○
石川小
委員 これはこまかい
技術的な点、しろうとなりに
質問しようとすると幾らもあるのですけれども、時間があまりありませんで非常に残念でありますが、実を言うと私の聞いている
範囲では、大体一トンということは世界の現
時点では常識になっている。採算ベースに合うというのは一トンである。まあ集積回路が単なるICからMSIからLSIに進んだような
技術の進歩というものを見込んだ、網島さんがまあ五百キロぐらいで間に合うだろうとおっしゃっているのではないかと思うのでありますけれども、それ以上に私は現
時点で日本のマイクロウエーブの
技術というものは世界で第一級の進み方をしていると思うのですよ。非常に私高く評価をしているのです。高周波あるいは多重化あるいは固定化というものはどんどん進んでおります。電電公社では最近十五ギガヘルツ、十八ギガヘルツのサブミリ波の実用
実験に成功しているわけですね。それから将来は、ミリ波というものはちょっとこれはなかなか困難な前途があると思いますけれども、これは成功する
可能性は大いにあると見なければならない。それからレーザーを使う場合もこれは大いに
考えられる。ということになると、
地上が満ぱいになったから通信
衛星がどうしても早期に必要だという理由は薄くなってくるのじゃないかというように、しろうと
考えで私は
考えているわけですよ。そうあわてなくてもいいんじゃないか。そういう、ミリ波を
地上でもって
開発していけば、十分
地上の通信でもって間に合い得るのではないか。
そうかと思うと一方では、カナダは、これはいままでの話と全然反対のような話をするわけでありますけれども、一九七二年には国内放送
衛星を上げますということになっておりますけれども、これは一トンですね。一トンの
衛星を上げるわけでございますけれども、これは
アメリカが打ち上げるのですよ。
アメリカにまかせるのです。
衛星だけは自分のところでつくる。こういう行き方も私はあると思うのです。そういう行き方も
考えられなかったかなという感じが、私個人としてはしないでもないのです。
アメリカのほうはどうかというと、タイタン3を使って、そのうち
計画しているものは大体四トンぐらいのものです。ものすごく大きなものです。非常にグローバルなものを打ち上げようとしておる。そういう世界の情勢などを見渡していくと、いまあわてて
ソー・デルタの
技術を引き入れなければならないという必要性が、一体、
技術波及効果の面からだけいえばあるんだろうか、何とか日本の
技術でもってやっていけなかったものだろうか、こういう感じがしてならない。と同時に、
宇宙開発委員会のあり方自体の問題になるわけでございますけれども、私は、日本でほんとうにやらなければならないのは
衛星の
研究ではないかと思うのですけれども、
宇宙開発委員会のいままでのずっと
報告を聞きますと、ほとんど
ロケットの
報告なんですよ。
ロケットの
報告ばかり聞いているのです。
衛星の
報告はつけ足しのようなかっこうになっているわけです。しかしながら、私個人の好みのようなかっこうになりますけれども、魚群探知
衛星みたいな、日本の海洋資源の
開発をするというふうな特殊な必要性に基づいた
衛星の
開発、こういうふうなものこそほんとうに日本はやらなければならないのじゃないか。もちろん、通信
衛星も必要でしょう。そういうふうな
衛星の
研究に
重点を置くということに切りかえていかなければならぬと思うのでありますけれども、いまの
予算の
内容なんか聞きますと、ほとんど
ロケットですね。
ロケット、
ロケットということでこの
研究が進んでおる。だから、
ロケットのことにあまり
重点を入れると、これは
先ほど言ったように、IRBMという連想も当然出てこないわけではないわけなんです。なぜ
衛星にもっと力を入れないんだ。それから、ソフトウエアというものをもっと
確立するということを前提として、それで、よしんば、もしこの
小型化というものが進まないという状態になって、現
時点におけると同様に一トンの
衛星というものでなければ採算が合わないんだという場合には、自分の力でそこまでのし上げていけるというソフトウェアの
確立というものが前提でなければ、単発的な
技術波及効果のねらいの少ないような
技術の
導入というのはやるべきでないというような意見すら私は持っておるわけなんです。
大臣、もう御退席になるようでありますので、ちょっと残念ですけれども、ひとつ簡単な
質問をいたしますけれども、これは安全工学上からもちょっと問題があるんじゃないかという気がするのです。液体燃料になりますと、ヒドラジンによるところの海洋の汚染というものが相当ありますね。この対策も一体
考えておるのかどうか、これが第一点。
それから非常な危険性があります。固形
ロケットでありますと、危険性が少ないのだけれども、日本の場合には、これは液体燃料でやった場合には、一体
実験場があるのだろうか。砂漠のまん中でやる
アメリカとちょっと事情が違うわけですね。そうなると、はたして日本にその適地があるのだろうかという疑問すら私はないわけではないわけです。そういう問題は一体解決しているのだろうか。それから、種子島でやろうと思っても、これはできません。あそこはまだ部落がありますから、危険性のことを
考えると、この
実験場を見つけるということがまず非常な困難な問題になってくる。それから、最近の趨勢としては、液体酸素と液体水素というのが常識になっているわけでありますけれども、この
ソー・デルタに関する限りは、これは硫酸ケロシンですね。これは力が弱いということになっていますね。これで一体いいんだろうかという疑問も残るのです。そういうふうないろいろな問題が残るので、どうもすなおに
ソー・デルタというものを入れて、何か
技術の波及効果をねらい、利用もできるんだというふうなドラスチックな
変更をやって、これでもって変えなくてもいいんだというような当局の
説明だけで、われわれはとてもちょっと安心ができないような感じがするし、かてて加えて、安全工学上の問題というものは一体どうなっているのだろうか。液体燃料も、これは液体酸素、水素ではなくて、硫酸ケロシンというようなもので一体いいんだろうかというような問題も残るわけなんです。その点、たいへん時間がなくて恐縮なんですけれども、大ざっぱにひとつ納得のいくような
説明というわけにはちょっといかぬと思うのでございますけれども、御
説明を願いたいと思うのです。