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鈴木力君 それはまあそうだ、そうでないと言ってもしようがありませんが、私はもう一ぺん調べていただきたいと思います。月給であるといっても必ずしも正規の職員になっていない者が相当おりますからね。いま私
どもがたとえば東北なんかの
学校に行きますと、正規の職員にしてほしいという要求があちらにもこちらにも出ている。いま
局長のおっしゃったような人数だったら、これほどの大きな要求にはならないだろうと思うのですね。正規か臨時かというようなこともあればあるいは日給制というようなものもある。それから同じ月給制でも安い月給ですと勤務時間というものは非常に短くしておる。そういうこともある。そういう点についても配慮しなければ、こまかいみたいなことでありますが、私はこの
給食を
ほんとうに軌道に乗せていくためにはここが
ポイントだと思うのです。
局長はさっき
食堂ということを言われましたが、非常にいい発想だと思います。しかしこれはいままでの
文部省の仕事の進め方からすると、われわれが生きているうちにはおそらく全校にはいかないだろう。だから何分の一か
食堂ができればそれでおしまいになるだろうと思うのですけれ
ども、それも大事なことなんですが、いまやっておる全体をよくするということに本気にならなければいけないと思うのです。
食堂の発想のところにも、さっき
局長のおっしゃった、非常にいいことだと思うのですよ。
先生の
盛りつけやなんかをやる時間が二十分と言いますが、
調理室からそれぞれの
教室に運ぶ時間というものが、これは
従事員ではとても運び切れないのですよ、いまのところ。そうすると
生徒が行って運んでくる。低学年は
先生が運んでいるわけです。そういうことを計算に入れないで標準は正しいとおっしゃっても、財政のほうはどうですとおっしゃるから、だから数字が仕事をすると、こう言いたくなるわけです。せっかくこの二十分の時間をどうしようと
考えついたら、ついでにこの
従事員の標準を変えてみようということにどうして気がつかないのか私にはよくわからないのでありますが、これはお伺いしても的確な御答弁がいただけないかもしれません。この辺から私はこの標準という問題も
ほんとうに
給食をよくやっていくためには検討していくべき、そうこまかい問題じゃないような気がいたしますので申し上げたのです。
それからもう
一つ、ついでですから人件費について言いますと、集金ですよ。この
給食代の集金というのが、まあいまこの審議会の答申を見ましても集金をよくやれと、こう書いてある。よくやれと書いてあるのは間違えなくやれということで、だれか途中で小銭をポケットに入れたりそういうことをしないように銀行か何かを使ってとじょうずに書いてある。まことに役所的にりっぱなものだと思いますけれ
ども、このために関係者がどんな
苦労をしておるかということに対する配慮が私は足りないと思うのです。東京あたりでも多くの
学校では父母の代表が月に一ぺん集金日には
学校へ行ってそうして
先生たちが
教室で集めてきたものを、それを整理して銀行まで持っていくという、ただで働いている人たちが相当いるように私は思う。これは東京だけじゃなくていなかではなおさらそうです。いなかにいって今度はそういう
学校に手伝いできないような環境のところでは
先生がそれをやっている。だから集金日というのは非常に
先生にとっては憂うつな日にもなっているだろうと思うのですね。それは
事務職員の配置との関係もありますけれ
ども、こういう問題のところをどこかわきに置いといて、そうして三百から五百までは三人の
基準としたのに二・八か二・九になっているからほぼ近づいていると言って満足されておったのでは、
給食は
現状では打開できないと思う。この辺については真剣になって再検討をしていただきたい、私はこれは御要望を申し上げておきたいと思います。
それで、時間もありませんから、そろそろ締めくくりたいのでありますが、私は、
一つはせっかくここまで
給食というものを持ってきて、しかもさっき言いましたように、だらだら申し上げれば幾らもあるのですが、非常に問題が多い。共同
調理といいましても、これについてそれをどうこう言うつもりはありませんけれ
ども、たとえば東京の練馬なり武蔵野市なり、あの
給食センターそのものにもまたいろいろ問題が新しく出てきている。私の郷里のような雪国では、しかもこれの保温の完備していないようなところでは車で回しますとまた冷えた
食事を毎日食べるというようなことにもなる。食
生活の
改善を一方言っていながら、食
生活の
改善とは最も
条件の悪い
食事でがまんせよという
教育であったら、これはたいへんなことになるわけです。そういう点を配慮しなければと、こう思うのです。そこで私は基本的に言いますと、
局長のおっしゃる
市町村のやるべきこと、特にこれは
給食に対する基本的な理解が高まっていかなければと、こういうことをおっしゃったのです。私もそう思うのです。
そこでこの
あとは大臣にお伺いしたいのでありますが、最もそれをやっていくためには国の姿勢だと私は思うのです。それはいままでのような惰性の
給食に乗って、そしてどこでやっているのか知りませんけれ
ども、新聞を見ますと小麦粉の一円の
補助金を削るとか削らないとかいうことが大騒ぎ、こんなしみったれたことを
政府がやっておるようでは、町村も父母も
給食に情熱は持たぬのです。私はむしろそういうことではなしに、いま九八%というから全国のほとんどの学童が
給食をしている、もう一馬力をかけると全員でしょう。日本の全体の
小学校と
中学校の
生徒が、高等
学校も幼稚園もありますけれ
ども、一日のうちの三分の一の食
生活をここでやっている。国がいま政策で体力づくりとかいろいろなことに健康のことを非常に大きく言っているでしょう。そうなってきたらいままでのような惰性で
給食の
手当をしておるような
補助金をあちこちということじゃなしに、日本の
子供の三分の一の
食事は国でもってやる、そういうような抜本的な姿勢を打ち出せないものかどうかということなんです。いわば負担区分にいたしましても、私はどうも父母や
先生たちから金を取るというのも、どうもちょっと私はふに落ちない点も
ほんとうはあるのです。たとえば
先生たちが同じ献立で
一緒に食べるところに
教育の意義があるとおっしゃるでしょう。それなら
食事というものは教材でしょう。教材費を
先生から金を取るというのはどういうことなんですか。
局長の見解をまず伺っておきましょうか。