(亀岡高夫君紹介)(第二三三六号)  同外一件(鴨田宗一紹介)(第二三三七号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第二三三八号)  同(仮谷忠男紹介)(第二三三九号)  同(川崎秀二紹介)(第二三四〇号)  同(上林山榮吉君紹介)(第二三四一号)  同(神田博紹介)(第二三四二号)  同(菅野和太郎紹介)(第二三四三号)  同(木野晴夫紹介)(第二三四四号)  同(木村武雄紹介)(第二三四五号)  同外八件(木村武千代紹介)(第二三四六号)  同(久野忠治紹介)(第二三四七号)  同(久保田円次紹介)(第二三四八号)  同(草野一郎平紹介)(第二三四九号)  同(熊谷義雄紹介)(第二三五〇号)  同(倉成正紹介)(第二三五一号)  同(小金義照紹介)(第二三五二号)  同(小坂善太郎紹介)(第二三五三号)  同(小宮山重四郎紹介)(第二三五四号)  同(河野洋平紹介)(第二三五五号)  同(左藤恵紹介)(第二三五六号)  同外二件(佐藤文生紹介)(第二三五七号)  同(佐藤守良紹介)(第二三五八号)  同(斉藤滋与史君紹介)(第二三五九号)  同(齋藤邦吉紹介)(第二三六〇号)  同(坂本三十次君紹介)(第二三六一号)  同(櫻内義雄紹介)(第二三六二号)  同(始関伊平紹介)(第二三六三号)  同(塩川正十郎紹介)(第二三六四号)  同(塩谷一夫紹介)(第二三六五号)  同(島村一郎紹介)(第二三六六号)  同(正示啓次郎紹介)(第二三六七号)  同(進藤一馬紹介)(第二三六八号)  同外七件(砂田重民紹介)(第二三六九号)  同(瀬戸山三男紹介)(第二三七〇号)  同(田川誠一紹介)(第二三七一号)  同外一件(田澤吉郎紹介)(第二三七二号)  同(田中伊三次君紹介)(第二三七三号)  同(田中龍夫紹介)(第二三七四号)  同(田中六助紹介)(第二三七五号)  同(田村元紹介)(第二三七六号)  同(高橋清一郎紹介)(第二三七七号)  同(高見三郎紹介)(第二三七八号)  同外一件(竹内黎一君紹介)(第二三七九号)  同(竹下登紹介)(第二三八〇号)  同(谷垣專一君紹介)(第二三八一号)  同(谷川和穗紹介)(第二三八二号)  同外一件(地崎宇三郎紹介)(第二三八三号)  同外四件(坪川信三紹介)(第二三八四号)  同外三件(中尾栄一紹介)(第二三八五号)  同(中島源太郎紹介)(第二三八六号)  同(中島茂喜紹介)(第二三八七号)  同(中野四郎紹介)(第二三八八号)  同(中村弘海紹介)(第二三八九号)  同(中村拓道紹介)(第二三九〇号)  同(中村寅太紹介)(第二三九一号)  同(永山忠則紹介)(第二三九二号)  同(灘尾弘吉紹介)(第二三九三号)  同(南條徳男紹介)(第二三九四号)  同(丹羽久章紹介)(第二三九五号)  同(丹羽兵助紹介)(第二三九六号)  同(西岡武夫紹介)(第二三九七号)  同外二件(西村英一紹介)(第二三九八号)  同(西村直己紹介)(第二三九九号)  同(西銘順治紹介)(第二四〇〇号)  同(野中英二紹介)(第二四〇一号)  同(野呂恭一紹介)(第二四〇二号)  同(羽田孜紹介)(第二四〇三号)  同(長谷川四郎紹介)(第二四〇四号)  同(服部安司紹介)(第二四〇五号)  同(早川崇紹介)(第二四〇六号)  同(林義郎紹介)(第二四〇七号)  同(原田憲紹介)(第二四〇八号)  同外二件(福田一紹介)(第二四〇九号)  同(福永健司紹介)(第二四一〇号)  同(藤枝泉介紹介)(第二四一一号)  同(藤尾正行紹介)(第二四一二号)  同外七件(藤田義光紹介)(第二四一三号)  同(藤山愛一郎紹介)(第二四一四号)  同(古内広雄紹介)(第二四一五号)  同(古川丈吉紹介)(第二四一六号)  同(古屋亨紹介)(第二四一七号)  同(別川悠紀夫君紹介)(第二四一八号)  同(坊秀男紹介)(第二四一九号)  同(細田吉藏紹介)(第二四二〇号)  同(堀田政孝紹介)(第二四二一号)  同外一件(本名武紹介)(第二四二二号)  同(前尾繁三郎紹介)(第二四二三号)  同(前田正男紹介)(第二四二四号)  同(益谷秀次紹介)(第二四二五号)  同(増岡博之紹介)(第二四二六号)  同(増田甲子七君紹介)(第二四二七号)  同(松田竹千代紹介)(第二四二八号)  同(松永光紹介)(第二四二九号)  同(松山千惠子紹介)(第二四三〇号)  同外一件(三池信紹介)(第二四三一号)  同外三件(三木武夫紹介)(第二四三二号)  同(三ツ林弥太郎紹介)(第二四三三号)  同(三原朝雄紹介)(第二四三四号)  同外二件(村上勇紹介)(第二四三五号)  同(村田敬次郎紹介)(第二四三六号)  同外二件(森下元晴君紹介)(第二四三七号)  同外一件(森田重次郎紹介)(第二四三八号)  同(八木徹雄紹介)(第二四三九号)  同 (安田貴六君紹介)(第二四四〇号)  同外一件(山口敏夫紹介)(第二四四一号)  同(山下元利紹介)(第二四四二号)  同(山下徳夫紹介)(第二四四三号)  同(山手滿男紹介)(第二四四四号)  同(吉田実紹介)(第二四四五号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第二四四六号)  同(綿貫民輔紹介)(第二四四七号)  同(渡辺栄一紹介)(第二四四八号)  同(渡辺肇紹介)(第二四四九号)  同(中山正暉紹介)(第二四五〇号)  同(有島重武君紹介)(第二四五一号)  同(伊藤惣助丸君紹介)(第二四五二号)  同(小川新一郎紹介)(第二四五三号)  同(北側義一紹介)(第二四五四号)  同(小濱新次郎紹介)(第二四五五号)  同(古寺宏紹介)(第二四五六号)  同(中川嘉美紹介)(第二四五七号)  同(中野明紹介)(第二四五八号)  同(林孝矩紹介)(第二四五九号)  同(伏木和雄紹介)(第二四六〇号)  同(古川雅司紹介)(第二四六一号)  同(正木良明紹介)(第二四六二号)  同(松尾信人紹介)(第二四六三号)  同(松尾正吉紹介)(第二四六四号)  同(丸山勇紹介)(第二四六五号)  同(渡部通子紹介)(第二四六六号)  同(合沢栄紹介)(第二四六七号)  同(内海清紹介)(第二四六八号)  同(岡沢完治紹介)(第二四六九号)  同(春日一幸紹介)(第二四七〇号)  同(河村勝紹介)(第二四七一号)  同(栗山礼行紹介)(第二四七二号)  同(曽祢益紹介)(第二四七三号)  同(塚本三郎紹介)(第二四七四号)  同(西村榮一紹介)(第二四七五号)  同(西尾末廣君紹介)(第二四七六号)  同(吉田泰造紹介)(第二四七七号)  同(和田春生紹介)(第二四七八号)  同(渡辺武三紹介)(第二四七九号)  同(鹿野彦吉君紹介)(第二四八〇号)  同(青柳盛雄紹介)(第二四八一号)  同(田代文久紹介)(第二四八二号)  同(谷口善太郎紹介)(第二四八三号)  同(津川武一紹介)(第二四八四号)  同(安宅常彦紹介)(第二四八五号)  同(阿部昭吾紹介)(第二四八六号)  同(赤松勇紹介)(第二四八七号)  同(井野正揮君紹介)(第二四八八号)  同(卜部政巳紹介)(第二四八九号)  同(大出俊紹介)(第二四九〇号)  同(大原亨紹介)(第二四九一号)  同(岡田利春紹介)(第二四九二号)  同(加藤清二紹介)(第二四九三号)  同(勝澤芳雄紹介)(第二四九四号)  同(勝間田清一紹介)(第二四九五号)  同(角屋堅次郎紹介)(第二四九六号)  同(金丸徳重紹介)(第二四九七号)  同(後藤俊男紹介)(第二四九八号)  同(佐々木更三君紹介)(第二四九九号)  同(佐藤観樹紹介)(第二五〇〇号)  同(佐野憲治紹介)(第二五〇一号)  同(斉藤正男紹介)(第二五〇二号)  同(島本虎三紹介)(第二五〇三号)  同(田邊誠紹介)(第二五〇四号)  同(高田富之紹介)(第二五〇五号)  同(辻原弘市君紹介)(第二五〇六号)  同(堂森芳夫紹介)(第二五〇七号)  同(中嶋英夫紹介)(第二五〇八号)  同(中村重光紹介)(第二五〇九号)  同(楢崎弥之助紹介)(第二五一〇号)  同(芳賀貢紹介)(第二五一一号)  同(畑和紹介)(第二五一二号)  同(華山親義紹介)(第二五一三号)  同(古川喜一紹介)(第二五一四号)  同(細谷治嘉紹介)(第二五一五号)  同(松平忠久紹介)(第二五一六号)  同(松本七郎紹介)(第二五一七号)  同(八木昇紹介)(第二五一八号)  同(柳田秀一紹介)(第二五一九号)  同(横路孝弘紹介)(第二五二〇号)  同(横山利秋紹介)(第二五二一号)  同(米田東吾紹介)(第二五二二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路法等の一部を改正する法律案内閣提出第  九五号)  下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第三七号)      ————◇—————
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより会議を開きます。  理事会の協議により、この際、本日付託になり  ました内閣提出道路法等の一部を改正する法律  案を議題といたします。     —————————————     —————————————
  3. 金丸信

