○山中国務大臣 ただいま第二次復帰対策要綱について
説明を求められておるということでありますが、私のほうは突然
説明をするようにということでございましたので、
説明的な文書を一切持っておりませんので、お手元にございますでしょうか、この
沖繩復帰対策要綱(第二次分)、それに基づいて私のほうで注釈を加えつつ御
説明申し上げるという形をとりたいと思います。
まず初めに、
沖繩県及び市町村の行政組織問題でありますが、これについては、知事並びにそれぞれの
沖繩県の議会の議員についての
規定でありまして、現在の主席を復帰の時点において知事とみなす、現在の
立法院の議員を復帰の際において県議会の議員とみなすという要望に沿ったとおりのものでございます。
市町村については、これまた地方自治法の
規定時よる市町村とし、議会の議員等も同様にするわけでありますが、これは奄美大島その他の先例どおりでございまして、別段のみなす
規定その他は要らないわけでございます。ただし、ウにおいては、
沖繩の市町村の合併促進法では補助金が出る
制度がございますが、本土においてはそのような
制度がございませんので、そこらの
沖繩のいいところも本土の町村合併促進法にプラスしたいということで、従前の
特例の
趣旨を尊重して所要の
措置を講ずるという
意味をもって表現しておるわけでございます。
琉球
政府関係機関について、琉球電信電話公社の業務は、復帰と同時に引き継ぐ場合に、それぞれ
日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社が行なう。勤務している者はそれをそのまま職員として引き継ぎ、受け入れを行なう。表現は、電信電話公社と国際電電との性格が違いますから、「引き継ぎ」、「受け入れ」という表現になります。
土地住宅公社については、現在の琉球土地住宅公社というものを現在の本土の地方住宅供給公社法というものに基づく地方住宅供給公社というものでおやりくださればけっこうやっていけますということを言っているわけであります。
下水道公社、これは本土のほうも昨年から流域下水道という町村の境界を越えた新しい下水道が位置づけられましたので、幸い
沖繩では
現状がそれに相似ておりますので、復帰後、新しい概念の流域下水道として
沖繩県の下水道とするということになるわけでございます。
沖繩放送協会の場合は、少し前置きがございまして「復帰により
沖繩の
放送法が失効するのに伴い、」ということで、あとは
日本放送協会がこれを引き継ぐということになっておりますが、この「
放送法が失効するのに伴い、」ということばをわざわざ入れましたのは、NHKがこれは独立した純然たる報道機関でございますから、電電公社みたいに義務的に引き継ぐ性格のものとして
規定するのは少し異質でございますので、そこで
沖繩の現在のOHKの存在根拠法、もちろん公共
放送でNHKと同じ性格を持つものとしても、根拠法の
沖繩の
放送法が失効するから、NHKが引き取りますという表現を入れることにより、NHKの自主性、独立性を尊重した表現にしておるわけでございます。
観光開発事業団については、問題はないと思います。
それから、新全総、新経済社会発展計画の改定の場合の特徴は、普通でありますと、
沖繩を今日までの概念では九州ブロックとしてとらえておったのでありますが、再々私が申し上げておりますように、
沖繩を新しい
一つのブロックとして、その本土列島にもたらす付加価値というものを評価したい。そのために、後段において「
わが国の最南端に位置する亜熱帯地域の
特性を生かし、産業の開発、環境
条件の整備保全および交通通信体系の確立を図ることにより、」云々という、
沖繩に対して新しい国土の付加価値としての
立場から、新しいブロックとしての扱いをする、一ブロックとしての扱いをするという表現をいたしておるつもりでございます。
次の四の、
沖繩振興開発公庫でございますが、これは詰めるまでに相当な議論がございましたし、本土
政府の中においても議論がございました。しかし、最終的に合意いたしました内容は、ここに述べられておるとおりでございまして、開発銀行以下政策金融機関を全部一元的に総合的運用をはかるために
沖繩振興開発公庫を置きたい。その
沖繩振興開発公庫の中には、さらに現地琉球
