○曽祢
委員 再々申し上げて恐縮ですが、私も業界の決意を多とし、そしてこれが成功裏に、いわゆる業界が自主的にオーダリーマーケティングに進んで、そしてこの問題のとりあえずの解決をしてもらいたいということを念願することにおいては
大臣に劣らないつもりです。ただわれわれお互いに政治家として
考えた場合に、単に内政上のゼスチュアで、突き上げに対して大統領が強いことばで罪を
日本側に着せたとのみ言えない点が、ぼくはありはしないかという感じがするのです。やはり大統領としては立法府との
関係において、やはりどうしても立法府よりも自分がこれをやるんだ、行
政府がこの衝に当たるんだという当然の気持ちもあると思いますし、ダニエル氏の表現をかりればプレジデントより偉いミルズはキングだと、そういうことばがちらちら出れば、しかも党は違うし、相当なライバル
関係という点から見れば、自分のほうはたな上げにしておいて、そして
日本の業界が一番議会の実力者で、自分のライバルと取引をしてやってしまって、
日本政府も祝福ばかりしていて、ほんとうにどうも済まないという気持ちがなかったとすれば、これはどうもいわゆる烈火のごとく怒ったということは単なるゼスチュアばかりじゃないのじゃないかという気もしないわけではございません。その点はとにかくもう過ぎてしまったことでありますからそう言ってみてもしようがないのですけれども、私はこの点について、
日本側もやはり最後の外交上の詰めを怠ったということだけでなくて、初めから
日本政府、総理
大臣をはじめとしての沖繩問題との取引であるかのごとき感じで、繊維問題を向こうがいわゆる非常に政治的に
——もっとちゃんとした経済問題、通商問題であるべき繊維の問題を、非常に政治的な
立場で取り上げ、また総理
大臣が沖繩返還
交渉に行かれたときの問題であったためもあろうが、どうもやはり
最初から沖繩との取引というインプレッションを与えてしまった。それからさらにまた、昨年の
国連総会に行かれたときに
交渉を再開しよう
——再開するのはいいのでありますけれども、いわゆる協定の
締結を目的として再開しようと言ったときに、向こうに与えた印象はまあ
日本側が譲るのだな、例のカテゴリーの問題等についても
日本側が譲るのだなというようなインプレッションを与えてしまった、そうして今度
政府間の
交渉が行き詰まって、最後の
段階になると、今度は業界がロビーストを使ってミルズ氏と直接取引をする、何だというような感じを与えたのではなかろうか。その点はこれが直ちに沖繩返還
交渉にどうこうというものではないでしょうし、これはロジャーズ長官も繊維問題と沖繩問題とは完全に別問題だということを言っております。しかしアメリカの最高の実力者にそういう意味で非常に不快な感じを与えたとすれば、その点はやはり日米の外交上決してそう軽々に見過ごしていい問題ではないのじゃないか、私はそういう気がしてならないわけです。
これ以上御
答弁を要求いたしませんが、その意味で、私は今後の見通しについて、繊維問題についての後の点を伺いますが、まず
政府は、
日本の業界の決意を実らせるためにも、やはりアメリカ
政府を含めて、議会における立法措置がないようにひとつしていかなければならないと思うのですが、国内立法に関する見通しをどう思っておられるか。
——申しわけありませんが、時間がないので箇条的に申し上げますからお答えを願いたい。
第二に、業界の自主規制がほんとうにスタートするためには、
台湾、韓国等の競争者においてもこれに似たような自主規制をやってもらわなければ困る、これは直接行っても 何を言うか、
日本がかってにやっておいてということになるから、これはどうしてもアメリカのそれこそ行
政府かの外交的な力を利用しなければ、なかなか彼らを説得するのはむずかしい、もし
台湾、韓国等がこの方向に賛成しない場合には、はたして
日本側の業界の自主規制はそれにもかかわらずやるのか、やらないのかということについてもまた一まつ以上の不安定な要素があるわけですから、そういう意味からいっても
台湾、韓国等にアメリカの外交の力をどうしても使わせなければいかぬと思うので、そういう点からいっても私は行
政府との
関係の疎隔がないようにする必要があると思うのですが、その点をどうお
考えでございましょうか。この二点だけお伺いいたしたいと思います。