    金丸委員長 まず、提案理由説明を求めます。田村建設政務次官
  4. 田村良平

    田村政府委員 道路法等の一部を改正する法律案提案理由説明を申し上げます。  ただいま議題となりました道路法等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  最近におきまする自動車交通の進展は著しく、道路整備を強力に推進しているにもかかわりませず、遺憾ながら交通事故の発生は、依然としてあとを断たない状態であります。  このような事態に対処するため、政府におきましては、従来から、道路建設を積極的に推進するほか、交通安全施設整備車両通行規制措置を講じる等、鋭意交通事故の防止につとめてきたところでありますが、さらに交通の安全と円滑をはかるためには、道路管理について一そうの強化をはかる必要があります。  このような見地から、今回、道路法等所要改正を加えて、車両通行に関する規制措置を強化し、あわせて自転車専用道路等に関する規定整備する等必要な規定整備をはかることといたしました。  以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次に、この法律案要旨について申し上げます。  まず第一に、道路構造を保全し、または交通の危険を防止するため、幅、重量、高さ、長き等について一定の限度をこえる車両通行させてはならないものとし、これに違反した者には罰則を科するとともに、限度外車両であっても当該通行がやむを得ないものについては、道路管理者許可制を設け、また、申請者の便宜をはかるため許可の一元化の措置を講ずることといたしました。  第二に、道路管理者は、車両積載物が落下するおそれがある場合において、道路構造または交通に支障が及ぶのを防止するため、運転者に対して必要な措置を命ずることができることといたしました。  第三は、道路の破損、欠壊その他の事由により交通が危険であると認められる場合には、道路監理員も、必要な限度において、一時通行規制措置を行なうことができることといたしました。  第四に、道路管理者は、交通の安全と円滑をはかるために必要があると認めるときは、自転車専用道路自転車歩行者専用道路または歩行者専用道路を指定することができることといたしました。  第五に、道路管理者の行なう道路管理都道府県公安委員会の行なう交通規制との調整措置等について必要な規定を設けるほか、道路情報提供装置その他の道路情報管理施設を新たに道路付属物に加えることといたしました。  第六に、高速自動車国道につきましても、高速自動車国道法の一部を改正して、道路法におけると同様、都道府県公安委員会交通規制との調整措置規定を設けるとともに、路上駐車場の適切な運営をはかるため、その駐車料金の額につきまして、駐車場法所要改正を加え、法定限度額規定を廃止し、その料金決定の原則を規定することといたしました。  以上がこの法律案提案する理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  5. 金丸信

    金丸委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本案に対する質疑は明十九日から行なうことといたします。      ————◇—————
  6. 金丸信

    金丸委員長 次に、内閣提出下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
  7. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、ただいまから下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案について質問をするわけですが、この前の第六十四臨時国会で通過をいたしました下水道法の一部改正法に付随した財政措置としての緊急整備法でありますから、質問といっても、この前の公害臨時国会でほとんど出尽くしておるわけであります。だから、おさらいという意味もありますけれども、時間がありませんので簡潔に質問をして、御答弁をいただきたいと存じます。  まず第一点でありますけれども国民のサイドからこの計画を見ましたときに、何といっても一つ気になることは、昭和四十六年度を初年度として二千五百二十四億円、全体計画の一〇・一%が初年度進捗予定、こういうことになっておるわけであります。   〔委員長退席服部委員長代理着席〕 そういたしますと、残りの八九・九%は、第二年度以降にその大部分がしわ寄せされるということになるわけなんです。実際にこういった状態に置いておいて、はたして当初の目的どおり完遂できるという見通しがあるのかどうか、また、途中で、四年たったら計画を変更して次の計画に切りかえるというような形になる可能性はないのかどうか、その点について政務次官並びに局長のほうから決意のほどを御答弁いただきます。
  8. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 最初お尋ねの、二兆六千億がはたして実現可能であるかどうかという御趣旨でございますが、たびたび御答弁申し上げておるところでございますけれども、三次五カ年計画では二兆六千億、予備費一千億を含んでおりますので、現在でも実質投資二兆六千億となるわけでございます。その二兆六千億に対しますところの四十六年度初年度投資額ベースにいたしまして、事業費で三五%、国費では三六%でございますか、の伸びということになっております。これは四十六年度の予算を四十五年度の予算に対比いたしましての伸び、御案内のとおり総事業費は三三%で、国費は四〇%の伸びを確保いたしておりますので、四十五年から四十六年の事業費並びに国費伸び、これは予算伸びでございますが、その伸び率を第二年度以降も継続して大体確保できるならば、この計画は十分達成可能であるというふうに私どもは判断いたしております。しかしながら、公共事業伸び一般の平均からいきまして、この伸び率は決して低いものではございません。これからの公害対策の柱としての下水道ということで、国の下水道に対する投資の姿勢というものも今後大いに期待をされるというふうに思っておりますので、やさしいことではございませんが、決して実現不可能な規模のものではないというふうに私どもは判断いたしておるわけでございます。
  9. 松浦利尚

    松浦(利)委員 政務次官、いまの局長答弁は将来に向かっての政治的な内容も含んでおる答弁だと思うのです。実際に非常に大きな財源を必要とするこの下水道整備計画というものは、四十七年度、四十八年度の予算伸びいかんによっては計画を縮小しなければいけない、あるいは計画を完遂できないという状態が出てくるわけですね。この点建設省として——根本大臣がおられれば根本大臣の考えということになるのですが、局長が言われるように、絶対だいじょうぶだ、このことを明確に言うことができるかどうか、その点政務次官として御答弁を願います。   〔私語する者あり〕
  10. 服部安司

    服部委員長代理 お静かに願います。
  11. 田村良平

    田村政府委員 お答えいたします。  御指摘のありましたように、最近の急増する都市生活環境整備になくてはならない、今日の時代の要請の大きな政治課題であります。せっかく立てました計画でもありますし、せめてこれを間違いなく貫徹することがこの五カ年計画の真の目的達成であり、またそれが近代化都市生活要件にマッチすると思います。したがいまして、いま局長も話しましたように、実際に金を取る場合には、大蔵省というものがありましてたいへんむずかしいのでありますが、私は、住宅計画のときも申し上げましたように、閣議決定をした計画が途中でお金の都合でひっくり返るというようなことは閣議の権威にかかわる。そういうことが行政の不信を招く。だから、いつもそういうことで、だいじょうぶかだいじょうぶかという危惧の念を持たれた不安感の伴う国民生活の脅威があると思います。したがいまして、最初大蔵省に切られておりましたが、切られておりましたものを計画どおり復活をいたしておりますので、これは是が非でも貫徹しなくちゃならぬ、私はこのような責任を感じておるわけでございます。
  12. 松浦利尚

