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愛知国務大臣 お答えいたしますが、まず第一に、日米繊維問題というものは、私は、今日でもそう思いますけれ
ども、何とかまとまってほしいものだということを、人ごとみたいに言って恐縮なんですけれ
ども、何とかこれはまとめたいものであるということは今日も
考えておりますが、しかしもう昨年末以来、いわばステールメートと申しましょうか、全然もうちょっとやそっとで
話し合いが寄ってくるという状態ではございません。そこで私も苦慮しておるわけでございますし、それから
アメリカ側でもいろいろの動きが動きつつあるようでございます。そういう環境でございますし、前々からそうですが、まあちょっと私にぐちを言わしていただければ、しょっちゅうそういうわけですから、情勢の転換を——ワシントンその他
アメリカの状況も十分私は把握するようにつとめておりますが、電信の場合もありましよう、電話の場合もありましょう、書信の場合もありましよう、何かちょっと
連絡があると訓令だ、訓令だと言われますが、そういう
意味の訓令というものは、もうしばらくとだえておるわけです。もうステールメートの状態でございますから、ちょっとやそっとで打開はできません。しかし同時に、双方の環境は、向こうの人にもお耳に入っておると思いますが、官の人だけでなくて、民の人もその道の達人が最近も一人ならず
日本にも旅行に棄ております。そういうようなわけで、双方とも
情報を十分把握しながら、何とかしなければという気持ちは通じているようで、そういう
意味で、私は、もちろん牛場大使との間に緊密な
連絡をとっております。それからミルズ
委員長が、やはり議会人の
立場で、これは日米親善
関係からいいましても、それから御自分の下院の歳入
委員長という重要な職責にかんがみても、何とかしなければならないという熱意を非常に持っておられることは事実でございまして、これは私も敬意を表しておりますが、いままでのいわゆる牛場・フラニガンに線がありましたこの交渉の場と、それから、こうしたミルズさんのような有力な方の、議会人としての御
意見や動きというものがどういうふうに展開されてくるかというようなことについては、まだ、私としても、何とも申し上げる
段階にはございません。私は、本
会議でもことしも繰り返して申し上げましたように、
日本としては、かねがねの国会の御決議の線ということを一言いえば、そこにいろいろの
意味が含まれていると私は思います。そのことが
日本の国益を踏んでということに本件についてはなると思いますが、国会御決議の線を踏まえて、何とか今後においても妥結するように努力はしたいと思いますけれ
ども、ただいまのところはなかなかそんな雰囲気ではないというふうに判断をいたしております。