○岡部(秀)
政府委員 税制の問題につきまして先ほど御質問がありまして、関係の省からお答えをいたしたのでありますが、実は税制の問題、私は最初単に税の問題と思いまして、そんなにむずかしい問題じゃないというふうな観点で出発をいたしまして、皆さんの御
意見やあるいは実態等を研究してまいりましたときに、なるほど
沖繩の国会
議員の人々がこの問題について非常な熱情と、現場の状況の認識についての強い発言をされておられるということを深く認識をいたしました。それは
沖繩の現在の企業が非常に脆弱な基盤に立っておるということでございます。これは農業生産そのものの基盤の
整備から始めていかなくちゃならぬと思いますけれ
ども、現在の
沖繩の企業というものは、まさに一面においては税関係等によりまして保護を受けておる。極端に言えば、かろうじてそれで企業を進めておる状況であるということを私も深く認識をいたしましたので、企業の保護ということを十分に頭に置くということを第一にしながら、税の問題も
考えていかなくてはならないという認識を持ちました。
ただもう
一つ、税に関しましては消費者の
立場ということもやはり
考える必要があると思います。と言いますのは、そのまま現在の状況でいきますと、消費者が高い品物を税関係の方面から買わざるを得ないという点がある、この点も
考えていかなくてはならないと思います。
それからもう
一つ、これはあまり
沖繩の
政府及び皆さん方から声が出ないのですけれ
ども、税はまたこれ国家の財源であるということも忘れてならないと思います。その点で公平な、よりいい税制をしきながら、その税の財源から国家がまた必要とするところの、
県民が欲するところの諸事業を行なっていくのには、どうしてもこの税という問題に力を入れざるを得ない、こういう点がございます。また、一体化の問題から別々な税制をしくという思考もございますけれ
ども、しかし、この点も総合的に研究しなければならないということで、この問題のむずかしさを非常に感じておりますし、先ほどから
國場先生やまた
西銘先生等から、これに対する真剣な御要望、研究をすべしというお声を存分に拝聴いたしたわけでございますが、そういう企業の面、消費者の面、国家財源の面という点から、私
たちは研究をさらに進めていきまして、その中での最善の案というふうなものを取り上げて、第三次
要綱に一案を出していきたいと思います。その点につきまして、対策庁の長官としては、そういう面、税関係の御専門の各省にひとつぜひその点での
沖繩の
特殊性、税という観点だけでこれを
解決するわけにはいけないという点、そして、その点を経過的に両方見合わせながらやっていくということについて、税関係当局の御理解を特に得たい、対策
庁長官といたしてはそのように思いますし、その
努力をいたしてまいりたいと思います。
そして、
沖繩におきますところの産業につきましては、これはしばしば私のところの大臣から申し上げておりますところのパイン、サトウキビという基幹作物、これをもとにいたしまして、その他亜熱帯におけるところの諸特色、肉牛の問題、牧畜と関連していって、第一次産業の
整備をして、その振興をはかるということをやっていきたいと思うのですけれ
ども、しかし、それにいたしましても、
沖繩の第一次産業の場及び資源というふうなものは相当の限りがあるように思います。その点で、第二次産業として
本土等からの資本の導入、企業の導入ということを、やはりこれは真剣に
考えていかなくちゃならぬと思います。その点で水力発電という基盤の問題につきまして、
産業基盤の問題、それから、その産業を導入した場合のその保護、助長政策というふうなものをやっていきまして、その結果いんしんを来たすところの第三次産業というものに手を伸ばしていくし、その結果も出てくる、そういうふうなことになるのじゃなかろうかと思います。私も専門でございませんので、その点は存分の知識はございませんけれ
ども、これは今後対策庁といたしましても、
沖繩県とともに、また関係の各諸官庁とともに力を合わせまして、
沖繩の産業
開発に進んでいきたいと思います。