    松浦(利)委員 ここでぜひ過去を振り返って記憶しておいていただきたいと思うのです。  今国会でやはり議論がございました第一次計画は、三十八年から四十一年の間に六七・三%しか最終的に達成しておらない。第三次計画の前の第二次計画、これは四カ年でありますけれども昭和四十二年から四十五年までに六八・六%、これまた大幅に残して第三次に転換せざるを得なかった。こういう状態で、やはり計画と実行が最終的に一致しないという場合が非常に出てくるのです。それは政治的なものが一つあると私は思います。その政治的なものは、いま次官がお話しになりましたように、閣議決定でありますから、そういった意味で、少なくとも、この予定というものは必ず五カ年後には完遂する。昭和六十年には市街面積全部に下水道が完備する。新全総に従って必ず完備する。建設省公害対策には、六十年には全市街地に完成するという目標があるわけでありますから、そういった政治的なものが一つあると思う。もう一つは、やはり何といっても建設費単価の変化だと思うのです。建設費単価がずうっと高騰していく。高騰していくことによって、確かに二兆五千億という計画金そのものは消化するけれども、実際に金を使ったほど当初計画伸びない。  そこで私がお尋ねをしておきたいのは、この第三次計画をつくるにあたって、一体建設費の上昇というものを幾らに見ておるのかということです。私が調べた範囲では、現在の建設費単価というのは、昭和四十二年に比べて今日では二五%アップしているのですね。四十二年当時一〇〇だったものが今日一二五になっているのですよ。だとするなら、この五カ年計画において建設費値上がりというのを一体幾らに見ておるのか、それが上がったときには計画を変更するのか、あるいはその分だけさらに予算規模がふくらむのか、そういう点について、これは物理的な問題ですが、ひとつ明確にお答えをいただきたいと思うのです。
  13. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お答えいたします。  五カ年計画で、単価、ことに物価の値上がり等をどういうふうに見ているかということでございますが、これは政府各種長期計画に共通する問題だと私は思いますが、下水道も大体同断でございまして、この二兆六千億というものの考え方は、四十五年度価格ベースにいたしまして、それで五カ年間に二兆六千億の投資額に相当する事業量を達成するというところにこの計画意味があるわけでございます。したがいまして、普及率ということで、整備率を、私ども申し上げておりますように二二%を三八%に上げる。その上げるに必要な下水の事業量をこの五年間に確保するのである。それを四十五年度価格であらわすならば、その相当支払い額は二兆六千億であるというふうな計画になっておるわけでございます。したがいまして、繰り返すようでございますが、二兆六千億の五カ年計画投資にあたりましては、毎年毎年、デフレーターと申しますか、物価の値上がり幾ら見ているかというお尋ねにつきましては、そういうふうな見方を実はいたしていないわけでございます。要は、四十五年度価格でもって算定いたしました二兆六千億に見合う事業量を確保するというところにこの五カ年計画意味がある、こう申し上げてよろしいかと思います。
  14. 松浦利尚

    松浦(利)委員 局長のいまの御答弁で、第二次計画の四カ年を見ますと、あと一年を残しておるわけですけれども、実際に当初計画投資額、それの六八・六%は現実に四十五年度までに支出されておるわけですね。ところが、実際に実体としてそれでは当初計画がどのくらい伸びておるかということを調べると、この四カ年に四〇%しか伸びておらない。金額のほうは六八・六%投資されておるが、事業のほうでは四〇%しか伸びなかったという結果がやはり出ている。ですから、いま言われたように、四十五年をベースにしてこの五カ年計画事業量を三三%まで持っていくのだという、そのことはわかりますけれども、途中のそういう物理的な変化というものをある程度考慮してこれからの計画あるいは大蔵省との予算折衝というものを考えておかないと、結果的に、これはやりましたけれども、物価がこう上がりまして、最終的に目標のこれだけしか到達できませんでしたといってまた国民に向かってお断りをしなければならないという経過の繰り返しになると思うのですね。ですから、その点については、いま局長の言われるのはそれでけっこうですけれども、これはそういった意味も含めて、変化のあるものとして、当初計画が金額によって、あるいは物価の高騰によって途中で打ち切られたり変更したりするしとのないようにぜひ国民の期待にこたえていただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。  次に、もう一つの問題は市町村の財源の問題なんです。御承知のように予備費を入れて二兆六千億、こういうばく大な投資をしていくわけですけれども、これは市町村の負担というものが非常に増大をしてくるわけなんですね。ですから、私は自治省の人をここに呼ぼうと思いましたが、また適当な答弁をされたのでは困りますので……。建設省としては、臨時国会で通って、しかも公害問題がたいへんやかましかったこの下水道工事についての地方自治体に対する財源措置、これは大蔵省との間に抜かりなく議論されておると私は思うのです。今日の地方自治体は、やはりこれだけの大きな設備投資をしていきますと、当然、受益者負担分も当初は起債その他で、地方債等で引き受けてやっていかなければならない。最終的にはこの下水道の維持管理費のほうが使用料よりも高いわけですね。使用料だけで管理しようとすればもう赤字なんです。管理費が使用料より高いわけですからね。全国平均をとってみても高いわけです。そうなると、その赤字分、逆にいうと起債、地方債の返還分、元利を含めてこれを返済をしていかなければならない。こういったものが今度は地方自治体にずっとしわ寄せしてくると思うのですね。ですから、そういうものについて自治省との間でどういうお話し合いがなされておるのか、その点をぜひこの際お聞かせをしておいていただきたいと思います。そうしなければ、地方自治体のほうは確かにできることはいいけれども、逆に財政面で地方自治体が一つの障害にぶつかる、建設省もやりたいけれども、地方自治体のほうの受け入れができない、こういうようなかっこうになってくると思うのですが、そういう点について、自治省側との折衝の経過、あるいはそういう問題についてどういうふうに対処しようとしておるのかということをぜひお知らせいただきたいと思うのです。
  15. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 五カ年計画を遂行するための、ことに地方負担の問題をどういうふうに考えておるかというお尋ねでございますが、確かに、この下水道事業は町村が主体になりました事業でございます。広域下水道等につきましては都道府県営のものもございますけれども、公共下水道等は大部分が町村が主体でございまして、したがいまして、事業主体でありますところの市町村財政というものを抜きにいたしまして下水道の長期計画は論じられないわけでございまして、私どもは、この五カ年計画の策定あるいは財政当局との詰めに当たって、絶えず自治省と緊密な連絡をとりつつ今日までまいっておるつもりでございます。二兆六千億をセットするにあたりましても、十分自治省と話し合いをいたして煮詰めながらこれを固めてまいっておるわけでございまして、まだ閣議決定には至っておりませんが、さらにそういった作業は今後続くものと思うわけでございます。  現在のところ、地方負担の関係につきましては、ごく基本的なことを申し上げますならば、私どもはこう考えております。全体の投資額が二兆六千億にふえました。当然、国も地方も負担がふえるわけであります。ただ、その国一地方の負担割合につきましては、先国会の附帯決議の御趣旨等もありまして、私どもも及ばずながら努力いたしまして、補助率のアップは今回は実現いたしませんでしたが、国庫補助対象の割合を旧計画よりかなり改善をしたつもりでございます。  それから下水道につきましては、他の公共事業と異なりまして、地方債でもって財源を調達していく面がかなりウエートを持っております。したがいまして、地方債充当率並びに地方債の償還条件と申しますか、そういうものが地方財政に影響するところが非常に大きいわけでございます。したがいまして、今回におきましても、その地方債の充当率並びに金利も含めました償還条件等という点でかなりの改善があったと思います。  それから新計画におきましては、昨今の公害の社会的責任と申しますか、そういう立場から企業者負担というような思想も財源の面においてもかなり導入をしてまいりたいというふうなことも考えておるわけでございます。あれやこれや、そういったようなことからいたしますと、地方の一般財源ですか、一般市費でもって負担いたしますところの割合は、旧計画よりも新計画においては割合としてはかなり下がっておる。つまり負担軽減がはかられておるということが申し上げられるのではないかと私は思います。  それから、その地方の一般財源の負担に対しますところの交付税の手当につきましても、今国会におきまして地方交付税法の改正提案されております。その面におきましても、下水道に関しましては、単位費用の単価アップ、しかもこれは維持的な経費の面、それから投資的な経費の面に分かれまして単位費用のアップも付されるように法案の提案がなされているように私どもは伺っております。  それから、先生からちょっとお話のございました維持管理費と使用料の関係でございますが、これは実は私どもも頭を痛めておる問題の一つでございます。そもそも下水道の財源のあり方、財政のあり方というものは、御承知のとおり私どもは多年研究をしてまいったわけでございまして、そのあるべき姿といいますものの一つの考え方はもう出ておるわけでございます。それからいきますならば、少なくとも下水道事業といいますものは、でき上がったものの維持管理は——維持管理のうち、いわゆる汚水相当分と申しますか、一般家庭下水に見合う相当分についての維持管理費は少なくとも使用料でまかなうべきであるというふうな一つの考え方が出ているわけでございます。したがいまして、私どもは、自治省ともども下水道事業の施行都市に対しましては、いろいろ事情はあるけれども、そういう考え方で維持管理費もまかなえないような使用料では話にならぬじゃないか、その程度の使用料は確保すべきじゃないかということを指導をしてまいっております。しかし、現実は御指摘のようにそれを下回っている都市も多いのでございます。そういう都市におきましては、不足分につきましては当然一般財源の中でやりくりをしていかざるを得ないというのが実情であるわけでございますが、今後とも、その点につきましては、その改善方に国の立場からも十分行政指導等を通じまして努力をいたしてまいりたい、かように思っております。
  16. 松浦利尚

