○
参考人(
永澤邦男君) 財団のことについて御
質問がありましたのでお答えいたします。私、初めてこういう席に呼び出されましてお答えをする
機会を持ちましたのですが、学生との団交は多少やっておりますが、こういういかめしい席に初めて出まして、お答えが十分いくかどうかわかりませんが、お許し願いたいと思います。
ただいま財団のお話がございましたが、私学が長年の
要望でありました人件費を含んだ
私立大学等に対する経常費の助成が本年度から実現いたしまして、そしてこの配分の衝に当たるのが
一つの
仕事でございますが、
日本私学振興財団というものがつくられましたことにつきましては、文部大臣はじめ文部当局の方々、並びに
国会の文教
委員長はじめ
委員の方々に対して、心からお礼を申し上げる次第でございます。私は財団の一員としてだけではなしに、私学の
関係者の一人として
皆さんの御理解と御協力に対しまして心からお礼を申し上げます。
私、はしなくも初代の理事長の大役を仰せつかったのでありますが、私は全くの民間人であります。私が財団の運営の心がまえを申し上げることは、今後の財団の業務のしかた等についても御理解をいただけると思いますので、あえて時間を拝借いただきたいと思いますが、私は財団の運営に当たりましては、私学人の心を心として、財団を私学のサービス機関として、また私学経営の相談所としてやっていきたい、そういう心がまえで運営にあたり、今後もそうやってまいりたいということをまずもって申し上げておきたいと存じます。
そこで、財団の発足以来の概況でございますが、これを申し上げますと、たいへん時間をいただくことになりますが、簡単に申し上げますと、七月一日に発足いたしまして、今日まで約半年近くになるわけでございますが、非常に順調に業務を進めておるということが申し上げられると存じます。財団の運営につきましては、常勤の役員会を定例といたしまして週二回ずつやっております。そのほかに臨時はそのつどやっておりますが、週二回の定例の役員会、それから理事会、運営審議会は毎月一回開催して、重要な問題につきましては理事会、運営審議会にはかって決定するという民主的な運営をいたしております。
それから組織につきましては、四部十課制をとっております。それぞれの部を担当するために四人の常勤理事が置かれております。現在、発足以来職員の採用もいたしまして、いまコンサルタント一名を残して、ほぼ定員を充足しておる
状態にこぎつけたわけであります。
財団の発足に伴いまして、いろいろな規程をつくる必要がございますが、現在、組織につきましてはすでに案ができ上がりまして、現在
文部省のほうに提出中でございます。それから役職員の
給与関係の規程、文書処理規程等は、すでに制定済みであります。——失礼いたしました。訂正いたしますが、組織規程はすでにでき上がっております。業務方法書につきましては、すでに案ができて、ただいま
文部省のほうに提出中であると訂正させていただきます。
それから財団の
仕事でございますが、これは御
承知かと存じますが、従来、二十七年以来ありました
私立学校振興会を吸収して、発展的に解消することによって財団ができたわけでございますので、この振興会から継承いたしました貸し付けの業務は、財団の
一つの
仕事になっておりますが、さらに、御
承知のように今度の財団法によりまして、ただいま
安永委員から御指摘のありましたとおり、
私立大学等に対する経常費の助成業務が今度新たに加えられたわけであります。そのほかに、寄付の募集、管理、配分といったような
仕事もございます。それからもう
一つは、新たに加えられました
仕事で今後財団の
一つの大きな特色として
考えていかなければならないのは、
調査、相談の
仕事でございます。私は、今後財団のあり方として、この
仕事を十分に力を入れて発展させることによって、財団が私学と密着して
仕事が公正に、かつ効率的にやっていけるようになるのじゃないかと、非常に重く
考えている次第でございます。
この業務の
内容につきましてはまた時間の
関係もありますので、この辺で省略させていただきますが、そこで、御指摘の
補助金の問題でございますが、概略を申し上げますと、ただいま申し上げましたとおり、この
仕事は財団に課せられた新しい
仕事でございまして、この交付は
文部省でおやりになるわけでありますので、交付要領、それから交付要綱というものが
文部省から財団のほうに渡されるわけでありまして、私
どもは、この
文部省から交付されました
補助金の配付に当たるわけであります。したがって、その配付につきましては、いかなる基準によって配付するのが目的に沿うかというような
立場から、配付の基準というものをつくらなければなりません。ただ、この配付基準というものは、私
どもにとりましてはまた初めての
仕事でありますので、ずいぶん慎重に扱っているわけでございますが、しかし一方に、ただいま
安永委員の御指摘のとおり、この今回の
補助金はできるだけ早くもらいたいというのが私学全般の熱望であります。私も私学人として、ぜひ年内にこれを私学の手に、困っている私学の手に届けたいということを
考えまして、職員諸君にはまことにお気の毒でありましたが、年内配付ということを至上
命令としてやれということで、実は財団の職員諸君は日夜、夜もおそくまで、休日も返上して、この
仕事に当たってまいったわけであります。しかしながら、この配分基準というものは新しいものでありますので、どなたでもやはり一応納得のいくような形のものにしなければならない。そうして、それを通してやはり
補助金の効果を十分上げるようなくふうが必要であるというので、これらの原案の作成についてはずいぶんと苦労をいたして今日まで至っております。で、大体骨子はほぼ固まりまして、もちろんその間、文部当局とも十分な協議を進めてまいってきておりますが、骨子はほぼ固まってまいりましたので、九月、十月、十一月の運営審議会にもこれをおはかりして十分に
意見を聞いてまいった次第であります。
それから、その間この立案に要する基礎資料の収集、確定というような
仕事にも全力を注ぎ、幸いにこのたびできました
調査相談部の機能を利用いたしましてこれに当たってまいったわけでありますが、九月には各
大学の方々にお集まりをいただきまして、全国の二カ所で八日間にわたりまして、三つの
会議を開きまして、
個々の
大学から実情を直接聴取するということも行なったわけであります。十一月の末から十二月にかけまして、
補助金事務の取り扱いにつきましての説明会を東京で開催いたしました。
それから、まあ御
承知と存じますが、去る十二月三日にこの一部の交付の内示をいたしたわけでございますが、とにかくもう年内余日もございませんので、大体ことしの末までに何とかこれをお届けいたしたいということですが、御
承知のようにただいま郵便事情も非常に悪化しておりますので、財団としては全国を八ブロックに分けまして、財団から職員を各地区に派遣いたしまして、この申請書を受け取り、それと申請書を受理し、それと同時に決定額をお渡しするというようなサービスもいたしておる次第でありまして、まあ決して一部から申されるような第二の
文部省的な存在でないということは、われわれのサービス精神を通しても御理解いただけるかと存じます。