政府で現在持っておられる各種の大衆金融公庫から住宅建設資金融通特別会計あるいは運搬船建造等、本土にないそういう特別会計の行なっておる業務等をも引き継いで行ないますということを書いてございますが、アイウエオのエのところで、この「公庫の貸付
条件は、
沖繩の産業・経済の実情を勘案し「適切なものとする、」これは主としてアイのイのところの、本土における政策金融機関の恒例設定いたしておりまする金利あるいは償還期限その他の
条件について
沖繩には
特例を設けよう、そういう
意味で書いてあるわけでございます。もちろん
特例はなるべく低金利、そしてなるべく長期という
意味のことを
前提にしてのことでございます。
「教育・文化」の学校
制度は別段問題はございませんが、それぞれ本土の学校教育法による学校あるいはまた各種学校というふうになるということでございます。さらに卒業生のことも書いてございます。
私立大学は少し問題がございますが、「
沖繩の私立大学(短期大学を含む。)については、復帰までの間に、本土の大学の水準に達することができるよう統合その他の必要な整備を図り、復帰の際、本土の学校教育法による大学となるよう
措置するものとする。復帰までの間に所要の整備が行なわれていない大学については、復帰時の在学生につき、その者が卒業するまでの間に限り、本土の法令による大学とみなす経過
措置を講ずることとする。」このところの
意味は、現在
沖繩に二つの、琉球大学並びに国際大学、それぞれ短期大学等を持っておるわけでございますが、そのいずれも水準が低うございますし、大学の基準に達しておりません。したがって、私立大学であっても、その基準に達するために復帰前に整備等の
措置をとって努力をしてほしい、その努力の結果というものが出た場合において、なおかつ本土に復帰した場合に本土の私立大学に劣っていても、それは問うところではないという
意味があるわけでございます。しかしながら、合併の手段も何もしない、統合もしないでそのままそれぞれ復帰の時点を迎える場合については、その当時に入学した学生の卒業までは大学の卒業生とみなすが、新しい新入生を募集することは、大学としては、学校教育法による大学として認めないので、実際上行なえないということを
意味しております。これは相当ドラスティックな言い方をしておるわけでありますが、この
前提には、琉球
政府並びに
立法院等の合意によって、
沖繩の大学
制度審議会が合併を勧告いたしております。これに対して一校は受諾し、一校は拒否いたしております。でありますので、
沖繩県の一応の公的な機関の方針というものを踏まえて打ち出しておるわけでございますので、私立大学の経営者の同意を得ておるものではない。むしろ私立大学経営者は、これに対して非常な反発を持つ学校があり得るであろうことを予測いたしておりますが、どうしても琉球
政府のそういう方針に従ってほしいと私
どもも思いますし、これはやはり学校経営者のことではなくて、生徒たちの問題である、教育本来のことを大学経営者も自覚してほしいということを強くここで申し上げておるつもりでございます。ここのところが少し強烈な感じを与えるところでございます。
教職員の特別研修、これは内地並み、本土と一緒になるわけですけれ
ども、なお教職員のレベルアップのための
制度として、資質向上の
制度として残します。
宗教法人等についても大体問題はございません。本土並みにみなすわけでございます。
社寺等の所有しておる国有財産は、本土と同じように、譲与または減額譲渡という処置でできるものと思います。
学校安全会もほぼ本土並びになれる。
琉球育英会については、すでに一次において現在の国費留学生などについての
措置を定めて、暫定
措置をきめておりますので、今度は育英会自体というものを民法法人ということで存続させる。
なお、
日本育英会の
沖繩支部というものを別途置く。これは本土留学以外の分野について仕事があるわけでございます。それも必要であろうということでございます。これは並立して、競合するものではございません。
私立学校振興会、これも大体民法法人として整備し、存続する。
厚生・労働
関係に入りまして、福祉
事務所、これは原則として本土並みということでありますけれ
ども、必置しなければならない市でできないことがあります場合は、逐次これを設置していってよろしい、その間において、そのかわり
沖繩県のほうで肩がわりしてその仕事をやつでほしいということでございます。