    松浦(利)委員 丁寧な御答弁でしたが、建設省の苦衷、よくわかります。しかし、現実的に地方自治体の人たちはそのことをやはり一番心配をしておると思うのです。そういうもので、いますぐここで結論の出る問題じゃありませんけれども、ぜひ自治省も含めて、こうした問題の早期の解決について指導していただきたい、指示していただきたいと思うのです。そうしないと、こんなことを言うと悪いのですが、第二次計画の中の国庫補助事業の進捗状況が六五・二%に対して単独事業では七三・二%で、国庫補助事業のほうがおくれる、こういった状態がまたこれは出てくるんじゃないかというふうに思います。そういう点で、いまの局長の御答弁をそのとおりに受け取りますけれども、そういうことを配慮した上で地方自治体に積極的な指導あるいは援助をぜひしていただきたい、かように申し上げておきます。  次に、今度は小さなことになって恐縮ですけれども、非常に大切なことですからお聞きしておきたいのですが、政務次官、今日の建設行政の中で、道路行政と下水道投資というものが実際に調和しておるというふうにお考えになっておられるかどうか、その点をひとつ基本的な問題としてお聞かせいただきたいと思うのです。
  17. 田村良平

    田村政府委員 私の率直な見解は、非常なおくれが下水道事業においてはあります。したがって、都市化の急激化に伴って、一体終末処理をどうするのか、都市生活の新しい環境設備をどうするのかということについては、目の前に見えておる道路はぐんぐん伸びてはいるが、下水道などは非常におくれているということで、それが時代の大きな要請として先国会に論議がかわされた。それを受けて、新たな道として二兆六千億の計画を立て、なおかつその財源の手当にも十分の手を打ちながら、五年間にその計画を達成する。それが、おくれておりました下水道事業というものがせめて道路並みに直ちに行くかどうかは別といたしまして、投資率あるいは事業面においておくれをとっておる点を何とか早急に回復しなくちゃならぬ、それがこの五カ年計画の使命でもあろうか、このように私は考えております。
  18. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いま、おくれたことについてここでいろいろ追及するつもりはありません。しかし、率直に言って、こんなことを言ってはおこられるかもしれませんが、水の利用はその国の文明の度合いをあらわすといいますけれども、人口の増加によって各家庭の水の利用量というものが増大をしてきている。もちろん工業用水も不足するくらい使われている。その進歩の度合いより、この五カ年計画というものは逆に言うと現状を三三%引き上げるというものですから、さらにこれが上のほうにレベルが進んでいった場合に、この整備五カ年計画そのものとの間にたいへんな不調和が生まれてくるんじゃないかという気がするのですが、その点については、局長でも政務次官でもけっこうですが、どういうふうに判断しておられるのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
  19. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ちょっと御質問趣旨が私読み取れなくて、あるいは少しピントをはずれたようなお答えになるかもわかりませんが、私ども計画では、下水道整備長期計画におきます整備にあたりましては、四十六年から昭和五十年を目標にいたしておりますので、五十年時点のいわゆる市街地面積と申しますか、そういうものを想定いたしております。今日の市街地面積というふうに固定して考えておりませんので、やはり人口、産業の都市集中ということで市街地面積がふくれ上がっていくわけでございます。それを想定いたしまして、その五十年時点の市街地面積へつまり要整備面積ですか、そういうものを想定して、それを分母に置きまして、その時点で三八%下水道を普及させなければならない、そのための必要な投資だという考え方でございます。
  20. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いや、そうではないのですよ。私のお聞きしておるのは、この計画の中に現在を固定化して考えているというふうに申し上げているのではないのです。極端に言うと、人口の加速度的な増加の状態を予想しておらないような−人口集中が一点集中主義で集まってくるわけですね。そうして予想しないような各家庭の水の使用量、家庭排水、工業排水というものが出てくる。こういう予想できない、急激にくるもの、こういったものを想定した上でこの計画がなされたのかということです。そういうことです。それはだいじょうぶだと言われればそれでけっこうです。
  21. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 この問題につきましては、非常に長期の見通しというものが前提になるわけでございまして、私どものほうは、例の新全総、それから建設省自体での長期の見通しを立てたところの計画を持っておりますので、そういうものを踏まえまして、今後の人口、産業の都市に集中するその度合いというものから下水道投資計画というものを立てておりますので、それは必ずしも予測どおりにどんぴしゃりいくかどうかは別といたしまして、いまの考え方で私ども計画を立てております。
  22. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは局長、少し具体的になりますけれども、きょうの新聞にも出ておりましたが、これは住宅の問題ですが、公団住宅をつくったけれども、そこに対する交通機関というものが存在しなかったために、せっかく建てたものに入居させられない、入居募集を延期するという問題があります。この前農住構想で一つの法案が通りましたが、そういう場合に、あちらこちらに予想もしないところにぱっとこういうマンモス団地ができ上がる。そういうものに対して、それではそういう下水道というものを完全に行政としてマッチして指導し得るものなのかどうか。それは絶対だいじょうぶなのだろうか。そういうことを想定してこの計画はあるというふうに言われるのかどうか。小さな問題だけれども都市開発にとって大切な問題だから、そういう点をぜひ具体的な問題としてお聞かせいただきたいと思います。
  23. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 確かに、これは非常に大事な問題でございまして、私どもは、そういう大都市周辺等におきますところの公団等の大規模な団地開発と下水道投資の関係は非常に気を配っておるつもりでございます。御指摘の道路との関係以上に私ども下水道の関係は十分配慮しておるつもりでございます。といいますことは、大規模団地をつくります際には、当該団地が所在いたしますところの都市下水道整備との関連になるわけでございますが、都市によっていろいろあろうかと思いますが、必ずしもその御当市のほうの下水道が完備しておらない、しかし、団地はつくらなければならないという場合に、団地の場合はくみ取り式というわけにはまいりませんので、やはり当然水洗化ということになるわけでございます。そういうケースの場合は、公団側のほうにおきまして、いわゆる前処理といいますか、自前のそういう下水道施設をつくって、その処理水を既定の水路を通して流す。その排水について所在都市と十分打ち合わせた上でやっておるという例が多かろうかと思います。それが、御当市のほうでかなり下水道が完備しておるところの地域の団地建設にあたりましては、国と地方の下水道の排水計画というものに乗っけまして、公団の下水道関係の施設の整備をさせるということになるわけでございます。いずれにいたしましてもそういう団地の場合はかなり開発者負担というのが必要になって、一般の市街地の公共下水道と違いまして、公的な負担以外に開発者の負担ということでこの下水道関係の事業を進めていく。その調整をはかっていくようにいたしておるわけでございます。
  24. 松浦利尚

