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堂森委員
大臣、何か私、あげ足をとるわけじゃないのですが、もっとほんとうは私は、こういう点、こういう点が
日本の
科学技術推進のじゃまになっておった、それをやはりもっと、何か失礼な言い方ですが、そういう点は
大臣、はっきり認識していただきたい、こう思うのです。
一つは、先刻もいろいろ
質疑してまいりましたが、
わが国の
技術革新のあり方の、金がうんと少なかったということ、しかも、国の金の入れ方が少なくて、
民間の企業の、いわば
民間企業ですから、第一は金もうけですから、金もうけを主としたやり方にたよってきた、こういうことも私は
一つの大きな点であった、こう思うのであります。たとえば、今日ヨーロッパでは、西ドイツがわりあい
日本と第二次大戦後の
科学技術関係の姿ではよく似ておったのじゃないでしょうか、しかし、イギリスとか
フランスあたりは、やはり
民間と
政府との混合型といいますか、一緒になって、そうして国がうんと大きな金をつぎ込んで、
基礎的な
研究にはどんどんと金をつぎ込むということを惜しまずに、
民間にそういうことをやらしてきた。そうしてまた、
民間会社は、
わが国においてはわりあい、何か閉鎖的な態度で、お互いに隠し合うというか、当然これはあたりまえのような
関係かもしれませんが、わりあい
欧米諸国よりはその点が非常に閉鎖的で、偏狭な姿できた。いわばお互いに情報を交換し合うという点がなかった。これはやはり私は、
政府の責任もあるんじゃないかと思うのです。そういう点が
一つ。
それから、先般も
科学技術庁の
関係の方から予算の説明やらいろいろお聞きをしたときに申し上げたのですが、
わが国における
政府の
研究費の補助金とかいろいろなもののあり方を見ておりますと、私、若いときに、医者なものですから、
研究室におって経験があるのですが、
研究の補助金をもらうのですね。もらうときは、非常にやかましいのです、何に使うのだと言って。しかし、もらってしまうと、もう使ったあと形式的な会計監査はありますけれ
ども、どういう結果が出たか、データがどうなったかというのは、ほとんどそれはもうなされずに終わっている。私はそういう
意味で、やはり予算の使い方についての
政府の
考え方も再検討する必要があるのじゃないだろうかということも考えます。
それからまた
わが国の
科学技術研究のそういう体制が縦割り制度であるということですね。それはいやというほど
科学技術庁が知っておられると思うのです。運輸省の分だ、通産省の分だというようなことで縦に割れていって縦割りの
研究組織あるいはそういうものがとられておりまして、横の連絡がない。たとえば
科学技術庁長官が、
科学技術開発会議ですか、そういうものがうまく適確に、そうした
科学技術の
推進のためのせっかくのたくさんの予算というものが有効に使われているというようなことになり得ないような行政上のいろいろな問題があるということも
一つの問題ではないでしょうか。
それからまた、いつも年末になると
経済の見通しというようなことで
経済企画庁が発表しますね。ぼくはあれと同じような
意味で
科学技術庁が
日本の
経済というものの今後のあり方というようなものと、
科学技術が中心の柱にならなければ
わが国の
経済、産業の構造が
世界の競争に勝っていけないのだというような
意味での重要さというものをもっと柱として
科学技術というものをとんと表面に出していくような何か
経済のワクの中に大きく柱として持ち込む——ちょっと表現むずかしいのですが、そういう姿に
科学技術というものを持っていくような態度を
政府がとるということも私はたいへん重要なことじゃないか思うのであります。
いろいろなことがありますが、
民間と
政府の混合型にもっと持っていくような積極的な態度、それから金が少ないことは申し上げるまでもないのでありますが、
政府の金による
基礎的な
研究、そういうものを、やはり
科学技術基本法というものがあって、これを有効に指導していくといいますかそういう体制も必要でありまして、
科学技術基本法にはまたいろいろ問題あるわけですけれ
ども、そういうことが私は必要なことではないでしょうか、こう思うのであります。
大臣が何かこう逃げるようにばかり答弁されるので、私は具体的に言ったのですが、御答弁願いたい。