「結核および精神病に係る公費負担」のところで、一応現在の本土で行なわれておる公費負担よりも
沖繩側において行なわれておる公費負担のほうが手厚うございますので、その従前の例に準じて公費負担ということを原則にいたしております。
ここのところで、まだきめておりませんが、
沖繩県が復帰いたしますと、現在の琉球大学に医学部が復帰の時点ではまだございませんし、保健学部の付属病院が、国立大学として琉球大学が移管されて、その付属病院になったとしても、県民全体のための国立病院というものが
沖繩県はない県になる可能性があります。もちろん琉球
政府も
沖繩に国立病院をつくってほしい、あるいは現在南援のほうでやっております精和病院を国立にしてほしい等のいろいろの意見がございますが、
沖繩における結核と精神病の本土に比べての異常な高い比率、あるいはまた推定の患者数に比べて収容ベッド数が十分の一にも満たないという
現状等から
考えまして、現在の琉球
政府立の精神病あるいは結核の病院の運営等どう相談をいたすかはこれからの問題でありますが、できれば厚生省その他の
関係省の了解を得て、
沖繩に主として精神病、結核を中心とした国立病院をつくる必要があるのではないかということを
考えておりますが、まだ合意に達しておりませんので、ここからは落ちておるわけでございます。
医療機関のところは、本土の十九人までとなっておりますものを、
沖繩では二十九人までとなっておりますので、これらの
制度は、当分
沖繩において患者収容時間の制限その他の基準になります病院、診療所の区分について、これを二十九人までの
現状を認めましょう、したがって、収容時間等もそれに従いますということにしてあるわけでございます
労災も大体本土の
条件になれるわけでありますが、その際において、復帰前に生じた業務上の事故にかかる復帰後に支給すべき諸補償給付等は、原則として本土の労働者災害補償保険法によって行なうということでリスクを補完してございます。
失業保険についても、同じような
考え方で引き継ぐことにいたしております。
外国人季節労働者は、パイン及び甘蔗の収穫時期における季節労務者としてほとんど台湾から参っております
外国人の労働者、これをシャットアウトいたしますと、それぞれの離島のキビ作というものは立ち行かなくなる状況にございます。そこで、やはり本来ならば、これは労働省その他異論のあったところでありますが、労働、外務、法務等の協力を得て、
沖繩においては基幹産業たるパインアップル、甘蔗の地位にかんがみ、そして現在恒久的にその台湾労務者の受け入れによってのみささえられている人手の
現状から見て、これは一定
期間は
特例として残したほうがいいということにしました。この一定
期間もいつまでかということはすべての問題と関連いたしますが、合理化、近代化、
機械化が進み、あるいはまた人手等が充足されるようなことがあれば、逐次、これは原則としては好ましくないことでありますから、少なくし、あるいはやめていかなければならないと思いますが、なかなかそのような
条件をいまのところ展望できないという
状態でございます。
次に「産業・経済」では、長年議論してまいりました含みつ糖対策について、結局、いろいろの議論もありましたけれ
ども、さしあたり何とか対策をはっきりしておかなければ不安がいつまでも続くということでございますので、現在の琉球
政府の講じてまいりました対策が実質的に継続できるように当分の聞いたします。すなわち、復帰と同時に本土の糖価安定法の
適用範囲に入ってまいります分みつ糖と一緒にはできない。しかしながらら、現在
沖繩において
政府が原料価格を公示し、それによって企業側に補助金を出しておるその
制度というものを、
沖繩についてのみ継続をいたしましょう、そういう
意味でございます。
農協、水産業協同組合は、これは本土の農協、水産業協同組合とみなすというものでありますが、ここで農林漁業の職員の共済に関しまして、これは他の公務員共済等の議論がまだ詰まっておりません。すなわち掛け金を掛けた
期間とそれから給付をいたしまする金額との問題で、琉球
政府の職員として勤務した
期間と、権利の発生の
前提となる掛け金を納めた
期間というもの等が、ちょっといまのままでは解決を見そうにありませんので、農協、漁協のほうはわりとむずかしくないのでありますけれ