    松浦(利)委員 これもここで議論しておっても解決する問題ではありませんから、ぜひ御要望を申し上げておきたいのですが、いまの、きょうの新聞に出ておった問題一つ取り上げてみましても、家をつくればいいのだ、住宅団地をつくればいいのだ、人を入れればいいのだということだけではやっぱりコミュニティというものは存在しないわけですね。やはりそこには下水道というものをつくらなければいかぬだろうし、そういう面で、もっと計画的に立体的にそういう団地なり宅地造成というものがなされていくという方向でぜひ指導していただきたいと思うのです。そうしないと、結局、いま下水道のないところを掘り返してオープンカットしたりいろいろしたりしていますが、下水道をやっていくために非常に単価が高くつくのです。こっちで新しい団地がぽっとできたから、そこまで下水道を配管していくのにたいへんな道路建設がされる。道路をつくり、そのあとにまた下水道がいくということではかえってコストを高めるような結果を生むだけで、効果としてあがってきませんので、そういったことに対しては、各市町村に対して、そういうものを含めて将来計画を持った住宅団地形成あるいは下水道工事というものを指導していただきたい。そうしなければ、せっかくの五カ年計画というものが空転をするおそれがありますので、ただつくったらいいの、だというかっこうになってしまわないように、ぜひ当局として御協力と御指導をお願いしておきたいと思うのです。  それから、最後になりましたけれども、この前下水道法の一部改正をするときに実は附帯決議があったのです。この附帯決議というのはきわめてりっぱな附帯決議で、与党の理事さんたちもたいへん御苦労なさって、与野党満場一致でこの附帯決議が通ったのです。大臣も、本附帯決議を尊重して十分今後の建設行政に生かしていこうと御答弁なさったと私は記憶しておるし、まだ耳の底に新しいことばとして生きておるわけですね。ところが、実際に今度のこの法律を見ますと、先ほど局長さんからお話がありましたように、起債ですね。たとえば政府債、公庫債、こういったものについての償還期限が、政府債では五カ年、公庫債では二年延長されただけ。それから据え置き期間の延長が政府債で五年、公庫債で三年なされただけで、あとは残念ながら附帯決議は紙くずに終わっておると思うのですよ。それ以外にはこの附帯決議が生かされておるところというのはないわけなんです。  それでは、これは政務次官お尋ねをするのですが、このすばらしい附帯決議が満場一致でここでなされておるし、本会議でも、委員長報告のときに、本法案の附帯決議は会議録を御参照いただきたいということで本院を通っているということになれば、院の決議に従っていつそれではこういう形で実現をしていくのかということは非常に関心が強いと思うのですが、いま申し上げたところだけ実は前進しておるわけです。そのあと、こういう補助率の引き上げとかそういった問題については、一体実現の可能性があるのかないのか。実現するとすれば一体いつごろ実現するのか。絵にかいたもちにしないためにも、この際もう一ぺん政務次官のほうから御答弁をいただいておきたいと思います。
  25. 田村良平

    田村政府委員 附帯決議の趣旨を十二分に政府の中に消化してこそ初めて法の精神が生きるし、それが完全な行政として国民生活に影響を与えるわけであります。いま御指摘の点は十二分に心得ておりますが、この意思を尊重し、決議の中身を行政に盛り込むということにつきましては御指摘のとおりでございます。重大な問題でもございますので、これはあくまでも院の趣旨を尊重いたしまして、これが完全な実行に移る責任があるということは私自身考えておりますので、鋭意努力いたしまして、その附帯決議を——ただいまほご云々というお話もありましたが、そういうことのないように、われわれはあくまでもそれを尊重いたしまして完遂を期していきたい、このように考えております。
  26. 松浦利尚

    松浦(利)委員 政務次官、完遂するというお気持ちはわかるのです。これが実現しないという気持ちは政務次官にもあるはずないのですね。これをこのとおり要望に従って、院の決議を実現するために努力なさるということはわかる。しかし、努力するということと結果が出るということとは別だと思うのです。実際にこれは可能なんでしょうかね。具体的にお聞きしますが、この五カ年計画を達成するまでに実現できますか。
  27. 田村良平

    田村政府委員 計画達成のためにこの附帯決議を全面的に盛り込む、その努力を政府全体がしていきたい、こういうつもりでございます。
  28. 松浦利尚

    松浦(利)委員 局長にひとつお尋ねしますが、この計画期間中に、この附帯決議を、いま政務次官が言われるように満たすことが可能であるという御答弁だと理解したのですが、事務当局としてもそのような考えだとわれわれ理解してよろしゅうございますか。
  29. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 附帯決議の内容はいろいろ各般にわたってお取り上げになっておるわけでありまして、各項目それぞれ事情がありまして、画一的にどうこうというようなことを私もちょっとお答えできないと思いますが、いま政務次官から申し上げました御趣旨のように、この附帯決議の非常に意欲的な前向きな御決定は、私どもも十分これを尊重してこれからの下水道事業の前進のために努力をしなければならぬと思っております。しかしながら、役所の実際の行政のペースからいきますと、なかなかこういうものは急激に改善できるものじゃございませんので、そういう意味からいきまして、この附帯決議の実現化については、少し長い目でもって見ていただきたいというのが私どものほんとうの気持ちでございます。何もサボる意味じゃございませんが、そういうことで、この五カ年内に必ず書いてあるとおり実現するということをどうかと言われますと、ちょっと私の立場上納得いたしかねますけれども、できるだけその方向で一歩でも二歩でも前進をしていくということに対する努力ははっきり私もこの席でお誓い申し上げたい。  現実に、先ほど御指摘の地方債の関係の償還条件の改善等以外何もやっていないじゃないかという御発言がありましたけれども、補助対象率についてはたびたび申し上げておりますような改善もはかりましたし、それから補助率でございますが、補助率につきましては、実は別途公害防止事業の費用負担のかさ上げの法案がこの国会に自治省の所管法としまして提案されておりますが、公害対策基本法に基づきます公害防止事業にかかわる下水道関係の事業につきましては、補助率のアップをはかれるような法案の内容になっておりますので、これなどはまさしく附帯決議の御趣旨に一歩、二歩近づいたというふうな措置でないかと申し上げて差しつかえないと私は思います。そういう状況でございます。
  30. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いまの政務次官局長の御答弁で、またあとの方が言われるかもしれませんのでこれ以上申し上げませんが、政務次官、院の満場一致の決議ですし、それをつくるときの経過は非常に御苦労なさっていることもよく御存じのはずですから、地方自治体あるいは国民の期待にこたえる意味で、やはり早期にこれが実現するということ、そして昭和六十年にはほんとうに全市街地面積に下水道が完備するということでぜひ御努力をいただきたいというふうに思うわけです。  最後に二つお尋ねしておきます。下水道整備していっても、いま盛んにあちこちの会社が売り出しておるのですが、簡易浄化槽というのができまして、その簡易浄化槽というのを個人の家でみんなつくっているわけですよ。そうすると、その簡易浄化槽というのをつくって、それの普及がずっと進んできたら、逆にいうと、今度は下水道をつくるといっても受け入れない素地ができてくると思うのですよ。私のところはもうよろしいというような状態が生まれてくる可能性というのがあると思うのですね。だから、そういうものについて、現在下水道は完備しておらないから、水洗にかえて個人の簡易浄化槽に転換をしていくという売り込みもまた非常に激しいのですが、こういうものに対する指導をどういうふうに考えておられるのかというのが一点です。  それからもう一点は、この二兆六千億、予備費を含めてこれだけの計画を遂行していくということになると、やはり技術者が非常に必要だと思うのです。ところが、私が承っておる範囲内では、下水道が非常に進んでおる都会部、東京とかあるいは大阪といったところには技術者が集中的に集まっておるけれども、これから下水道に手をつけなければならない地方都市では技術者が不足しておるということをよく聞くのです。せっかく下水道工事をしようとしても、あるいは終末処理を運転しようとしても、技術者が不足をしているという事態に対してどう対処をしていくのか。その二つの問題。見通しの問題と、技術者の養成についてどういうことをしようとするのかという問題、そういう点について最後に御答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  31. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お尋ねの第一点の、簡易浄化槽が非常に普及している、これが、将来下水が完備していった場合に、水洗化の促進なんというような面からその障害になるのじゃないか、こういうお尋ねだったかと思いますが、確かに、下水が完備をするのが待ち切れなくて、各個人の家庭でそういう簡易浄化施設をつくっている傾向が最近非常に大きく出てまいっております。下水がそういう地域に完備されましたならば、先般御決定いただきました法律によりまして、三年以内に水洗化に切りかえなければならないというふうなことになっておりますし、その個人といたしましても、簡易浄化槽をそのまま使っていくということは、これは維持管理費がばかにならぬわけでございます。しかも、下水道のような衛生的な処理、下水処理といいますか、屎尿処理と申しますか、それが期せられないわけでございまして、そういうような点から、そういうものは過渡的にやむを得ないといたしましても、下水が完備されましたならば、下水の本管につなぎまして、本格的な水洗施設に切りかえていくというふうに極力指導をしてまいりたいと思っております。その際に、簡易浄化槽でやっておりますので、水洗化するための経費はそうかからぬわけです。下水管につなぐパイプの費用とか、そういうものだけを出せば、それで完全に水洗化になるわけでございます。そういう点でも、私は、そうあまり支障がないというふうに考えております。さようにひとつ御了解いただきたいと思います。  それから第二点の技術者の不足対策は全く御指摘のとおりでございまして、非常にうれしい悲鳴というふうな面の一つでもあろうかと思います。そこで、これは執行体制の面で不手ぎわがございましたのでは非常に申しわけないので、私どもは、執行体制の面、ことに技術者不足対策については、四十六年度早々、この問題をどうしたらいいかということを審議会等にもおはかりいたしまして、いろいろな角度から取り組んでまいりたい。また、その結果によりましては、四十七年以降にいろいろな新しい施策ということで国会で御審議いただくという場面も出てくるかもわかりませんが、いずれにいたしましても、この問題はひとつぜひ取り組んで、せっかくふえました予算消化に不手ぎわがないように万全を期してまいりたい、かように思っております。
  32. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、第三次下水道整備五カ年計画建設省の見通しどおり障害なく完遂するということを最後の期待として締めくくって私の発言を終わりたいと思います。
  33. 服部安司

