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佐藤内閣総理大臣 いろいろこれは議論すれば際限がございません。本来
日本に返すべきものだ。それが返ってくるのに何をやっているのか。また、いまいろいろ金をかけた、みんな
米軍の極東戦略の一部でやっているんじゃないか。そういうものをまた金をかけて買う、
一体何ごとだ、こう言われますが、
一体何事だ、こう言われますが、話をしなければ
施政権を行使していついつまでもいまの状態が続くだろうと思いますが、これはもういつまでは
施政権を持っておるけれ
ども、そんなものはもう許せないのだ、こういうことをだれが言えるのか、こういうことを私は
考えざるを得ないのじゃないかと思う。当然返すべきものだ、潜在主権は
日本にある、これはもうはっきりしておりますから、だから返すのは当然だ、こういうことはいえるだろうと思います。しかし、いつ返すのだということは大事なことじゃないでしょうか。十年先なのか、二十年先なのか、あるいは一年先なのか、五年先なのか、そういうような問題がこの問題にはあるのだ。それを私はできるだけ早く
日本に返さなければ、
県民の方はたいへんな犠牲を払い、苦痛をいましのんでおるのだ、かように
考えるからこそ私
どもは早く返そう。
復帰が何よりも第一だというのはその点であります。私は、この点はおそらくあなたの主張と私の主張が食い違っておるとは思いませんけれ
ども、しかしどうも重点の置き方で、そこがやや私
どもと認識が違っていないか、かように思っております。
それから、いま極東戦略の一部だという。だからこそ
先ほど公明党の方が御指摘になりましたように膨大な軍
施設を持っている、そういうものは
返還されればそんな必要はないのだ、これは縮小されるのは当然だ、私はかように
考えておりますが、そういう
意味でいませっかく折衝しておる、これが
実態ではないかと思っております。
また、水の問題あるいは電気の問題、これな
ども米軍のために必要だったからやられたのではないか、金融もそうだろう、かように片づけられますけれ
ども、しかしこれを引き継ぐことによって
県民が利益を受ける限度というものはあると思います。これは
県民はそういうものを全然使わないのだ、
アメリカがかってに使ったのだからかってにこわせ、かようなことを申し上げる筋のものではないと思います。私はやっぱり
県民が受ける利益の限度において、必要より以上に高く買うことはないと思いますけれ
ども、現実に利益を受ければそれに対する対価を払う、これはあたりまえじゃないか、かように思いますが、私は、ただいまその金額をここで明示することができません。したがって
先ほど公明党の方からも
お話がありましたように、いろいろ新聞の記事等で高いとか安いとかいっておられるようですが、まあ安いとはいわない、高い、高いといわれるようですが、しかし、現実に最終的に決定されると、この点ではおそらく皆さんも納得がいくような金額だった、かように思われるのではないかと思います。私は何よりも大事なことは、
沖繩県民のあの終戦時における激戦の展開、これは多大の犠牲を払った。さらにそればかりではない。その後
占領状態が続いた。これは
本土のわれわれにとても想像つかないものだ。そこに深い思いをいたして、そしてやっぱり
施政権は早く取り返す、こういうことが何よりも大事ではないか、かように思います。私は今日、まず
祖国復帰よりも先がけて
沖繩から選出代議士を迎え、国政においてこの問題を審議することができるようになった、
県民の声を直接聞くことができた、かように思って喜んでおりますが、そういう
意味でこの問題と取り組む、そういうことから私は一そうの御鞭撻を賜わりますよう。
先ほど来、必ずしも
政府のやっていること全部御賛成いただいておらない。
政府はもっと勉強しなければならない、かようには思いますが、どうかひとつ誤解のないように、叱正されるところは私は甘んじて叱正を受ける、こういうことで謙虚に皆さん方の御意見を聞くつもりですから、どうか御遠慮なしに御鞭撻は御鞭撻として、また御協力は御協力として、とにかく
祖国復帰を早く実現するようにこの上ともやろうじゃありませんか。お願いいたします。