ども、他の問題との関連において、これはここで触れてございませんが、三次においては明らかにするつもりでございます。
国有林野については、明治四十二年勅令第三二号に基づいて
沖繩県に貸し付けた貸し付け
期間がまだ残っておりますから、残りの
期間は従前と同じ
条件でそのまま県に貸し付けておくことにするというものであります。
それから
沖繩の森林法に基づいて貸し付けられている国有林、これは原則としては一定
期間従前と同一の
条件で貸し付けを継続することといたしますが、西表島等においては、開拓地に戦争末期ごろ
沖繩本島から半強制的に移住入植を命ぜられた
人たちが現在定着をしておられます。これらの人々は、自分たちの耕しておる土地から収穫はし得ても、その土地というものは自分のものでありませんから、その土地を担保にした
制度資金なり金融なりという道がないという
意味で、ある
意味では励みもなく、現実につらい
立場にあるという実情でございますので、特別に、ここに「従前の
経緯にかんがみ、国有林野事業に著しく支障を生じない限り、」とは書いてありますが、これは支障を生じるとは思いませんので、これを譲渡するということにいたしてあるわけでございます。西表でございますから、そう農家の方々が払えないような金額のものになろうとは
考えておりません。現地においてもこれは非常に歓迎しておられるようであります。
なお、部分林契約は、自然保護、森林経営のあり方、こういうものを
考えながら部分林契約もそのまま承継をいたします。
次は漁業でございますが、復帰後は本土漁業法が現在のまま
沖繩の
実態どおりで
適用を受ける。その他許可漁業その他について隻数等の問題がございますが、これは琉球
政府の公示いたしました隻数というものを認めることによって、両者が合意いたしまして、こういう指定漁業の許認可隻数等の
取り扱いについても、本土との間に意見の一致を見たものを文章にしたわけでございます。
次は、漁船保険についても、復帰後は本土法を
適用いたすということでございます。
自由貿易地域、これも議論のあったところでありますが、結局は、
沖繩において現在の自由貿易地域はあまりにも貧弱であり、やはり将来の展望として、先ほどの新全総の中の一ブロックとして
沖繩を位置づけることにも大きな関連を持ちますが、新しく埋め立てもしくは立地等の計画をして、そうして
日本における自由貿易地域と称するにふさわしい地域を
沖繩に設定をしたい。しかしながら、税の
取り扱いとして一応ここに「関税法上の保税工場として取り扱う。」という表現がいたしてございますが、これがやや誤解を招いておるようで、これは中途はんぱなフリーゾーンである、だから保税工場と同じではないかという御意見もあるようであります。しかし、現在のところ、こういう表現をしておりますけれ
ども、これから自由貿易地域というものを明確にどのようなところまで
日本としては打ち出していくか、それについて琉球側と、どのような場所に自由貿易地域を設け、どのような業種を本土資本あるいは現地資本あるいは外地資本等を受け入れていくことによって
沖繩県民の所得向上、生活水準向上に役立てていくか、それらについては相当思い切った自由貿易地域の概念にふさわしい税制上、金融上の
措置を講じてまいる必要があろうと
考えておるわけでございます。
次は、伝統工芸産業でございますが、
沖繩において紅型、織物、陶器、漆器等、非常に貴重な、いままで継承されてまいりました伝統の工芸品がございます。現在、
沖繩に県立の琉球工業研究指導所というものがございますが、これをひとつ県立機関として、国が大幅に援助することによって、県立の伝統工芸
試験場というような形で、やがてはそこを中心にして伝統的な工芸の振興をはかるとともに、その産業の販路その他についてもあっせんをしていくような
措置を講じたらどうであろうかということでございます。
工業所有権
制度、これは、本土と離れておりましたために、まともに本土法を
適用いたしますと、いろいろと抵触する部分等がございますが、しかしながら、それらは、いままで現地において、たとえば商標権にかかるものについても、そういうものが通用しておって、そして本土のほうで特別に支障がないという
実態を見きわめたしで、これはいままでどおりのものとして復帰後も認めていこう、所有権についても商標についてもそうしようということにしておるわけでございます。