  34. 北側義一

    北側委員 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案を審議してまいりますが、この問題は、先ほど松浦君も言われたとおり、この前の下水道法の一部改正でずいぶんと慎重に審議されておるわけでありますが、やはり一番大事な問題は財源の問題だと思うので、この財源の問題から入っていきたいと思うのです。  今回の第三次下水道整備五カ年計画は、水質汚濁にかかわる環境基準の決定、また公共用水域の汚濁対策、このようなことから行なわれたわけでありますが、第二次下水道整備五カ年計画に比べまして、総事業費その他非常に伸びておるわけです。しかし、第一次下水道五カ年計画は、昭和三十八年から始まりまして、昭和四十二年までの分は昭和四十一年度末で打ち切られたわけです。そこで、排水面積は、昭和三十七年度末で一六・一%を、この計画では四十二年末までに二七・四%に引き上げる。このような方向で第一次が発足したわけです。ところが、第一次のほうは、御存じのとおり、四十一年末、すなわち四年計画で終わったわけですが、そのときの排水面積の伸び率が一九・九%ということは、二七・四%から見ますと非常に計画がおくれておるように私は思うわけです。また、第二次下水道整備五カ年計画においても、その計画では、昭和四十二年度から昭和四十六年度までに、昭和四十一年度末の一九・九%の排水面積を三二・五%まで引き上げるという計画であったわけです。これも第一次と同様四年目でこれが終了しまして、そして昭和四十五年度、本年度末には二二・八%、これは見通しですが、そのように排水面積がなっておるわけです。そうしますと、これも三二・五%から見ますと、非常に大幅にやはりおくれておると思うわけです。そこで今回の第三次計画がきまったわけでありますが、この第三次計画では最終年度の昭和五十年には排水面積の普及率は三八%、排水人口の普及率が五五%まで持っていける、このような計画であります。そこで私考えますことに、第一次計画、第二次計画を通じまして四年で打ち切られて、そして、先ほど松浦君も心配しておりましたが、この計画がこの当初目標どおり達成するかどうか、これが私は非常に心配なわけであります。やはり第一次、第二次と違った面がこの第三次計画になければ達成できない。それにはやはり財源の問題が大きくからんでくるわけですね。そういう点の決意をまずお伺いしたいと思います。
  35. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お答えいたします。  先ほど松浦先生にもお答え申し上げましたことでございますが、確かに、御指摘のとおり、第一次、第二次五カ年計画の実績におきましては、計画に対して実績が非常に下回っているということは事実でございます。これはいろいろ反省をいたしまするに、理由はあろうかと思います。一つには、第一次計画におきましては、計画期間中のいわゆる市街地面積と申しますか、排水面積の見込み方が、計画と実績において、逆に計画以上に実績において市街地の発展が激しかったということ、そのことから実績の面でその普及率が逆に下がったということもあろうと思います。  第二の場合においてはそういう点はあまりないようでございますが、そのかわり単価の面で、ことに昨今の道路事情等から、交通を通しながら、ことに夜間工事をしいられる。場合によればシールド工法、押し込み工法といったような工法の面において非常に単価増をしいられるというふうなことでございまして、実際の事業量の面において計画よりかなり下回ったことになったわけでございます。  第三次五カ年計画においてはどうかということでございますが、これは十分私どもはそういう点は反省をいたしております。したがって、計画策定にあたりましては、そういう単価の面におきましても、先ほど申し上げました四十五年価格でございますが、単価アップ、それから工法の改善に伴いますところの単価増と申しますか、そういうものも十分見まして計画を策定いたしておるわけでございます。しかしながら、実際の事業量三八%の普及というものを確保しなければ、御指摘のとおり羊頭を掲げて狗肉を売ることになるわけでございまして、単に二兆六千億を消化すればいいのだと私ども思っておりません。それに見合うだけの三八%の普及率の事業をやるのだ、そのために、必要な毎年毎年の予算事業を確保していくのだということで今後進めてまいりたいと思います。
  36. 北側義一

    北側委員 いま局長答弁されたとおりやってもらいたいわけなんです。そうしなければ、せっかくこの目標をつくってやりましても、局長が言われたとおり、市街化面積がふえたのでそれは達成できないということになりますと、こういう計画を組んでも——これはそういう面積とか、あらゆるものが全部考慮された上での計画であろうと思うのです。その点ひとつ政務次官よろしくお願いします。   〔服部委員長代理退席、委員長着席〕  次に移りますが、今回の第三次下水道計画の達成において私が一番心配しますところは、やはり公共下水道の達成であろうと思うわけです。予備費を含めまして総事業費が二兆六千億で、公共下水道の総事業費はこの二兆六千億のうち二兆三百億、このようになっておりますね。総事業費のうちの大半がこの公共下水道事業の事業費である、こうなっておるわけです。なお、そこで、この公共下水道の国庫補助対象率を見ますと、流域下水道が九〇%、都市下水路が一〇〇%、特定公共下水道が八五%、それに比べて、この公共下水道のほうは、その対象が五七%になっております。ということは、事業費が公共下水道が一番多い、なおかつ、国庫補助対象率が非常に低い、こうなっておるわけです。そうしますと、公共下水道においては、総事業費の二兆三百億のうち単独事業費が八千七百二十五億三千万、補助対象事業費が一兆一千五百七十四億七千万、このようになっておるわけです。その国庫補助率が十分の四となっておりますので、第三次下水道整備五カ年計画においての公共下水道に対する国庫補助金は四千六百二十九億八千八百万、こうなるように思うのです。そうしますと、公共下水道の総事業費の二兆三百億のうち、一兆五千六百七十億一千二百万が地方公共団体の支出分、このようになると思うのです。このように考えてみますと、この公共下水道の総事業費の約七七%は地方公共団体の支出となる。このようなばく大ないわゆる財源が要るわけですね。それが地方公共団体に公共下水道においてはかぶってくる。こういう点につきまして、私が一番心配するのは、この公共下水道の達成が財源的に見てはたしてそこまでいくだろうかということです。そのように私は考えておるわけなんです。先ほども答弁が少しあったようですが、再度明確にこの点をお答え願いたい、こう思います。
  37. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 確かに、二兆六千億の中身の大宗を占めておりますのは先生御指摘の公共下水道でございまして、しかも、公共下水道というものは、国費に対する割合というものが低うございます。   〔北側委員「ちょっとその辺うるさくて聞こえ   ません」と呼ぶ〕
  38. 金丸信