琉銀株式についてでありますが、これは、「復帰前に地元住民に対し処分されるよう
措置する」と書いてありますことは、本土の銀行資本も、本土の個人、商社等の資本も、一切この五一%の放出株について買い出動することを認めない、そして、米国のほうも確認をいたしておりますが、アメリカの金融機関もこれに手を出さないということで、
沖繩県の
人たちによって五一%の琉銀の株式を取得して、名実ともに
沖繩の地方銀行の中軸にしてほしいということでございます。ただ、あとこの株をどれくらいで評価するのかという問題が残っておりますが、これは外交交渉の分野にも入っていくと
考えます。
証券会社は、
沖繩にはたして独立できるかどうかという心配もありましたけれ
ども、一応本土の許可制の前に、経過的に登録制ということでつないでいこうという
措置をとることにいたしました。
それから、運輸・通信で、港湾管理、これは御
承知のように、
沖繩における港湾は、管理者の問題あるいはまた格づけの問題等でいろいろ問題がございますので、それらの問題をここに、港則法の
適用港とし、重要なものについては特定港に指定する。
さらに、港湾の管理運営については、「施設の
効率的利用の
観点から、その強化を図る」云々と書いてありますが、要するに、那覇商港、泊港、那覇新港というものを、できれば一体で管理者が運営をしてもらいたいという要望を私
どもは持っております。しかし、安謝港については、那覇市が苦心惨たんして、いま完成に近づきつつありますし、そこらのところの調整もなかなか困難なようでございます。できれば一本の管理者というものがおってほしいということを念願しておりますが、あるいはできないかもしれません。
空港整備、これも、那覇空港の民間航空路に占める重要性というものを考慮して、米側がいままで整備促進をいたしておりました工事は、本土
政府のほうの責任で完成をさせるということを
意味しております。
なお、空港の引き渡し、あるいはそれが共用か、あるいは自衛隊の管理か、純粋の運輸省管理の空港になるか、県営空港になるか、こういうもの等については、まだこれから対外折衝等の問題として残されておるわけでございますが、空港整備だけは中断することなく引き続き本土
政府がやっていくということを示しておるわけであります。
次には離島空港のことが書いてありますが、これは離島空港の整備促進ということをやるわけでございます。
海運業、これもやや問題がございますが、これはむしろ本土のほうに問題があるわけでございます。
沖繩の現在の運賃同盟は、復帰いたしますと内航貨物船扱いになりますので、本来ならば認められない取りきめになるわけですけれ
ども、これを、やはり
沖繩の
現状から
考えて、運賃同盟は、本土との運賃同盟、さらに先島航路の運賃同盟というものを一応尊重していきませんと、本土の大資本というものが
沖繩の船会社等になぐり込みをかけていくということが、今日のカーフェリーの競争
一つを見ても容易に心配され、予想されるところでありますから、そういう
意味をもって、本土側においてはいろいろ不満がございます。
沖繩が帰ってきたら一緒じゃないか、こちらの船も出たっていいじゃないかという不満もございますが、これは当分がまんしていただきたい、そして、
沖繩の船会社がりっぱに一人立ちできたころに一緒に競争したらいいではないかということできめたわけでございます。もちろん、近代化、大型化等のための必要な
措置も講じよう。
次には離島航路、これは、本土の離島航路補助金というものが、一定の
条件、すなわち、安易な経営をしていないことはもちろんでありますが、
一つの航路に二社が競合して、そのために赤字を出しておるというような
条件ではだめだというような
前提があって、八〇%の補助金が国から出ることになっておりますが、現在では
沖繩の離島航路は、ほとんど全部といっていいほどその
条件に合いませんので、なるべく航路の集約統合を行なった上、離島航路補助
制度の
対象になるように事前に
措置をしてほしい、しかしながら、それができなかった場合については、現在の琉球
政府が援助しております程度の航路補助については、本土の航路補助基準に達しなくとも、その
制度を経過的に受け継いでまいりましょう、そういうことを申し上げておるわけでございます。
辺地、離島バス等、ここらについてはそう問題はございません。