    金丸委員長 御静粛に願います。
  39. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 公共下水道につきましては、地方負担の占める割合が非常に大きいということも事実でございます。これは下水道事業を始めまして以来ずっと継続してまいっておりますところの一つの大きな宿題になっておるわけでございまして、先般の新五カ年計画の発足にあたりまして、その点は私どもが最も重点を置いて財政当局ともいろいろ折衝をいたしましたことの一つでございます。  結論から申し上げますと、先ほど申し上げましたように、第二次計画よりは地方負担の面においてかなり軽減をはかるような今回の財源の仕組みになっております。その点は自治省とも十分打ち合わせをいたしまして今日まで進めてまいっております。さらに五カ年間の閣議決定までまだ日にちがございますが、それまでに引き続いてそういう点の詰めをやってまいりたいと思っております。  一番問題になりますのは、下水道の場合はまず建設費を確保することだと私は思っております。それから、そのでき上がったものの維持管理費をどうまかなっていくかという二つの問題に分けられると思いますけれども建設費につきましては、これは投資的な経費でございまして、これに対しては非常に有利な条件の地方債を十分あてがってやるということが一番基本だと思います。その点は、先刻申し上げましたように、かなり改善が見られたということが申し上げられると思います。  それから維持的な経費につきましては、これは下水の性格上雨水と汚水があるわけでございますが、雨水は当然公費でもって負担します。汚水にかかわるものは、これは下水道の利用者、つまり使用者が少なくとも維持的な経費は使用料をもって負担すべきであるというふうな考え方で私ども指導いたしておりますので、そういう維持的な経費が使用料でカバーされるならば、一般の市の財政に対する圧迫はないわけであります。むろん、雨水関係に見合うものにつきましては、これは交付税でもって自治省は別途カバーするということでございますので、結論から申し上げまして、確かに地方団体に対する財政負担が大きいものであろうけれども、この五カ年計画を達成する上におきまして、地方財政の面から見て実現不可能な計画というふうには私どもは思っておらないわけでございます。個別の都市につきましては問題があろうかと思いますけれども、そういう点の指導は十分自治省ともどもこれからやってまいりたい、かように思っております。
  40. 北側義一

    北側委員 そのようにおっしゃるのですが、結局各地方公共団体の陳情等を見ますと、非常にたいへんやと言うております。だから、そう簡単にいくとは私は思っておらないのです。特に、予算要求をなさった建設省、その場合の国庫補助対象率なんかも、建設省がなさった当時より大蔵省では低く見られておりますので、そのような点からやはり相当たいへんではないかと思う。先ほど局長が言われたとおり、あらゆる手を打っておられるようですが、年々そこらの事情をよく自治省あたりと相談していただいて、何とかこれを完成するようにしていただきたい、こう思うわけです。財源的な問題はあと二、三問まだいろいろ聞いてみたいと思うのですが、やはり同じような答えが返ってくるのではないかと思いますので、これは一応省きます。  先般の下水道法の一部改正のときにも私伺ったわけですが、国庫補助金の配分なんです。この点について伺ってまいりたいと思うのですが、実は、私ちょっと資料を持っておりますので、その資料でいきますが、その一例は、昭和四十二年度から昭和四十五年度までの公共下水道の国庫補助金の配分状況、これを見ますと次のようになっております。「国庫補助金の内示状況」のうち、公共下水道のみですが、公共下水道が、昭和四十二年度が二百十七億となっております。そのうち一般都市と六大都市の配分が、四十二年度では六大都市が百七億、一般都市が百十億となっております。四十三年度では、公共下水道の国庫補助金の内示状況が二百三十九億、六大都市が百八億、一般都市が百三十一億。四十四年度が、公共下水道が二百九十億、六大都市が百二十一億、一般都市が百六十九億。四十五年度が、公共下水道が三百六十三億、六大都市が百二十三億、一般都市が二百四十億。こうなっております。このように見ていきますと、昭和四十二年度の公共下水道の国庫補助金は二百十七億円、それを六大都市と一般都市とこのように分けてある。六大都市が百七億で、一般都市が百十億になっておりますが、これから見ますと、四十二年度では六大都市への配分は約二分の一になっております。ところが、昭和四十五年度を見ますと、年々変わりまして、公共下水道の国庫補助金は三百六十三億になっておるわけです。ところが、この配分は、先ほど申し上げましたとおり、六大都市が百二十三億、一般都市が二百四十億になっておるわけです。昭和四十二年度から四十五年度までの公共下水道の国庫補助金は、この四年間で百四十六億の伸びがある。ところが、それだけ増額されたにかかわらず、六大都市はその四年間で十六億の増額、これはパーセントにいたしますと一〇%しかない。また、一般都市が四年間で百三十億、これは九〇%。いろいろな事情はあろうと思いますが、伸び方が非常に変わっておるわけです。あまりにも大き過ぎるわけです。  そこで、公共下水道の総事業費に対する実質補助率を昭和四十二年度から四十五年度まで見ますと次のようになっておる……。   〔「騒々しいぞ」と呼ぶ者あり〕
  41. 金丸信

    金丸委員長 静粛に願います。御静粛に願います。
  42. 北側義一

    北側委員 これは公共下水道事業費に対する実質補助率です。この表で読みますと、こっちのほうはこのようになっておりますよ。実質補助率が、公共下水道は、昭和四十二年が千百十五億、これが六大都市で六百二十二億、一般都市で四百九十一二億。これが四十五年になりますと、実質補助率というものは、公共下水道が千六百三十二億になっております。そうして六大都市のほうは九百五十一億、一般都市は六百八十一億になっていますね。このように見ますと、やはりいろいろな配分の考え方があるのでしょうが、なぜこのような配分の状況になってきたのかということがまず第一点。それとあわせて、やはり水質汚濁の激しいのは大都市のほうではないか、こう思うのですが、その点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
  43. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 公共下水道都市別の国庫補助事業の取り扱いにおきまして、いわゆる指定都市と一般都市におきまして差があるということは事実でございまして、その差があること自体について先生はとやかくおっしゃっておるのではないと私は思います。その差がひど過ぎるのではないか、こういう御趣旨の御質問かと私は思いますけれども、確かに、過去におきましてはそういう傾向が一部あったのではないかと私は思います。その理由でございますけれども、何しろ下水道予算が全体として非常に少なかったということから、できるだけ効率的に、補助金を配分して、全国的に下水道のレベルアップをしていきたいという建設省の基本的な考え方があったと思います。そこで、下水道事業は、先刻来申し上げておりますように、補助事業だけではございませんで、単独事業等もあり、起債、地方債に依存する部面がかなり多いわけであります。そういうこと等からいたしまして、大都市におきましては、まず基本的には、下水道のストックが一般都市よりもかなりあるということが一つ、それから財政的にも一般都市よりは非常に余裕がある、ことに、下水道整備いたしました場合に、使用料収入というものが人口等の関係から大きく期待できる、そういうことから、下水道建設費の財源調達におきまして、大都市においては補助金よりもむしろ起債のほうにシフトしたような、そういう考え方でいままで指導がなされてきたということが私は言えると思います。これは私どもだけではなくて、自治省ともともどもそういう点は打ち合わせしながら今日に参ったわけでございます。しかしながら、これからの三次計画等におきましては、御指摘のような水質公害対策ということが下水道計画の大きな柱でございます。しかも、そういった公害対策都市地域に多いわけでありまして、したがって、大都市におきましてはかなりの積極的な下水道投資をこれからやらなければならないということになりますので、そういう点は私どもはこれから十分配慮してまいりたい。といいますことは、全体の下水道投資の大都市、一般都市のシェア配分にあたりまして、大都市下水道事業量が十分確保されるように考慮してまいるということが一つと、それから補助対象につきましては、全体といたしましては五七%の補助対象率でございますが、これは一般都市と指定都市と差をつけております。指定都市につきましては四一・六%の補助対象率ということになっておりますので、一般都市の七四%に対しましてはかなり低うございますけれども、これは、そういう財源調達全般の中におきましてこの程度の補助対象事業を確保するならば、あとは補助裏、単独につきましては起債等で十分カバーができるということでこういうふうな考え方をとっておりますので、少なくともこの補助対象率は、補助対象の事業につきまして、大都市に対しましては十分確保してまいりたい、これに見合うだけの補助金は十分手当てしてまいりたい、かように考えております。
  44. 北側義一

    北側委員 大都市に対してはいままで起債で充当しておられたようでありますが、聞くところによりますと、この下水道整備の起債につきましては、昭和四十六年度からは全国一律になると私は聞いておるのですが、その点どうなんでしょうか。
  45. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 起債の充当率なり償還条件等は、各都市一律でございます。
  46. 北側義一

    北側委員 その場合に、やはりそのように全国的に一律の充当方式になるというのであれば、国庫補助金の配分等も差別はできないんじゃないか。それがあまりにもその差が大き過ぎると思うのですが、このようなことでは、公害対策の上からも、先ほど申し上げましたとおり、特に水質汚濁の激しいそういう地域の水質汚濁を防止するような対策にはなってこないんじゃないか、こういう考え方を私は持っておるわけなんです。また、事業費がそのようになりますので、全国的に見て、建設省ではやっておられることと思いますが、これらの配分の問題についても相当やはり検討してもらわなければいけないんじゃないか、こういう考え方を持っておるわけです。その点を特にお願いしたいと思うわけです。これについては、私の聞くところでは、受益者負担金を取っている都市と取っていない都市によって違うんだというように聞いておるわけなんです。ただ、実際の問題として、私が住んでおります大阪あたりは、取れないような条件が一ぱいあるのです。たとえば一つの例をあげますと、戦前にいわゆる受益者負担金と同じような制度があって徴収している地域もあります。また、戦後負担金を全然徴収していない地域もあり、また、現在私が住んでおるような場所ですと、これは未整備の地域です。このように三つの種類のそういう地域がありまして、実際問題としていまさら取ることはできないのですよ。制度がきまりまして、通達が出ましたのは昭和四十年ですか……。そういう点もありますので、この点についてそういうような考え方でやってもらうと、これは非常に不公平だと私は思うのです。そういう点を今後よく考えていただいて、そうして第三次五カ年計画の達成を目ざしてもらいたい。これは私の要望です。  それから、これは水質環境基準の問題ですから、あなたのほうの答弁にならないかもわからぬのですが、御存じの限りお答えいただきたいと思うのですが、(「北側先生、河川局長がいますよ。」と呼ぶ者あり)大阪のほうでは、御存じのとおり淀川水系は非常に大事なわけです。この淀川水系の水は、上水道として、京阪神の約一千万人に近い住民の水源になっておるわけです。ところが、先般きめられた水質環境基準の指定水域の中にこれは入っておるわけですが、大体の見通しとして、第三次五カ年計画で、この淀川、大和川あたりについてはどれほどの程度までできるのですか。水質基準ですね。
  47. 川崎精一

    川崎政府委員 淀川並びに大和川の水質基準につきましては、現在経済企画庁でやっておりまして、七月には環境庁が発足するので、そこで行なうかと思います。なお、政府が指定しない水域につきましては、これは今後地方の公共団体の長の知事さんが指定されることになると思います。現在は、淀川につきましては、かなり水域に対する環境基準の指定が行なわれておりますが、なお、達成目標といったものにつきましてむしろ問題があろうかと思います。特に、淀川にしろ、大和川にしろ、上流に大都市を控えておりますので、そういった関係で今後汚濁の負荷量がずいぶんふえてくるわけでございます。したがいまして、先ほど来都市局長からのお話しの下水道整備計画といったものを十分に進めてまいりませんと、現在の環境基準の達成目標になかなか至らないのではないかというふうに思っています。
  48. 北側義一

    北側委員 これは私調べてみたんですが、淀川の場合ですと、一応暫定目標としてBOD五PPMと書いてあるわけです。大和川の場合はBOD一〇PPM以下となっておるわけですね。この資料によってみますと、淀川の場合ですと、昭和四十四年度の資料ですが、淀川水系の汚濁現況ですが、四十四年度でBOD五PPMとなっております。四十二年度が四・五PPM、四十二年度四・七PPMと少しずつかすかに上がってきております。昭和四十四年度の時点では五PPMなんです。そうしますと、淀川のいわゆる暫定目標と四十四年度と同じということになるわけですね。せっかく上流で下水道整備をした場合に、それ以上よくならないのかという点で私不審に思うのですが、その点どうでしょうか。
  49. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 お答えいたします。  淀川の水質の現況、環境基準の現況は、いま先生の御指摘になった数字で大体よろしいかと思いますが、私ども手元にある数字で申し上げますと、現況が、枚方大橋の地点で測定いたしましたものがBOD一・八から一一・八、平均が五・一ということになっております。それから環境基準が同地点においてはBでございますので三PPM以下ということになっております。したがいまして、環境基準を達成するためには、ここは五カ年達成区域にはなっておりません八の区域でございますから、私どもの目標では、大体十カ年以内に環境基準を達成したい。したがいまして、十カ年後のことを思いますと、水質基準の現況は、下水道投資とそういう対策を講じなければ、これは十年先はたいへんなことになる。したがって、これを十年先において三に押えるということは、やはり相当な対策事業をやらなければならぬというふうに私ども考えております。
  50. 北側義一

    北側委員 淀川水系の流域において開発が行なわれて、これで非常によごれてくるので、そういうことをやらなければ目標を達成しない、そういうことですね。  そこで、終末処理場から河川に放流される放流水のBOD、これは高級処理ですが、これで二〇PPM以下、このようになっておる、こう聞いておるわけですが、こういうことになりますと、二〇PPM以下で放流されますと、BODの、これは私のしろうと考えかわかりませんが、暫定五PPMにするためには、放流水を河川に放流することができないようになるのじゃないか、こう思うわけですね。たとえば中級処理ですと六〇PPM以下ですか、簡易処理ですと一二〇PPM以下。もちろんこれは高級処理なさるのじゃないかと思うのですが、それにしても、かえって放流水によって河川が汚濁されるということが考えられるんですが、その点どうなんでしょうか。
  51. 川崎精一

    川崎政府委員 先生のお話のとおり、現状のままでいきますと、下水道処理の放流水自身が約二〇PPM程度でございますので、現在Cの基準でやっておりますが、やはり目標とすれば、これをBに上げていきたいというのがわれわれの希望でございます。したがいまして、下水道のほうでもさらに高級処理をこれは考えていく必要があるのであります。また、河川の水そのものをやはりふやして希釈度を高める、それから自然の浄化能力を高める、こういったことも必要でございますので、水資源の開発とあわせまして琵琶湖の開発等も進めていきたい。それからさらに、河川水を利用しましてもっと自然浄化の機能を高めるような、これは高級処理の一例になるかと思いますが、そういった希釈の方法を河道でも高めるような方法を考えたい。こういうことで、都市局並びに私どものほうと一緒になりまして、土木研究所等をわずらわしまして今後調べていきたい、こういうふうに思っております。
  52. 北側義一

    北側委員 だから、この下水処理場の放流水については、やはり高級処理を行なうような計画がこれから非常に必要になってくるのじゃないか、こう思います。その点もよろしくお願いします。一応、私の質問はこれで終わりたいと思います。  あと一つお願いしたいことは、先般の下水道法の一部改正の審議でも、また今回の松浦さんや私の質問でも、一番危惧されるところはやはり財源の問題だと思うのです。第一次、第二次と同じような結果にならないように、ひとつぜひともやってもらいたい。このことを要望しておきます。終わります。
  53. 金丸信

    金丸委員長 次回は、明十九日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。  午後零時二分散会