車検
制度、これは現在のままですと、本土に復帰した場合においては、昨年までは民営車検
制度というものがなかったために、一応の現地側の要望としては、われわれは仕事ができなくなるのであるから、したがって補償をしてほしいという要望がございます。しかし、昨年の法
改正によって、本土のほうにおいても民間に検査業務の委託をする
制度ができましたので、現在の
沖繩において車検
制度を行なっておられる民間の業者の方々を指定検査人としてやっていかれるようにしようとするものであります。
なお、「並行して、国営による検査」云々と書いてありますが、これは新車とみなして検査を国がする必要のあるもの、と申しましてもごくわずかな分野で、本土でシャシーをつくりまして、現地で右左交通の違いからバス等のおおいをかぶせて完成車にする、そういう場合に国営検査が形式上必要であるということで、こういうことが付記してあるわけでございます。
公共
放送はすみやかに本土並みにしたい。しかしながら料金については、「サービスの
実態に応じ」というのは、時間送電のところもありますし、夕方に「おはよう」という番組を見させられるところもあるわけでありますから、ここらについては
特例料金を
考えなくてはならないということでございます。
司法・法務
関係で、「民法、商法または有限会社法に基づく法人」、ここらのところは、つまり本土の社団法人、財団法人とみなすとか、それぞれの合資会社、合名会社、株式会社等もみなす。株式等も、大体現在の琉球
政府のものを本土のほうで支障のないようにしようというこまかな
措置でございますので、問題があるところはございません。
その次の登記についても、「
沖繩の法令による不動産登記、法人登記、商業登記その他の登記」ただし「所有者不明土地登記および市町村非細分土地登記を含まない。」これは別途問題がございますので、この場合においては別に法令で定める場合を除いて——これは含まないわけでありますが、本土の法令によった登記とみなすのだということであります。
戸籍についても同じです。供託も同じであります。司法書士会も同じです。
免許資格、自動車整備士等、これも以下全部同じでございます。水先人も同じでございます。公証人、司法書士、また同じくみなすものであります。
海事代願人、これは登録を受けることによって海事代理士となれる、受けるまでの間は従前どおり業をやってもよろしいということでございます。
特級ボイラー技士、これも所定の講習を受ける仁とによって本土の法令による特級ボイラー技士免許を受けた者として取り扱う。
受胎調節実地指導員、これまた同じであります。行政書士も同じであります。
獣医師、製菓衛生師、ここらも小さな問題でありますが、大体本土の義務を行なうことができるような
措置をここに書いてあるわけでございます。
消防設備士も同じでございます。
それから、最後の在沖
外国人の在留
資格、これは最後まで法務省、
外務省等となかなか意見が詰まらなかったところでございますが、ようやくここに書いてありますように、「復帰の際、
沖繩に在留する
外国人に対しては、復帰後一定の期日までに在留
資格取得の申請を行なわせて、出入国管理令に基づく在留
資格を付与するものとする。この在留
資格の付与にあたっては、居住
経歴、家族の状況等を勘案して、できる限り従前認められていたと同様の法的地位を維持できるよう好意的に配慮するものとする。なお、平和
条約の
規定により
日本の
国籍を離脱した者で
昭和二十年九月二日」ミズリー号調印の日、「以前から復帰の日まで引き続き
沖繩に在留するもの(復帰の日までに出生したこれらの者の子を含む。)に対しては、特段の事情がない限り、永住を許可できるようにするものとする。」ここらのところが少し甘いのではないかという意見等もあったのでありますが、
沖繩を甘くしたことによって本土のほうに悪影響をもたらすことはないだろうということで、実情に即した許可をするようにいたしたわけでございます。
以上が第二次分の要綱の概略の口頭
説明でございまして、不足の分は質疑等によって
お答えをいたしますし、なお第二次分で見送ったもので第三次分にいたしたいと
考えておりまするものは
説明を省略し、質疑に
お答えをいたしたいと存じます。
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